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ココヘリの補償はどこまで?山岳保険との違いやおすすめの契約セットを解説

ココヘリの補償はどこまで?山岳保険との違いやおすすめの契約セットを解説

多くの登山者に支持されている山岳遭難捜索サービスの「ココヘリ」。「jRO」と統合したことによって、サービス内容が強化された一方、費用補填機能に変更があった点は注意が必要です。

「ココヘリで補償されないケースは?」「他にどんな保険を組み合わせたらいいの?」といった疑問を持つ方のために、ココヘリのサービス内容や補償範囲をわかりやすく解説セットで契約するのにおすすめな山岳保険もピックアップしました。

目次

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

そもそも「ココヘリ」と「jRO」ってどんなサービス?

ココヘリの端末
撮影:YAMA HACK編集部

登山の際の「もしもの備え」として、多くの登山者に支持されている山岳遭難捜索サービスの「ココヘリ」。2022年6月に「ココヘリ」と「jRO」が統合したことで、登山者にとってさらに心強いサービスとなりました。

詳しい補償内容の説明に入る前に、まずはそれぞれがどんな仕組みなのか簡単におさらいしておきましょう。

ココヘリは「遭難者の捜索」、jROは「捜索費用の補填」

ココヘリとジロー
画像提供:AUTHENTIC JAPAN株式会社、加工:YAMA HACK編集部

「ココヘリ」とは

小型の発信機を携行することで、遭難時に位置捜索をしてもらうサービス。遭難者が持つ発信機の信号を受信する機械を搭載したヘリなどで捜索を実施(ドローン活用や地上捜索もあり)。全国の警察との連携も進んでおり、警察が受信機を持って捜索を行うケースも多くなっています。

「jRO」とは

遭難時の捜索費用の支払いを補填するサービス。保険ではなく「山岳遭難救助費用カバレージ制度」で、会員の共助によって成立する仕組み。ココヘリとの統合前は、年会費に加え、1年間にかかった事故分担金を全会員で均等割して支払う事後負担システムを採用していましたが、現在はこれらの費用がココヘリ会員費に含まれる形になり、事後分担金も発生しません。

ココヘリは年会費6,600円、jROは年会費2,200円+事後分担金(数百円)でそれぞれ別料金のサービス提供でしたが、統合により年会費6,600円のみで「ココヘリ+jRO」の2つのサービス内容を受けられるようになりました。

※元々jRO会員でココヘリは未加入だった方は、年会費2,200円のままココヘリ準会員の扱いとなり、捜索救助に関するサービスの部分を受けることができます。

ただし、新制度になって「jROの費用補填機能」に変更があった点に注意が必要です。具体的な補償内容は、次の項目で詳しく解説していきます。

制度に変更あり。「ココヘリ+jRO」でどこまで補償される?

2022年の統合当初は、それまでの両者のサービス内容がそのまま合体した形になっていましたが、2023年6月から新制度がスタートし、提供内容にいくつかの変更がありました

ココヘリ提供サービスの変更内容
提供:AUTHENTIC JAPAN株式会社

「民間捜索救助組織の手配」に関して、新制度ではココヘリ事務局が対応してくれるようになったため、家族が捜索を手配する負担が少なくなった点はメリットといえます。

一方で、チェックしておきたいのは「捜索救助サービス」の内容。当初、捜索救助に関する費用は全てjROによる補填対象でしたが、新制度では「費用補填」ではなく、「ココヘリによる捜索救助の実施(役務提供)」に変更になりました。

とは言え、これだけ聞くとサービス内容に変化があるのか少しわかりにくいのが正直なところ。

そこで今回は、新制度になったことで「捜索内容が変わるのか」「ココヘリの補償範囲を超えて自己負担が発生するケースはあるのか」、ココヘリを運営するAUTHENTIC JAPAN株式会社への取材内容も交えながら、詳しく解説します。

