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ジェットボイルの新型「フラッシュ」

【衝撃速報】 なんと“沸騰までの時間が遅くなった”のが大きな特徴!? 本日とうとう“機密情報”の封印を解かれた、ジェットボイルの新型「フラッシュ」

アウトドアギアの世界というものは、数値にして0.1でも、いや0.01でも前よりもスペックを上げた新製品を生み出そうと日夜、開発という名の競争をつねに行なっています。そんななか、どういうわけかリニューアルして数値を下げるという奇特な新製品が発表されました。それも、近年のアウトドアギアを代表するような“大定番”が!

目次

記事中画像撮影すべて:筆者

2025年3月13日まで情報公開できなかった最高のシークレット製品

今年2月初旬、モンベルの展示会場。“機密情報”とされる、“極秘の新製品”がひそかに展示されていました。

その新製品の“情報公開解禁日”は世界同時で「3/13、0:00」。つまり本日! そして発売も本日!

つまり、情報公開と同時に発売されるというビッグ・サプライズな大登場なのです!しかも、日付変更線というものは太平洋の真ん中を通っているわけですから、このレポートはヨーロッパ、そして本国アメリカを含めて、世界最速になるはずです。

それこそが、ジェットボイルの「フラッシュ1.0L」であります!

あれっ……。以前からのジェットボイルのユーザーの方や、アウトドアギア好きの方からすれば、「そんなの前からあるじゃないか」と思われるかもしれません。ですが、これは改良されたリニューアルモデル。それも先ほど述べたように“機密”扱いの大きなリニューアルが施されています

発売に先駆けて到着した、その極秘製品

その後、2月中旬のある日、なにやら「ジェットボイル」と書かれた荷物が僕の自宅に到着しました。

発売に先駆けて到着した、ジェットボイルの極秘製品

まるでジェットボイルがシューズを販売し始めたのかと誤解するほど、デカい箱

そのなかに入っていたのは、例の機密扱いだった新型フラッシュ! 僕は以前、同社の「スタッシュ」(これも発売前まで極秘扱いだった)を記事にしたことがあり、そのために優先してプレゼント的に送ってくれたものなのでした。それもメッセージ付きで!

ジェットボイル 新型フラッシュとメッセージ

内部は細かな紙でいっぱい。一瞬とまどいますが、そのなかにいろいろ埋もれていました

ジェットボイル 新型フラッシュとメッセージ、スプーン、フォーク、ナイフの3点セットの「トレイルウェア」

なかに入っていたのは、新型フラッシュ本体。さらにスプーン、フォーク、ナイフの3点セットの「トレイルウェア」まで、おまけ的に!

メッセージの内容を簡単にいえば「いつもありがとう、今後もよろしく!」みたいな感じなのですが、わざわざ手書きでそんなことが書かれているなんて、うれしいですよね。

それ以上に、こんな重要な製品を早く入手できたのだから、アウトドア好きのみなさんに一刻も早く紹介したくなります。まあ、3月13日までは情報公開できないのでしたが。

ジェットボイル 新型フラッシュ パッケージ

新型フラッシュを取り出すと、パッケージは三角形の箱。横にすると撮影しにくい

ジェットボイル ステッカー

クッカー内にはステッカーも! こういうの、ちょっとうれしいですよね

では、情報公開! どこがどう変わったのか?

ジェットボイル 新型フラッシュ本体

新型フラッシュは4カラー展開で、これはもっともベーシックなブラック

ともあれ、本日からは紹介可能です。

こちらが新型フラッシュ。パッと見はこれまでのフラッシュと同じですが、しかしクッカー内部に収められていた各パーツを取り出してみると、なにやら少しずつ変更されていることがわかります。

クッカー本体から時計回りに、バーナー、フタ、スタビライザー、カップ

クッカー本体から時計回りに、バーナー、フタ、スタビライザー、カップ

これまでのフラッシュをお持ちの方は、この時点でなにか気づいたことはないでしょうか? 変わったという以前に、なくなったものが。

そう、付属の「ゴトク」がこの新型から省かれているのです。このゴトクは他のクッカーを合わせて使うときのために付属していたわけですが、元来フラッシュは湯沸かしに最適化したモデルということで、この新型では“別売り”になったのでした。参考までにいうと、この別売りゴトクは形状も変わっているようです。

