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大山(おおやま)|神奈川県・丹沢山塊を代表する山!初心者も楽しめる3つの登山コースを紹介

大山(おおやま)|神奈川県・丹沢山塊を代表する山!初心者も楽しめる3つの登山コースを紹介

神奈川県や周囲の山々からもひときわ目立つピラミッド型の山が大山(おおやま)。丹沢山塊の東に位置し、日本三百名山にも選定されています。

その特徴ある山の頂を目指してみてはいかがでしょう。ルート上に危険箇所は少なく他の丹沢の山々より短時間で登頂可能。登山を始めたばかりの初心者でも楽しめる、大山の多彩な登山コースを紹介します。

周辺の観光名所やケーブルカー、登山口までのアクセス情報などもあわせて紹介するので、大山登山の計画にぜひ役立ててください。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔

大山(おおやま)はこんな山

丹沢・表尾根から見る大山
撮影:鷲尾 太輔(丹沢・表尾根から見る大山)
標高山頂所在地山域
1252m神奈川県丹沢山塊

神奈川県北西部に連なる丹沢山塊の東端に位置し、伊勢原市・秦野市・厚木市にまたがる三角形の姿が美しい山が大山です。山頂から望む富士山や、随所から見下ろすことができる相模湾や関東平野など、眺望にも優れています。

同じく首都圏で人気がある高尾山(599m)と比べると2倍以上となる1252mの標高でありながら、大山も家族連れや初心者から人気の山となっています。

登山初心者でも手軽に楽しめる登山コース&美しい紅葉

大山ケーブルカー
撮影:YAMA HACK編集部(大山ケーブルカー)

大山が初心者でも手軽に楽しむことができる大きな理由が、大山ケーブルカーで阿夫利神社駅(678m地点)までアクセス可能であること。これを利用すれば、歩行時間2時間ほどで山頂へ登頂できます。登山道も道標や休憩場所が整備されているので、チャレンジしやすい山なのです。

大山ケーブルカー
大山ケーブル駅(山麓)~阿夫利神社駅(山上)
・片道大人:640円
・往復大人:1,270円

幻想的な大山の紅葉ライトアップ
出典:PIXTA(幻想的な紅葉のライトアップ)

大山が1年でもっとも多くの登山者で賑わうのは、山麓から中腹が鮮やかに色づく紅葉シーズン(見ごろは11月中旬から下旬)です。特に大山寺の参道となっている石段を覆い尽くす紅葉は圧巻。この時期には幻想的なライトアップも実施されます。

江戸時代から多くの人に登られた信仰の山

大山阿夫利神社下社
撮影:鷲尾 太輔(大山阿夫利神社下社)

大山にケーブルカーが架設された大きな理由が、大山阿夫利神社の存在です。中腹の阿夫利神社駅からすぐの場所には阿夫利神社下社が、山頂には阿夫利神社前社・本社・奥社(奥の院)が鎮座しており、登山だけでなく参拝者も多く訪れます。

山中の寺社への参拝を兼ねて登山する「登拝」は、全国各地の霊山で古くから行われていた日本独自の登山スタイル。大山も例外ではなく、阿夫利神社と大山に登拝する「大山詣(まい)り」は、信仰と同時に旅行という娯楽を楽しむことができる江戸時代の一大ムーブメントでした。

山麓に点在する宿坊
撮影:鷲尾 太輔(山麓に点在する宿坊)

現在も山麓で数多く営業している宿坊は、そんな「大山詣り」の人々を出迎え、主人である御師(おし)が神主兼案内人として大山登拝へ導いた施設。歴史ある宿坊には江戸時代の宿帳も残されています。

源頼朝が武運長久を祈願して自身の太刀を阿夫利神社へ奉納したことにならい、「大山詣り」の人々は木製の太刀を担いで大山へ登拝し阿夫利神社へ奉納、その大きさを競いました。この伝統は~巨大な木太刀(きだち)を担いで「大山詣り」~として、2016年に日本遺産に認定されています。

