中級者が登山靴を選ぶポイントは?
富士山・涸沢カール・屋久島など、登山を始めた人が最初に目標にする山。これらへ登る場合には、ミドルカットで適度に柔軟性のあるソールの登山靴を推奨される場合が多い印象です。一足あれば、日帰り〜小屋泊まで、最初の目標を達成したあともしばらく活躍してくれるでしょう。
では、一足目を履き潰したあと、もしくはエントリーモデルを卒業したあとの「二足目の登山靴」は、どんなモデルを選べばよいのでしょうか。そのためには、次の目標となるシーンやスタイルを具体的に想起する必要があります。
選択基準は「どんな山を」 「どんなスタイルで」歩きたいか
今回は、初心者向けの登山コースで経験を積んだ人が無積雪期用の二足目を選ぶと仮定して、登山靴を5タイプに分類しました。目的ごとに必要な機能が異なるため、まずは「どんな山を」「どんなスタイルで」歩きたいか考えてみましょう。
シューズのタイプ | シューズの特徴 | 山行プランの例 |
3シーズン向けの ライトアルパイン シューズ類 | ・クライミングゾーンがある ・重い荷物を背負っていても安定しやすく、 ・足首周りのサポートがある | 表銀座や裏銀座、槍・穂高連峰のテント泊縦走など |
アプローチ シューズ類 | ・クライミングゾーンがある ・ライトアルパインシューズよりは柔軟ながら、 ・足首周りは動かしやすい | 剱岳の別山尾根や西穂高岳、 涸沢カールからの北穂高岳・奥穂高岳、妙義など |
ソールが硬い トレッキング シューズ類 | ・重い荷物を背負っていても安定しやすい硬いソール ・基本的に岩場よりも土や泥に適したラグパターン | 奥秩父主脈・飯豊連峰・朝日連峰・大雪山などの テント泊・無人小屋泊での長期縦走 |
軽量 トレッキング・ ハイキングシューズ類 | ・軽量 ・屈曲しやすく歩きやすいよう比較的柔らかめのソール ・トレランシューズと比べると歩いたときにブレにくい | 奥高尾縦走路・丹沢主稜&主脈・ ダイヤモンドトレイル・六甲全山縦走などのロングコース 一般的な登山道を軽快に歩く |
トレイル ランニング シューズ類 | ・軽量 ・フラットフッティングではなく ・つま先の保護性能は低め ・基本的に防水性よりも通気性重視 | 奥高尾縦走路・丹沢主稜&主脈・ ダイヤモンドトレイル・六甲全山縦走などのロングコース 一般的な登山道を軽い装備でスピーディーに歩く |
今回は便宜上このように分類していますが、一足で複数のシーンに対応できる場合もあれば、カテゴリの定義はブランドや販売店によっても異なります。あくまでもシューズの特徴に注目しましょう。
また、本記事で紹介するのは一般的な目安です。ご自身の脚力・体力・技術力も考慮して、総合的に判断するようにしてください。
特にカットの高さは足首をしっかりホールドしてくれるミドル〜ハイカットが良いか、足首の自由度が高いローカットが良いか分かれるところ。足首への負担が大きい重装備の場合や、脚力・体力に不安がある場合はミドル〜ハイカットが無難といえるでしょう。
3シーズン用の登山靴には保温材が入っていないため、厳冬期の雪山で履くと冷えや凍傷のリスクに繋がりかねません。反対に雪山用の登山靴を3シーズンに履くと、ムレたり歩きにくかったりします。
雪渓の通過や残雪期であれば3シーズン用で対応できる場合もありますが、本格的な雪山登山にもチャレンジしたいのであれば3シーズン用とは別に雪山用登山靴を購入しましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。
中級者向け登山靴のおすすめ15モデル
ここからは、以下の5タイプごとにおすすめモデルを紹介していきます。
重い荷物で岩稜帯を歩くのに好適|ライトアルパインシューズ類
重い荷物で岩稜帯を歩く場合、安定した歩行をサポートするハイカットのアッパーと、狭い岩場に立ちこんでもしならない硬いソールのモデルがおすすめです。靴底全体を乗せられない足場でも安定しやすいよう、アウトソールにクライミングゾーン(*)があることも確認しましょう。
テント泊での表銀座縦走や裏銀座縦走、槍・穂高連峰縦走など
■シューズの特徴
・岩場に立ち込めるように、アウトソールにクライミングゾーンがある
・重い荷物を背負っていても安定しやすく、不安定な足場でも曲がりにくい硬いソール
・安定して歩けるよう足首周りのサポートがある
▼おすすめモデル
テクニカルな岩場で真価を発揮
スポルティバ「トランゴ PRO GTX®」
スポルティバ(LA SPORTIVA)の登山靴ラインナップの中でもフラッグシップとなるトランゴシリーズ。トランゴ PRO GTX®は、その最高峰モデルです。
