フランスのパリに本社をおく自動車会社・ルノーは、設立から100年を超えるヨーロッパ最大の自動車会社だ。第二次世界大戦終結後に国営化、1996年に再び民営になった巨大企業は、1999年から日産自動車と資本提携している。その日産とルノーをめぐる不穏な動きについて、経営コンサルタントの大前研一氏が解説する。 * * * 日産自動車をめぐって、不穏な動きがある。日産・ルノー連合は2016年に三菱自動車を傘下に加え、2017年上半期には世界販売台数でVW(フォルクスワーゲン)を抜いて世界トップになった。2017年通期でも世界販売台数は前年の996万1347台から1060万8366台に増え、ライバルのトヨタ自動車を抜いて世界第4位から第2位に躍進した。 ところが、ここに来て日産とルノーの会長を兼務するカルロス・ゴーン氏がフランス政府寄りに傾き始めたような報道が相次いでいる。おそらく今の株式持ち合いから