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白馬岳コースガイド|白馬三山を縦走する憧れのロングコース

白馬岳コースガイド|白馬三山を縦走する憧れのロングコース

北アルプス・後立山連峰の一座で日本百名山にも選定されているのが白馬岳(2932m)です。展望はもちろん高山植物が豊かな山としても人気があり、様々な登山コースが延びています。

今回は白馬岳から杓子岳(2812m)・白馬鑓ヶ岳(2903m)へと縦走するコースを紹介。稜線から下山後には歩いてしか行けない秘湯・白馬鑓温泉小屋にも立ち寄ります。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

【登山道の注意】(令和6年9月19日追記)
令和6年9月19日未明から朝にかけての豪雨により、白馬鑓温泉ルートの数か所で橋が流失してしまった影響で、白馬鑓温泉ルートは通行止めとなっています。最新の情報は白馬村のHPをご確認ください。
白馬村
【登山道の注意】(2024年7月4日追記)
白馬大雪渓にて多数のクレパスが発生しており崩落の危険性があるため、白馬大雪渓ケルン~お花畑間は現在通行止めとなっています。詳細情報は白馬村が発表している最新の情報を確認してください。
白馬村登山情報

アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔

憧れの白馬三山縦走コース

白馬三山
撮影:鷲尾 太輔(白馬三山)

北アルプスをはじめとする登山の醍醐味のひとつが、複数の山をつないだ縦走コースの踏破。白馬岳にも南に杓子岳と白馬鑓ヶ岳が連なり、これらを合わせて白馬三山と呼ばれています。

今回はそんな白馬三山を縦走するコースを紹介します。下山途中には標高2006mに位置する、歩いてしか行けない秘湯・白馬鑓温泉にも立ち寄る変化に富んだコースです。

コース概要

合計距離: 11.86 km
最高点の標高: 2867 m
最低点の標高: 1244 m
累積標高(上り): 567 m
累積標高(下り): -2157 m

体力レベル:★★★★★

1泊2日|コースタイム:14時間10分(栂池ルートから縦走・白馬山荘宿泊の場合)

参考:らくルート

技術的難易度:★★★★☆

・厳しい岩稜や不安定なガレ場、藪漕ぎを必要とする箇所がある
・転落・滑落の危険箇所が多い
・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

白馬岳山頂からのコース概要白馬岳(12分)→白馬山荘(12分)→祖母谷分岐(76分)→杓子岳(22分)→杓子沢ノコル(47分)→白馬鑓ヶ岳(22分)→鑓温泉分岐(26分)→大出原(62分)→白馬鑓温泉小屋(38分)→杓子沢出合(48分)→小日向のコル(86分)→猿倉

白馬岳までの主な登山コース

白馬岳山頂
撮影:鷲尾 太輔(白馬岳山頂)

白馬岳までの一般的な登山コースは、大雪渓コース・栂池コース・蓮華温泉コース。それぞれ魅力や難易度が変わってきますので、好きなコースで山頂アタックしてください。

富山県側の黒部峡谷鉄道・欅平駅から祖母谷温泉・清水尾根を経由するコースもありますが、白馬岳までのコースタイムは約11時間もあり、ベテラン向けといえるでしょう。

大雪渓コース・栂池コース・蓮華温泉コースの詳細はこちら

※コースタイムなどは往復分

  • ①猿倉~大雪渓~白馬岳

    大雪渓
    • 体力度:★★★☆☆
    • 技術難易度:★★★☆☆
    • コースタイム9時間50分
    • コース距離12.78 km
    • 標高差1581m

    剱沢雪渓・針ノ木雪渓と並んで日本三大雪渓にも数えられる白馬大雪渓を登るコース。雪渓歩きだけでなくお花畑も魅力の王道コースです。

  • ②栂池~白馬大池~白馬岳

    栂池からの稜線
    • 体力度:★★★★☆
    • 技術難易度:★★★☆☆
    • コースタイム13時間5分
    • コース距離18.84 km
    • 標高差1064m

    登山口の中でもっとも標高が高い栂池自然園からの標高差が少ないコース。天狗原の湿原・白馬大池の神秘的な水鏡・小蓮華山など稜線からの展望も見事なコースです。

  • ③蓮華温泉~白馬岳

    蓮華温泉からの雪倉岳
    • 体力度:★★★☆☆
    • 技術難易度:★★★☆☆
    • コースタイム13時間45分
    • コース距離19.33 km
    • 標高差1446m