耐久性・軽量性・防水性・クライミング性能やブレーキ性能、足首の自由度を高めた3Dフレックスシステムによる歩行性能など、すべてにおいて高次元のスペック。どんな環境でも安心感と安定感を損なわない心強いモデルです。
La Sportiva トランゴ PRO GTX®
重量 | 約640g(1/2ペア) |
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サイズ展開 | 38~48.5(EU表記) |
アッパー | 高強度防水6.6ナイロン+摩耗防止ゾーン付き撥水ハニカムガード™ |
ライニング | GORE-TEX® Performance Comfort |
ソール | Vibram® SPRINGLUG TECH搭載 Cube Evo |
トランゴシリーズの最高峰モデル
La Sportiva トランゴ PRO ウーマン GTX
重量 | 約535g(1/2ペア) |
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サイズ展開 | 36~42(EU表記) |
アッパー | 高強度防水6.6ナイロン+摩耗防止ゾーン付き撥水ハニカムガード™ |
ライニング | GORE-TEX® Performance Comfort |
ソール | Vibram® SPRINGLUG TECH搭載 Cube Evo |
トランゴシリーズの最高峰モデル|WOMEN'S
岩稜帯を含む長時間の山行で疲れにくい
スポルティバ「エクイリビウム ST GTX®」
スポルティバのマウンテンブーツの新カテゴリーがエクイリビウムシリーズです。その大きな特徴はソールの構造。アクセル機能とブレーキ機能の両方を備えた「ダブルヒールシステム」が推進力を発揮するだけでなく、ラグ(靴底の突起)ひとつひとつにクッション性のある素材が注入されており、疲労感も軽減します。
アッパーは、つま先とかかとのカーブに合わせた無駄のない形状のエルゴノミックシェイプ。足首周りを立体にした3DフレックスシステムEVOも採用し、足全体に吸い付くような独特のフィット感を発揮します。
La Sportiva エクイリビウム ST GTX®
重量 | 約630g(1/2ペア) |
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サイズ展開 | 38~48(EU表記) |
アッパー | 防水60.6ナイロン+ハニカムガード |
ライニング | GORE-TEX |
ソール | Vibram社製 |
抜群のフィット感と推進力&衝撃吸収力
La Sportiva エクイリビウム ST GTX® ウーマン
重量 | 約515g(1/2ペア) |
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サイズ展開 | 36~42(EU表記) |
アッパー | 防水60.6ナイロン+ハニカムガード |
ライニング | GORE-TEX |
ソール | Vibram社製 |
抜群のフィット感と推進力&衝撃吸収力|WOMEN'S
岩稜帯に加えて残雪や雪渓でも心強い
スカルパ「リベレHD」
スカルパ(SCARPA)の3シーズン向け登山靴で、もっともしっかりとした作りで長期縦走にも好適なのがリベレシリーズ。かかと部分にはコバがついておりセミワンタッチアイゼンも装着可能で、残雪や雪渓上の歩行にも心強いスペックです。
リベレHDはアッパーに耐久性の高いスエード素材を採用しながら、各パーツを細かく見直すことで軽量化を実現。ライニング(靴の内側)には独自の防水透湿フィルムHDry®に加え、人間の理想的な体温とされる37.5度を維持する吸水速乾繊維37.5 Technologyを採用。気象条件の厳しい高山でも高いパフォーマンスを発揮できます。
SCARPA リベレHD
重量 | 695g(#42、1/2ペア) |
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サイズ展開 | 39〜48(EU表記) |
アッパー | 耐水スエード+マイクロテック |
ライニング | HDry®+37.5 by Cocona |
ソール | ビブラム®プレシジョン テックロール |
残雪や岩稜などのテクニカルなシーンに対応し、堅牢性と軽量化を両立
SCARPA リベレHD WMN
重量 | 580g(#38、1/2ペア) |
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サイズ展開 | 37〜42(EU表記) |
アッパー | 耐水スエード2.4-2.6mm+マイクロテック |
ライニング | HDry®+37.5 by Cocona |