【ココヘリ補償内】公的機関の一次捜索+ココヘリ提携救助チームの捜索

遭難者捜索の流れ
イラスト出典:いらすとや、加工:YAMA HACK編集部

まずは現在のココヘリの制度で補償されるケースについて、基本的な捜索の流れとともに確認していきましょう。

遭難が発生した場合、家族が警察と消防、ココヘリにそれぞれ連絡を行います(遭難者自身で連絡できる場合は本人から)。

公的機関(警察・消防)の一次捜索・救助 → 無料

基本的に、警察・消防による一次捜索・救助は無料で実施されます(正確には、警察・消防が所属する自治体が負担し、税金でまかなわれています)。

ココヘリ提携救助チームの捜索 → 補償の上限まで無料

同時に、ココヘリが提携する民間捜索救助組織による捜索も、補償の上限まで無料で実施されます。一次捜索の段階では、救助ではなく位置情報の特定がメインで、位置座標を警察などの公的機関へ共有するのが主な役割。

また、警察・消防による一次捜索が打ち切られた後、民間に依頼する二次捜索・救助も引き続きココヘリの提携団体によって無料(補償の上限まで)で実施されます。

まとめると……

ココヘリ会員が遭難した場合、自己負担無しで提供される捜索・救助内容

  1. 公的機関(警察、消防)による一次捜索・救助
  2. ココヘリ提携の民間捜索救助組織による捜索(位置特定)
  3. ココヘリ提携の民間捜索救助組織による二次捜索・救助

※②③は最大550万円まで

ココヘリ

ココヘリ

一次捜索(公的機関)と二次捜索(ココヘリ)は時系列で完全に分かれている訳ではなく、初動から連携して捜索活動を行なっています。もし公的機関のヘリが何らかの理由で飛べない場合、ココヘリのヘリは待機しているだけでなく、先に捜索を開始する場合もあります。
 
一次捜索の段階から公的機関と連携して遭難者を捜索するサービスは他にはありません。どうぞ安心して捜索をご依頼ください。

【補足】遭難発生時の通報の順番

  • 【本人の場合】
  • 電話が通じる場合、まずは警察に通報し、その後ココヘリにも連絡。
  • 110番に電話が通じれば逆探知してもらえるので、およその位置が特定でき、スムーズな救助に繋がります。
  • 【家族の場合】
  • 警察への通報はハードルが高く、それが理由で捜索対応が遅れる場合もあります。まずはココヘリのコールセンターへご相談ください。遭難案件として取り扱う場合には、ご家族から警察へ通報いただくよう案内があります。

【自己負担の発生ケース】警察から民間に協力要請をした場合

遭難者捜索の流れ
イラスト出典:いらすとや、加工:YAMA HACK編集部

次に、捜索関連で費用が発生する例を紹介します。

警察や消防による一次捜索・救助の際、警察が民間の捜索・救助団体に協力を要請する場合があります。主な事例としては、遭難対策協議会(以下、遭対協)※ への協力依頼です。

※遭難対策協議会(遭対協)とは・・・警察や市町村、山小屋や山岳会などの民間山岳関係者などによって結成された団体で、遭難を未然に防ぐ対策の検討、遭難者の捜索・救助を行っています

制度が変わる前は、この場合も「jROによる費用補填」の対象になっていました。しかし、現行制度で補償されるのは「ココヘリによる捜索手配」のみであるため、警察が直接要請する遭対協による捜索・救助は、補償の対象外になってしまうのです。

例えば、遭難者の位置特定後に救助に向かう際、ヘリで救助できないエリアに地上から向かったり、山小屋から直接救助者を派遣したりする場合に、警察から民間に協力要請する可能性があります。

遭対協などの組織から捜索に人が出る場合、その費用は実費でかかります。あくまで一例ですが、手当が1人2〜5万、救助に使った装備などの諸費用、その他経費がかかるとして、平均で40〜50万くらいの請求が発生する可能性も。

ココヘリ

ココヘリ

二次捜索・救助では全てココヘリが依頼する団体が出動しています。
 
しかし、一次の捜対協による捜索・救助活動で発生した費用については、残念ながら現在ココヘリによる費用補てんはできないため、別途山岳保険等で備えていただく必要があります。