大山の天気と地図をチェック

比較的手軽に登れる大山ですが、前述の通り標高1000mを超える山です。特に阿夫利神社より上部は、濡れると滑りやすい岩場の登山道が続くため、事前に天気をチェックしましょう。また、地図も用意して計画した登山ルートをしっかり確認してください。

大山のふもと(伊勢原市)の10日間天気

日付04月02日
(水)
04月03日
(木)
04月04日
(金)
04月05日
04月06日
04月07日
(月)
04月08日
(火)
04月09日
(水)
04月10日
(木)
04月11日
(金)
天気曇
雨時々曇
雨時々曇
晴一時雨
晴一時雨
晴のち曇
晴のち曇
晴時々曇
晴時々曇
晴時々雨
晴時々雨
晴
晴時々曇
晴時々曇
曇時々雨
曇時々雨
曇時々雨
曇時々雨
気温
(℃)
15
9
13
9
15
6
16
6
19
11
19
9
20
8
22
9
21
12
21
14
降水
確率
40705020405010208060

大山の登山指数

日付04月03日
(木)
04月04日
(金)
04月05日
04月06日
04月07日
(月)
登山
指数
A C A C A
登山指数の留意点

登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。

  • 雷の発生の可能性
  • 前日の天気による道のぬかるみ
  • 局地的大雨
  • 土砂災害の発生の可能性
  • 雪崩の発生の可能性
  • 噴火の可能性
  • 積雪の有無
  • 濃霧
  • 低温または高温
  • 虫やヒルなどの発生状況

山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。

大山周辺の山と高原地図

    昭文社 山と高原地図 丹沢

    いざ山頂へ!おすすめ登山コースはこちら

    大山山頂からの富士山と丹沢山塊
    撮影:鷲尾 太輔(大山山頂からの富士山と丹沢山塊)

    初心者でも楽しめる短時間のコースから、たっぷり大山の魅力を堪能できるコースまで、見どころ豊富な3つの登山コースを紹介します。

    今回紹介するコースの詳細をすぐに知りたい人は、こちらをチェック!

    ※コース名をクリックすると、各コースを解説する別記事が開きます

    ①まずは王道!大山ケーブルを使うメインコース

    Leaflet | Data © OpenStreetMap contributors, © 国土地理院, Imagery © Mapbox
    合計距離: 4.73 km
    最高点の標高: 1243 m
    最低点の標高: 673 m
    累積標高(上り): 626 m
    累積標高(下り): -626 m

    体力レベル:★★☆☆☆

    日帰り|コースタイム:4時間15分

    参考:らくルート

    技術的難易度:★★☆☆☆

    ・登山装備が必要
    ・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

    凡例:グレーディング表

    コース概要

    阿夫利神社駅(65分)→16丁目(40分)→25丁目(20分)→大山山頂(75分)→見晴台(30分)→二重滝(25分)→阿夫利神社駅

    ケーブルカーに乗車して中腹の阿夫利神社下社まで。そこから表参道で頂上を目指し、見晴台経由で下山する周回ルートです。

    大山ケーブルバス停から大山ケーブル駅までのこま参道には、土産物屋・食事処・宿坊が立ち並びます。

    大山の表参道の入口・登拝門
    撮影:鷲尾 太輔(表参道の入口・登拝門)

    ケーブルカー阿夫利神社駅を降りて石段を登ると阿夫利神社下社があり、まずはここで参拝。境内左奥の登拝門をくぐって表参道ルートの登山スタートです。急な階段の後は岩場の坂道が続くので、ゆっくり登っていきましょう。

    大山の夫婦杉
    撮影:鷲尾 太輔(夫婦杉)

    登山道沿いには「夫婦杉」「ぼたん岩」「天狗の鼻突き岩」などの巨木や奇岩も点在しています。表参道には山頂まで「丁目」表示があり、二十八丁目が山頂直下の前社前に建つ鳥居となります。

    大山の富士見台
    撮影:鷲尾 太輔(富士見台)

