今度、登山に行くんだけど…
今度、友だちと登山に行くことに! いざそうなった時に思い浮かぶ1つのギモン、それは『水と食料は、どれくらい持っていけばいいの?』ということ。さて、「そもそも自分で持って行くんだよね?」「それってどれくらい持って行けばいいものなんだろう?」「多めに、と言っても重たすぎるのはNGだし…」今回はそんな疑問を解消していきましょう!
そもそも、持っていかなきゃダメ?
登山では長時間体を動かし続けるため、ふだんの生活とは違って多くのカロリーを消費します。そんなとき、適切に食べ物をとらないと血糖値が下がって動けなくなるハンガーノックになる可能性が出てきます。また、登山中は発汗することで体内の水分が失われているので、水分を取らないと脱水症状を引き起こしてしまうんです。
「自販機で買えばいい!」と思うかもしれませんが、例えば観光客が多く来るような山でも、入口に自販機があっても登山途中にはほとんどありません。食べ物も同様で、入口か山頂に売店があればいいですが、ほしいと思ったときにいつでも手に入れるのはほとんど不可能でしょう。
また「トイレに行きたくなるから、飲みたくない」「トイレがなさそう、じゃああんまり飲まない」という人も意外に多いのでは? これではかいた汗に対して水分不足になる一方です。事前に行く山のコースやアクセス情報だけではなく、トイレの場所まで調べておくのが吉。しっかりと水分をとるようにしてください。
①必要な水分の量を知ろう
では、実際に登山でどれくらい水分が必要か見ていきましょう。私たちの体は、汗などにより体重の3%の水分を失うと熱中症や脱水症の症状が現れはじめると言われています。理想的な水分補給の量は、かいた汗と同じ量。脱水量の計算式があるので参考にしましょう。
行動時間(h)×体重(kg)×5ml=脱水量
この式を基にザッと一覧を作成してみました。
体重/行動時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 |
---|---|---|---|---|
50kg | 500ml | 750ml | 1000ml | 1250ml |
60kg | 600ml | 900ml | 1200ml | 1500ml |
70kg | 700ml | 1050ml | 1400ml | 1750ml |
80kg | 800ml | 1200ml | 1600ml | 2000ml |
また、上記式は荷物の重さが加味されていないので、参考までにプラス5kgの場合の表が下記です。
【荷物の重さを5kgとして加算した場合】
体重/行動時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 |
---|---|---|---|---|
50kg | 550ml | 825ml | 1100ml | 1375ml |
60kg | 650ml | 975ml | 1300ml | 1625ml |
70kg | 750ml | 1125ml | 1500ml | 1875ml |
80kg | 850ml | 1275ml | 1700ml | 2125ml |
例えば60kg男性がコースタイム5時間の登山に5kgの荷物で出かけるとしたら、脱水量は1625ml。意外に多く感じるかもしれませんが、これが最低限持たなければいけない水分量となります。(参考:石井スポーツグループ)
このようにまずは自分が行く山のコースタイムを把握して、だいたい30分ごとに100~150mlくらいを目安に、こまめに水分をとるようにしましょう。
でも、汗かくと塩分もなくなるんじゃないの?
脱水量は分かりましたが、汗にはナトリウムが含まれているため、汗を大量にかいたときに水だけを飲むと、血液のナトリウム濃度が薄まり熱中症につながります。そのため、水+塩分の摂取が理想的。コンビニで調達できるような市販のスポーツドリンクでOKです。
だからと言ってスポーツドリンクだけでいいかというと、そうではありません。怪我をしたときや、蜂に刺されたときに水で洗い流さなくてはいけない場面になるかもしれません。このようなことからも水は多めに持って行った方がいいと言えるでしょう。
以上をまとめると、日帰り登山で持って行く水分の目安は
・水(1L)
・スポーツドリンク(500mlペットボトル)
・お茶など(350~500mlペットボトル)
余分に持って行くことも鑑みて、最低限はこれくらいと言えそうです。(あくまで参考!夏場はこれより多くても◎)
水分を持っていくのにおすすめのアイテム3つ
ナルゲン 広口1.0L トライタンボトル
フタをなくさないので登山で使いやすいボトルです。広口なので水場で水を汲みやすく、粉末のスポーツドリンクを入れるのにも便利。
ナルゲン 広口1.0L トライタンボトル
サーモス 真空断熱ケータイマグ 500ml
夏場は冷たい飲み物が飲みたいですよね。そんなときは長時間最適な温度を保てる水筒がおすすめ。サーモスのケータイマグはスリムで超軽量だから荷物を軽くしたい登山にもってこいです。
サーモス 真空断熱ケータイマグ 500ml
プラティパス アウトドア ハイドレーション デュオロックソフトボトル
ハンドルがカラビナ型で引っ掛けられるのが便利なプラティパス。使い終われば丸めて収納できて、片手で簡単に開閉できるキャップは広口で洗いやすいのも○。
プラティパス アウトドア ハイドレーション デュオロックソフトボトル
②食べ物は大きくわけて2つ!
