山を訪れた人に喜んでもらいたい。ホスピタリティあふれる登山ガイド・髙木 律子さん
当企画では、自分の目標や目的、趣味趣向にあったガイドさんを見つけられるよう、さまざまなタイプのガイドさんにフィーチャー。今回は、高山植物に詳しく、素敵な笑顔と親しみやすい人柄が魅力の髙木ガイドを紹介します。
2023/05/02 更新
編集者
YAMA HACK編集部
月間350万人が訪れる日本最大級の登山メディア『YAMA HACK』の運営&記事編集担当。山や登山に関する幅広い情報(登山用品、山の情報、山ごはん、登山知識、最新ニュースなど)を専門家や読者の皆さんと協力しながら日々発信しています。
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制作者
ライター
高橋 典子
旅好きフリーライター。バイクツーリングついでに山を歩きはじめて、すっかりハマる。現在は13歳の息子が山の相棒。北アルプスや北海道でのテント泊、スノーハイクなど親子で楽しめる山遊びを模索中。子どもたちに自然を残したいと環境問題に興味あり。好きな山は燕岳と八ヶ岳。よく行く山域は奥多摩エリア。
高橋 典子のプロフィール
登山のスキルを高めたい!そんなときは“山のプロ”にお任せ
登山を続けていると、「もう少し難易度の高い山に挑戦したい」「山のいろんな楽しみを味わいたい」という想いがわいてくるもの。実現のためには知識や技術の習得が欠かせません。
登山に詳しい人が身近にいない場合は、ガイド登山を依頼したり、講習会に参加したりするのもひとつの手です。必要なスキルはもちろん、その山や土地の歴史、植生についても学ぶことができるので、山の楽しみ方が広がります。
そうはいっても、誰にお願いしたらいいのか、どんな講習会に参加したらいいのか悩んでしまうことも。
そこで当企画では、自分の目標や目的、趣味趣向にあったガイドさんを見つけられるよう、さまざまなタイプのガイドさんにフィーチャー。今回は、高山植物に詳しく親しみやすい人柄の髙木ガイドを紹介します。
髙木 律子(たかぎ りつこ)

提供:髙木さん
大自然に癒されて山を楽しんでほしい

提供:髙木さん(夏の尾瀬ヶ原・イモリ池にて)
これまでツアーなどで多くの人を山に案内してきた髙木さん。ガイドというと山岳部出身の方も少なくない中、少々違った方向からガイドの道に進んだそう。そのため、学びの姿勢や丁寧な仕事ぶりには定評があります。
その原点は、今でも鮮明に覚えているという初めてガイドをした日のお客さまの笑顔。
そこには“大自然の力を感じ、気持ちよく過ごしてほしい”という想いとともに、何よりも“お客さまの喜び”を大切にするマインドがあらわれているのです。
人に喜んでもらえたことに感激したのが原点

提供:髙木さん(6月の尾瀬ヶ原と燧ヶ岳)
ホスピタリティをとても大切にしている髙木さん。そのきっかけとなったのは、初めてガイドの仕事をした日のお客さまの様子でした。
山に登る目的だけでなく、嬉しいと感じてもらえることを大切に

提供:髙木さん(白馬村・紅葉の遠見尾根にて)
尾瀬でのハイキングガイドを経て、白馬へと拠点を移したのだそう。それを機に、本格的に白馬山域のガイドをすることを目指し、登山ガイドなどの資格も取得。現在も勉強を重ねて、ブラッシュアップすることを忘れずに活動をしています。

提供:髙木さん(乾徳山にて。岩場はロープで安全確保)
活動の様子を拝見!
ガイドとして目的地に連れて行くだけでなく、参加者自身が“嬉しい”と感じられる山行になるようにアテンドするスタイルが、髙木さんの魅力。
プライベートガイド

提供:髙木さん(白馬大池にてテント泊)
既成のツアーと違い、個人の希望が叶えられるのがプライベートガイドの特徴。山を歩く過程も楽しんでもらえるようなプランニングを心がけているのだそう。
相談にも乗ってくれるので、登ってみたい山やルート、楽しみたいことなど、まずは気軽に問い合わせてみてください。
旅行会社のツアー

提供:髙木さん(白馬村・唐松岳を目指して八方尾根を登る)
クラブツーリズムや名鉄観光などの旅行会社の登山・トレッキングツアーのガイドも務めています。
ツアーは登山経験に合わせてレベル分けされているので、登山初心者や自信がない方でも、自分のレベルにあわせて気負うことなく参加できますよ。
冬はスノーシューやスノートレッキング

