アイキャッチ画像撮影:筆者
陣馬山ってどんな山?

標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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854.8m | 東京都八王子市裏高尾町、神奈川県相模原市緑区 | 関東山地 | 11.9℃ | 25.8℃ |
陣馬山は、東京都と神奈川県の県境に位置する山。北条氏を攻めた武田氏が陣を張った場所であることから、陣場(馬)山と言われるようになったとされています。
都心からのアクセスも良いことから、週末になると多くの登山者が訪れる人気の高い山です。
360度開けた山頂からの景色は「かながわの景勝50選」に数えられています。美しい富士山も見られることから「関東の富士見百景」にも指定。
広い芝生広場ではお昼寝する人や、昼食を食べる人も。山頂名物・白馬のモニュメントは、絶好の撮影スポットとなっています。
四季折々に見せる景色
春になると山頂付近でキレイな桜が咲き誇り、5月の節句近くになると、山頂には大きな鯉のぼりが出現!
秋にはカエデなどの紅葉が山を彩り、訪れる人を楽しませてくれます。
山頂茶屋で食べれる陣馬名物
陣馬山には「清水茶屋」、「信玄茶屋」、「富士見茶屋」の3つの茶屋が。
陣馬山の麓・藤野の名物ゆずが使われている料理や、具だくさんの陣馬うどん・そば、なめこ汁など、美味しいメニューが盛りだくさん!
どの茶屋からも陣馬山の美しい景色を眺めることができますが、名物メニューが違うので茶屋巡りするのもおすすめです。
陣馬山の地図と天気もチェック
陣馬山に登る前に地図を用意して、ルートを調べましょう。天気も事前にチェックして、安全に登山をしてください。
今回は陣馬山だけ登る4つのコース、さらに縦走コースを2つ、計6つのコースを紹介します。

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①1番ポピュラー!新ハイキングコース
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 341 m
累積標高(上り): 575 m
累積標高(下り): -575 m
- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:2時間20分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
陣馬高原下バス停から最も近い新ハイキングコース。ハイキングと名前が付いていますが、登山道は勾配があるので、ある程度の体力は必要です。
木の根っこが露出している場所も多く、転倒注意ポイントです。

スタート地点の陣馬高原下バス停にはトイレやベンチがあるので、しっかりと準備してから進みましょう。バス停から登山口へは、舗装路を約20~30分ほど歩きます。

舗装路の左手側に登山口が現れ、ここから本格的な登山道に。最初はなだらかで、気持ちの良い沢沿いの道を進みます。
しだいに勾配が上がり、手をついて上がるような大きな段差も出現します。木の根っこが露出している場所も多いので、足元に注意して登りましょう。
杉林を抜けると明るい樹林帯に。少し道が細くなっている場所があるので、焦らずにゆっくり歩いてください。
山頂近くになると、和田峠との分岐が出てきます。標識や地図をしっかりと確認し、山頂方面へ進んでください。
登山口から約1時間ほどで山頂に到着です。山頂からはさまざまな方向へ登山道が伸びているので、下山する時に道を間違わないようにしましょう。
②和田峠から行く最短コース
最高点の標高: 844 m
最低点の標高: 694 m
累積標高(上り): 156 m
累積標高(下り): -156 m
- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
和田峠に車でアクセスすれば、最短で頂上に行くことができます。斜度は子供でも登れるほどゆるやかで、危険箇所もほとんどなし。子供連れにもおすすめなコースとなっています。
和田峠には軽食が頂ける「峠の茶屋」があります。茶屋の脇にある木の階段から登山道へと入って行きましょう。

山頂まではゆるやかな階段が続きます。約30分ほど歩けば山頂へ到着です。
③藤野駅から一の尾根をたどる静かなコース
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 191 m
累積標高(上り): 912 m
累積標高(下り): -912 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間7分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
藤野駅から歩いて登山口まで行くルート。本数は少ないですが、藤野駅から陣馬登山口までバスもあります。陣馬高原下側より人が少ないので、静かな山歩きが楽しめるでしょう。

藤野駅を下車したら、相模湖方面にある線路を渡り、トンネルを含めた舗装路を30分ほど歩きます。
「陣馬山登山口」と書かれた石碑の脇道を通ると、その先に「一の尾根」と「栃谷尾根」の分岐が。今回は一の尾根に行くので、分岐を左方向に進みます。
一の尾根コースは全体的になだらかで、勾配がある箇所は少ない登山道。途中県道からの合流があるくらいで、道迷いもしにくい整備された登山道が続きます。
登山口から約1時間半ほど歩けば山頂に到着です。
④藤野駅から栃谷尾根をたどる温泉も魅力のコース
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 191 m
累積標高(上り): 994 m
累積標高(下り): -994 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:約3時間50分
登山道に至るまでのコースは、澄んだ清流や素朴な山里の風景を楽しむことができるこのコース。さらに少し寄り道した場所には秘境・陣馬の湯もあり、下山後のご褒美にもってこいなのです。

