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2023年新作登山インサレーション5モデル(おすすめレビュー)

【新作レビュー】 この冬、注目すべき最旬インサレーションウェア5選

いよいよ冬の寒さも本格化。高山はすでに雪に包まれ、低山でも保温性の高いインサレーションウエアの出番です。

そこで2023年秋冬の新作を中心に、山道具ライターのポンチョが気になるインサレーションウエアを、気温0℃雪降る富士山五合目付近の森の中で、その着心地や機能をテストをしてきました。

冬の低山ハイクを中心に機能する薄手から中厚手、スノーシューや高所登山でも活躍しそうな厚手の全5アイテムを詳しくレビューします。

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アイキャッチ画像撮影:ポンチョ

冬の登山の必需品、インサレーションウエア。最新のトレンドは?

インサレーションウエアのテスト
撮影:ポンチョ

インサレーションウエアとは、ダウンや化繊の中綿が封入された保温ジャケットやパンツのこと。

寒さの厳しくなった山での保温着ながら、昨今は、化繊中綿を封入した、動的保温着=アクティブインサレーションと呼ばれる、登山中もオーバーヒートしにくく、適度な暖かさで包んでくれる薄手や中厚手のモデルが注目されてきました。

これまで行動時に着ていたフリースよりも軽く、風を防ぎ、脱ぎ着の回数を減らせるので面倒がないことが特長です。

ダウンは最大の弱点を克服!? 撥水ダウン採用モデルが増加中

インサレーションウエアのテスト
撮影:ポンチョ

一方、ダウンウエアは化繊以上の保温力を誇りますが、汗や雨、または雪などの水濡れによって保温力が落ちるため、行動中よりも休憩やテント泊時の防寒着としての役割が主でした。

しかし今年は、主に寝袋に使われてきた、濡れても水分を弾き、ふっくらさを維持する撥水ダウンを封入したジャケットが増加傾向。それらは行動中に着ても保温力が落ちにくく、化繊中綿ウエア同様に、アクティブインサレーションとして使えるものです。

高所登山向けモデルでは、ハイブリッドタイプも

インサレーションウエアのイメージ
撮影:ポンチョ

さらに、その撥水ダウンと化繊中綿の両方を封入しているジャケットもあるんです!

水濡れの強さ、つまり高い保温力を持ちながら、化繊中綿の耐久性とダウンの軽さを両立。このハイブリッドタイプも増加傾向ですが、比較的ハードな山岳シーン、厳冬期の高所登山に対応する機能を持たせているものが主流です。

冬の中低山を快適に楽しむなら? インサレーションウェア選びのポイント

雪降る中のウエアテスト
撮影:ポンチョ

さてインサレーションウエアは、撥水ダウンウエアの登場、さらに化繊中綿ウエアの軽量コンパクト化もかなり進み、「休憩時の保温着」、「行動時の保温着」という使い分けの境界線は、ほぼなくなってきています。印象としては、インサレーションウエア=アクティブインサレーションと考えてもよいくらいです。

では、どのように選べばよいのか? 冬の中低山に登る想定で考えてみましょう。

求める暖かさに応じて、薄手・中厚手・厚手をセレクト

インサレーションウエアは、ウエアの厚さ=中綿の封入量によって、保温力が変わります。

冬の中低山で天候が安定している日のハイクであれば、日中の行動時に氷点下10℃以下になることは多くありません。

そこで基本は、行動中に常時着用する薄手か中厚手をセレクト。気温の上下や風の強弱には、ビーニーなどのニット帽、ネックウォーマー、インサレーションウエアのフードの着脱で対応。予想よりも寒かった時のために、インナーにプラスして薄手のフーディーなどの動きやすいフリース中間着を用意、または着用するとよいです。

インサレーションウエア
撮影:ポンチョ

女性や寒がりな人、そして2000m以上の高所に行く場合は、さらに休憩時用として厚手のインサレーションを用意しておけばよいと思います。

とはいえ、寒さの感じ方は人それぞれ。低山であっても風が強く吹けば、寒さはよりキビしくなります。でも晴れて陽射しが強く風がなければ、アンダーウエア1枚でも問題ないこともあります。

