届け!30万人 山の安心をひろげるプロジェクト 第2弾 / 希望者全員にココヘリをプレゼント 限定ステッカーももらえる! / 今すぐ申し込む
祇園山見晴台から見る鎌倉市街

鎌倉ガイド|祇園山ハイキングコース

「武家の古都」として数多くの社寺や文化財を有する人気の観光地・鎌倉。相模湾に面し南側に湘南海岸が広がる美しい街ですが、東・北・西の三方を山に囲まれた天然の要塞ともいえる場所です。

そしてその山々には四季折々の自然を満喫できるハイキングコースが多数整備されています。今回は鎌倉市の中心部からも近く、湘南海岸の眺望や歴史の遺構を楽しむことができる祇園山ハイキングコースを紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

湘南海岸の眺望を楽しみ、鎌倉幕府終焉の地を訪ねるハイキング

北条高時らが自害した腹切やぐらへの道

撮影:YAMA HACK編集部(北条高時らが自害した腹切やぐらへの道)

後醍醐天皇や楠木正成が1331年に挙兵して始まった鎌倉幕府倒幕の流れは、新田義貞や足利尊氏も加わることで一気に加速。1333年には、倒幕軍が幕府軍を鎌倉へと追い詰めます。鎌倉幕府の執権をつとめた北条一族は最期を悟って祇園山山中に逃げ込み、当主・北条高時を筆頭に一族や御家人が自害して鎌倉幕府は終焉を迎えるのです。

そんな血なまぐさい歴史も残る祇園山ですが、現在はハイキングコースとなり、途中には鎌倉市街や湘南海岸の眺望を楽しむことができる見晴台もあります。今回は、この祇園山ハイキングコースを紹介します。

祇園山ハイキングコース概要

祇園山ハイキングコースの地図

作成:橋爪 勇志(祇園山ハイキングコースの地図)
コース概要
鎌倉駅(0.9km・14分)→八雲神社(0.2km・12分)→祇園山見晴台(0.4km・10分)→妙本寺分岐(0.5km・18分)→東勝寺跡(0.5km・9分)→宝戒寺(0.2km・4分)→八幡宮前(0.7km・10分)→鎌倉駅
参考:ヤマレコ
【体力レベル】★☆☆☆☆
日帰り
コースタイム:約1時間17分
参考:ヤマレコ
【技術的難易度】★☆☆☆☆
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

登山口情報

鎌倉駅東口

撮影:YAMA HACK編集部(鎌倉駅東口)

スタート地点はJR鎌倉駅東口です。

駅前には鎌倉土産の代表的な存在である鳩サブレーを製造・販売する鎌倉豊島屋本店や、井上蒲鉾店 鎌倉駅前店などが集結。構内にも飲食店・土産物屋・コンビニエンスストア・公衆トイレなどの施設が完備しており、ハイキングに必要なものを購入することができます。

コース詳細ガイド

今回のコース

出典:YAMAP(今回のコース)*画像クリックで拡大可
今回はコースを2つのセクションに分けて紹介します。

▶Section1:鎌倉駅〜祇園山見晴台
(1.1km・約26分)
▶Section2:祇園山見晴台〜鎌倉駅
(2.3km・約51分)

Section1:鎌倉駅〜祇園山見晴台(1.1km・26分)

Section1

出典:YAMAP(Section1)

最初のセクションは、八雲神社までは舗装路歩きです。若宮大路・大町大路・八雲神社への路地とだんだん道幅が狭くなっていきます。

八雲神社の裏手からは祇園山ハイキングコース、10本ほど登れば祇園山展望台に到着します。

若宮大路へ向かう

撮影:YAMA HACK編集部(若宮大路へ向かう)

鎌倉駅東口を出発して、若宮大路へ向かいます。

大巧寺

撮影:YAMA HACK編集部(大巧寺)

若宮大路を渡ったら、右手へ進みます。左には「おんめさま」の愛称で知られる安産祈願のお寺・長慶山正覚院大巧寺(だいぎょうじ)があります。

若宮大路を進む

撮影:YAMA HACK編集部(若宮大路を進む)

鎌倉生涯学習センター・鎌倉郵便局を左に見ながら、若宮大路沿いを進みます。

横須賀線沿いを進む

撮影:YAMA HACK編集部(横須賀線沿いを進む)

若宮大路がJR横須賀線と交差します。直進して線路をくぐるのではなく、左斜め前方へ線路に沿って進みます。

大町橋

撮影:YAMA HACK編集部(大町橋)