    山中の秘湯・蓮華温泉からのコース。歩きやすい樹林帯を抜けると、白馬大池の神秘的な水鏡・小蓮華山など稜線からの展望が見事なコースです。

コース詳細ガイド

今回のコース
出典:YAMAP(今回のコース)

今回は、コースを3つのセクションに分けて紹介します。

セクション①:白馬岳〜白馬鑓ヶ岳(145分)
セクション②:白馬鑓ヶ岳〜白馬鑓温泉小屋(170分)
セクション③:白馬鑓温泉小屋〜猿倉(220分)

*各セクションをクリックすると、そのセクションへジャンプします

セクション①:白馬岳〜白馬鑓ヶ岳(145分)

セクション①
出典:YAMAP(セクション①)

最初のセクションでは、白馬岳から杓子岳・白馬鑓ヶ岳へ縦走します。全方位のパノラマが広がる絶景の稜線歩きですが、本記事作成のための登山時は残念ながら縦走中盤以外はガスに包まれていました。

山頂から南方向の展望
撮影:鷲尾 太輔(山頂から南方向の展望)

最初に、晴れた日の山頂からのパノラマをご覧頂きましょう。正面に杓子岳・白馬鑓ヶ岳の白馬連峰が連なり、右奥には三角形の剱岳もそびえています。

白馬岳山頂
撮影:鷲尾 太輔(白馬岳山頂)

縦走スタート地点の白馬岳山頂です。展望案内板・山名標識・三角点が設置されています。

白馬山荘へ下る
撮影:鷲尾 太輔(白馬山荘へ下る)

山頂から白馬山荘へは、ゆるやかなガレ場を10分ほど下れば到着します。

杓子岳と白馬鑓ヶ岳
撮影:鷲尾 太輔(杓子岳と白馬鑓ヶ岳)

白馬山荘からは、南方向にめざす杓子岳と白馬鑓ヶ岳がそびえています。

白馬岳頂上宿舎との分岐
撮影:鷲尾 太輔(白馬岳頂上宿舎との分岐)

白馬山荘からゆるやかに下っていくと、左手に白馬岳頂上宿舎や大雪渓コースへ続くトラバース道が分岐します。今回はそのまま正面の稜線を下ります。

祖母谷分岐
撮影:鷲尾 太輔(祖母谷分岐)

富山県側の祖母谷温泉から清水尾根を登るコースが合流する祖母谷分岐です。こちらも正面の稜線を進み、丸山へとゆるやかに登り返します。

丸山山頂
撮影:鷲尾 太輔(丸山山頂)

地形図やGPSアプリに・2768と記載されている丸山の山頂です。

丸山からの下り
撮影:鷲尾 太輔(丸山からの下り)

丸山からはハイマツ帯の岩場を下り、杓子岳との鞍部へはガレ場をジグザグに下るやや急な斜面となります。

鞍部からの登り返し
撮影:鷲尾 太輔(鞍部からの登り返し)

鞍部からは、先ほどまでと同じような斜面をジグザグに登り返していきます。

岩峰をトラバース
撮影:鷲尾 太輔(岩峰をトラバース)

小さな岩峰をトラバースしながら越えていくと、巻道との分岐は間近です。

巻道との分岐
撮影:鷲尾 太輔(巻道との分岐)

正面へ進むと杓子岳、右手に進むと中腹をトラバースする巻道との分岐です。杓子岳に向かって進むと、しばらくは写真のような小さな礫が堆積したザレ場に、登山靴を突っ込むようにして登っていきます。

杓子岳への登り
撮影:鷲尾 太輔(杓子岳への登り)

ザレ場が終わると、杓子岳へはガレ場をジグザグに登っていきます。斜面はかなり急ですが、山頂までの距離はわずかです。

杓子岳山頂
撮影:鷲尾 太輔(杓子岳山頂)

杓子岳山頂に到着です。山名標識から稜線を白馬岳側に少し戻った場所に、ケルンが積まれています。

杓子岳の稜線
撮影:鷲尾 太輔(杓子岳の稜線)