インサレーションウエアのテスト

ちなみに、私は登山ビギナーの方々を低山に案内するイベントツアーを主催しています。参加者は寒さが心配なのでしょう。気温0℃くらいの低山の登りでモコモコの厚手インサレーションウエアを着て、すぐにオーバーヒートして大汗をかき、汗冷えで寒くなっている人が、案外多いんです。

行動中は薄手~中厚手で、ちょうどいいことがほとんど。今回紹介しているアクティブインサレーションが、機能を発揮してくれます。厚手インサレーションは保険として装備するも、当日の天気、気温に応じて、自分なりのウエアリングを見定める必要があります

山道具ライター・ポンチョ注目の「新作インサレーションウエア」5モデルをレビュー

インサレーションウエア
撮影:ポンチョ

今回は、冬の中低山(標高1500m以下)の登山に適した、薄手・中厚手のアクティブインサレーションを中心に、注目の新作5アイテムをセレクト。

テストは2回実施。1回目は標高1450m、気温0℃、雪降る富士山五合目付近の森で。ウールの長袖ロングTシャツにウールと化繊混紡のフーディを着て、その上にアクティブインサレーションを重ね着。

2回目は、よく晴れた日の大菩薩嶺付近。標高2000m、最高気温4℃。その日はウールの半袖Tシャツに重ね着しました。

では、5つのアクティブインサレーションのレビューをどうぞ!

ちょっと不安になるほど薄手、でも動くとちょうどよい不思議ウエア

ファイントラック/ポリゴンULジャケット
撮影:ポンチョ

ファイントラック/ポリゴンULジャケット
¥24,200 185g(メンズ)

独自のシート状立体保温素材「ファインポリゴン」を中綿に採用したアクティブインサレーション。

2014年に発売され、以降モデル数を増やし、改良もされていたウエア群が2023年9月にリニューアル。中綿のファインポリゴンを表地と裏地で挟んで縫い合わせ、あらかじめキルト状にしてから、裁断・縫製の工程へ進ませることで、これまでできなかったカッティングや機能を盛り込めるようになったそう。

ゆったりしているけれど、モタつきなし!

撮影:ポンチョ

シルエットはゆったりめ。身体にフィットするタイプではなく、半纏のように羽織っている感覚です。それでいてブカブカ感もなし。またカッティングがよく、ストレッチ素材ではないのにツッパるところがまったくありません。

とくに袖は肩から二の腕にゆとりがあり、ダブつきやモタつきがあるかなぁと思いきや、着るとすっきり。なんで、こんなに動かしやすいんだ!?と何度も確認したくらい、よく考えられたパターンが採用されています。

上の写真で見ると、普通の袖なんですが……着ると、なるほど!とリニューアルした意図を強く感じられました。

撮影:ポンチョ(脇下のベンチレーション)

フロントのハンドポケットはジッパーなしのオープン仕様。脇下から裾に向かって、上写真のようにベンチレーションが大きく配され、ジッパー開閉可能。もともとムレにくいウエアながら、オーバーヒートをさらに軽減してくれます。

ファイントラック/ポリゴンULジャケット
撮影:ポンチョ

でもね、このウエア、持ってみるとペラペラ……ロフト、つまりモコモコとした空気の層をまったく感じさせないインサレーションウエアなんです。

だからなのか着用して間もなくは、ほとんど暖かくないんです。でも動いていると、ちょうどいい暖かさに。

インサレーションウエアには、「適度な保温力」という表現があります。風がほとんどなければ寒がりな人でも気温0℃で、暑がりな人なら氷点下5℃でも、レイヤリングや防寒小物次第で「適度な保温力」を纏い、快適に動き続けられるでしょう。

暑がりな私は、気温4℃もあると少し汗をかいてしまいましたが、上で紹介したベンチレーションを開けると快適に!よくできています。

ちなみにパンツもあるんです!

