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インサレーション

体を寒さから守る大切なウェア! 「インサレーション」で安全性を高めよう

見晴らしのいい場所で休憩したり、お昼休みを取ったり、泊まりがけで夜を過ごしたり、山中で動かないときに体温を保持するためのウェアが最近「インサレーション」と呼ばれています。インサレーション=保温着は日帰りでも持ちたい大切なアイテム。特徴と選び方を見ていきましょう!

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目次

撮影/特記がない場合は筆者による

インサレーションは寒さを防ぐ最後の砦

インサレーション

インサレーションとは断熱素材を備えるウェアのこと。本来は“断熱”や“隔離”を意味する英単語で、日本で聞き馴染みのある「保温着」や「防寒着」を指して、海外では「インサレーション」や「インサレーションウェア」という言葉が使われています。

標高が高い山は街中と違い夏でも寒いことがあり、何もせず体温を奪われ続けると低体温症になる危険性が高まってしまいます。命にかかわるトラブルを防ぐために、断熱材で外気温の影響を遠ざけながら体温を保持するインサレーションは、安全のために必ず持ちたいマストアイテム。日帰りでも万が一に備えてバックパックに忍ばせておくと安心です。

インサレーションは動かないときに着よう!

登山 休憩中

出典:PIXTA

保温性をもつインサレーションは、行動中の快適性を高めるような透湿性や通気性が意図して備わっていない点も特徴のひとつ。たとえば無雪期に着て行動すると、ウェアの内側が暑くなりすぎて不快に感じてしまうこともあり得ます。

そのため、インサレーションは基本、休憩中、昼食中、夜の山小屋やテント場、想定外のビバークなど、しばらく動かないシーンで使用します。

レイヤリング 構造

作成:橋爪 勇志(行動中のレイヤリングの基本となる3レイヤー)

停滞時、基本はミドルレイヤーの上にインサレーションを羽織ることが多いですが、それだけでは寒い場合はその上にシェルレイヤー(アウターレイヤー)を重ねることも。雪山ではシェルレイヤーの上にインサレーションを着る場合もあります。

インサレーションは動かないときに着るウェアと割り切って、行動中に着て体温を保持するミドルレイヤーとは別々に用意するのがおすすめです。

「アクテイブインサレーション」は役割が異なる

ちなみに、「アクティブインサレーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 

断熱材を備えるウェアで、呼び方も似ているので「インサレーション」と混同されることがあります。しかし、アクティブインサレーションは行動中に着る「ミドルレイヤー」に該当するアイテム。ベースとなる用途が違うので間違わないように注意しましょう。

 

断熱材を備えるウェア
アイテムインサレーションアクティブインサレーション
透湿性や通気性なしあり
用途停滞中の保温行動中の保温
(ミドルレイヤー)

 

▼アクティブインサレーションについて詳しくはこちら

断熱材の種類は「ダウン」か「化繊綿」の2つ

インサレーションは断熱材の種類によって「ダウン」と「化繊綿」の2タイプに分かれます。それぞれの違いを見ていきましょう。

軽量コンパクトな「ダウン」

インサレーション ダウンジャケット

お馴染みのダウンジャケットが、断熱材にダウンを使ったインサレーションです。冬になると街中でも着る人が増える人気アイテムなので、何かしら一着持っている方は多いのではないでしょうか。軽くてコンパクトに収納できるのに保温性が高い点が長所といえます。

しかし、ダウンジャケットにも短所があり、ひとつは表の生地が破けるとダウンが飛び出してしまうこと。リペアテープなどを持っていなければ、為す術がありません。さらに、濡れてしまうと比較的簡単にダウン(断熱材となる空気層)がつぶれてしまい、肝心な保温性が著しく低下してしまいます。

少々ラフに扱える「化繊綿」

インサレーション 化繊綿

ダウンと並ぶ断熱材に化繊綿があります。化繊綿はシート状になっている場合が多いため、表の生地が破けても中綿が飛び出しにくく、ラフに扱える点が魅力のひとつ。ダウンと違って濡れても著しく保温性が低下しにくい点も特徴です。

そんな化繊綿はダウンを模した素材が開発されるようになり随分軽くなりました。しかし、それでもダウンと同等の保温性を確保しようとすると、まだまだ重くなってしまうのが現状です。本体の重量増加と比例して収納サイズが大きくなってしまう点も化繊綿の短所といえます。

シーズンで考えるインサレーションの選び方

「ダウン」と「化繊綿」の長所と短所が分かったところで、インサレーションの選び方をチェックしましょう。ポイントは“いつ使うか”。時期によっておすすめできる断熱材が変わってきます。

春~秋の無雪期の一般登山には「ダウン」

夏山

出典:PIXTA

春から秋にかけて無雪期の一般登山には、ダウンを使ったインサレーションが適しています。

ダメージに弱いとはいえ、鋭利な刃物で故意に傷付けなければめったに穴が開く心配はなく、万が一濡れても気温が高いので乾かすことが可能です。3シーズンの登山には、軽くて暖かいダウンを選んでおけば間違いないといえるでしょう。

