初夏、山肌をピンクに染め上げる<ミヤマキリシマ>
毎年5月下旬から6月中旬ごろ、九州の山や高原に咲く<ミヤマキリシマ>。荒涼とした火山の山肌を染め上げる姿はまるでピンク色のじゅうたんのよう。天空の楽園とも称され、国内外から多数の登山者や観光客が訪れ、初夏の華やかな風景に酔いしれます。
ミヤマキリシマはツツジ科の常緑低木で、火山特有のツツジ。標高800~1,500mの火山活動が終息した火山で多く見られ、高山特有の厳しい気象条件、火山性ガスや火山特有の土壌に強い特徴を持っており、多くの植物が育たちにくい場所でも生育することができます。
そんな厳しい環境に生育するミヤマキリシマは、厳しい環境に適応するため樹高は低く這うように山肌を覆っています。樹高はおよそ50cmから1mぐらいで、一株にたくさんの花を付けるため、小高いところから見渡すとまるで絨毯のよう。
ミヤマキリシマを見ることができるのは九州だけ
ミヤマキリシマが自生するのは九州の火山と周辺の高原だけ。日本百名山の阿蘇山・くじゅう連山・霧島連山をはじめ、雲仙岳や由布岳などの観光地としても有名な山にも咲きます。
特にくじゅう連山のミヤマキリシマは有名で、毎年、日本全国から登山者が訪れ、最近では海外の登山者も多くみかけます。
漢字表記で「深山霧島」と書くミヤマキリシマ。これを見てわかる通り、最初に確認されたのは霧島連山。
1909年に新婚旅行に霧島連山を訪れた植物学者・牧野富太郎が発見し命名したことが由来です。
坂本龍馬も堪能したミヤマキリシマ
なんと幕末のヒーロー「坂本龍馬」もミヤマキリシマを堪能していたとのこと。
幕末(1866年)、西郷隆盛の招きで坂本龍馬が夫人のおりょうと、新婚旅行で霧島に訪れた際、姉に宛てた手紙の中で「きり島つゝじが一面にはへて実つくり立し如くきれいなり」と書いています。
当時は「きり島つゝじ」と呼ばれていたミヤマキリシマ、動乱の幕末の世を生きた坂本龍馬にとって、きっと癒されたひと時だったことでしょう。
ミヤマキリシマを見に行こう!
自生するミヤマキリシマを見られる場所は九州だけですが、九州は火山が多いのでビューポイントは多くあります。その中からおすすめポイントを紹介します。