スタート地点はJR中央線・藤野駅。県道522号棡原藤野線沿い、そこから先は栃谷川に沿った舗装路歩きからコーススタートです。
陣馬山登山口の石碑から先は川沿いに。沢井川の支流・栃谷川が流れており、美しい水の色を楽しみながら歩くことが可能です。さらに進むと、茶畑が広がるのどかな山里の風景に。
本格的な登山道に入ってからは、なだらかな尾根をジグザグに進む道が続きます。体力的な負担が少ないのも、この栃谷尾根の魅力の一つ。
白馬の像が迎えてくれる山頂からは、富士山をはじめ奥多摩・丹沢などの山並が広がります。
⑤縦走初心者におすすめ!陣馬山〜高尾山
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 196 m
累積標高(上り): 562 m
累積標高(下り): -1205 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間4分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
陣場山から景信山、小仏城山を経由し高尾山まで約17km縦走するコースです。距離は長いですが、巻き道やエスケープルートも多いので体力に合わせてルート変更が可能です。
陣馬山から約40分ほど歩くと明王峠に到着します。ベンチが置いてあり、トイレもあるので休憩に便利です。
陣馬山から峠道を越えて、約2時間ほど歩くと景信山に着きます。景信山は関東平野の美しい眺めや、美味しい茶屋グルメが楽しめます。

景信山から小仏峠に下ります。ここから小仏バス停へエスケープが可能です。

小仏峠から約30分ほどで小仏城山の山頂に到着。小仏城山も広大な山頂にテーブルやベンチが多く置いてあるので、食事や休憩におすすめです。

小仏城山から高尾山までは、木道や整備された砂利道を歩いていきます。約1時間ほどで最後のチェックポイント、高尾山にたどり着きます。
⑥大自然に囲まれた縦走路!三国山~生藤山~陣馬山
最高点の標高: 1000 m
最低点の標高: 341 m
累積標高(上り): 948 m
累積標高(下り): -1052 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間17分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
生藤山から和田峠を経由して陣馬山まで登るルート。生藤山の登山道は、春になると山桜やツツジなどのお花を見ることができますよ。

井戸バス停から軍刀利神社を経由し、生藤山へ向かいます。途中で経由する三国山からは、扇山や権現山などの展望が見られます。

生藤山山頂は展望がなく、山頂広場も狭いです。休憩する場合はベンチのある三国山の方がおすすめです。

連行峰に茅丸、醍醐峠などのアップダウンを乗り越えて和田峠へと向かいます。疲れている場合は、和田峠から陣馬高原下バス停へと下れる舗装路を選択するといいでしょう。
各登山口へのアクセス
陣馬山は登山口近くまでバス停などがあるので、公共交通機関でアクセスしやすいです。自分に適した方法で向かいましょう。
新ハイキングコース登山口へのアクセス
【クルマの場合】
首都圏中央連絡自動車道「八王子西」ICー都道61号ー都道521号ー陣馬高原下 駐車場
【公共交通機関の場合】
京王電鉄orJR「高尾」駅下車、京王バス「陣馬高原下行き」乗車ー「陣馬高原下」下車ー新ハイキングコース登山口
京王バス|高尾駅~陣馬高原下 時刻表
和田峠登山口へのアクセス
【クルマの場合】
・中央自動車道「相模湖」ICー国道20号ー 県道522号ー和田峠 駐車場
・首都圏中央連絡自動車道「八王子西」ICー都道61号ー都道521号ー和田峠 駐車場
【公共交通機関の場合】
京王電鉄orJR「高尾」駅下車、京王バス「陣馬高原下行き」乗車ー「陣馬高原下」下車ー和田峠 登山口
生藤山登山口へのアクセス
【クルマの場合】
中央自動車道「上野原」IC-県道35号/県道520号-国道20号/県道520号-県道521号ー県道522号ー軍刀利神社駐車場
【公共交通機関の場合】
中央本線「上野原」駅下車、富士急バス「井戸(山梨県)行」乗車ー「井戸」下車ー生藤山登山口
富士急バス|上野原~井戸 時刻表
下山後に立ち寄れる日帰り湯情報

下山後の疲れを癒すのに、日帰り湯はピッタリ。ここでは、下山後に立ち寄れる日帰り湯情報をご紹介します。
陣馬の湯・陣谷温泉
藤野駅側の登山口、栃谷尾根方面の川べりに建てられている温泉旅館。奥高尾の山々を見ながら入れる露天風の檜風呂が名物です。小さな浴場のため、ピークシーズンは事前に電話することをおすすめします。
陣馬の湯旅館・陣渓園
藤野駅側の奈良子尾根登山口近くにある温泉旅館です。露天の岩風呂は、栃谷川のせせらぎを聞きながら、季節ごとに変わる自然を楽しみながら入浴できます。
日帰り湯利用の場合は、事前に連絡してから行きましょう。お食事処もあるので、入浴後にお腹も満たせますよ。
夕やけ小やけ・ふれあいの里
陣馬高原下から高尾駅の間にある、農村体験型レクリエーション施設の日帰り湯。ガラス張りの大きな窓からは、高尾の山々が眼前に見えます。
施設内にはキャンプ施設やお食事処など、日帰り湯以外にも楽しみがいっぱいです。
山頂でゆっくりとした時間を楽しめる陣馬山

気軽にハイキングができる陣馬山は、子供から大人まで楽しめる山。富士山を始めとした美しい山々を見られる山頂は、陣馬高原とも言われるほど広大で、多くの登山者が憩いの場としています。
茶屋グルメも楽しめる陣馬山に登り、都会の喧騒を忘れてゆっくりとした時間を過ごしてください。