杓子岳の稜線は、その山容の通りに平坦でまっすぐな道です。左側の長野県側は鋭く切れ落ちているので、注意して進みましょう。

杓子岳からの下り
撮影:鷲尾 太輔(杓子岳からの下り)

稜線から離れると、めざす白馬鑓ヶ岳を正面にトラバース気味に下っていきます。

巻道への下り
撮影:鷲尾 太輔(巻道への下り)

巻道との合流地点までは、ハイマツ帯をジグザグに下っていきます。左前方には、剱岳の稜線が見えています。

鞍部への下り
撮影:鷲尾 太輔(鞍部への下り)

巻道と合流したら、鞍部へと斜面をトラバースしながら下っていきます。

杓子沢
撮影:鷲尾 太輔(杓子沢)

この付近からは、杓子岳と白馬鑓ヶ岳の間から延びる杓子沢の迫力ある谷間を見下ろすことができます。この後のセクション③では、杓子沢を見上げるポイントも通過します。

白馬鑓ヶ岳への登り
撮影:鷲尾 太輔(白馬鑓ヶ岳への登り)

鞍部からしばらくは、ガレ場の急斜面を登っていきます。

白馬岳
撮影:鷲尾 太輔(白馬岳)

振り返ると、スタート地点の白馬岳や白馬山荘を望むことができます。

山頂へ近づく
撮影:鷲尾 太輔(山頂へ近づく)

山頂へ近づくにつれて、斜面はなだらかに変わっていきます。

山頂直下の道標
撮影:鷲尾 太輔(山頂直下の道標)

この道標が見えれば山頂は目前、左方向に進みましょう。

白馬鑓ヶ岳山頂
撮影:鷲尾 太輔(白馬鑓ヶ岳山頂)

白馬三山最後のピーク・白馬鑓ヶ岳の山頂に到着です。こちらにも三角点が設置されています。

天狗ノ頭
撮影:鷲尾 太輔(天狗ノ頭)

正面には、不帰キレットの北側にそびえる天狗ノ頭への稜線を一望することができます。

セクション②:白馬鑓ヶ岳〜白馬鑓温泉小屋(170分)

セクション②
出典:YAMAP(セクション②)

このセクションでは、白馬鑓ヶ岳から白馬鑓温泉小屋へと下ります。鑓温泉分岐までは稜線を、そこからは斜面を下ります。


特に鑓温泉上部の急斜面は滑りやすい岩場に鎖場が連続しており、転倒・転落・滑落事故も多発しているため、注意が必要な箇所です。

白馬鑓ヶ岳からの下り
撮影:鷲尾 太輔(白馬鑓ヶ岳からの下り)

白馬鑓ヶ岳からは、白っぽい岩が連なるガレ場を下っていきます。

鑓温泉への斜面
撮影:鷲尾 太輔(鑓温泉への斜面)

眼下には、これから下る鑓温泉への斜面や登山道が見えています。

ゆるやかな稜線
撮影:鷲尾 太輔(ゆるやかな稜線)

鑓温泉分岐へと近づくと、稜線の斜度は徐々にゆるやかになっていきます。

鑓温泉分岐
撮影:鷲尾 太輔(鑓温泉分岐)

鑓温泉分岐に到着です。正面に進むと天狗山荘・天狗池を経て天狗ノ頭への稜線が続いています。今回は左手の斜面へと下ります。

鑓温泉分岐からの下り
撮影:鷲尾 太輔(鑓温泉分岐からの下り)

鑓温泉分岐からの下りは、はじめのうちはゆるやかに続いています。

ジグザグの下り
撮影:鷲尾 太輔(ジグザグの下り)

徐々に傾斜が急になり、ジグザグの下りへと変わります。

大出原
撮影:鷲尾 太輔(大出原)

いったん斜面がなだらかになった場所が、大出原です。夏には日本アルプスでも有数のお花畑が広がる場所です。

灌木帯の下り
撮影:鷲尾 太輔(灌木帯の下り)

大出原を過ぎるとふたたび斜面は急になり、ナナカマドなどの灌木帯の中をジグザグに下っていきます。

烏帽子岩
撮影:鷲尾 太輔(烏帽子岩)

正面にそびえているのは、烏帽子岩と呼ばれる山です。そのさらに下には、白馬村の街並が広がっています。

平坦な広場
撮影:鷲尾 太輔(平坦な広場)

