平成25年9月25日のニューヨーク証券取引所。安倍晋三首相は集まった約300人の投資家らを前に「バイ・マイ・アベノミクス(私の経済政策は買いだ)!」と強い自信を示した。 物価が持続的に下落し経済が縮小するデフレ不況の脱却と、輸出を減退させる歴史的円高の是正を打ち出した第2次安倍政権。24年12月26日の政権発足前から市場は好転し、翌25年の日経平均株価上昇率は57%と41年ぶりの株高に沸いた。 アベノミクス相場が事実上始まったのは民主党政権の野田佳彦首相(当時)が衆院解散を表明した24年11月14日からだ。歴代最長となる7年8カ月の長期政権を経て、安倍首相が辞意を表明した令和2年8月28日までに日経平均は2・6倍(8664円から2万2882円)に上昇、為替相場は33%(1ドル=80円から106円)も円安に動いた。 仕事を探す人1人に対し求人が幾つあるかを示す有効求人倍率も、1倍を大きく上回