みなさん、実験してますか〜? 進捗、どうですか〜? 私も昔は生命科学の実験系のラボにいたのですが、結局実験はほぼやらず情報解析(バイオインフォマティクス)にシフトしました。その主な理由としては、 というのがあります。 いや、分かります。現在の生命科学は先人たちのとてつもない努力の上に成り立っている訳で、たいして優秀でもない僕が楽して成果を出せる訳が無い。でも、改めて考えてみてください。 12時間に一回の培養株の植え継ぎのためだけに、休日もラボで過ごす。 使った試薬の発注を忘れて先輩に怒られる。 実験条件を12 * 12 * 2の288通りで振った実験が、一個のミスで水の泡に。 こんなのは生命科学の研究室にとっては日常的な光景ですが、 これ、人間のやる仕事か??? 正直そんな印象も結構持っていました。 そんな「そりゃそうなんだけど、でもしょうがないじゃん」という所にメスを入れるのが、ラボラト
最近,量子コンピュータの話題をニュースや新聞で見かけることが増えてきました. その中で気になってきたのが,組合せ最適化と量子コンピュータ(特に量子アニーリング)に関する怪しい言説.私自身は(古典コンピュータでの)組合せ最適化の研究をやってきて,量子コンピュータを研究しているわけではないのですが,さすがにこれはちょっと・・・と思う言説を何回か見かけてきました. 最近の「量子」に対する過熱ぶりは凄まじいので,こういう怪しい言説が広まるのは困りものです.すでにTwitter上には,“組合せ最適化は今のコンピュータでは解けない”とか“でも量子なら一瞬で解ける”という勘違いをしてしまっている人が多数見られます*1. さすがに危機感を覚えてきたので,この場できちんと指摘しておくことにしました. 今北産業(TL;DR) “古典コンピュータは組合せ最適化を解けない” → 古典コンピュータで組合せ最適化を解
多孔性材料って? 私たちの身の回りには、「多孔性材料」と呼ばれる材料が頻繁に利用されています。これは名前の通り、たくさんの微細な孔(あな)があいた材料のことで、代表的なものには、活性炭やゼオライト*1があります(図1)。例えば、活性炭は冷蔵庫や車の消臭剤としてよく使われていますが、これは活性炭の表面にある微細な孔が、においの元となるガス分子を吸着するからです。その他にも多孔性材料は、石油を精製する際の分離材料や、水の浄化用材料などに広く使われています。 ただし、これらの材料の孔の大きさや性質は、それぞれの材料に特有のもので、応用範囲が限られています。もし、この孔を自在にあやつることができたら、その応用性ははかり知れません。例えば、環境中の汚染物質を取り除いて地球環境を改善したり、あるいは大気中から特定の分子を分離して、資源に変えることだってできるかもしれません。 図1 活性炭は、孔の大きさ
「女性のエンジニア転職は辛いし向いてないって本当?」 エンジニアの多くは男性ですが、最近は女性エンジニアもかなり増加しています。 日本は慢性的なエンジニア不足が続いているので、実は女性でもエンジニアに転職するのは難しくありません。 今回はそんな女性がエンジニアに転職するポイントや、辛い、向いていないと言われる理由などを紹介していきます。 女性エンジニア転職は辛い?向かない? 結論から言うと、女性は未経験からエンジニアへの転職が向いてないということは全然ありません。 今は未経験からエンジニアに転職する女性が増えており、活躍している方も珍しくないからです。 また、女性エンジニアは男性と比べると数が少ないため、多くの企業は女性エンジニアの採用に積極的です。 そのため、全く同じ条件の男性がいた場合、女性というだけで採用されることも珍しくありません。 ただ、以下で紹介するように女性エンジニアの転職は
コンステレーションなど、宇宙利用が進むにつれて問題が深刻化しているスペースデブリ。 各国の宇宙機関でも、本格的に技術検討や対策が議論されてきています。直近の民間企業の動きと合わせて俯瞰的に理解できるようまとめていきます。 Credit : sorabatake 2020年10月16日、軌道上で物体の衝突が10%以上の確率で起こるとの予測があり、衝突した場合、スペースデブリが大量に発生してしまうということで騒ぎになりました。衝突を防止するために軌道上の物体を監視するLeoLabsのシミュレーションにより明らかになったものです。 https://twitter.com/LeoLabs_Space/status/1316147305125490694?s=20 結局、衝突は免れたものの、両物体の合計質量が2,800kg程度と大型だったこともあり、ヒヤッとするニュースでした。 また、2021年11