    十六丁目から稜線歩きとなり、二十丁目の富士見台から先は、左手に富士山を望みながら歩くことができます。左手へヤビツ峠へ下る道が分岐する二十五丁目の分岐を直進し、2つの鳥居をくぐると阿夫利神社前社・本社や山頂茶屋がある山頂の一角に出ます。

    大山山頂
    撮影:鷲尾 太輔(大山山頂)

    本社裏手の小高い広場には奥社(奥の院)や山頂標識があり、関東平野や相模湾に浮かぶ江の島も眺望できます。左奥へ進んだトイレ(冬季閉鎖)や電波塔の裏手にある広場は、丹沢山塊を前景にそびえる富士山を望む絶景ポイントです。

    見晴台からの大山
    撮影:鷲尾 太輔(見晴台からの大山)

    山頂から不動尻への分岐を直進しながら木道や階段を下ると、東側に視界が開けた見晴台に到着します。ベンチや東屋が設置された絶好の休憩ポイントで、振り返ると先ほど登った大山が堂々とそびえています。

    二重社と二重滝
    撮影:鷲尾 太輔(二重社と二重滝)

    見晴台からは大山の南東斜面の中腹をトラバース(横断)する登山道です。いくつかの橋を渡ると二重社と奥に流れる二重滝が現れます。さらに進んで砂防堰堤を過ぎると、ケーブル阿夫利神社駅はもうすぐです。

    ▼コース詳細はこちら

    ②ケーブルカーを使わずじっくり女坂・男坂周回コース

    Leaflet | Data © OpenStreetMap contributors, © 国土地理院, Imagery © Mapbox
    合計距離: 7.52 km
    最高点の標高: 1243 m
    最低点の標高: 332 m
    累積標高(上り): 974 m
    累積標高(下り): -974 m

    体力レベル:★★★☆☆

    日帰り|コースタイム:6時間35分

    参考:らくルート

    技術的難易度:★★☆☆☆

    ・登山装備が必要
    ・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

    凡例:グレーディング表

    コース概要

    大山ケーブルバス停(25分)→大山ケーブル駅(25分)→大山寺(45分)→阿夫利神社駅(65分)→16丁目(40分)→25丁目(20分)→大山山頂(75分)→見晴台(30分)→二重滝(25分)→八大坊上屋敷跡(25分)→大山ケーブル駅(15分)→大山ケーブルバス停

    阿夫利神社下社までは登拝路も整備されているので、ケーブルカーを使わずに登ることも可能です。登拝路は比較的緩やかな女坂と急な男坂があり、女坂の途中には大山寺など山岳信仰を感じ取ることができるポイントも。大山の魅力をたっぷり味わえるコースです。

    男坂と女坂の分岐
    撮影:鷲尾 太輔(男坂と女坂の分岐)

    大山ケーブル駅を右手に見ながらへ進むと、女坂と男坂の分岐が。どちらへ進んでも阿夫利神社下社の手前で合流します。今回のルートはケーブルカーの左側を歩く女坂を登ります。

    女坂の七不思議
    撮影:鷲尾 太輔(女坂の七不思議)

    沿道には「女坂の七不思議」というスポットが点在しています。石仏・巨岩・樹木など様々な不思議があり、今も昔も登拝する人が飽きずに歩くことができるようになっています。

    大山寺
    撮影:鷲尾 太輔(大山寺)

    女坂の途中にある大山寺は、ケーブルカー・大山寺駅で途中下車して参詣することもできます。江戸時代までは神仏習合の考えで阿夫利神社下社の場所にありましたが、明治新政府の神仏分離令によって今の場所に再建されました。

    大山阿夫利神社下社
    撮影:鷲尾 太輔(大山阿夫利神社下社)

    男坂やケーブルカー・阿夫利神社駅からの道と合流して石段を登れば、阿夫利神社下社に到着です。

    ここから山頂を経て見晴台からの周回コースは、①と同じです。

    男坂と女坂の分岐
    撮影:鷲尾 太輔(男坂と女坂の分岐)