この新型から大きく変わった4つのポイント

パッケージには「NEW FEATURES」として、4項目が記載されいる

パッケージには「NEW FEATURES」として、4項目が記載されていました

さて、新型フラッシュはどういう“性能”を持っているのか……。パッケージの表記をそのまま書き出すと、

  • LIGHTNIG FAST 120-SECOND BOIL
  • TURN-AND-CLICK IGNITION
  • POT-TO-BURNING LOCKING
  • COLORED GRIP ZONE

順番はばらばらになりますが、これからこの4項目について説明していきましょう。

半回転で簡単に点火できるダイヤル型のツマミに!火力調整も可能

バーナーヘッド中央のダイヤル(点火・火力調節)

中央のダイヤルを反時計回りに回せば、点火! 火力調整も可能です

はじめに、「TURN-AND-CLICK IGNITION」。

これまでのフラッシュは、燃料調節用のツマミをひねってガスを出し、圧電着火装置(カチッとボタンを押すやつ)で火をつけるシステムでしたが、新型フラッシュからはまるでカセットコンロのようなダイヤル型のツマミになり、回せば自動的にガスが出てきて、そこに火花で点火される“ターン&クリック式”に。これは簡単!

バーナーのヘッド部分の形状

バーナーのヘッド部分の形状は、これまでのものよりも立体的になっています。

これは便利!グリップゾーンが追加され、点火・消化時も安心

次に、「COLORED GRIP ZONE」。バーナー部分をぐるりと巻くようにつけられているオレンジ色の部分のことです。

バーナーをひっくり返した状態

バーナーをひっくり返した状態。オレンジの部分はわずかに弾力性を感じるゴムのような樹脂製です

手持ちで着るオレンジ色のGRIP部分

オレンジの部分の縦幅は、ちょうど指の太さくらい

この部分が「GRIP」とされているわけなのですが、どう使うかということは、付属の取り扱い説明書の画像を見ていただくのが手っ取り早そうです。

GRIPを握って着火

なるほど、グリップを握りながらダイヤルを回して火をつけています

グリップを握って点火する様子

もっと寄ってみると、こんな感じ

そう、グリップを握った状態で火をつけても手が熱くないんですね!

この新型から採用されているダイヤルを回すには少し力をかけなければならないのですが、このグリップを握れば点火の際も危なくないというわけです。これはいいですね!

細かなパーツもより使いやすく、コンパクトに

安定という意味でのもうひとつのパーツが、スタビライザー。これも地味に改良されているんです。

これまでのスタビライザーと一番違うのは、わずかながら形状を変えつつ小型化され、バーナーのヘッド部分にキチッと収まるようになったことです。

バーナーのヘッド部分にキチッと収まっているスタビライザー

計算して設計しているのだから当たり前なのでしょうが、まさにピッタリ!

ガスカートリッジに装着したスタビライザー

スタビライザーをガスカートリッジに装着して、ひっくり返した状態

以前の直線的だったスタビライザーとは違い、1本1本の脚がわずかに曲線を描いています。

“オールインワン”の収納状態

“オールインワン”の収納状態

最下部にガスカートリッジも入っているのに以前より内部の空きスペースが多くなり、小さなカトラリーなどもいっしょに収納しやすくなっています。

安定感UP!クッカーとバーナーを3点で確実にロック

次に「POT-TO-BURNING LOCKING」。クッカーとバーナーがかっちりとロックできるということでしょうが、使ってみた感じは新型と前型でほとんど変わっていないような気がします。どちらもスムーズにロックできますし。

いや、でも、よく見ると少し違いました。バーナーの凸部をクッカーの凹に引っかけて回して固定するタイプのロックは、前型が2カ所だったの対し、新型は3カ所。その分だけ、確実にロックできるようになっているのでした。

クッカーとバーナーを組み合わせた状態

クッカーとバーナーを組み合わせた状態で、バーナーのサイドにある小さな丸(内側に向かって凸型)がロック部分。クッカー底部の隙間(フラックスリングが見えている部分)の形状も変わっています