ソール | ビブラム®プレシジョン テックロール |
残雪や岩稜などのテクニカルなシーンに対応し、堅牢性と軽量化を両立|WOMEN’S
軽量で岩稜での足さばきも秀逸|アプローチシューズ類
中腹のベースキャンプに荷物を置いて険しい岩稜へアタックするような山行や、日帰りで岩山に挑む際も、ソールのグリップ性能は重要です。また重い荷物や長時間歩行に耐える必要がなければ、足さばきの良さも重視すると疲れにくく軽快に歩けます。
もともとはクライマーが岩場に向かうために使用されていたアプローチシューズと呼ばれるカテゴリの中にも、通常の岩稜登山を想定したモデルが増えているほか、アプローチシューズをベースとした派生モデルも充実。近年人気のあるタイプのひとつです。
剱岳の別山尾根や西穂高岳、涸沢カールからの北穂高岳・奥穂高岳、妙義など
■シューズの特徴
・岩場に立ち込めるように、アウトソールにクライミングゾーンがある
・ライトアルパインシューズよりは柔軟ながら、屈曲性を重視したトレッキングシューズと比べると硬めのソール。岩場でもしなりにくいようになっている
・足首周りは動かしやすい
▼おすすめモデル
岩稜登山に最適なグリップ力
スポルティバ「ボルダー X ミッド GTX®」
2012年発売の超ロングセラーモデルがボルダー X ミッド GTX。爪先のクライミングゾーン・前足部の吸盤型のラグ・後足部の深い溝が刻まれたラグから構成されるソールが、狭い岩場でもしっかりとしたグリップ力を発揮します。
爪先近くから足首まで通っているシューレース(靴ひも)による抜群のフィット感、爪先が上がっているロッカー構造のソールによる推進力も魅力です。
La Sportiva ボルダー エックス ミッド GTX®
重量 | 約540g(1/2ペア) |
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サイズ展開 | 36~47(EU表記) |
アッパー | スエードレザー |
ライニング | - |
ソール | Vibram社製 イドログリップ |
優れたグリップ力と軽快な履き心地の岩稜登山向けモデル
岩稜帯に加え平坦な道の歩行性も重視
モンチュラ「ヤルテクノGTX」
シューレースにデュアルゾーンレーシングシステムを採用したヤルテクノGTX。足の甲にあるストッパーで爪先側と足首側に分けて締め具合を調整することが可能です。シュータン(靴のベロ)がシューズ内側と一体化しており、フィット感も向上させています。
ロッカー形状の爪先と足のしなりを邪魔しないアッパーのスリットで、推進力も抜群。ミッドソールやインソールが衝撃吸収性を備えているので、浮石の多いガレ場の下りなどでも疲労を軽減してくれます。
MONTURA ヤルテクノGTX
重量 | 470g(1/2ペア) |
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サイズ展開 | 7〜10.5(UK表記) |
アッパー | LEATHER 60% TX 30% RUBBER 10% |
ライニング | 100%TEXTILE |
ソール | 40%EVA 20%TPU 40%RUBBER |
フィット感抜群のアッパーとグリップ力に優れたソール
MONTURA ヤルテクノGTX WOMAN
重量 | 400g(1/2ペア) |
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サイズ展開 | 3.5〜7.5(UK表記) |
アッパー | LEATHER 60% TX 30% RUBBER 10% |
ライニング | 100%TEXTILE |
ソール | 40%EVA 20%TPU 40%RUBBER |
フィット感抜群のアッパーとグリップ力に優れたソール|WOMEN'S
強力なグリップ力が岩場やぬかるみに対応
アゾロ「エルド MID レザー GV」
ラスト(足型)は前足部はゆとりを持たせ快適性を、足首周りはややスリムにしてフィット感を向上させているエルド MID レザー GV。シームレス(縫い目のない)アッパーと爪先付近から締められるシューレースで、包み込まれるような履き心地です。
アッパーを補強するランドラバーは、爪先部に耐久性の高いラバーを、側面には軽量なポリウレタンを使用。岩との接触から靴を守ってくれます。ソールはクライミングゾーンが設けられているだけでなく、不整地の踏破性能を高めるラグパターンやブレーキが利きやすいヒール形状も特徴です。
アッパーにポリエステルを採用した、より軽量なローカットモデルもあります。
ASOLO エルド MID レザー GV Men's
重量 | 415g(K8.0片足) |