大町橋で滑川を渡ります。

大町大路沿いを進む

撮影:YAMA HACK編集部(大町大路沿いを進む)

しばらく大町大路沿いを進みます。前方に見える大町四ッ角信号を左に曲がります。

八雲神社の看板

撮影:YAMA HACK編集部(八雲神社の看板)

50mほど進むと「→八雲神社」の看板が見えてきます。右の路地へと進みます。

八雲神社

撮影:YAMA HACK編集部(八雲神社)

鎌倉でも最古の厄除け神社として知られる八雲神社に到着です。境内には厄除け祈願ののぼりがはためいています。

ハイキングコースへの案内板

撮影:YAMA HACK編集部(ハイキングコースへの案内板)

祇園山ハイキングコースの登山口は、境内の右奥にあります。

ハイキングコース入口

撮影:YAMA HACK編集部(ハイキングコース入口)

三峯神社・御嶽神社横の階段へ。

フェンス沿いの階段

撮影:YAMA HACK編集部(フェンス沿いの階段)

最初のうちはフェンスに沿った階段を登っていきます。

撮影:YAMA HACK編集部(ハイキングコースが左右に分かれる)

やがて足元は土道となり、自然のハイキングコースへと変わります。この場所でコースが左右に分かれます。右方向が見晴台(祇園山)への近道です。

撮影:YAMA HACK編集部(展望が開ける。見晴台は右、高時腹切りやぐら方面は左)

正面の展望が開けたT字路に出たら右へ。

山頂直下

撮影:YAMA HACK編集部(山頂直下)

ゆるやかに登っていくと、前方の森が開けて空が見えてきます。

祇園山見晴台

撮影:YAMA HACK編集部(祇園山見晴台)

祇園山の山頂にあたる見晴台に到着です。

祇園山からの眺望

撮影:YAMA HACK編集部(祇園山からの眺望)

展望案内板も設置された見晴台からは鎌倉市街や湘南海岸はもちろん、空気が澄んでいれば富士山や房総半島までを眺望することができます。

Section2:祇園山見晴台〜鎌倉駅(2.3km・51分)

Section2

出典:YAMAP(Section2)

このセクションは見晴台からハイキングコースに戻り、東勝寺跡に下ります。東勝寺跡から先は舗装路歩き、宝戒寺や鶴岡八幡宮を通りながら、鎌倉駅へと戻ります。

撮影:YAMA HACK編集部(八雲神社へ戻る分岐)

見晴台を背に直進して下っていくと、分岐の看板があります。Section1の[12]を左へ進んだ場合に出る場所です。

ここは「高時腹切やぐら」の道標にしたがって、森の中をゆるやかに登り返します。

滑りやすい下り

撮影:YAMA HACK編集部(滑りやすい下り)

この先はやや下りとなります。木の根も多く、雨天後などはスリップしやすい区間なので、ゆっくりと下りましょう。

視界が開ける

撮影:YAMA HACK編集部(視界が開ける)

右側の視界が開け、大町の住宅街を見下ろすことができます。

道標

撮影:YAMA HACK編集部(道標)

やがて道標が現れ、ふたたびゆるやかに登り返します。

露岩帯のハイキングコース

撮影:YAMA HACK編集部(露岩帯のハイキングコース)

この付近は鎌倉周辺のハイキングコースに多い露岩帯です。土道よりは雨天後でも滑りにくい地質です。

トラバース

撮影:YAMA HACK編集部(トラバース)

斜面の左側を、トラバース(横断)するように進みます。春はシャガの花が斜面を彩ります。

フェンス沿いを進む

撮影:YAMA HACK編集部(フェンス沿いを進む)

しばらくはフェンス沿いを進みます。最初はトタン板ですが、やがて視界のある金網のフェンスへと変わります。

森の中を登り返す

撮影:YAMA HACK編集部(森の中を登り返す)

温暖な鎌倉らしい照葉樹が多い森の中をゆるやかに登り返します。頭上の木々を横切るタイワンリスの姿に出会えるかもしれません。

高時腹切やぐらへの道標

撮影:YAMA HACK編集部(高時腹切やぐらへの道標)

稜線上のハイキングコースはここまで。高時腹切やぐらへ向けて、下っていきます。

撮影:YAMA HACK編集部(ゆるやかな下り)

斜面をややトラバースするように、ゆるやかに下っていきます。

やぐら跡

撮影:YAMA HACK編集部(やぐら跡)