続いては、食べ物です。登山中に必要な食べ物は、大きく
・お昼ご飯
・行動食
の2種類に分かれます。
①お昼ご飯:行く山に美味しいごはん屋さんがあるか?
山によっては食事ができるところもあります。事前に開いているか確認したらお昼はそこで食べるのもアリ。その場合でも、行動食は忘れずに。
食事ができるところがない場合は、お昼ご飯を持って行きましょう。手軽に食べられるおにぎりや、温かいものがよければ真空保温ボトルでお湯を持っていってカップラーメンがおすすめです。
▼美味しいごはんのために頑張りたい!
▼休憩は、どれくらいのペースでとればいいんだろう?
②行動食:登山中に必要!
登山中は日常とは比べ物にならないくらいカロリーを消費しています。お昼ごはんを食べたからといっても、長時間動き続けていると血糖値が下がってくるものです。そのままにしておくと全身に力が入らなくなり歩けなくなってしまいます。
そんなときに食べるのが行動食。吸収が早くすぐにエネルギーとなる糖分をとるのが理想的です。
行動食は、行動中でも食べやすいようなものでなくてはなりませんし、登山では軽量でかさばらないかどうかもポイント。例えば、ゼリー飲料やシリアルバーは小分けにされていて日持ちもするのでおすすめです。おなかがすいたと感じなくても、30分ごとの短い休憩などに少しづつとるようにしましょう。
カロリーも計算式がある
実は、先ほどの水分同様消費カロリーも計算式があるんです。
行動時間×体重×5kcal=消費カロリー
例えば、60kg男性がコースタイム5時間で行動した場合、
5時間×60kg×5kcal=1500kcal
となります。このうち3割は体内の脂肪を消費すると考えると、およそ7割の約1050Kcal分補う必要があります。(参考:石井スポーツグループ)
ここからお昼ご飯1食分のだいたいのカロリーを差し引いたのが、行動食で補うべきカロリー。上記の男性の場合、お昼ご飯がだいたい500kcalだとすると残りは1000kcal。これは単純におにぎり10個分に相当しますが、それだけの量を持っていくのは現実的ではありません。コンパクトでもカロリーの高い食べ物で1000kcalを補うとすれば、
・カロリーメイト4本入り1箱(400kcal)
・柿の種75g(350kcal)
・グミ(200~300kcalほど)やドライフルーツ100g(230kcal)など
これらが行動食として代表的です。サッと取り出して手軽に食べられるものが◎。例えばグミなど1つのカロリーが少ないものでも、断続的にちょこちょこ食べ続けることが理想的です。
おすすめの行動食はコレ!
カロリーメイト ブロック メープル 4本×10個
食欲をそそるメープルの香りに、さわやかなオレンジの風味が登山中でも食べやすい。ちょこちょこ食べるのにちょうど良い2本づつの小分けになっています。
大塚製薬 カロリーメイト ブロック メープル 4本×10個
クランベリーなどの甘酸っぱい果実や、ほんのり甘いバナナ、香ばしいカシューナッツやアーモンドなど6種類が入っているので、休憩中に好きなものを少しづつつまむのに便利。
MD ナッツ&フルーツ
亀田製菓 亀田の柿の種6袋詰
軽量で少量づつ食べられる柿ピーは、柿の種の糖質とピーナツの脂質の両方をとれるので、行動食におすすめ。どちらもまんべんなく食べましょう。
亀田製菓 亀田の柿の種6袋詰
山でのルール!ゴミはすべて持ち帰る
山にはゴミ箱がありません。食事できるようなところにあったとしても、自分で持って行ったもののゴミは自分で持ち帰るのが山でのルール。ゴミをそのままにして帰ったら、プラスチックやアルミなどは何年も土に還らないので山の美観を損ねてしまいます。
ゴミは持ち帰るのがルールですが、そもそもゴミが出ないようにするのがオススメ。たとえばナルゲンボトルに柿ピーやナッツを詰め替えて持って行くと、さっと取り出しやすいので便利です。飴などの袋もうっかり落としてしまうもの。これらも食べる分だけ別の容器に移しておけば、ゴミを出さずにすむんです。
適切な水と食べ物で登山を楽しもう!
いかがでしたか?持っていくべき水分と食べ物のことがだんだん分かってきたら、色々試して自分なりのてっぱんご飯と行動食を見つけるのも楽しいですよ!適切な水分と食べ物を持って行って、登山を楽しんでください!
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