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サイズ展開 | K6.0~K10.0(UKサイズ0.5cm刻み) |
アッパー | はっ水スエードレザー |
ライニング | ゴアテックスエクステンデットコンフォート |
ソール | アゾロ/ビブラム®AG |
包み込まれるような履き心地も魅力の一足
ASOLO エルド MID レザー GV Women's
重量 | 345g(K5.0片足) |
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サイズ展開 | K4.0~K7.0(UKサイズ0.5cm刻み) |
アッパー | はっ水スエードレザー |
ライニング | ゴアテックスエクステンデットコンフォート |
ソール | アゾロ/ビブラム®AG |
包み込まれるような履き心地も魅力の一足|Women's
重い荷物での長時間歩行に好適|ソールが硬いトレッキングシューズ類
テント泊や無人小屋泊が前提となるルートの長期縦走では、荷物が重くなりがち。足首をしっかりサポートするアッパーで、ソールの硬いシューズを選ぶことで、ブレにくく疲れにくい歩行が可能となります。岩稜帯よりも土道がメインであれば、泥が詰まりにくく程よく屈曲しやすいラグパターンのモデルがおすすめです。
奥秩父主脈・飯豊連峰・朝日連峰・大雪山などのテント泊・無人小屋泊での長期縦走
■シューズの特徴
・重い荷物を背負っていても安定しやすく疲れにくいよう、トレッキングシューズの中では硬めのソール。平坦な道で歩きやすいよう、ライトアルパインシューズよりは柔軟性がある
・基本的に岩場よりも土や泥に適したラグパターン
▼おすすめモデル
透湿性重視でムレにくい
モンベル「アルパインクルーザー800」
ゴアテックスとメッシュ素材を組み合わせ、透湿性を重視したアッパーが特徴のアルパインクルーザー800。このメッシュは耐摩耗性にも優れ、さらに高品質スエードレザーで補強。長時間歩行や長期縦走でもムレにくく快適です。
ソールはモンベルオリジナルのトレールグリッパー。泥はけがよいラグパターンを採用している上、素材の配合を工夫することで、高いグリップ力と摩耗への強さを両立しています。張り替えも可能で、まさに長く愛用できる一足です。
広めの足幅に合わせたワイドモデル、アッパーにレザー素材を使用したモデル、シューレースでなくダイヤルを回すだけで着脱できるBOAフィットモデルなど、ラインナップも豊富です。
mont-bell アルパインクルーザー800 Men's
重量 | 554g (25.5cm・片足) |
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サイズ展開 | 24.0〜29.0(cm 0.5刻み)、30.0、31.0(cm) |
アッパー | - |
ライニング | - |
ソール | - |
高い透湿性を誇る快適な履き心地
mont-bell アルパインクルーザー800 Women's
重量 | 487g (23.5cm・片足) |
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サイズ展開 | 22.0〜26.0(cm 0.5刻み) |
アッパー | - |
ライニング | - |
ソール | - |
高い透湿性を誇る快適な履き心地|Women's
mont-bell アルパインクルーザー800 ワイド Men's
重量 | 575g (25.5cm・片足) |
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サイズ展開 | 24.0〜29.0(cm 0.5刻み) |
アッパー | - |
ライニング | - |
ソール | - |
足囲が大きな人にもぴったりのワイドモデル
mont-bell アルパインクルーザー800 ワイド Women's
重量 | 489g (23.5cm・片足) |
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サイズ展開 | 22.0〜26.0(cm 0.5刻み) |
アッパー | - |
ライニング | - |
ソール | - |
足囲が大きな人にもぴったりのワイドモデル|Women's
▼アルパインクルーザー800のすべてのラインナップ
剛性と柔軟性のバランスに優れる
キャラバン「GK85」
キャラバンのトレッキングシューズシリーズ・GK(グランドキング)を代表するのがGK85。アッパーに2.0mmと厚手のヌバックレザーとハードフレームを採用して、重い荷物を背負った状態でも高い堅牢性を発揮します。