    下りは左側へ分岐する男坂へ進んでみましょう。ただし注意看板の通り、照明がなく日没後の通行は危険です。ケーブルカーの運行が終了してしまいやむを得ず歩いて下る場合は、女坂を利用してください。

    男坂の石段
    撮影:鷲尾 太輔(男坂の石段)

    男坂には寺院や七不思議のようなポイントはなく、急な石段をひたすら下ります。ここまでの道のりで足にも疲労が蓄積するタイミングですが、一歩一歩を慎重に踏み締めて進みましょう。ケーブルカー利用では味わえない、達成感が得られるコースです。

    ▼コース詳細はこちら

    ③ヤビツ峠から登る、眺望と静かな山歩きを楽しむ縦走コース

    Leaflet | Data © OpenStreetMap contributors, © 国土地理院, Imagery © Mapbox
    合計距離: 5.25 km
    最高点の標高: 1243 m
    最低点の標高: 673 m
    累積標高(上り): 572 m
    累積標高(下り): -628 m

    体力レベル:★★☆☆☆

    日帰り|コースタイム:4時間15分

    参考:らくルート

    技術的難易度:★★☆☆☆

    ・登山装備が必要
    ・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

    凡例:グレーディング表

    コース概要

    ヤビツ峠(105分)→25丁目(20分)→大山山頂(75分)→見晴台(30分)→二重滝(25分)→阿夫利神社駅

    大山はケーブルカーや男坂・女坂から登るのが一般的ですが、塔ノ岳へ続く丹沢表尾根の玄関口・ヤビツ峠からも登ることが可能。今回はヤビツ峠から大山へ登り、見晴台経由で阿夫利神社下社へ下るプチ縦走コースを紹介します。

    ヤビツ峠登山口
    撮影:鷲尾 太輔(ヤビツ峠登山口)

    ヤビツ峠バス停から新しく建設されたヤビツ峠レストハウスの脇を通って、登山道へと進みます。①・②の表参道コースよりもなだらかで歩きやすい、木製階段が多く整備されたコースです。

    相模湾の眺望
    撮影:鷲尾 太輔(相模湾の眺望)

    樹林が開けた場所から右手を見ると、相模湾を一望。天気が良ければ、真鶴半島や伊豆大島までを望むことができます。

    鎖場
    撮影:鷲尾 太輔(鎖場)

    大山から南西へ伸びるイタツミ尾根の主稜線手前は、やや急な登りとなり1箇所だけ鎖場も設置されています。ただし距離は短く怖さを感じる場所でもないので、より歩きやすくするための配慮といえるでしょう。

    富士山と丹沢のパノラマ
    撮影:鷲尾 太輔(富士山と丹沢のパノラマ)

    イタツミ尾根から振り返ると、随所でヤビツ峠から反対方向に伸びる丹沢表尾根や富士山のパノラマを楽しむことができます。

    笹原の中の木道
    撮影:鷲尾 太輔(笹原の中の木道)

    登山道が笹原の中のゆるやかな木道に変わると、表参道の25丁目への合流ポイントは間近です。ここから山頂を経て見晴台から阿夫利神社下社へ下るコースは、①と同じです。

    賑やかな表参道コースと異なり、ヤビツ峠から登るコースは丹沢の山深さを感じながら静かな山歩きが楽しめる上に、標高差が小さく岩場も少ないため家族連れにもおすすめのコースです。

    ▼コース詳細はこちら

    大山の観光名所や名物もチェック!