ジグザグの下りが終わると、いったん平坦な広場に出ます。この先は鎖場が連続する急降下となるので、休憩してもよいでしょう。

注意喚起の看板
撮影:鷲尾 太輔(注意喚起の看板)

広場のすぐ先にある注意喚起の看板です。鎖にしっかり掴まれるように、指示通りに両手を空けておきましょう。

ジグザグの下り
撮影:鷲尾 太輔(ジグザグの下り)

看板からしばらくは、ジグザグの下りが続きます。斜面は、ここまでよりもさらに急に変わります。

鎖場上部
撮影:鷲尾 太輔(鎖場上部)

鎖場上部に、ふたたび注意喚起の看板が設置されています。ここから先は、セクション地図の(34)〜(40)の通り短い区間に鎖場が連続します。

1番目の鎖場
撮影:鷲尾 太輔(1番目の鎖場)

最初の鎖場です。斜度はそれほどでもないトラバース道ですが、足元の岩は乾いていても滑りやすく、鎖が設置された理由を実感できます。

鉄階段
撮影:鷲尾 太輔(鉄階段)

最初の鎖場を通過すると、鉄製の階段を下っていきます。

2番目の鎖場
撮影:鷲尾 太輔(2番目の鎖場)

2番目の鎖場です。こちらも傾いている足元の岩が滑りやすいので、鎖を頼りに進んでいきましょう。

3番目の鎖場
撮影:鷲尾 太輔(3番目の鎖場)

3番目の鎖場も足元は平坦なトラバースですが、道幅が狭くスリップすると右側の斜面へと転落してしまいます。

4番目の鎖場
撮影:鷲尾 太輔(4番目の鎖場)

4番目の鎖場は、奥に見える黒く濡れた岩の手前で、左にターンして次の鎖場へ進みます。

5番目の鎖場
撮影:鷲尾 太輔(5番目の鎖場)

5番目の鎖場。道幅はやや広いものの、足元の岩が滑りやすいことに変わりはありません。

6番目の鎖場
撮影:鷲尾 太輔(6番目の鎖場)

6番目の鎖場は、岩の間へ身体を入れながら下っていきます。ここでいったん鎖場の連続が終わります。

木製階段
撮影:鷲尾 太輔(木製階段)

鎖場が終わっても、急斜面の下りが続きます。この場所には木製階段が設置されています。

鉄ハシゴ
撮影:鷲尾 太輔(鉄ハシゴ)

続いて両側が丸太で補強された鉄ハシゴを下っていきます。

コンクリート階段
撮影:鷲尾 太輔(コンクリート階段)

さらにコンクリート舗装された階段が現れ、こちらを下っていきます。

注意喚起の看板
撮影:鷲尾 太輔(注意喚起の看板)

登山道が左へターンすると、鑓温泉への下りです。急斜面の中腹をトラバースするので、転滑落の危険性がある登山道。まだまだ気を引き締めて進みましょう。

白馬鑓温泉小屋が見えてくる
撮影:鷲尾 太輔(白馬鑓温泉小屋が見えてくる)

ようやく前方に、白馬鑓温泉小屋が見えてきました。この場所にも、鎖が設置されています。

白馬鑓温泉小屋
撮影:鷲尾 太輔(白馬鑓温泉小屋)

白馬鑓温泉小屋に到着です。登山道は小屋の裏から建物の間を通過して、小屋の正面に出ます。

野天風呂
撮影:鷲尾 太輔(野天風呂)

晴れていれば浴槽から絶景が広がる野天風呂は、日帰り入浴も可能です(大人1,500円・小学生1,000円)。

足湯
撮影:鷲尾 太輔(足湯)

入浴は下山してから……という人にも嬉しい無料の足湯も併設されています。ここまでの急な下りと、まだまだ続く下山路に備えて、足の疲れを癒すのもおすすめです。

セクション③:白馬鑓温泉小屋〜猿倉(220分)

セクション③
出典:YAMAP(セクション③)

このセクションは、小日向のコルの登り返しまでは白馬鑓ヶ岳・杓子岳の山腹をトラバースしていきます。とはいっても小刻みなアップダウンが多く、いくつもの沢を橋で渡るため、斜面や沢への滑落には十分注意が必要です。