▼実際の遭難事故でかかった費用を参考にしたい方は、こちらの記事もチェック

ココヘリとセットで加入したいおすすめの山岳保険

「ココヘリ+jRO」とセットで加入しておくと安心な山岳保険。ここからは、数ある保険の中からおすすめのプランをピックアップして紹介します。

前述した通り、ココヘリの補償対象外となる救援者費用(遭対協の出動など)のカバーをメインの目的とし、各社の保険の中で最もシンプルなプランで比較。なお、ココヘリ年間契約とのセット加入を前提に、ワンタイムではなく年間契約タイプをピックアップしています。

▼紹介する保険一覧

プラン名料金山岳登はん(※)
の補償対象
救援者費用個人賠償責任補償
(1事故につき)
死亡保険金後遺障害保険金傷害医療費用保険金入院保険金日額手術保険金特徴
ココヘリ+jROベーシック6,600円550万円 (約務提供)1億円
モンベル野外活動保険(C122)3,460円×500万円1億円200万円8〜200万円登はんを除く無雪期の登山を対象としたプランでは低価格
・死亡保険や後遺症傷害保険も充実
日山協山岳共済会ハイキングコース Ⅰ3,870円
(内会員費1,000円)
×500万円1億円200万円200万円1,500円7,500〜15,000円・モンベルより410円高いが、「入院・手術保険金」が充実
ABC少額短期保険レスキュー費用保険4,000円300万円登はんを対象とするプランでは低価格
・捜索・救助対応費用(定額5万円)が、捜索・救助費用請求の有無に関わらず受け取り可能
→家族の駆けつけ交通費や治療費に使える
・最短3営業日で支払い
やまきふ共済会一般会員4,000円500万円
登山計画提出で1,000万円
10,000円
(登はん時対象外)
登はんを対象とするプランでは低価格
登山計画書を提出することで、救援者費用が倍になる(山岳保険の中で最も厚い補償)
YAMAP外あそびレジャー保険5,840円300万円30万円
(傷害部位症状ごと)
・傷害保険に加入していない人におすすめ
※右にスクロールできます
※山岳登はんとは、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマーなどの登山用具を使用するもの、ロッククライミング(フリークライミングを含む)

ここにも注目!

各保険の中には、死亡保険金傷害保険などが設定されているものもあります。補償が手厚くなるほど年会費も高額になりますが、生命保険や傷害保険に加入していない方は、検討してみても良いでしょう。

モンベル|野外活動保険・シンプルプラン(C122)

料金山岳登はん(※)
の補償対象
救援者費用個人賠償責任補償
(1事故につき)
死亡保険金後遺障害保険金傷害医療費用保険金入院保険金日額手術保険金
3,460円×500万円1億円200万円8〜200万円
※山岳登はんとは、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマーなどの登山用具を使用するもの、ロッククライミング(フリークライミングを含む)

モンベルの「野外活動保険・シンプルプラン(C122)」は、登はんを除く無雪期の登山を対象としたプランの中では低価格に抑えられています。

ココヘリの補償にはない死亡保険や後遺障害保険も充実しているので、費用を抑えつつも、補償内容をアップグレードできます。

こんな方におすすめ!

  • ●雪山登山やアルパインクライミングをしない
  • ●とにかく費用を抑えたい

日山協山岳共済会|ハイキングコース I

料金山岳登はん(※)
の補償対象
救援者費用個人賠償責任補償
(1事故につき)
死亡保険金後遺障害保険金傷害医療費用保険金入院保険金日額手術保険金
3,870円
(内会員費1,000円)
×500万円1億円200万円200万円1,500円7,500〜15,000円
※山岳登はんとは、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマーなどの登山用具を使用するもの、ロッククライミング(フリークライミングを含む)

日山協山岳共済会の「ハイキングコース Ⅰ」も山岳登はん対象外のプラン。モンベルよりも410円高くなりますが、その分「入院・手術保険金」が充実しています。

こんな方におすすめ!