クッカーの裏側のフラックスリングの部分

クッカーの裏側のフラックスリングの部分。この角度から見ると、リニューアル前とほとんど変わりませんが、じつは口径がわずかに狭くなっています

新型フラッシュのクッカー底部は前型よりごくわずかに狭まり、それに組み合わせるバーナーのヘッド部分の口径も同時に少し小さくなっています。

僕の実測では新型が約9.2mmで、前型は約9.4mm。ほんの少しの差ですが、このために新型・前型のクッカーとバーナーは組み合わせられません。正確に言えば、前型のバーナーの上に新型のクッカーを載せることはできるのですが、ただ置けるだけで固定はできないんですね。

ついにお試し! 実際にお湯を沸かして性能を確かめる

さて、最後は「LIGHTNIG FAST 120-SECOND BOIL」について触れていきます。

この「120-SECOND」、つまり“120秒”というのは0.5Lの水をお湯として沸かすまでの時間なのですが、じつは前型は0.5Lを“100秒”で沸かすものだったのです! だから、冒頭で述べたように、僕はビックリしてしまったんですよね。リニューアルして20秒も遅くなるとは、どういうことなんだ、と。

ジェットボイル 新型フラッシュで湯沸かし

クッカーをバーナーにセットし、ガスカートリッジとスタビライザー、フタまでかぶせたフルの状態

ともあれ、すべてをセットして、点火! 今回は詳細なテストをしようとしたわけではなく、まずはお試しといったところですが、それでもテスト環境の最低限の数値は計ってみました。具体的には“気温7℃、水温9℃、無風ではないものの微風”。そんなところでした。

ジェットボイル 新型フラッシュの火力

きれいに青く燃えるために明るい場所ではほとんど炎は見えず。これは日時を変え、暗い場所で撮影したカット

ジェットボイル 新型フラッシュのグリップを握った様子

おおっ、バーナーのグリップを握って火をつけても、本当にほとんど熱くは感じない!

ジェットボイル 新型フラッシュのインジケーター

ジェットボイルではおなじみのインジケーター。赤くなったら、もうすぐ沸騰です

気泡が立ってきて、お湯の対流がどんどん速くなり……。正確にどの時点で沸騰したのかを判断するのは難しい(とくに屋外の場合)のですが、このときは500mlが沸騰するまでにかかった時間はだいたい140秒くらいでした。

気温が低く、水も冷たい時期ですし、撮影のためにフタを開けている時間も長かったので120秒とはいかなかったのでしょうが、それでもさすがはジェットボイル、大したものです。

ジェットボイル 新型フラッシュで湯沸かし中の湯気

沸騰が近付くと寒い時期は湯気がやはり目立ちます

ジェットボイル 新型フラッシュ 完全沸騰した状態

完全沸騰! 以前よりも遅くなっているはずなのに、それでもやはり速いですね!

ジェットボイル 新型フラッシュ 手持ち

お湯が沸いた直後にバーナー部分を握って持ち上げてみたカット。お湯が入っていると不安定で、さすがに怖い。グリップを握って使うのは基本的に点火と消火のときで、お湯が入っている状態でこのように持ち上げると火傷の原因になるので、やめておきましょう

なぜ「沸騰が遅くなる」ことが改良点となるのか?

しかし! 繰り返しますが、前型はもっと速く沸くのです。では、どうしてリニューアルして沸騰時間が遅くなったのか?

その答えは、ズバリ「燃費がよくなるため」!