雪山登山や無雪期のハードな環境には「化繊綿」

雪山

出典:PIXTA

ダウンは積雪期の雪山でも重宝しますが、雪や結露などで濡れてしまうと気温が低すぎるため、乾かすことが困難に。クランポンやアイスアックスなど鋭利なギアが増えるので、何かの拍子に表生地が破ける危険性も高まります。

そのため、濡れに強くてラフに扱える化繊綿は、どちらかというと雪山におすすめ。何泊もするテント泊や積極的に衣服が濡れる沢登りなど、無雪期でも比較的ハードな環境で化繊綿は重宝します。

素材別インサレーション4選

最後にインサレーションの代表的なモデルを4つ紹介します。

断熱材別に、春から秋に使いやすいアイテムをピックアップ。中にはダウンと化繊綿をミックスさせたハイブリッドモデルも存在します。どんな商品があるのか、特徴と共にぜひチェックしてみてください!

①<モンベル>スペリオダウンジャケット

モンベル スペリオダウンジャケット

写真はメンズ

価格:¥14,520(Women’sは¥14,300)

800FPの高品質ダウンを封入した超軽量ダウンジャケット。りんご一個分よりも軽量で、500mlのペットボトルよりもコンパクトに収納できます。これほど優れた携行性を実現しながら高い保温性を両立。バックパックの隙間に入れて常に持ち歩きたいアイテムです。

モンベル スペリオダウンジャケット 表生地

表地には10デニールの超軽量生地を採用

モンベル スペリオダウンジャケット 収納サイズ

小さく収納できるスタッフサックが付属します。平均重量:メンズ188g、ウィメンズ163g

 

モンベル公式サイト(メンズ)
モンベル公式サイト(ウィメンズ)

②<ザ・ノース・フェイス>サンダージャケット

ザ・ノース・フェイス サンダージャケット

写真はメンズ

価格:¥29,700

ダウンの短所をカバーするために化繊綿をミックスしたハイブリッドジャケット。撥水加工を施したリサイクルダウンに、体が発する遠赤外線を利用して保温性を発揮する光電子と撥水ポリエステルをブレンド。軽量コンパクトで暖かく、濡れても保温性が持続します。

ザ・ノース・フェイス サンダージャケット インナーポケット

ジャケットの内側にポケットがあります

ザ・ノース・フェイス サンダージャケット 収納サイズ

インナーポケットに収納可能。重量:メンズ275g、ウィメンズ245g(共にLサイズ)


③<パタゴニア>ナノ・パフ・ジャケット

パタゴニア ナノパフ・ジャケット

写真はメンズ

価格:¥27,500

保温性に優れる「プリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコ」を60g封入した化繊綿のインサレーション。裏地に縫い目のない一枚の生地を縫い合わせて、高い防風性も備えます。リサイクル・ポリエステル100%で作られる、パタゴニアらしい環境に配慮した一着です。

パタゴニア ナノパフ・ジャケット インナーポケット

ジャケットの内側にポケットをデザイン

パタゴニア ナノパフ・ジャケット 収納サイズ

インナーポケットに収納可能。重量:メンズ337g(Mサイズ)、ウィメンズ284g(Sサイズ)

 

パタゴニア公式サイト(メンズ)
パタゴニア公式サイト(ウィメンズ)

④<マムート>アイガーヨッホ ライト IN フーデッド ジャケット

マムート アイガーヨッホ IN フーディ ジャケット

写真はメンズ

価格:¥42,350

地球上で最も軽く断熱性の高い物質「エアロゲル」を一本一本の繊維に練り込むクロスコアテクノロジーを、化繊綿の「プリマロフト・ゴールド・インサレーション」に採用。プロテクション性の高いフード付きながら、優れた保温性と抜群の軽さを高次元で実現しました。

マムート アイガーヨッホ IN フーデッドジャケット ダブルジッパー

フロントファスナーにダブルジッパーを採用。下腹部からもウェア内を換気できます

マムート アイガーヨッホ IN フーデッドジャケット 収納サイズ

サイドポケットに収納できるパッカブル仕様です。重量:メンズ300g

 

マムート公式サイト(メンズ)マムート公式サイト(ウィメンズ)

山に行くなら必ずインサレーションを準備しよう!

インサレーションは寒い時期にだけ用意するウェアではなく、登山では万が一の寒さに備えて夏でも常に持ち歩きたいアイテムです。荷物の増加が気になるかもしれませんが、最近は断熱材がダウンでも化繊綿でも、軽量で収納サイズがコンパクトになるモデルが揃っています。

市場には無雪期を想定したモデルと積雪期に対応するモデルが毎シーズン出回るので、使う時期に適した商品を手に入れて、登山の安全性を高めましょう!