狼信仰がある七ツ石山の帰りにぜひ飲みたい一杯

標高1,757m。雲取山へと続く尾根道の風景が美しい七ツ石山。山頂付近にある七ツ石神社には、狼の狛犬が祀られています。
そんな七ツ石山の下山後の「いただきます!」にぜひおすすめしたいのが、狼の名前を関したマイクロブルワリー「Wolves Brewing(ウルヴスブルーイング)」。醸造所に併設されたタップルームで、出来立てのクラフトビールを楽しむゲザン道はいかがでしょう。
狼の山から、狼のビールへの道!

コース概要
鴨沢バス停~七ツ石小屋~七ツ石山コース
▼参考コースタイム:6時間10分程度(休憩を除く)
▼合計距離:17.2㎞
▼累積標高(上り):1,694m
▼累積標高(下り):1,694m
▼主な山頂:七ツ石山 標高1,757m
※コースタイムや累積標高などは、らくルートを参考にしています。
※歩く時の注意点:登山道が整備され全体を通して歩きやすいですが、道幅が狭いところや冬季には凍結、積雪等もあるため注意が必要。また、ツキノワグマの目撃情報も多く、早朝や夕方の時間を避けるなどの対策が欠かせません。上りの累積標高は1,000mを越え、コースタイムも5時間以上かかるため、ゆとりある山行計画を心がけましょう。
平将門の迷走ルート?をたどり、絶景の石尾根を目指す

登り始めは、奥多摩湖畔にある鴨沢バス停から。バス停には、登山届を入れるポストやトイレなどが併設されています。

平安時代中期に平将門が逃げ延びてきたという言い伝えがあり、七ツ石山までのルート上ではそれら伝説の痕跡に触れることができます。

風呂岩(すいほろいわ)付近にある水場。冬場は付近の登山道を含めて凍結することがあり、チェーンスパイクや軽アイゼンを用意しておくと安全に通行することができます。
富士山を見て元気をもらおう!

振り返ると富士山が見える「富士見ターン」。ここまで来れば、七ツ石小屋はもうすぐです。
ついゆっくりしちゃう居心地の良い小屋

標高1,597m地点に位置する七ツ石小屋。小屋泊やテント泊もできるので、ここで泊まってのんびり過ごすのもおすすめ。

山頂直下にある七ツ石神社。狼信仰の神社だけに、社の中には狼の狛犬を見ることができます。また、神社の背後には七ツ石山の由来にもなっている、七つの大岩が連なります。
稜線や富士山など、お楽しみが多いピーク

雲取山へと続く美しい稜線を望むことができる七ツ石山山頂。新緑や紅葉はもちろんのこと、冬季には積雪することもあり、四季折々の自然が楽しめます。

山頂から南の方角の風景もおすすめ。天候さえよければ、樹木にさえぎられることなく、富士山の美しい姿を見ることができます。

今回はピストン山行なので、スタートもゴールも鴨沢バス停に。バス停内には、今回もうひとつの“いただき”であるWolves Brewingの案内が出ています。
2つ目の「いただき」は、鴨沢バス停近くのWolves Brewing

Wolves Brewing
- ▼住所:山梨県北都留郡丹波山村4903-7
- ▼下山後のルート例:鴨沢バス停より徒歩1分
- ▼営業時間:土曜日・日曜日・祝祭日 10:30〜17:00
- ▼Instagram:@wolvesbrewing
- ※イベント出展や季節によって営業日時が変更となる場合があります。最新の営業日時についてはInstagramをご覧ください。
ゲザン道的にもワクワクするビールで乾杯!