こんな場所にもやぐら跡が。ちなみにやぐらとはこのような横穴式の中世のお墓で、鎌倉周辺のハイキングコースでは随所で見ることができます。

山麓へ

撮影:YAMA HACK編集部(山麓へ)

さらに下っていくとハイキングコースの終点である山麓が見えてきます。

高時腹切やぐらへの道

撮影:YAMA HACK編集部(2023年4月現在、高時腹切やぐらへと続くの道は、落石の危険似寄立ち入り禁止)

下りてきた階段を振り返ると、「腹切やぐら」と刻まれた石碑があります。

石碑の手前を左に進むと高時腹切やぐらを参拝することができますが、2023年4月現在は落石の危険があり立入禁止となっています。

東勝寺跡

撮影:YAMA HACK編集部(東勝寺跡)

鎌倉幕府滅亡時に焼失し、その後いったんは再興されたものの中世以降は荒廃した東勝寺跡。今は静かにその遺構を残すのみです。

東勝寺橋

撮影:YAMA HACK編集部(東勝寺橋)

東勝寺橋ひぐらし公園を左に見ながら、東勝寺橋で滑川を渡ります。この橋は大正13年に建設された石造りのアーチ橋で、当時の姿を今に留める貴重な存在です。

T字路を右へ

撮影:YAMA HACK編集部(T字路を右へ)

さらに進むと道は小町大路とぶつかるT字路となります。道標に従って右へ進み、宝戒寺へ向かいましょう。

宝戒寺

撮影:YAMA HACK編集部(宝戒寺)

鎌倉幕府の実権を握っていた北条氏の執権屋敷跡にある宝戒寺(拝観料300円)。現在は花の寺としても知られ、春の桜・夏のサルスベリ・秋の萩・冬のツバキなど四季折々に境内が美しく彩られます。

鶴岡八幡宮

撮影:YAMA HACK編集部(鶴岡八幡宮)

鎌倉きっての人気スポット、鶴岡八幡宮の鳥居前まで進みます。広い境内に立ち寄って参拝しても良いでしょう。

撮影:YAMA HACK編集部(若宮大路)

あとは若宮大路を鎌倉駅へ戻るだけです。車道の真ん中に遊歩道が整備されており、春は桜のトンネルとなります。

北条氏の弔いの寺・宝戒寺

宝戒寺

撮影:YAMA HACK編集部(宝戒寺)

下山後に立ち寄る宝戒寺は、鎌倉幕府を滅した後醍醐天皇が討幕軍の一員であった足利尊氏に命じて、北条氏の霊を弔うために建立された寺院です。腹切やぐらで壮絶な最期を遂げた北条高時も徳崇大権現として神格化され、境内にある德崇大権現堂に祀られています。

敵方の将でありながら敬意を持って弔う(怨霊となって祟ることを防ぐためという説も)という戦の後の行動。時に残酷な歴史の一面を覗かせる鎌倉ですが、こうしたエピソードもハイキングを味わい深いものにしてくれるでしょう。

ハイキングの服装はこちら

鎌倉のハイキングコースはこちら


鎌倉のハイキング おすすめ6コース

気になるコースをCHECK!

1. 葛原岡・大仏ハイキングコース

コースタイム01:53 コース距離4.5km

歴史ある寺社と自然あふれるハイキングをバランスよく体感できるコース。歩みを進めるにしたがって近づく海の眺望も魅力。

 

2. 天園ハイキングコース(鎌倉アルプス)

コースタイム02:19 コース距離5.8km

鎌倉市最高所・大平山も踏破する歩き応え抜群のハイキング王道コース。四季折々の魅力がある山麓の古刹も必見。

 

3. 衣張山ハイキングコース

コースタイム02:03 コース距離4.7km

山頂からは鎌倉市街から海までの絶景を一望。山麓にも魅力あふれる寺社が点在するハイキングコース。

 

4. 祇園山ハイキングコース

コースタイム01:17 コース距離3.4km

コース中に点在する史跡も、見晴台からの展望も魅力的。緑が美しい道で程よく自然を感じられるハイキングコース。

 

5. 朝比奈切通しハイキングコース

コースタイム00:45 コース距離1.8km

武家の古都・鎌倉守護の名残を色濃く留めた道。コンパクトながら歴史の面影を存分に感じ取れるハイキングコース。

 

6. 名越切通しハイキングコース

コースタイム01:56 コース距離6.1km

自然と調和した防衛拠点・大切岸は必見。石廟や切通しも点在する、先人の労苦を偲び自然との調和を実感するハイキングコース。