    大山の名物グルメ・とうふ料理発祥の店といわれる和仲荘
    撮影:鷲尾 太輔(大山の名物グルメ・とうふ料理発祥の店といわれる和仲荘)

    ここでは、年間を通じて多くの登山者や観光客が訪れる大山の観光名所や名物を紹介します。大山登山の途中に寄り道するのもおすすめですよ。

    阿夫利神社下社

    阿夫利神社下社
    撮影:鷲尾 太輔(阿夫利神社下社)

    大山の信仰や観光の中心地である阿夫利神社下社。ケーブルカーを降りるとすぐの場所に鎮座しているので観光で訪れる方も多く、近年ではパワースポットとしても有名です。

    拝殿の地下は巡拝路となっており、「雨降(あふり)山」の別名を持つ大山のシンボルともいえる神水・大山名水も湧き出しています。

    阿夫利神社下社からの眺望
    撮影:鷲尾 太輔(阿夫利神社下社からの眺望)

    晴れた日には江ノ島や三浦半島・伊豆諸島も望むことができ、2015年に発刊されたミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」改訂第6版(フランス語)でも、この眺望が2つ星を獲得しました。

    大山寺

    かわらけ投道
    撮影:鷲尾 太輔(かわらけ投道)

    ②のコースで紹介した通り、明治新政府の神仏分離令により中腹に移された大山寺。廃仏毀釈により数々の寺宝が失われましたが、ご本尊である不動明王は地元の方によって大切に守られ、今も大山寺に安置されています。

    ここで体験できる少し変わった厄除けの儀式が「かわらけ投げ」。かわらけと呼ばれる素焼きの土器を2枚1セットで授かり、崖下の岩と赤い輪に向かって1枚ずつ投げます。かわらけが岩に当たって砕けると厄が祓われ、赤い輪を通ると願いが叶うといわれていますが、投げるだけでも十分に厄除けのご利益がありますよ。

    大山山頂茶屋

    大山山頂茶屋
    撮影:鷲尾 太輔(大山山頂茶屋)

    大山山頂・上社の隣にあるのが大山山頂茶屋です。飲み物はもちろん、麺類・汁物・ご飯ものなどメニューも豊富。これらの食材は、大山歩荷(ぼっか)と呼ばれる人々が、自ら背負って荷上げしてくれたものです。

    山ごはんの食糧や燃料・炊事器具なしで温かいご飯が食べられることに感謝しつつ、絶景とともに様々なグルメを味わえるスポット。営業時間が短いので、事前に確認してから訪れてください。

    お休み処 さくらや

    ルーメソの暖簾がシンボルのさくらや
    撮影:鷲尾 太輔(ルーメソの暖簾がシンボルのさくらや)

    阿夫利神社の参道右手にあるのがお休み処 さくらやです。人気メニューのラーメンは、暖簾を裏返し・横向きに掲げていることから「ルーメソ」と伝えても注文可能。他にも名物の大山とうふにそばやうどん、そして何十年と継ぎ足し続けた出汁を守るために年中無休で提供しているおでんが名物です。

    ソフトクリームなどの甘味も充実、特に店先で焼いているお団子は添えられる甘めの自家製味噌だれとのバランスが秀逸です。

    こま参道

    こま参道
    撮影:鷲尾 太輔(こま参道)

    駐車場や大山ケーブルバス停から大山ケーブル駅までの間には、風情のある商店が並んでいます。土産物店やとうふ料理を賞味できる茶店・宿坊が軒を連ねるノスタルジックな参道も楽しみのひとつです。

    大山土産の定番・大山こま

    こま参道入口の碑
    撮影:鷲尾 太輔(こま参道入口の碑)

    こま参道の由来になっているのが、昔も今も変わらない大山土産の定番・大山こまです。前述の「雨降(あふり)山」の別名通りに水が豊富だった大山は良質な木材を産出し、多くの木地師(木工職人)も定住していました。そんな彼らが「大山詣り」へ訪れた人々へ販売したのが、大山こまです。

    こまは「回すと金回りが良くなる」と参詣者に喜ばれた縁起物。講の代表として訪れた人々にとって、地元で留守番している講の仲間や家族への土産物としても、コンパクトで持ち帰りやすいアイテムだったのです。

    大山グルメの定番・大山とうふ

    大山とうふの田楽
    撮影:鷲尾 太輔(大山とうふの田楽)