爪先のフィット感やかかと・くるぶしのホールド感にも優れたラスト(足型)も相まって、安定感は抜群です。履き込むにつれて足に馴染んで愛着が深まるのも、オールレザーの登山靴ならでは。長く愛用したい一足です。
CARAVAN GK85
重量 | 約705g(26.0㎝片足標準) |
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サイズ展開 | 22.5〜29.0(cm 0.5刻み)、30.0(cm) |
アッパー | 2.0mmヌバックレザー(ランドラバー補強) |
ライニング | ゴアテックス・メンブレン |
ソール | ヴィブラムTSAVO(ミッドソール:EVA) |
使い込むほどに足に馴染むオールレザーモデル
3Dパッドやシャンクにより安定感UP
SIRIO「P.F.630」
甲高幅広や扁平足が多い日本人の足型に合わせて日本で企画・開発され、靴づくりの本場・イタリアで設計されているSIRIOの登山靴。P.F.630は、かかとからアキレス腱にかけての靴の内部に日本人の足に合わせて配置した3Dパッドを内蔵。かかとの浮きをおさえるフィット感を実現しています。
ミッドソール内部には強固なプラスチックプレート(シャンク)が挿入されており、重い荷物を背負って段差を越える際にも、靴底が曲がることはほとんどありません。
P.F.630は3E+ワイズですが、さらに幅広な足型の人のために4E+ワイズのP.F.640もあります。こちらは2023年7月に新色・新価格で登場予定です。
SIRIO P.F.630
重量 | 約820g(片足26.0cm) |
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サイズ展開 | 24.5〜29.0(cm 0.5刻み) |
アッパー | ダニ・アンフィビオ・ヌバックレザー(2.4mm)、アナトミックタング、アシメトリック・アッパー、ワイドラバープロテクト、フレックスアンクルパッド、スティールシューレースフック |
ライニング | ゴアテックス・パフォーマンス・コンフォート・フットウェア |
ソール | シリオ・ビブラムHAYABUSA |
日本人の足型に合わせて作られたモデル
軽快な足取りで山を歩きたい人に|軽量トレッキング・ハイキングシューズ類
日本全国には歩きごたえのあるロングコースも多数あります。もちろんどんなトレッキングシューズでも歩けますが、脚力や技術力が向上してくるとシューズの重さが足かせに感じられることも。軽量で推進力に優れるモデルを選べば、より軽快・快適に歩くことができます。
奥高尾縦走路・丹沢主稜&主脈・ダイヤモンドトレイル・六甲全山縦走などのロングコース、一般的な登山道を軽快に歩く
■シューズの特徴
・軽量
・屈曲しやすく歩きやすいよう比較的柔らかめのソール
・トレランシューズと比べると歩いたときにブレにくいが、一般的なトレッキングシューズと比べると推進力が得られる作り
▼おすすめモデル
軽量かつ強い推進力
THE NORTH FACE「ベクティブ ファストパック フューチャーライト」
ベクティブ ファストパック フューチャーライトは、Light&Fastをコンセプトにしたモデル。アッパーにはTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)自社開発の防水透湿素材・FUTURELIGHT(フューチャーライト)を使用し、適度な通気性と優れた防水性を両立しています。
ソールは、トレランシューズのようにラウンドした形状が特徴の「Vectiv(ベクティブ)」テクノロジーを採用。安定性とクッション性を両立するプレート一体型のミッドソールと、多方向に優れたグリップ力を発揮するアウトソールにより、エネルギー効率を高めています。
よりサポート力のあるミドルカットもラインナップ。
THE NORTH FACE ベクティブ ファストパック フューチャーライト メンズ
重量 | 約311g(9インチ/片足) |
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サイズ展開 | 7〜12(US 0.5刻み) |
アッパー | FUTURELIGHT メンブレン、メッシュアッパー、TPUトゥガード、OrthoLite X55 フットベッド |
ライニング | - |
ソール | 3D TPUプレート、ハイリバウンドEVAミッドソール、Surface Control ラバーアウトソール |
独自開発の防水透湿素材を使った軽量モデル
まるでテーピングのような安定感
サロモン「Xウルトラ4 ゴアテックス」