“First Trek” IPA
けんすけ
かんきつ類を思わせる爽やかな香りと、きりっとした辛口の飲み口は下山後の乾いたのどにぴったり。
初めての山に登るときの期待感や高揚感をイメージしているらしいけれど、ゲザン道的にも「もうひとつのいただき」としてのワクワク感に応えてくれる味と香りです。これが登山口である鴨沢バス停から歩いて1分の場所で飲めるというのは、ビール好きにとってはもはや事件ですよ。
飲み応え抜群!これがゲザン道のアルパインスタイル。

“Alpine Flora” Juicy IPA
ちゅみん
グラスに鼻を近づけると、華やかな香りにまずびっくり。一口飲んでみると白ワインを思わせる爽やかさがあり、そのあとにしっかりとした苦み。
なるほど、これは“Alpine Flora(アルパインフローラ)”の名前がふさわしいかも。サイズはSとLの2つ。アルコール度数が8%と高めだから、小さいサイズがあるのはちょっとうれしいポイントですね。
バーガー×チップス×ビール=正義

ブレッツ(チェダー&オニオン)/チーズバーガー、てりやきバーガー(持ち込み)
けんすけ
ビールのつまみにと店頭のポテトチップスを選びましたが、山帰りなのでもう少し食べたいところ。
「ちょっとしたものなら持ち込みもOKですよ」とのことだったので、今回は奥多摩駅前の商店で購入した常温で持ち歩けるチーズバーガー&てりやきバーガー(ともに山崎製パン製)を持ち込み。ここにビールを組み合わせるわけです。登山口から1分でこの幸せを味わえるなんて!ただただもう、最高です。
Wolves Brewingは、こんなお店

ロゴマークが大きく描かれた藍色の店頭幕が目印。建物自体は、1955年に建てられた商家をリノベーションしたもので、味わいあるたたずまいです。
リノベらしいレトロな空間

お店に入ってすぐの土間にあるテーブル席。窓の向こうには、緑豊かな奥多摩の大自然が広がります。

テーブル席の奥には、ゆったりとしたソファ席。醸造家の園部さんがアメリカ滞在時に使用していたスーツケースや趣味の音響機器が置かれた、大人がワクワクするような空間です。
香り高いビールたちのベストタイミングをはかる

日々の温度管理は、ビールづくりに欠かせない工程。タンクに仕込んだビールは、3週間くらいでほぼ完成するのだとか。
「うちのビール全体に言えるのは、香りが強い」と語る園部さん。熟成段階でどこまで落ち着くかを見越して、お店に出すタイミングを図っているそうです。

店頭では、ビールに合う軽いおつまみなどを販売。取材したその日は、ポテトチップスのほか、ポップコーンやバームクーヘンなどが並んでいました。
お土産にもできます!

炭酸対応のボトルも販売されており、こちらにビールを詰めて持ち帰ることも。こちらでビールをテイクアウトして、七ツ石小屋で泊まるなんてプランも楽しそう。

2023年より雲取山のふもとの丹波山村で、アメリカンスタイルのIPAを提供するWolves Brewing。そのルーツはかつて仕事でアメリカに行った際、街の行く先々で出会ったマイクロブルワリーだと言います。

上高地から見た穂高岳に惚れて山を始めたという園部さん。その後、ブルワリーも山のそばにつくったものの、「最近は、なかなか登れていないんですよ(笑)」とのこと。そんな園部さんの山道具は、出番を待つかのように店内の片隅に置かれています。
Wolves Brewingで、ゲザン道

登山口のすぐ近くに、ビール醸造所があるという幸せ。ゴールにこんなご褒美が待っているなら、下山の足取りも軽くなるというもの。ぜひ皆様もご自身で、ワクワクするようなゲザン道を楽しんでみてはいかがでしょうか。
今回のゲザン道 都々逸
※都々逸とは、七七七五からなる定型詩のひとつです。

狼信仰を今に伝える山を登ったあとに、狼の名を冠したブルワリーで一杯。七ツ石山だからこそのゲザン道が、ここにはあります。
山との付き合い方はさまざまですが、時には下山後も含めて楽しんでみるなんていかがでしょうか。もしそこで、あなた自身が見つけたおすすめの「ゲザン道」がありましたら、ぜひ、InstagramやX(旧twitter)に「#ゲザン道ノススメ」で投稿してみてください。
「ゲザン道ノススメ」におすすめしたいお店を募集中!

YAMA HACKでは、「ゲザン道ノススメ」におすすめしたいお店を募集しています。下山めし、下山酒、下山カフェなど、「ゲザン道ノススメ」でおすすめしたいお店がありましたら、下記のアンケートフォームからご連絡ください。
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