グループ登山だからこそ、ステップアップできる!
グループ登山というとみんなで助け合える反面、スキルアップにはつながりにくいというイメージがありますよね。ところが、ガイドの渡辺佐智さんいわく、「いろんな人の視点で登山を見られるので、いい成長の機会になる」のだそう。
感動を共有できるだけじゃない、グループ登山の魅力や利点をもっと知りたい!ということで、今回のステップアップチャレンジでは、グループでのテント泊縦走を企画しました。第1回では「計画編」をお届けしましたが、第2回の今回は「準備編」です。
計画編の様子はこちら。
今回のグループ登山チャレンジに参加するメンバー。
左から、
・YAMA HACK編集部の杉浦愛実
・読者代表の吾妻梨花さん
・YAMA HACK編集長の大迫倫太郎
・THE NORTH FACEマーケティングの鰐渕航さん
そして、計画から準備、実際の山行までを、登山ガイドの渡辺佐智さんが全面的にサポート。
計画編に続いて、持ち物の振り分けや食事内容の決め方、事前に知っておきたいグループ登山のコツや注意点などを渡辺さんから学びます!
前回、役割分担でリーダー役に決まった吾妻さんを中心に、話し合いが進みます。
グループ登山の利点は、持ち物を共有できること
グループ登山のメリットの一つは、荷物を全部自分で持たなければいけないソロ登山に比べて、仲間と道具をシェアして、分担して持てること。特にテント泊縦走の時は、テントやシュラフ、食料、調理道具など荷物が重くなりがちなので、心強いですよね。
テントや食料を振り分ければ、負担減!
1人用のテントを1人ずつ持つより、2人用を2人で分担して持つほうが断然ラク!例えば、写真のマウンテンショットの場合は1人用が約1270g、2人用は約1590g。2名用のものをフライやテントとポールなどで分担することができ、1人分の負担が減ります。
防寒具や寝具、行動食などの個人装備は一般的に各自で持ちますが、テントやバーナー類、食料などは共用すれば、荷物の重さやかさも減らせます。

テントを共用すると、お互いの体調がわかりやすい
特に泊まりの場合、グループ登山は「生活を共にすること」でもあります。行動中だけ一緒で別々のテント=家に帰るのではなく、同じテントで一緒に休息することで、お互いの体調を把握することができるという利点も。

その時に一緒のテントであれば、仲間の様子を感じ取りやすいですよね。

とはいえ、昨今は新型コロナウイルス対策などで、それぞれソロテントを持っていくこともあるし、天気が悪いとそれぞれのテントで別々に食事をすることもありますよね。そういう場合は、意識して行動中にお互いの体調を見守り合うようにしましょう。
食事はサクッと派?ゆっくり楽しむ派?事前にメニューや買い出し担当を決める
食事はサクッと済ませたい派と、ゆっくり楽しみたい派、好みが分かれやすいポイント。メンバーみんなで話し合って、事前にメニューや買い出し担当を決めておきましょう。今回は各日の行動時間8時間以上ありますので、食事に時間をかけすぎない方向で計画を立てます。
また、調理にも水が必要なので、ルート上やテント場に水場があるかを確認して、行動用とは別に調理用として持っていく水の量も割り出しておくこと。






話し合いの結果、朝食・昼食は各自で用意し、1日目の夜はキューブの鍋の素を使った鍋、2日目の夜は麻婆春雨に決定!白米などの主食は各自で用意することになりました。
経験値や体力を考えて、振り分けしよう
持って行くものがはっきりしたところで、リーダーの吾妻さんを中心に、持ち物をどう割り振るかを考えます。全員が平等に同じ重さを持つ必要はなく、体力や経験値などを踏まえて、みんなが無理なく歩けるよう分担します。それを「不公平だな〜」と不満を持たずに歩ける仲間と行く、あるいは事前に前提として確認しておくことも大事なポイント。
今回は体力があり、登山経験も豊富な鰐渕さんと大迫が多めに持つことに。



担当する荷物の分量によってバックパックのサイズを決めます。今回は荷物を多めに持つ鰐渕さんと大迫が65L、吾妻さんと杉浦が45Lのバックパックを背負うことに。

持って行くものとその割り振りが決まったところで、次はグループ登山で知っておきたいコツや注意点を、ガイドの渡辺さんから学びます!
無口になる、汗を大量にかくなど、仲間の体調の変化にも注意を
みんなでペースを合わせて歩くグループ登山ならではの、コツや注意点もあります。いざ登山をした時に起こりかねないトラブルとその対処法を、事前に予習しておきましょう!
気がついたら仲間がヘトヘト。そうならないためには?
意外と難しいのが、メンバーみんなにとって速すぎず遅すぎない、一定のペースで歩くこと。速すぎても疲れてしまいますが、逆に遅すぎて行動時間が長くなりすぎると、疲労を回復する休息の時間が短くなってしまいます。

歩く順番の基本は、リーダーと副リーダーが先頭と最後尾、二番目にいちばん体力のない人を置きます。もちろん、途中で変えても大丈夫です。
休憩を取るタイミングも、進み具合やメンバーの体調などを見ながら、基本的にはリーダーが決めて指示します。