新設計のシャーシ(補強材)を採用し、足の外側を安定させて関節を保護。動きやすさを損なわない優れた柔軟性と、力強いサポート力を両立したアッパーの安定感が際立ちます。シュータンの両側がアッパーに接続しているため、激しい動きでも中央からずれることがありません。
自社開発のAll Terrain Contagrip(オール テレイン コンタグリップ)を採用したソールは、あらゆるコンディションで高い耐久性と安定性を発揮。全方向にグリップするラグパターンで、滑りやすい路面でも力強く踏み出すことができます。
ワイドモデルやミドルカットもラインナップ。
SALOMON Xウルトラ4 ゴアテックス メンズ
重量 | 390g(片足) |
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サイズ展開 | 25〜28.5(cm 0.5刻み) |
アッパー | 合成素材/テキスタイル |
ライニング | テキスタイル |
ソール | ラバー |
高いフィット感と安定感を両立したモデル
SALOMON Xウルトラ4 ゴアテックス ウィメンズ
重量 | 313g(片足) |
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サイズ展開 | 22.0〜25.0(cm 0.5刻み) |
アッパー | 合成素材/テキスタイル |
ライニング | テキスタイル |
ソール | ラバー |
高いフィット感と安定感を両立したモデル|ウィメンズ
爪先から足首まで快適なフィット感
ザンバラン「サラテ 5.13 GT RR」
爪先先端から靴ひもを締め上げることができる構造や、足首まわりをやさしく包み込むフレキシブル・アンクルサポートという独自パーツ、4WAYストレッチのマイクロファイバーカフなど、快適なフィット感を追求。
ソールには厚みを抑えて極限まで軽量化が図られた『ヴィブラムPepe』を採用。屈曲性のよいソールなので、スタスタと軽快な足さばきを妨げません。グリップ性能にも優れており、土道・岩場などあらゆる状況でもスリップを防止してくれます。
ZAMBERLAN サラテ 5.13 GT RR
重量 | 約440g(EUR42片足標準) |
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サイズ展開 | 38~48(EU表記/約24.0~29.0cm) |
アッパー | ハイドロブロック・スエードレザー(1.8~2.0mm)、マイクロファイバー |
ライニング | ゴアテックス・エクステンデッドコンフォート |
ソール | ヴィブラムPepe(MEGAGRIP) |
足を包み込む快適なフィット感のモデル
通気性が欲しいスピードハイクに|トレイルランニングシューズ類
アイテムを吟味して軽量化するUL(ウルトラライト)志向の浸透もあり、スピードハイクやファストパッキングなど、より早く・より遠くへという登山スタイルを目指す登山者も増えてきました。こうしたスタイルにおすすめなのが、推進力と衝撃吸収性に優れたトレイルランニングシューズです。
一般的な登山靴は、地面に対して一歩一歩垂直に足を置くフラットフッティングで歩きやすいように作られていますが、トレランシューズは走行時に推進力を得られるような作りになっています。
ムレにくさや軽量化などの観点から、防水透湿素材を使わない非防水のモデルが主流。一部防水モデルもラインナップされていますが、通気性は低くなるので注意しましょう。
奥高尾縦走路・丹沢主稜&主脈・ダイヤモンドトレイル・六甲全山縦走などのロングコース、一般的な登山道を軽い装備でスピーディーに歩く
■シューズの特徴
・軽量
・フラットフッティングではなく、前方への推進力を重視したソール形状・ラグパターン
・つま先の保護性能は低め
・基本的に防水性よりも通気性重視
▼おすすめモデル
反発力を生むプレートで足裏に適度な硬さも
On「クラウドウルトラ2」
空洞の形をしたCloudパーツをつなぎ合わせて作られるソールが特徴の、スイス発祥のブランド・Onのシューズ。その形状からも想像できるようにクッション性に優れており、テンポのよい快適な歩き心地を実現しています。なかでもクラウドウルトラは最大レベルのクッション性を誇り、季節や路面状況問わずグリップ力を発揮するソールを使用。汎用性の高い一足なので、スピードハイクにも適しています。
アッパーはメッシュを2層に重ねた構造で通気性に優れており、軽量なTPU(樹脂)素材による補強で耐久性も確保しています。靴下のように足を包み込むライニングにも通気孔が施され、靴の内部を常に快適に保ってくれます。
On クラウドウルトラ 2 メンズ
重量 | 295g(片足) |