小日向のコルを過ぎると斜面をジグザグに下り、トラバース道へ。最後は樹林帯の中のゆるやかな下りとなります。

鑓温泉からの下り
撮影:鷲尾 太輔(鑓温泉からの下り)

白馬鑓温泉小屋を後にして、まずは広い岩場を下っていきます。

草原の中の下り
撮影:鷲尾 太輔(草原の中の下り)

背が高い植物が繁茂する草原の中を、ゆるやかに下っていきます。

無名の沢を渡る
撮影:鷲尾 太輔(無名の沢を渡る)

草原が終わると、木製の橋で無名の沢を渡ります。

樹林帯の登り返し
撮影:鷲尾 太輔(樹林帯の登り返し)

対岸へ渡ったら、樹林帯の中を登り返して進みます。

鑓沢を渡る
撮影:鷲尾 太輔(鑓沢を渡る)

続いて、白馬鑓ヶ岳を源流とする鑓沢を渡ります。

樹林帯が開ける
撮影:鷲尾 太輔(樹林帯が開ける)

対岸へ渡ってしばらく進むと、樹林帯がいったん開けた明るいトラバース道となります。

樹林帯へ入る
撮影:鷲尾 太輔(樹林帯へ入る)

尾根をトラバースする場所で、ふたたび樹林帯に入ります。

崩沢を越える
撮影:鷲尾 太輔(崩沢を越える)

杓子沢手前の崩沢を越えます。普段は水が涸れており、橋は設置されていません。

杓子沢を渡る
撮影:鷲尾 太輔(杓子沢を渡る)

もっとも水量が多い杓子沢を、木製の橋で渡ります。セクション②で、杓子岳からの下山時に見下ろした迫力ある沢です。

杓子沢
撮影:鷲尾 太輔(杓子沢)

橋を渡りながら上流を見ると、勢いよく沢水が流れています。

小日向山の稜線
撮影:鷲尾 太輔(小日向山の稜線)

対岸へ渡って登り返すと、杓子岳から小日向山へと延びる稜線が前方に見えてきます。

涸れた沢を渡る
撮影:鷲尾 太輔(涸れた沢を渡る)

涸れた沢を渡ります。迷い込みを防止するための黄色いテープが張られています。

三白沢
撮影:鷲尾 太輔(三白沢)

岩のたもとに三白沢の看板が立っています。この周辺は「サンジロ」と呼ばれています。

巨岩
撮影:鷲尾 太輔(巨岩)

しばらく進むと、右手にぱっくりと割れ目が入った巨岩がそびえています。

登り返し
撮影:鷲尾 太輔(登り返し)

巨岩を過ぎると、草原の中をゆるやかに登り返していきます。正面には小日向山がそびえています。

小さな湿地
撮影:鷲尾 太輔(小さな湿地)

斜面をトラバースしながら進み少しだけ下ると、小さな湿地に出ます。この奥には、かわいらしい池も見えます。

小日向のコルへの登り返し
撮影:鷲尾 太輔(小日向のコルへの登り返し)

小日向のコルをめざして、ジグザグに登り返していきます。

木道
撮影:鷲尾 太輔(木道)

登りきった場所は湿原になっており、木道が敷設されています。

小日向のコル
撮影:鷲尾 太輔(小日向のコル)

小さな池がある小日向のコルへ到着です。ここからは基本的に下りが続きます。

小日向山を望む
撮影:鷲尾 太輔(小日向山を望む)

正面に小日向山を望みながら、気持ちの良い灌木帯を下っていきます。視界が開けた場所からは、小蓮華山から白馬岳へ続く稜線も見えます。

急斜面の下り
撮影:鷲尾 太輔(急斜面の下り)

標高差にして70mほどですが、急斜面の草原をジグザグに下る区間を通過します。

木製のハシゴ
撮影:鷲尾 太輔(木製のハシゴ)

急斜面が終わると、登山道はトラバース気味に変わります。短い木製のハシゴが設置されています。

涸れた沢を渡る
撮影:鷲尾 太輔(涸れた沢を渡る)

岩石が累々とした、涸れた沢を渡ります。この先の中山沢と呼ばれる場所で、トラバース区間が終わります。

樹林帯の中の下り
撮影:鷲尾 太輔(樹林帯の中の下り)

