テント泊縦走登山に挑戦!気になる疑問をガイドが解決【計画編】 憧れのテント泊縦走登山。いつか挑戦してみたいけれど、実際に計画するとなると不安や疑問がいっぱいですよね。そこで今回、ステップアップを目指す登山者を応援し続けてきた<THE NORTH FACE>と登山ガイドの渡辺佐智さんのサポートのもと、北アルプステント泊縦走に初挑戦する女性チームに準備段階から密着。その様子を全4回の連載でお届けします。
制作者
YAMA HACK 編集部
月間350万人が訪れる日本最大級の登山メディア『YAMA HACK』の運営&記事編集担当。山や登山に関する幅広い情報(登山用品、山の情報、山ごはん、登山知識、最新ニュースなど)を専門家や読者の皆さんと協力しながら日々発信しています。
登山者が「安全に」「自分らしく」山や自然を楽しむサポートをするため、登山、トレイルランニング、ボルダリングなどさまざまなアクティビティに挑戦しています。
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YAMA HACK 編集部のプロフィール
初めてのテント泊縦走登山を、THE NORTH FACEが応援します!
憧れのテント泊縦走登山。いつか挑戦してみたいけれど、実際に計画するとなると不安や疑問がいっぱいですよね。
そこで今回、ステップアップを目指す登山者を応援し続けてきた<THE NORTH FACE>と登山ガイドの渡辺佐智さんのサポートのもと、北アルプステント泊縦走に初挑戦する女性チームに準備段階から密着。その様子を全4回の連載でお届けします。
この夏、私たちが2泊3日のテント泊縦走にチャレンジします! 読者と一緒に、2泊3日の北アルプステント泊縦走にチャレンジするという今回の企画。YAMA HACKの記事上で参加者を募集し、ついに今回の山行メンバーが決定しました!
読者代表 吾妻 梨花
吾妻さんは登山歴2年ほどながら、月に2回は近郊の低山に登りつつ、燕岳に日帰りで登頂したり、ベースキャンプ登山で立山や南八ヶ岳に登ったりと、積極的にステップアップを目指しています。今後、長期のテント泊縦走などもできるようになりたいという目標があり、この企画に応募してくれました。そして、吾妻さんと一緒に今回の山行にチャレンジする「THE NORTH FACE & YAMA HACKチーム」のメンバーは以下の3人。
THE NORTH FACE 中村 真記子
香港でトレイルランニングに出会い、国内外のレースに参戦。以来、登山やクライミングなどアウトドアスポーツを楽しんでいるそう。山好きが高じて秦野へ移住し、週末は表丹沢に通う日々。夏は月1回程度の槍・穂高連峰の山域の小屋泊縦走と南アルプスの日帰り登山がメインで、テント泊縦走はまだ数回しか経験していないとのことで今回の企画は大きなチャレンジに。
YAMA HACK編集部 荻原 枝里子
登山と旅行が趣味の編集部員。登山歴5年で、普段は月1回程度で山に出かけているものの、テント泊縦走をしたのはコロナ前。自粛生活で筋力低下したこともあり、今回の企画にはテント泊縦走初心者のつもりで参加します。
登山ガイド 渡辺 佐智
登山からバックカントリーまで四季を通じて活躍し、雑誌、テレビなどにも多数出演するガイド。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド、JAN日本雪崩ネットワーク認定レベル2、日本赤十字社救急救命員、ウィルダネスファーストエイド90時間、尾瀬保護財団認定登山ガイド。自然に関する知識も豊富で、今回の山行の頼れるリーダーです。さっそく登山計画を立ててみよう!テント泊縦走で意識するべきことって?
テント泊縦走と一口に言っても、登る山やコース設定次第で難易度は千差万別です。自分にピッタリな計画を立てるため、渡辺ガイドと一緒に、以下の4つの項目をチェックしていきましょう。
①山(コース)選び ②行動計画
③現地状況の確認
④食料計画
①山(コース選び)|無理のないコースで、重い荷物×長距離を体感! 安全登山のためにも、メンバーの実力に合った山(コース)を選ぶのは登山計画を立てる上での基本。テント泊縦走では特に、重い荷物を背負っての歩行時間が長くなるので、コース全体の距離や高低差、危険箇所の有無、水場や避難できる山小屋の有無などのチェックを念入りに。
まずは山行目的とメンバーの経験値を確認
今日は、8月の山行に向けて、メンバー全員で山行計画を立ててみましょう。
さっそくですが、北アルプスのどこに行きましょうか?吾妻さんは行ってみたい山とかありますか?
いつか表銀座や裏銀座をテント泊縦走して、槍ヶ岳に登ってみたいです。今回はそれに向けたステップアップができると嬉しいです!
みなさん北アルプスでの日帰りや小屋泊、1泊のテント泊の経験は積んできているようなので、初めてのテント泊縦走でも登れそうで、がっつり距離を歩けるコースを選んで、今後のステップアップを目指しましょうか。
初のテント泊縦走なら、まずは危険箇所の少ないコースへ
テント泊縦走では、重い装備を背負ったまま稜線を歩きます。初めてなら、危険箇所の少ないコースを選びたい ですね。
白馬エリアの中ではどうでしょうか?
コース全体の難易度をざっくりと知りたいときには、自治体がホームページ上で公開しているグレーディング表も参考になりますよ。
同じ山でも、違うコースの場合や、往復登山か縦走登山かによってもグレードが違う んですね。
そうなんです。もちろん難易度は歩く人の経験値にもよりますが、ざっくりとコースのレベル感を把握するのにはおすすめです。
ステップアップを目指すなら、長い距離を歩いてみる
白馬エリアで、おすすめの縦走コースはありますか? 見どころが多いと、それを楽しみに長距離も頑張れそうな気がします。
テント場でいうと、白馬大池などは景色や高山植物がきれいで人気があります。あとは、白馬鑓温泉など、温泉に入れるテント場もいいですよね!残念ながら今年はお休みしているようですが……
白馬大池からロングコースを歩くなら、白馬岳はあえてスルーして、朝日岳方面に行っても面白いです。
ややマイナーなルートですが、北又小屋までの2泊3日ならがっつり縦走感が味わえますよ。朝日小屋からは、日本海も見られますし。
出典:国土地理院地図、編集:YAMA HACK
今後、長期縦走に挑戦するためのステップアップとして、テント泊装備で長い距離を歩く経験をしておくのにもいいですね。軽い荷物と重い荷物では歩き方がまったく変わるので。
結構きつそうだけど、花の宝庫ともいわれているエリアですし、一度は行ってみたいコースですよね。
重い荷物を背負ったまま長い距離を歩いたことがないので、いい経験になりそうです。
それじゃあ、栂池自然園から北又を目指すコースで、具体的な行動計画を立ててみましょうか。
②行動計画|“記録ノート”が現地での判断にも役立つ! 登る山(コース)が決まったら、次に一日の行動計画を立てましょう。悪天時や体調不良時はどうするかなど、さまざまな状況を想定し、予備日やエスケープルートの設定も忘れずに。