わずかに時間が余分にかかるようになった代わりに、火力が無駄にならなくなったのです! またしてもパッケージを確認すると「内容量100gのガス(ジェットパワー100G)で40分使える」 「500ml(カップ2杯分)を24回沸かせる」と表示されています。これはジェットパワー100Gで12Lを沸かせるということですが、前型は沸かせるのが10Lだったので、2Lも余分に使えることになります。

ジェットボイル 新型フラッシュ パッケージの説明文・図

パッケージにはイラスト付きでこれらのスペックの説明が書かれています

なお、新型は出力1,335Kcal/h、前型は出力2,269 Kcal/h。沸騰までの時間はクッカーの形状などにも左右されるため、この差がそのまま沸騰時間の差になるわけではないですが、新型は沸騰時間が多少遅くなっても燃費を高め、ガスの消費を抑える方向へ進化したことがわかります。なるほどね~。

お湯は速く沸いたほうが便利なのは間違いありません。でも、100秒が120秒になっても“ものすごく速い”という意味では極端な差はなく、大した問題ではないのでは? 3分が5分になるわけではないのですから。

それならばガスカートリッジひとつで10Lしか沸かせなかったものが、12L沸かせるようになるほうが、僕はうれしいです。この2Lの差で、持っていくガスカートリッジが1つなのか2つなのかが決まってくるかもしれません。それに、環境にも、サイフにも、エコでしょう。

筆者が所有する、4代にわたるジェットボイル「フラッシュ」

僕が所有している4代にわたるジェットボイル「フラッシュ」。いちばん左が初代で、右にいくごとに新しくなり、この記事の“新型”はいちばん右。その左隣は1代古いだけですが、便宜的に“前型”と呼んでいます

ついでにほかのスペックも比較して紹介しましょう。重量は382g(新型)、371g(前型)。収納サイズは直径10.8×高さ18.5cm(新型)、直径10.4×高さ16.5cm(前型)。ほんの少しだけ新型のほうが重く、大きくなっていますが、気になるような差ではないと思われます。

前型も継続で販売! スピードと燃費、どちらを選ぶか?

ジェットボイル新型フラッシュ

というわけで、燃費を高めつつ、細かな部分のブラッシュアップでいっそう使いやすくなった新型フラッシュ。正式名称は「ジェットボイル フラッシュ1.0L」となりますが、じつは前型「ジェットボイル フラッシュ」(1.0Lという言葉がついていない)も2025年は継続して販売されるようで、価格も前型のほうが安くなっています。

燃費ではなく、「少しでも速く沸くほうがいいのだ!」という方、「少しでも初期費用を抑えたいのだ!」という方は前型を。すでに両方持っていることになる僕は、「燃費」という僕好みの機能を持っている新型のほうをメインで使っていくつもりです!

新型ジェットボイルの商品詳細

今回のリニューアルでは、「スタッシュ」のほかに「ジップ」も新型で登場します。

「ジップ」は前作と燃費性能は変わらず、出力が上がり沸騰時間が速くなっています。なお、「スタッシュ」と同じダイヤル式のツマミを採用していますが、イグナイター(点火装置)はついていないのでライターorマッチは必須。火力調整は可能です。

JETBOIL フラッシュ

JETBOIL フラッシュ新旧比較

撮影:YAMA HACK編集部(左)新商品、(右)継続品

モデル名
【新商品】
JETBOIL フラッシュ1.0L
【継続品】
JETBOIL フラッシュ
価格
¥26,000
¥19,250
重量
382g
371g
サイズ(収納時)
Φ10.8×H18.5cm
Φ10.4×H18.0cm
出力
1,335kcal/h
2,269kcal/h
沸騰時間
約2分(0.5L)
約1分40秒(0.5L)
燃費性能
ジェットパワー100G 1缶で約12Lの水を沸騰可能
ジェットパワー100G 1缶で約10Lの水を沸騰可能
ゴトク
別売り
付属

JETBOIL ジップ

JETBOIL ジップ新旧比較

撮影:YAMA HACK編集部(左)新商品、(右)継続品

モデル名
【新商品】
JETBOIL ジップ0.8L
【継続品】
JETBOIL ジップ
価格
¥19,800
¥13,750
重量
326g
340g
サイズ(収納時)
Φ10.8×H16.5cm
Φ10.4×H16.5cm
出力
1,335kcal/h
1,134kcal/h
沸騰時間
約2分(0.5L)
約2分30秒(0.5L)
燃費性能
ジェットパワー100G 1缶で約12Lの水を沸騰可能
ジェットパワー100G 1缶で約12Lの水を沸騰可能
ゴトク
別売り
付属

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