樹林帯の中を、なだらかに下っていきます。

傾斜がゆるやかに
撮影:鷲尾 太輔(傾斜がゆるやかに)

進めば進むほど、傾斜がゆるやかになっていきます。ゴールを手前に、疲れた足にはありがたい区間です。

猿倉台地
撮影:鷲尾 太輔(猿倉台地)

この付近は猿倉台地と呼ばれ、もっとも平坦に感じる区間です。

水芭蕉平
撮影:鷲尾 太輔(水芭蕉平)

水芭蕉平と呼ばれる場所。まだまだなだらかな登山道が続きます。

最後の下りへ
撮影:鷲尾 太輔(最後の下りへ)

このあたりでなだらかな区間が終わり、標高差100mほどの尾根を下ります。

尾根上の下り
撮影:鷲尾 太輔(尾根上の下り)

先ほどより傾斜はやや急になりますが、歩きやすい登山道です。周囲の森には、樹齢を重ねた巨木が増えてきました。

鑓温泉登山口
撮影:鷲尾 太輔(鑓温泉登山口)

ようやく鑓温泉登山口まで降りてきました。この写真の撮影時は白馬鑓温泉小屋が臨時休業のため通行止でしたが、現在は通行可能です。あとは猿倉まで、林道を経由して下るだけです。

猿倉
撮影:鷲尾 太輔(猿倉)

ゴール地点の猿倉です。ゴールデンウィークと7月上旬から8月下旬の夏山シーズンは毎日、8月下旬から10月上旬は土・日・祝日に、白馬駅までのバスが運行されています。タクシーを利用しても白馬駅までは4,000円弱、マイカーが停車できる駐車場もあります。

白馬岳の登山適期は?

夕焼けに染まる杓子岳・白馬鑓ヶ岳と右奥にそびえる剱岳
撮影:鷲尾 太輔(夕焼けに染まる杓子岳・白馬鑓ヶ岳と右奥にそびえる剱岳)

白馬岳登山の適期は7月中旬~9月ごろ。特に7月・8月は山小屋も混雑します。気候面では、夏でも朝晩は冷え込み、山頂付近の稜線へ吹き込む風も冷たいので防寒対策が必要です。
特にこの縦走コースは稜線上の行動時間が長いので、注意しましょう。

白馬岳の天気と地図をチェック

白馬岳は標高が3000m近くあり、開山直後のゴールデンウィークの時期では最低気温は平均-5℃。過去には悪天候による遭難事故もありました。
5月~6月は積雪や残雪があることを踏まえ、自分のレベルに合った山行計画を行い安全な登山をしましょう。

白馬岳のふもと(白馬村)の10日間天気

日付03月20日
(木)
03月21日
(金)
03月22日
03月23日
03月24日
(月)
03月25日
(火)
03月26日
(水)
03月27日
(木)
03月28日
(金)
03月29日
天気晴一時雪
晴一時雪
晴
晴
晴
曇時々晴
曇時々晴
晴
晴時々曇
晴時々曇
曇時々晴
曇時々晴
曇時々雨
曇時々雨
曇時々晴
曇時々晴
気温
(℃)
6
-8
10
-6
13
0
13
2
13
1
15
4
18
5
15
7
8
6
6
-2
降水
確率
5010020402040407040

白馬岳の登山指数

日付03月20日
(木)
03月21日
(金)
03月22日
03月23日
03月24日
(月)
03月25日
(火)
登山
指数
A C C C C B
登山指数の留意点

登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。

  • 雷の発生の可能性
  • 前日の天気による道のぬかるみ
  • 局地的大雨
  • 土砂災害の発生の可能性
  • 雪崩の発生の可能性
  • 噴火の可能性
  • 積雪の有無
  • 濃霧
  • 低温または高温
  • 虫やヒルなどの発生状況

山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。

白馬岳周辺の山と高原地図

下山口からのアクセス情報

猿倉登山口からのアクセス

猿倉登山口
撮影:YAMA HACK編集部(猿倉登山口)

このコースで下山する猿倉は、大雪渓コースの登山口でもありす。夏の登山シーズンには、東京都内からの直通バスも運行されています。
【クルマの場合】
・上信越自動車道「須坂長野東」IC−国道19号−県道31号−県道33号−県道322号−猿倉
・長野自動車道「安曇野」IC−県道310号−国道147号−国道148号−県道322号−猿倉