2019年7月17日、「脳とコンピューターをつなぐ」ことを目的にイーロン・マスクが設立した会社Neuralinkから衝撃的な発表がありました。 あまりに衝撃的な内容だったので以下のようなツイートをしたところ、多くの方から反響をいただきました。 イーロン・マスク率いるNeuralinkにより、Brain Machine Interfaceの発表が行われた。要点は以下。 ・髪の毛より細い電極1024本を脳に埋め込む ・それらの電極で脳波を記録する ・電極で脳を直接刺激することもできる ・これらをiPhoneのアプリ上で操作できる ・来年(!)にヒトでの臨床試験を開始する pic.twitter.com/wVCXxYhZCi — Daichi Konno / 紺野 大地 (@Daichi__Konno) July 17, 2019 このnoteでは、脳科学(神経科学)の現場で研究をしている私の立
コンピュータが生まれてまだ100年経っていません.そのような若い学問の100年後を想像することはとても難しいのが実情です.コンピュータ創成期には大ぐくりには,ハードウェアとソフトウェアという分類であったかと想像されますが,現在の情報処理学会では,約40の専門分野に分かれています.この数は,世界最大のコンピュータに関連する米国の学会ACMもだいたい同じです. 40個の専門領域を60年前に予想することは困難であったと思います.しかも,40の分野それぞれが非常に大切な役割を果たしています.これからも細分化が進むと想定されますが,100年後の新しい研究分野を言い当てる能力を回答者は残念ながら持ち合わせておりません. 病理医はdoctor of doctorsと呼ばれます.すべての診療科を支える共通基盤的な医学分野と捉えられています.同様にRichard Karpは京都賞受賞時にコンピュータサイエン
2016~2020に制作した「流動床インターフェース」の装置(10種類以上)や展示をまとめた以下の動画もご覧ください https://youtu.be/UKTyXc6qeAU ●その他の動画は以下です (この動画の英語版) https://youtu.be/6OXkGwk1lL4 (This URL is in English version.2017/11/09) 静岡市「新文化島」展示 2022.2.26~27 https://youtu.be/z8vGn1Fcp0s 砂面への映像投影 https://youtu.be/ysjUmcFQ5ys プロジェクターで投影される映像と組み合わせることによって、AquaTop Display( https://youtu.be/ivpp_yU4U8g )のように、人間がゲーム画面の中に入って遊んだり美しい映像の中に入り込
エッジがその周囲の明暗や色に広範囲に渡って多大な影響を及ぼす錯視があります。古典的なものではクレイク・オブライエン・コーンスィート錯視と呼ばれるものが有名です。最近では高島翠氏による墨絵効果、また色についてはB. Pinna氏らによる水彩錯視などがあります。 これらの錯視のエッジの形状とは違った新しいタイプのエッジによる明暗の錯視を作りました。なおそれを作るにあたっては、複雑な画像からでも自動的にほぼ瞬時に錯視を起こすエッジを生成する数学的なアルゴリズムを考案し、それに基づくコンピュータ・ソフトも作成しました。この新しいタイプのエッジを使うと、複雑なデザインでも非常に良い錯視効果を出すことが可能です。その実施例の一つが次のものです。
社会や暮らしの課題をITで解決する。菊乃井店主とバーチャルリアリティ研究者が和食とテクノロジーの未来を探るべく語り合った。 美味しさを科学で解明する取り組みを研究者とともに行ってきたミシュラン三ツ星の京都の老舗料亭「菊乃井」店主の村田吉弘氏と、バーチャルリアリテイ(VR)で新しい食体験をつくってきた東京大学講師の鳴海拓志氏が語る、「和食」と「テクノロジー」の未来。前編では、新たな美味しさを生み出す科学の可能性を探ったが、後編では、和食を未来に残し、世界に伝えるためのテクノロジーの可能性をお送りする。 人は脳で食べている。料理だけでなく環境も含めた食体験 ー 美味しさは、どのようにして作られるのでしょうか? 村田吉弘(以下・村田) どんなふうに食べるかで、美味しさは変わってくるんです。少しの量をきれいな食器で、蓋を開けて食べたら美味しいれど、大量に丼で食べると美味しくない、みたいな料理があっ