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サイズ展開 | 25.0〜31.5(cm 0.5刻み) |
アッパー | - |
ライニング | - |
ソール | - |
クッション性に優れたトレランシューズ
はずむような抜群のクッション性
ホカ「スピードゴート6」
スピードゴートは、ホカ(HOKA)契約アスリートであるカール・メッツァー氏の別名「The Speedgoat」にちなんだモデル。同社のシンボルともいえる分厚くゆりかごのようにラウンドしたソールは、クッション性や推進力に優れており、ホカのモデルの中でもサポート性は最小限に抑えられています。
アウトソールはVibram®メガグリップを採用。細かい凸凹が刻まれたトラクションラグが柔らかい土の上でも抜群のグリップ力を発揮し、スピードを落とさずに前進することが可能に。また爪先の補強パーツが木の根や石との接触から足を守ってくれるので、山道でも安心して履くことができます。
防水モデルやワイドモデルもラインナップ。
HOKA スピードゴート6 メンズ
重量 | 278g(片足) |
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サイズ展開 | 25.0〜30.0(cm 0.5刻み) |
アッパー | ダイナミックサンドイッチメッシュ |
ライニング | - |
ソール | Vibram® Megagrip |
優れたクッション性とグリップ力のモデル
HOKA スピードゴート6 レディース
重量 | 232g(片足) |
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サイズ展開 | 22.0〜25.0(cm 0.5刻み) |
アッパー | ダイナミックサンドイッチメッシュ |
ライニング | - |
ソール | Vibram® Megagrip |
優れたクッション性とグリップ力のモデル|レディース
クッション性と安定性のバランスが◎
アルトラ「オリンパス6」
一般的な歩行・走行はかかとで着地して爪先で蹴り出すというものですが、かかとでの着地(ヒールストライク)は膝への負担が大きい一面も。ALTRA(アルトラ)のシューズは爪先とかかとの高さが同じZERO DROP(ゼロドロップ)というソールで、ヒールストライクを最小限に抑え、自然な身体の動きが可能となるように作られています。
オリンパス6はその中でもクッション性・グリップ力・安定性に優れたモデル。アッパーも通気性がよく、かかと部分を中心にフィット感も向上されています。
ALTRA オリンパス6 メンズ
重量 | 345g(Mens US10.5 / 28.5cm) |
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サイズ展開 | 7〜13(US 0.5刻み) |
アッパー | Engineered mesh |
ライニング | - |
ソール | Vibram® Megagrip |
ゼロドロップのソールが特徴のモデル
ALTRA オリンパス6 ウィメンズ
重量 | 289g(Womens US8.5 / 25.5cm) |
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サイズ展開 | 5.5〜11(US 0.5刻み) |
アッパー | Engineered mesh |
ライニング | - |
ソール | Vibram® Megagrip |
ゼロドロップのソールが特徴のモデル|ウィメンズ
登山靴選びのスキルを身につけて、もっと山を楽しもう
どんなに足にフィットしているシューズでも、使うシーンを間違えると本来の機能が発揮されません。それどころか、歩きづらくて疲労も溜まりやすく、場合によっては命取りになることも。シューズの特性を理解して用途に合ったモデルを選ぶことも、大切な登山スキルのひとつなのです。
そして、ぴったりの一足に出会えると歩くことがもっと楽しくなるはず。新しい相棒とともに、ぜひさまざまな登山スタイルにチャレンジしてください。
今回紹介したモデルをおさらい
重い荷物で岩稜帯を歩くのに好適|ライトアルパインシューズ類
軽量で岩稜での足さばきも秀逸|アプローチシューズ類
重い荷物での長時間歩行に好適|ソールが硬いトレッキングシューズ類
軽快な足取りで山を歩きたい人に|軽量トレッキング・ハイキングシューズ類
通気性が欲しいスピードハイクに|トレイルランニングシューズ類
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