ポリゴンULパンツ
撮影:ポンチョ

ファイントラック/ポリゴンULパンツ
¥21,450 175g(メンズ)

尻から太ももはゆとりがありつつ、裾に向かって絞られたシルエット。重ね着をしても足さばきがとてもよく、パンツも動きやすさをよく考えられたパターンが採用されています。そしてジャケット同様に、不思議なくらい「適度な保温力」があります。

テスト時は薄手のトレイルランニング用のロングパンツを着用。冷たい風が吹くと寒かったのですが、その上にポリゴンULパンツを重ね着すると、すぐに快適に!保温力はもちろん、防風効果の高さもなかなかです。

このポリゴンULの上下を装備していれば、春~夏~秋の3シーズンのアルプスなどの高山では「携帯する保温着」として、冬の中低山なら「常時着用するアクティブインサレーション」として、活躍してくれるシーンは多そうです。

しかも重量は合わせて360g!寒がりさんは、この上下をオールシーズン装備しておけば、装備の重量増は最低限、でも安心は最大限となるでしょう。

中綿素材を内側にライニング、薄手だけれど保温力高めの万能保温着

ミレー ブリーズバリヤー トイ ジャケット
撮影:ポンチョ

ミレー/ブリーズバリヤー トイ ジャケット
¥36,850 392g

撥水性と防風性、通気性にすぐれた表地に、保温性と通気性に長けた中綿素材がライニングされたジャケットです。

その昔、同様のウエアはソフトシェルに分類されていたこともありましたが、最近は中綿素材を「封入」した構造でなく裏張りしていても、保温着という意味でインサレーションウエアと呼ばれています。

ミレー ブリーズバリヤー トイ ジャケット
撮影:ポンチョ

中綿素材をシェル素材で挟んで封入していないので、生地が1枚少ない分、通気性がよく、オーバーヒートしにくいのが特長です。

ムレを防ぐ脇下のベンチレーションは装備していませんが、フロントジッパーが上下開閉できるダブルジッパーなので、暑さを感じたら、換気が可能です。

薄手、またインナーを着用するインサレーションウエアは、ダブルジッパーを装備しないものが主流。ですが、すべてのインサレーションウエアが、ブリーズバリヤー トイ ジャケットのように換気のためのダブルジッパーを採用してほしいです。冬の山は確かに寒いのですが、風がなく陽光が射す中で動いていると、汗ばむくらいに暑くなるので!

体をしなやかに包むフィット感がいい

ミレー ブリーズバリヤー トイ ジャケット
撮影:ポンチョ

歩きはじめると、適度なストレッチ性と立体裁断による、動きやすさを実感。

裏地に張られた中綿素材は、身頃は起毛ですが、袖の内側は起毛が抑えられた仕様。そのため、インナーに凸凹ニット編みされたフーディーを着ても、大きな摩擦抵抗は感じません。

フード内側は滑りのよいシェル素材が張られているので、ニット帽との相性もよいです。こうした作り込みに、道具好きは感心します。

そして薄手ながら、保温力はかなり高め。着ているというより包まれている感じで、身体にしなやかにフィット。袖先には親指を通すサムホールを装備。ハンドポケットは高めの位置で、バックパックのウエストベルトと干渉しません。

気温4℃、無風では、インナーがTシャツ1枚でも、やや暑さを感じました。でも、その保温力の高さは、寒がりさんの冬のアウターとして最適だと思います。

街から低山まで、長く着ても保温力を維持

ホグロフス ロック ダウン フード〔メンズ〕
撮影:ポンチョ

ホグロフス/ロック ダウン フード(メンズ
¥52,800 310g

軽くて嵩張らず、そして暖かいので、冬の間は山だけでなく街でも毎日のように着てしまうほど、重宝するインサレーションウエア。

でも毎日のように着ていると、身体から放出される湿気によって、封入されているダウンがヘタってきて、フカフカした感じが弱まり、保温力が低下してしまいます。

また、購入した最初の年はよくても、3年も経つと、「アレ?なんかペラペラになってきた!?」と感じること、ありませんか?