  • ●雪山登山やアルパインクライミングをしない
  • ●費用を抑えながらも、傷害に関する補償を充実させたい

ABC少額短期保険|レスキュー費用保険

料金山岳登はん(※)
の補償対象
救援者費用個人賠償責任補償
(1事故につき)
死亡保険金後遺障害保険金傷害医療費用保険金入院保険金日額手術保険金
4,000円300万円
※山岳登はんとは、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマーなどの登山用具を使用するもの、ロッククライミング(フリークライミングを含む)

ここからは、山岳登はんに対応したコース。その中でも価格が抑えられているのがABC少額短期保険の「レスキュー費用保険」です。価格面では「やまきふ」の保険と同額なので比較される方も多いと思いますが、こちらは費用の支払い対応にメリットがあります。

捜索・救助対応費用(定額5万円)が、捜索・救助費用請求の有無に関わらず受け取れるので、家族の駆けつけ交通費や治療費に充てることができます。また、支払いも最短3営業日で実施。

こんな方におすすめ!

  • ●雪山登山やアルパインクライミングも対象にしたい
  • ●費用を抑えたい
  • ●遭難発生直後の家族の負担を少なくしたい(費用の支払い面)

やまきふ共済会|一般会員

料金山岳登はん(※)
の補償対象
救援者費用個人賠償責任補償
(1事故につき)
死亡保険金後遺障害保険金傷害医療費用保険金入院保険金日額手術保険金
4,000円500万円
登山計画提出で1,000万円
10,000円
(登はん時対象外)
※山岳登はんとは、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマーなどの登山用具を使用するもの、ロッククライミング(フリークライミングを含む)

山岳登はんに対応しており、料金が4,000円という点はABC少額短期保険と共通ですが、こちらのメリットは救援者費用の充実です。

救援者費用の基本設定は500万円ですが、登山計画書を提出することで、救援者費用が倍の1,000万円になります。これは山岳保険の中で最も手厚い補償と言えるでしょう。

また、登はん時は対象外になりますが、死亡保険金が付いている点もメリット。

こんな方におすすめ!

  • ●雪山登山やアルパインクライミングも対象にしたい
  • ●費用を抑えたい
  • ●救援者費用を充実させたい

YAMAP|外あそびレジャー保険

料金山岳登はん(※)
の補償対象
救援者費用個人賠償責任補償
(1事故につき)
死亡保険金後遺障害保険金傷害医療費用保険金入院保険金日額手術保険金
5,840円300万円30万円
(傷害部位症状ごと)
※山岳登はんとは、ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマーなどの登山用具を使用するもの、ロッククライミング(フリークライミングを含む)

今回紹介する保険の中で価格は最も高くなりますが、山岳登はんが補償対象で、傷害医療保険の支払いもされる充実の補償内容が魅力

雪山など年間を通じて登山を楽しむ方で、傷害保険に加入していないのであれば、ぜひ候補にしてみてください。

こんな方におすすめ!

  • ●雪山登山やアルパインクライミングも対象にしたい
  • ●傷害医療保険を充実させたい

登山の「もしも」のお守りに、ココヘリを

ココヘリ端末を手のひらに乗せている様子
撮影:YAMA HACK編集部

ココヘリと同じように位置情報を共有する方法として、衛星通信端末の「Garmin inReach」も注目されていますが、端末代は4〜10万円、月額費用も2000円程度かかるため、やや出費は多くなってしまいます。

また、YAMAPやヤマレコなどのトラックログサービスでも、それぞれ「みまもり機能」「いまココ」といった位置情報共有機能が提供されています。ただし、圏外では共有できなかったり、スマートフォンがバッテリー切れしたりする不安もあります(YAMAPみまもり機能では、Bluetoothによる他登山者とのすれ違い通信もできますが、どちらかがオンラインになるまで送信されないという制限あり)。

ココヘリの場合「圏外でも捜索可能」で、ベーシックプランの費用は「年間6,600円」。さらに端末は「フル充電で約2ヶ月バッテリーを維持できるのにわずか約20g」なので、まさにお守り感覚で持ち運べます。

登山の安心・安全を提供してくれるサービスとして、ココヘリが持つ他にない強みは、これからも変わりません。捜索の初動から警察等と素早く連携してくれるのも信頼できる点ですね。

サービス内容をきちんと把握した上で、自分に必要な山岳保険をうまく組み合わせ、安全な登山を続けていきましょう。

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