■猿倉駐車場
台数:約70台
トイレ:あり
料金:無料


【公共交通の場合】
・JR大糸線「白馬」駅下車、路線バス「白馬八方 猿倉線」乗車―「猿倉」バス停下車

【高速バスの場合】
・毎日あるぺん号…都内から猿倉までの直通バス

また、登山者の車を栂池や蓮華温泉などに運ぶ代行サービス窓口もあるので、今回のように縦走する場合にも便利です。

白馬三山縦走コースの山小屋情報

白馬岳から見下ろした白馬山荘
撮影:鷲尾 太輔(白馬岳から見下ろした白馬山荘)

ここではコース上にある山小屋を紹介します。登山中の宿泊はもちろんですが、前泊後泊などに利用することで、より余裕のある登山を行うことができますよ。

白馬山荘

白馬山荘
撮影:鷲尾 太輔(白馬山荘)

頂上直下にある日本最大級の山小屋です。一面ガラス張りの展望レストラン・スカイプラザ白馬からは北アルプスの絶景を楽しみながらくつろぐことができます。相部屋だけでなく、山小屋では珍しい2人用ベッドルームの個室などもあります。

電話: 0261-72-2002(株式会社白馬館)
営業期間:4月中旬~10月中旬
料金:15,000円(1泊2食)

白馬岳頂上宿舎

白馬岳頂上宿舎
撮影:鷲尾 太輔(白馬岳頂上宿舎)

女性限定のプレミアムレディースルームやテント場もあり、宿泊のスタイルを選ぶことができます。また、山岳パトロールや遭難救助などを行う隊員や昭和大学医学部白馬診療所のスタッフたちがシーズン中は常駐して活動しています。

電話: 0261-72-2002(株式会社白馬館)
営業期間:6月中旬~10月上旬
料金:15,000円(1泊2食)

白馬鑓温泉小屋

白馬鑓温泉小屋
撮影:鷲尾 太輔(白馬鑓温泉小屋)

白馬三山の一座・白馬鑓ヶ岳の中腹・標高2006mの場所にある「歩いてしか行けない」温泉のひとつ。山小屋・テント場とも完全予約制になっています。

電話: 0261-72-2002(株式会社白馬館)
営業期間:7月中旬~9月下旬
料金:16,000円(1泊2食)

猿倉荘

猿倉荘
撮影:鷲尾 太輔(猿倉荘)

下山口にある猿倉荘は自然林に囲まれた山小屋。夏期は登山相談所が開設され、大雪渓コースの玄関口ともなるため軽アイゼンの販売も行われています。

電話: 0261-72-2002(株式会社白馬館)
営業期間:4月下旬~10月上旬
料金:12,000円(1泊2食)

帰りに寄りたい温泉情報!

白馬岳に来たら外せない温泉!ここでは下山後に立ち寄れる日帰り温泉施設を紹介します。

白馬八方温泉 みみずくの湯

白馬八方温泉 みみずくの湯
出典:PIXTA(白馬八方温泉 みみずくの湯)

白馬三山の眺望が楽しめる温泉です。桜の時期には夜桜も楽しめます。温泉うどんが名物の茶屋が併設されています。

住所:長野県北安曇郡白馬村大字北城八方口5480-1
電話:0261-72-6542
営業時間:10:00~21:00(最終受付20:30)※季節によって変動するため要確認
料金:大人700円、子供400円

八方の湯

八方の湯
出典:PIXTA(八方の湯)

白馬八方バスターミナル向かいにある、アクセスが便利な日帰り温泉施設です。外には足湯もあるので、時間がないときにはそこで温泉気分を味わうこともできますよ。

住所:長野県北安曇郡白馬村北城大字5701-2
電話:0261-72-5705
営業時間:10:00~21:00(受付終了20:30)※季節によって変動するため要確認
料金:大人850円、小人500円

山の魅力が盛りだくさんの白馬岳へ!

白馬三山
撮影:鷲尾 太輔(白馬三山)

様々な登山コース、可憐な高山植物、大展望の稜線など登山の魅力が盛り沢山の白馬岳。難易度は中級者以上向けですが、ぜひ白馬岳へ行ってみてはいかがでしょうか?きっと忘れられない体験ができることでしょう!

※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。

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