画像提供:アール・シイーテイー・ジャパン 3日間水に浸したダウンの比較(左)通常のダウン、(右)撥水ダウン

ペラペラになってくるということは、ロフト、つまり空気の層が薄くなり、保温力が落ちてきます。それがダウンウエアの弱点でしたが、撥水ダウンはそれを軽減。水に濡れても、長時間着ても、長期間愛用しても、最初のフカフカさをかなり維持してくれます。

このロック ダウン フードは、撥水ダウンである疎水性の高い“NIKWAX HYDROPHOBIC DOWN”を使用した「H Down Gold」を封入。約3日間着用し続けても、撥水、ロフトを維持してくれるそうです。

上の写真は、3日間水に浸したダウンの比較。左が通常、右が撥水ダウン。違いは、一目瞭然です。

ホグロフス ロック ダウン フード〔メンズ〕
撮影:ポンチョ

長時間維持される保温力は、上の写真(右)のように身頃と脇下、袖と、太さの異なるバッフル構造によって最適化。運動性も装備しています。

フードは、開口部をアジャスターコードで調節できるだけでなく、ヒサシを備え視界も確保。薄手・中厚手のインサレーションウエアは、軽量化やインナー使いを意識して、アウター使いのための機能や装備を省略するものが多いのですが、これは基本をしっかりと押さえてくれています。

中間着を着ても窮屈感のないゆったりサイズ

ホグロフス ロック ダウン フード
撮影:ポンチョ

サイジングは中間着を重ね着しても動きやすい、ゆったりめ。袖が少し長めに感じましたが、岩場を乗り越えようと腕を伸ばすシーンでは、よい感じに。

メーカーに確認したところ、本国スウェーデンの欧米サイズながら、クライミングの動きを想定して長めにしているそうです。人によっては日本サイズよりも1サイズダウンがよいかもしれません。

フロント下部のハンドポケットは、バックパックのウエストベルトを締めると下1/3が干渉してしまいます。

シェル生地には、インサレーションウエアの定番「パーテックスクァンタム」を使用。通気性に特化した素材ではありませんが、気温4℃でも、ゆったりサイズのおかげなのか、インナーがTシャツ1枚だったからか、オーバーヒートすることはありませんでした。

見た目はよくあるインナーダウンのようですが、撥水ダウンを採用していることをはじめ、長く着ることでよさを実感できる一着です。

軽く、動きやすく、ヘタらない、ミニマリストの新定番

ビッグアグネス ゼット UL ジャケット
撮影:ポンチョ

ビッグアグネス/ゼット UL ジャケット
¥37,400 213g

ビッグアグネスは、超軽量なULテントで知られる米コロラド州発祥のアウトドアブランド。テント同様に超軽量な寝袋やマットも手掛け、このダウンウエアも同様にUL仕様。

その軽さの実現を担う一番手は、“縫い目”です。通常のダウンウエアのバッフル構造は、縫い目がヨコ一直線に入るのに対して、このジャケットは上の写真で見てわかる通りジグザグ。

これにより、使用する糸の量を減らし、かつ、少ないダウン量でもよくふくらみ、保温力を得られるようにしているといいます。

ビッグアグネス ゼットULジャケット
撮影:ポンチョ

その機能は、着用したMサイズの重量(実測値225g)以上に感じる軽さとフワフワ感で実感できます。ジャケット全体が身体にふんわりとフィットして、空気の層に包まれている感覚です。

しかも封入されているダウンは撥水仕様なので、長時間着用しても、少々雨や雪に濡れても、ふくらみがヘタってくることもありません。

ただし、軽量化のためフードにアジャスターがなく、開口部を絞れないため風が強い時には顔が冷気に当たり、もう少しフィットさせたい……と感じます。とはいえダウンのふくらみが高いので、ネックウォーマーやニット帽、バラクラバを着用すれば、対応できるフィット感はあります。