提供:髙木さん(栂池自然園にて、山の大展望を満喫)
冬は白馬周辺の山や八ヶ岳エリアでの雪山登山やスノーシュー・スノートレッキングなどが活動のメイン。
その他に、初心者向けスキー講習を行うことも。髙木さんも30代を過ぎてからスキー技術を習得したそうなので、興味があれば年齢に関係なく挑戦できます。
アウトドア専門学校の講師
提供:髙木さん(尾瀬ヶ原にて高山植物を写真に収める学生さんたち)
ガイド業と併せて、アウトドア専門学校の非常勤講師も務めています。「花の白馬」と言われる白馬岳での実習をはじめ、年に数回、フィールドでの講義を担当しています。
今の自分があるのは、お客さまと山仲間のおかげ
髙木さんが登山をはじめたきっかけや山への想いを伺いました。登山を始める前は、意外なスポーツにハマっていたのだとか?!
山仲間に恵まれた尾瀬での経験

提供:髙木さん(尾瀬ヶ原の龍宮にて、カルスト現象の紹介をする髙木さん[写真左])
——ガイドをはじめる前は何をされていましたか?
20代の頃はパラグライダーに熱中していて、ライセンスを取得し装備も揃えてヨーロッパに飛びにいっていました。スケールの大きさにハマってましたね。
当時は、登山には全く興味がなかったんですよ(笑)。
——充実した20代を過ごされていたんですね!登山をはじめたきっかけは?
30代が近づいてきて人生について考えるようになった時に、たまたま尾瀬のハイキングガイドの仕事をすることになって。その時の仲間に山に連れて行ってもらったのがきっかけです。

提供:髙木さん(白馬岳の稜線から杓子岳・白馬鑓ヶ岳・剱岳を望む)
尾瀬では研修を受けたりして、3シーズンくらい働いていました。
この時の仲間とは今も付き合いがありますよ。現在のライフスタイルに繋がる大きな出会いだったこともあり、とても大切な存在です。
白馬に魅せられて移住

提供:髙木さん(白馬村・蕨平地区より。雪を戴いた白馬の山々が神々しい)
——現在は白馬にお住まいですが移住した理由は?
白馬には、1998年の長野オリンピックがきっかけで初めて行きました。
その時に、「日本にもこんなところがあるんだ!」とパラグライダーで飛んでいたヨーロッパを彷彿とさせる景色に感激して。それで白馬に住んでみることにしたんです。

提供:髙木さん(雨飾山にてバックカントリースキー)
尾瀬ではハイキングガイドでしたが、白馬に移ってからは登山ガイドの資格も取りました。
スキーをはじめたのも白馬からで、現在は初心者向けのスキーレッスンも行っています。

提供:髙木さん(蕨平地区にて)
——白馬の魅力ってどんなところですか?
暮らしと山がとても近いところが白馬ならではの魅力です。
景色が素晴らしい場所は日本全国にたくさんあると思いますが、その中でも、特に白馬は日常生活の中に山が溶け込んでいる気がします。

提供:髙木さん(蕨平地区にて)
家の外に出ただけで、目の前にバーンと北アルプスの山々の景色がある。山とともに日常を送ることができるのが喜びですね。
——休日はどう過ごしてます?
よく「休みの日も山に行くんですか?」って聞かれるんですが、実は休みの日に登る機会は少なめです。仲間と山にも行きますが、下見だったりどうしても仕事目線になってしまうので。
山に行かない日は身体を休めています。休日にゴロゴロできている自分が好きです(笑)。
夏は、夕方に糸魚川の海に泳ぎに行くこともあります。シュノーケルをして魚を見たりするとテンションが上がります!

提供:髙木さん(白馬岳の稜線にて。オレンジ色に染まったご来光)
——髙木さんが思う登山の魅力って?
大きな自然の中に身を置くと、日常の細かいことを忘れられる気がします。それに、体を動かすことがシンプルに喜びなんですよね。
ありきたりかもしれないですが、気持ちをリセットできたり、すごく癒されるのが大自然の力であり登山の魅力なのかなと感じます。
髙木さんより、山好きのみなさん&登山を始めたい人へ
提供:髙木さん(白馬村・岩岳遊歩道にて)
素敵なガイドさんがいっぱい!