渋谷の夜の図書館 "森の図書室" の問題とは!? 〜著作権法・図書館法の観点から〜
▼魅力あるお店 "森の図書室"
みなさんは"森の図書室"をご存知でしょうか。
渋谷にできたお酒も飲めて本も無料で借りられる、ちょっとオシャレなお店です。
またクラウドファンディングにて話題となりテレビなどのメディアにも取り上げられました。
▼何が問題??
そんな注目の"森の図書室"が今違う視点でも話題を呼んでいます。
それは"著作権法と図書館法の観点からこの事業に法的問題があるのでは??"ということのよう。
とても魅力的な事業である"森の図書室"を応援していた私としては「こんな問題があったのか!!」という驚きと同時に「著作権法・図書館法とはなんぞや??」 という疑問が浮かびました。
というわけで、今いろいろと話が浮上している"森の図書室"と著作権法・図書館法について交わされているお話をまとめてみました。
▼"森の図書室"と著作権法・図書館法
法的に問題あると思われる点としては、
形式的な著作権侵害該当性について
(1)「書籍」は、著作権法の保護対象となる「著作物」
(2)「著作権」は、創作の時点で著作者に帰属。「著作権」は“権利の束”。個別に処分可能。
だから「貸与権」だけを譲渡しても良いし、貸与についての許諾を行っても良い。
(3)本事業では、著作権者との間で「貸与権」に関する契約を何ら行わないまま(と思われる)
書籍の貸与を業として行おうとしている。
⇒少なくとも形式上、著作権侵害に該当する。
※引用元:弁理士『三色眼鏡』の業務日誌〜大海原編〜
のようです。詳しくは引用元を参照お願いします。
このHPの筆者の方はとても丁寧にこの問題について書かれておられました。
また図書館法の観点から見ると、この事業は「図書室」という文言があるものの、図書館法2条一項でいう「図書館」にあたらないようです。
図書館法2条一項
この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。
引用元:図書館法
▼"森の図書室"の本の貸し出しは営利目的ではないのでは??
筆者は法律の専門家ではないのですが、著作権法にて端的に言えば営利目的ではない本の貸し出しはok!という項目(著作権法第38条第4項) がありました。
著作権法第38条第4項
公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。
引用元:著作権法
これを見たとき、"森の図書室"はこの項目に当てはまるのではないかと考えました。
しかしその反論の一つとして・・・
4項の「営利」について異なる解釈を行う合理的理由がない。
本事案において、書籍の貸与が顧客を吸引する主たる要因になっていることは明白であり、例えこれについて直接対価が発生しないとしても、同じ空間における飲食物の提供は営利を目的としていること、会員制として徴収している会費は書籍の調達維持の他運営者の収益となっているものと考えられる点を踏まえれば、「営利を目的とした貸与」にあたる(或いは、徴収している会費は「複製物の貸与を受ける者から」受ける料金に該当する)。
引用元:弁理士『三色眼鏡』の業務日誌〜大海原編〜
という意見がありました。こう言われてみるとそういう気がします。。。
著作権に関する問題は難しいですね。この問題は調べれば調べる程、法に触れているのではないか??という心配がでてきました。
ぜひ"森の図書室"の運営をされている方からのお話が聞きたいところです。
そして安心してお店に足を運びたいですね!
※ こちらの記事は、"森の図書室"を運営する方や支援している方の利益を損なうために書いているのではありません。ある問題が浮上している以上、そのことについて考えることはより魅力ある事業にしていくために重要だと考え書いています。
※参考にさせていただいたHP
・https://www.facebook.com/hirose/posts/10204238671949261
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