反面、フードが小さめなので、高所登山でヘルメットを着用すると少し窮屈です。しかし、それも冬の中低山での着用をメインとするなら問題にはならないでしょう。

ビッグアグネス ゼットULジャケット
撮影:ポンチョ

また、フロントのハンドポケットはバックパックのウエストベルトを締めると干渉してしまいます。

ただ、このダウンジャケット同様にULスタイルで、ULパックを背負い、中低山であればウエストベルトを締めずにハイクすることを想定しているのかな?と思えます。

ちなみに右ハンドポケットは、本体を収納できるポケッタブル仕様です。また左右に内ポケットが備わっているので、バッテリーなど冷やしたくないものを収められるのは、ULなのにありがたい仕様です。

インナー、アウター、どちらにもなる絶妙フィット

ビッグアグネス ゼットULジャケット
撮影:ポンチョ

そしてなにより、ダウンの封入を抑え、しかしふくらみを最大化しているからなのか、行動中は暖かいけれど、暑くなりすぎません。

シェル生地は、メーカー公表は薄手の12デニールのリップストップナイロンということなので、通気性があるかどうかは不明ですが、絶妙な暖かさが継続します。気温に応じてインナーを調節すれば、行動保温着として、気温5℃くらいから氷点下10℃くらいまでは、気持ちよく歩けるでしょう。

また身体によくフィットするデザインは、レインジャケットや他のアウタージャケットのミドルレイヤーとして使えば、さらに低い気温や風にも対応できます。

スペックは軽量コンパクトな薄手なのに、フカフカさは中厚手。冬の中低山、さらに3シーズンの保温着として活用したくなる高いポテンシャルを感じました。なにより、着ていないような着心地のよさに、私はかなりヤラれました。

雪山登山をカバーする、山岳インサレーションウエア

モンチュラ スキルデュベ
撮影:ポンチョ

モンチュラ/スキルデュベ
¥77,000 540g

高い保温性のある高品質ダックダウン(750FP)に“NIKWAX PFC FREE 撥水加工”を施し、濡れによる保温性の低下などを防止。

さらにダウンと同じように軽く暖かで、最適な通気性を持つ「コンフォテンプ」とよぶ化繊中綿を肩部分に追加。つまり撥水ダウンと軽量化繊中綿のハイブリッドインサレーションウエアです。

ここまで紹介してきた4アイテムとは異なり厚手。袖を通した瞬間に、極上の暖かさを感じます。

モンチュラ スキルデュベ
撮影:ポンチョ

私は、アイスクライミングや3000m級の雪山登山の経験がありません。でも、このジャケットを着てみた第一印象は、そうした高所、氷点下10℃以下の雪山で機能するウエアなのだろうと感じる、高い保温力とそれに反する動きの軽快さがあります。

かなりモコモコですが、しっかり動けるんです。袖口にはサムホールも備わり、激しい動きにも対応してくれます。

ところで私は、2000m級の雪山の樹林帯でのスノーシュー&ハイクは、毎年のように経験しています。
そこでは行動時よりも、昼食などの休憩時や強めの風が吹いている氷点下10℃の状況で、保温アウターとしてこのジャケットを着込むと思います。

スノーシューって、ゆっくり歩くだけでなく、走ったり跳んだりして運動量が多いので、暑がりな私にとってこの保温力の高さはオーバースペックに思えるんです。

高所で機能する保温力は、寒がりさんの強い味方

モンチュラ スキルデュベ
撮影:ポンチョ

とはいえ、一歩一歩ゆっくりと確実に、風雪にさらされる高所を進む雪山登山であれば、高い保温力が威力を発揮するでしょう。

ストレッチする寝袋のようにギャザーを備えた縫い目は、わずかに伸縮して身体にフィットしながら動きに追随。フードはアジャスターがありませんが、頭部をすっぽりと包み、開口部はストレッチテープが隙間を埋め、前立ては鼻まで隠してバラクラバ状態になります。

ただし、ヘルメットの上からフードを被る余裕はなく、フードの上からヘルメットを装着することになりそうです。

ウエア内には大きなメッシュポケットを2つ装備。本体を収納するポケッタブルにもできます。でも、メッシュが破れないか心配なので、私はフードの中に折畳んだ本体を収納すると思います。