デイヴィッド・チャールズ・ハーン(英: David Charles Hahn、1976年10月30日 - 2016年9月27日)は、17歳のときに自家製の原子炉をつくろうとしたアメリカ人である。ボーイスカウトアメリカ連盟のメンバーであったことから、「ラジオアクティブ・ボーイスカウト」や「ニュークリア・ボーイスカウト」とも呼ばれた。1994年、ハーンはミシガン州コマース郡区にあった母と暮らす実家の裏庭で、小屋にこもってひそかに実験を行った。ハーンの原子炉内の核物質が臨界量に達することはなかったが、彼の運転する車が別件で地元警察に止められたことをきっかけに実験が発覚した。ハーンは、車内でみつかった実験材料を問いただした警察官に、それが放射性物質だと警告したのである。その10か月後に、ハーンの母親の所有する地所は環境保護庁によってスーパーファンド(有害物質汚染地区)として浄化活動が行われた。 ハ
サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/09/16メディア: Kindle版この商品を含むブログ (15件) を見る 本書は歴史家であるユヴァル・ノア・ハラリが,人類の進化史からバイオ技術の生みだす未来までを視野に入れて描いた,ホモ・サピエンスの歴史書ということになる.原書は欧米でも話題になっているようだ.何しろ構想が壮大だし,ジャレド・ダイアモンドが推薦しているということもあり,私も邦訳を機会に手に取ったものだ*1.原題は「Sapiens: A Brief History of Humankind」. 第1部 認知革命 第1部ではチンパンジーとの共通祖先との分岐から農業革命前までを扱う.これは文字の発明前であり通常の歴史では扱わないところで,生物学的な内容が多い.ハラリにとってもチャレンジングな
日本各地のかっこいい技術・施設を取材する超不定期連載「日本各地のかっこいいスポットを愛でる」。思いっきり久しぶりの今回は核融合炉を取材してきた。 核融合発電は次世代発電技術のひとつであり、現在、基礎研究が進められている。ワードとしては前世紀からSF作品やアニメではおなじみで、MS-06F(ザク)のことが脳裏に浮かんだ人もいるハズ。 核融合炉にはいくつかの方式と種類があり、今回は磁場閉じ込め方式を採用するヘリカル型核融合炉になる。取材先は岐阜県土岐市にある自然科学研究機構 核融合科学研究所(National Institute for Fusion Science)で、核融合炉設計のためにプラズマ制御基礎実験を行なっている施設だ。 まだまだ研究段階の核融合発電 核融合発電は、研究段階の発電技術。いくつかの方法が考案されている状態で、世界各地で実験が行なわれており、核融合を効率よく起こすために
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The Himawari-8 Real-time Web is an application via big-data technologies developed by the NICT Science Cloud project in NICT (National Institute of Information and Communications Technology), Japan. Development is in collaboration with JMA (Japan Meteorological Agency) and CEReS (Center of Environmental Remote Sensing, Chiba University).
イチゴと黒胡椒の組み合わせや、キャビアとホワイトチョコレートの組み合わせなど、レストランで登場する食材の意外な組み合わせ、その方法のひとつに食品にそなわったフレーバーの相性を科学的にマッチングさせる「Foodpairing」があります。ベルギーに本社を構えるFoodpairing.comは膨大な食品の揮発化合物の相性をデータベースにしてインターネットで調べられるようにしています。先のキャビアとホワイトチョコレートは代表的な組み合わせのひとつです。 https://inspire.foodpairing.com/ さて前回のリンゴと紫蘇の組み合わせもこのサービスを活用しています。今回はあらたな組み合わせを探索。果物と野菜のコンビネーションができないか、あれこれ探してみました。結果、長ネギとはちょっと違うのですがLEEKを検索していたら「Good aromatic match」としてイチゴが掲
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