犯罪被害・刑罰・裁判員制度・いじめ・過労死などの問題について、法哲学(主に哲学)の視点から、考えたことを書いて参ります。 4月1日から、75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度が開始され、4月15日(年金支給日)からは年金からの天引きも始まった。それ以来、全国各地において、保険証が届いていない、保険料徴収額が多く算定されている、封筒のデザインが訃報を連想させるといったトラブルが相次いでいる。週刊誌も、「長生きという地獄、絶対許さない!」「史上最悪の国家犯罪」などのタイトルによって、この状況をセンセーショナルに報じている。特に多くの人々の怒りを買ったのは、「後期高齢者」というお役所言葉の響きである。屈辱的な扱いだ、年寄りは早く死ねと言わんばかりではないか、まるで姥捨て山だといった批判が相次いだ。舛添厚生労働大臣は、急いで「長寿医療制度」と通称名を使うよう指示したが、中身を変えずに名前だけ変え