モンチュラ スキルデュベ
撮影:ポンチョ

フロントのハンドポケットは、ウエストベルトを締めると干渉しますが、少しだけ上部に配置されているので、アクセスが完全にできない訳ではありません。

このジャケットは高所での雪山登山に対応するスペックですが、私とは違い寒がりな方、冬の低山で寒い思いをした経験のある人は、選択する意味があります。また、想定外の寒さだった時の保険として、充分すぎる効果を発揮してくれるでしょう。

加えて、他の撥水ダウンウエアのレビューでも書きましたが、撥水ダウンはただ湿気や水濡れに強いだけでなく、購入から長い期間、ヘタることなく保温力を持続してくれます。

高価なジャケットですが、メンテナンスをしながら10年以上使えるのならば、そしてこの極上の暖かさならば、手に入れておこうかと思えます。

低山で使うなら、まずは薄手から!

インサレーションウエアのテスト
撮影:ポンチョ

気温が0度、または氷点下。登山道には雪が残っていて、北斜面や日陰には凍結箇所もあるような場合、標高の低い中低山とはいえ相当寒いに違いない!そう思う人、結構多いかもしれません。

でも、中低山の登山道は樹林帯が続き、風を抑えてくれる場所が多いので、想像よりも寒くはありません。

だから登山中に厚着をしてしまうと、大汗をかいてしまうのは、冒頭でも書いた通り。

撮影:ポンチョ

とはいえ、ファイントラックのポリゴンULのジャケット&パンツは、あまりにもペラペラなので「大丈夫か?」と私も心配になりました。結果は気温4℃で陽射しがあればインナーは半袖シャツ一枚、気温0℃で雪が降り、風に吹かれても中間着を重ね着すれば、ちょっと暑いくらい。

冬の中低山の行動保温着=アクティブインサレーションは、ファイントラックやミレーのように、薄手がちょうどいいみたいです。

そしてホグロフスやビッグアグネスのようなゆったりシルエットや中厚手は、さらに低温時、または休憩時のアウターとして、モンチュラのような厚手になると、標高をさらに上げたい時、極端に寒がりな人に向いているという結論になりました!

それでは、皆さんよい山旅を!

ファイントラック ポリゴンULジャケット(メンズ)

重量185g
素材表地:ナイロン100%
裏地:ナイロン100%
中わた:ポリエステル100%(ファインポリゴン®)

ファイントラック ポリゴンULジャケット(ウィメンズ)

重量165g
素材表地:ナイロン100%
裏地:ナイロン100%
中わた:ポリエステル100%(ファインポリゴン®)

ファイントラック ポリゴンULパンツ(メンズ)

重量175g
素材表地:ナイロン100%
裏地:ナイロン100%
中わた:ポリエステル100%(ファインポリゴン®)

ファイントラック ポリゴンULパンツ(ウィメンズ)

重量165g
素材表地:ナイロン100%
裏地:ナイロン100%
中わた:ポリエステル100%(ファインポリゴン®)

ミレー ブリーズバリヤー トイ ジャケット(メンズ)

重量392g
素材ブリーズバリヤー® ナイロン100% 超耐久撥水 × スルーウォーム ポリエステル100%

ミレー ブリーズバリヤー トイ ジャケット(ウィメンズ)

重量334g
素材ブリーズバリヤー® ナイロン100% 超耐久撥水 × スルーウォーム ポリエステル100%

ホグロフス ロック ダウン フード(メンズ)

重量●●
素材メインファブリック:リサイクル・ポリアミド100%
中わた:リサイクル・ポリアミド ダウン(ダックダウン90%、フェザー10%)
裏地:ポリアミド100%

ビッグアグネス ゼットULジャケット(ユニセックス)

重量213g (Sサイズ)
素材シェル・ライニング:12Dリップストップナイロン100%
中わた:850FPダウンテックTM(PFCフリー撥水加工)