静かな山行が魅力の一ノ尾尾根コース
陣馬山へのアプローチには、JR中央線・高尾駅からのバス便がある陣馬高原バス停からの新ハイキングコースや、高尾山・城山・景信山を経由する奥高尾縦走路が一般的です。
けれども、今回紹介する一ノ尾尾根コースも魅力的。登山者が少ない静かなコースでありながら、急な登り・下りが少ない“歩きやすい”登山道なのです。
コース概要
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 191 m
累積標高(上り): 912 m
累積標高(下り): -912 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:約4時間
登山口情報
スタート地点はJR中央線・藤野駅。中央快速線の終点である高尾駅から2駅、約13分で到着します。
駅舎を出て右手には、観光案内所に併設されたトイレがあります。
駅舎の先に階段が続いていますが、看板のとおりに階段は下りずに左手が陣馬山方面です。
コース詳細ガイド
Section1:JR藤野駅〜陣馬登山口バス停(30分)
最初のセクションは、県道522号棡原藤野線沿いの舗装路歩きです。車の交通量はそれほど多くありませんが、歩道がない区間もあるので注意しましょう。
藤野駅横の広場を抜けて、中央線の線路に沿って進みます。
最初の踏切を渡って、北に向かいます。
藤野総合事務所前バス停から、中央自動車道の高架橋と背後にそびえる山を貫くトンネルをくぐります。
トンネル内は左側の黄色く塗られた歩道を歩きましょう。
トンネルを抜けると県道はやや急な下り坂となります。
下り坂が終わると、前方に自動車修理工場が見えてきます。
日野バス停です。歩行時間では、このセクションの中間地点にあたります。
このあたりから、県道右側に歩道が設けられています。
県道は沢井川に沿って、やや上り坂となります。
この商店の手前で、いったん歩道が終わります。
ふたたび県道右側に歩道が始まります。沢井川の対岸は、旧家や土蔵などの歴史建造物が多いエリアです。
中里橋バス停です。この中里橋で沢井川を渡ります。
県道はふたたび上り坂に変わります。
県道は沢井川に沿って続いていきます。橋を渡った対岸には廃校を利用した青少年のための体験施設「相模原市立ふるさと自然体験教室 ふじの体験の森やませみ」があります。
陣馬登山口バス停に到着です。登山道の入口は、ここから100mほど進んだところにあります。
Section2:陣馬登山口バス停〜和田第二尾根分岐(60分)
このセクションも最初は舗装路歩きですが、すぐに登山道へと変わります。ごく一部だけやや急な斜面を登る箇所がありますが、大半がなだらかで歩きやすい道です。
陣馬登山口バス停から県道沿いを進み、この石碑を目印に右手の路地へと進みます。ただしトイレは県道沿いを140mほど進んだ場所にあります。ここから山頂まではトイレがないので、立ち寄ってから登山口へ向かっても良いでしょう。
沢井簡易郵便局前で一ノ尾尾根コースと栃谷尾根コースが分岐します。一ノ尾尾根コースは左の道を進みます。
落合浄水場の脇を通り、ヘアピンカーブが2つ続く細い舗装路を登っていきます。
やがて右手に一ノ尾茶屋が見えてきます。店先には野菜の無人販売所も設置されています。
次のヘアピンカーブを2つ越えると、小さな住宅街があります。
住宅街が終わり林の中へと入ります。ここを直進すると農地に入ってしまうので、カーブを右に進みましょう。
いよいよ登山口に到着。ここから自然の登山道が始まります。
登山口からしばらくは、平坦な道を進みます。
ゆるやかに登りながら、地形図やGPSアプリに・399と表記されているピークへ向かいます。
・399ピークからは、平坦な登山道となります。
やがて、登山道はゆるやかな下り坂に変わります。
下りきったところが上沢井分岐です。陣馬登山口バス停から2つ先の上沢井バス停からのコースが合流します。
上沢井分岐から標高差60mほどのやや急な斜面を登ります。登山道はジグザグにつけられており、直登するよりは体力的に負担が少なくなっています。
登りきれば平坦な登山道になり、路傍にはベンチも設置されています。
やや下っていくと、めおと坂との分岐に到着します。藤野北中学校裏手からのルートが、ここで合流します。
分岐から先は、地形図やGPSアプリに・507と表記されているピーク(大沢ノ頭)への標高差30mほどのジグザグの登りとなります。
大沢ノ頭は山頂には登らず、その直下をトラバース(横断)するように登山道がつけられています。
大沢ノ頭を過ぎると、ゆるやかな登りがしばらく続きます。
ベンチやテーブルが整備された一ノ尾テラス、休憩にはもってこいのポイントです。
一ノ尾テラスから先は、尾根の東側をトラバースするように登山道を進みます。
トラバース区間から尾根上に乗り上げると平坦な登山道となり、少し下っていきます。
地形図やGPSアプリに・620と表記されているピークへ登り返します。
・620ピークから少し下ると、和田第二尾根分岐に到着です。この分岐を下ると和田登山口経由で和田バス停に下山できます。
Section3:和田第二尾根分岐〜陣馬山(40分)
いよいよ陣馬山への最後のセクションです。ここまでほとんど杉が多い森の中を歩いてきましたが、山頂に近づくにつれて少しずつ景観が変わっていきます。
和田第二尾根分岐から、ゆるやかに登り返していきます。
一ノ尾尾根コースは、こうした平坦な区間が多いのが魅力です。
木々の間から見えるのは、陣馬山から西の生藤山へ縦走する際に通過する連行峰です。
尾根の南側をトラバースしながら登っていきます。
いったん杉林を抜けて、灌木帯の中を進みます。
杉林の中に戻ると、ほぼ平坦な登山道が続きます。
和田尾根分岐は一ノ尾尾根コース最後の分岐となります。エスケープルートの選択肢のひとつとなりますが、先ほどの和田第二尾根分岐を下った方がバス停には近いです。
このあたりは樹齢を重ねた巨樹が多い区間です。
山頂直下の急斜面にさしかかりました。この斜面もジグザグに登っていきます。
最後は階段です。短い区間なので、一歩一歩進みましょう。
階段を登り進めていくと、前方に山頂の茶屋の一軒である清水茶屋が見えてきます。
階段を登り切ると清水茶屋の前に出ます。その先の階段を登れば、陣馬山の山頂です。
白馬の像が立つ山頂からは、富士山はもちろん丹沢・奥多摩の山並を一望できます。
一ノ尾尾根コース周辺の茶屋・トイレ情報
一ノ尾尾根コース周辺には山麓に1軒・山頂に2軒の茶屋があります。ただし営業は週末・祝日のみの場合が多いので、事前にホームページやSNSを確認してください。トイレは陣馬登山口バス停先と山頂に設置されています。
一ノ尾尾根コース周辺の茶屋
①一ノ尾茶屋
②陣馬山頂 清水茶屋
③陣馬山頂 信玄茶屋
④陣馬山頂 富士見茶屋
一ノ尾尾根コース周辺のトイレ
①陣馬登山口公衆トイレ
②陣馬山頂公衆トイレ
一ノ尾尾根コースのアクセス情報
今回は藤野駅から歩きましたが、Section1は便数は少ないもののバス利用も可能です。藤野駅前から神奈川中央交通バス・和田行に乗車して約5分で到着します。
陣馬登山口バス停
神奈川中央交通|藤野駅時刻表

また駐車可能台数は4台と少ないものの、陣馬登山口バス停のひとつ先の沢井住宅前バス停近くに無料駐車場もあります。中央自動車道・相模湖ICから約10分ほどの道のりです。
陣馬のふもと駐車場
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