    こま参道の沿道にある茶店や宿坊がこぞって提供する大山グルメが、大山とうふ。茶店の酒肴から宿坊のフルコースまで、様々な形式で味わうことができます。

    そしてこのとうふも江戸時代の「大山詣り」が起源。大山山麓の宿坊には、宿泊料として金銭だけでなく地元で採れた大豆を奉納して宿泊した参詣者も多かったことと「雨降(あふり)山」の清らかな水が生み出した、ご当地グルメなのです。

    とうふ坂
    撮影:鷲尾 太輔(とうふ坂)

    現在でも大山山麓の宿坊群から大山ケーブルバス停の間には、登拝者が宿坊で供されたとうふをすりながら大山をめざしたというとうふ坂が残っています。たんぱく質が主原料で水分も豊富なとうふは、心強い行動食になったことでしょう。

    大山ケーブルまでのアクセス情報

    伊勢原駅北口バス停
    撮影:鷲尾 太輔(伊勢原駅北口バス停)

    大山は首都圏からのアクセスが良く、公共交通機関を使っても日帰りが可能。主な登山口である大山ケーブルバス停までの最寄り駅は小田急線の伊勢原駅です。

    電車とバス

    大山ケーブルバス停
    撮影:鷲尾 太輔(大山ケーブルバス停)

    伊勢原駅北口4番乗り場発、神奈川中央交通バス「大山ケーブル」行きに乗り約25分で大山ケーブルバス停です。ゴールデンウィークや紅葉シーズンはバスの乗車待ちが発生することもあるので、時間に余裕を持って伊勢原駅へアクセスしてください。

    伊勢原駅4番乗り場発大山ケーブル行

    大山ケーブル発伊勢原駅北口行

    お得なフリーパスも

    大山周辺の小田急線の鉄道駅と神奈川中央交通のバス停が乗り降り自由、大山ケーブルもセットのお得なフリーパスも発売されています。大山を起点とした縦走コースを歩く場合には、特におすすめです。

    マイカー

    トイレも併設された大山第2駐車場
    撮影:鷲尾 太輔(トイレも併設された大山第2駐車場)

    東京方面からは新東名を利用し伊勢原大山インターからは約10分、東名高速利用の場合は厚木インターもしくは秦野中井インターから約40分です。こま参道の最寄りは大山第2駐車場となります。

    伊勢原市営 大山第2駐車場(とうふ広場)
    ・有料
    ・トイレあり

    周辺には市営と民間の有料駐車場が点在しており、近い駐車場は早い時間に満車になります。
    また、観光シーズンや週末は周辺道路も混雑するのでこちらも時間には余裕を。

    ヤビツ峠へのアクセス

    ヤビツ峠バス停
    撮影:鷲尾 太輔(ヤビツ峠バス停)

    ヤビツ峠へは小田急線の秦野駅から神奈川中央交通バスが走っていますが、便は少なめです。

    秦野駅4番乗り場発ヤビツ峠行

    ヤビツ峠発秦野駅行

    ヤビツ峠のトイレと駐車場
    撮影:鷲尾 太輔(ヤビツ峠のトイレと駐車場)

    マイカー利用ならヤビツ峠からの往復で大山に登頂することもできます。

    東名高速秦野中井インターから県道704号経由で県道70号秦野清川線へ。ヤビツ峠手前は道幅が狭くヘアピンカーブも連続するので、運転には注意しましょう。

    ヤビツ峠駐車場
    ・無料
    ・トイレあり

    大山詣りに出かけてみよう!

    見晴台からの大山と大山三峰山
    撮影:鷲尾 太輔(見晴台からの大山と大山三峰山)

    各コースとも個性的で、歴史や文化を感じられる名所も多く見どころがたくさん。ケーブルカーを使って気軽に、山麓の大山ケーブルバス停やヤビツ峠から登れば登拝・縦走の達成感も!東京近郊で本格的な山歩きを楽しめる大山は、様々な登山の楽しみ方を受け止めてくれる「懐の深い山」です。