カッコいいテントの代名詞!<MSR>ハバハバ NX
MSRのテントといえば、赤とグレーのツートンが代表的。今回紹介する「ハバハバ NX(HUBBA HUBBA NX)」も、スタイリッシュなフォルムとカラーがキャンプ場でよく映えますよね。
しかし、ただカッコいいだけじゃないんです。テントブランドとして定評があるMSR。実際に張ってみると、優れているのは見た目だけじゃないと、感心させられることがアレコレと……!
軽さ・居住性・耐久性の好バランス! ハバハバ NXの特長
まずは、ハバハバ NXの特長を探ってみます。
シームテープなし!軽さと居住性を両立
ハバハバNXは、本格山岳用というよりバックパッキング向け。なので、軽量性と共に居住性も求められます。一般的に居住性が高いと重量が重くなるもの。
しかし、ハバハバNXは最小軽量1,600gと軽量。軽さの要因は、軽量な素材と共に、縫い目を防水するシームテープがいらない特殊な防水縫製を採用していることが挙げられます。
上の画像のようにシームテープが貼られていないので、そのぶん軽くなっているということです。
劣化しにくいフライとフロア「エクストリームシールドシステム」
テントを長く使っているとわかりますが、最初に劣化するのが防水コーティング。ベタベタしはじめ、そして剥がれる、ほとんどの人はこれで廃棄します。
ハバハバNXのレインフライとフロアには、新しいコーティング技術「エクストリームシールドシステム」を採用しているため、従来の防水コーティングと比較し3倍長持ちします。好きなテントは、なるべく長く使いたいので、これはうれしいですね。
強風に強い「イーストン社サイクロンポール」
強風時にテントが変形すると、「このまま壊れるのでは……」とテント内でかなり不安。
ハバハバNXは、航空機で使用する複合素材と同じグレードのポールを使用しており、強風に吹かれると、それに合わせてしなり、風がやむと元に戻す弾性が高いので、倒壊の危険が少なくなっています。
上の画像くらい曲がるポールだそうです。一般的なアルミニウム合金ポールで同じことをすると、折れるか曲がって戻りません。
実際に触ってみると、サイクロンポールは金属っぽさが少なく、プラスティックのような感触。一般的なテントポールとはちょっと違う雰囲気です。
いざ設営!ハバハバNXはちょっと特殊かも!?
ハバハバNXの特長を探ってみると、たしかに“カッコいい”だけではないことがわかりました。
ここからは実際に設営し、気になるポイントを細かくチェックしてみましょう。一般的なテントとはちょっと違う箇所がいくつかありました。
やや複雑なポール構造、その設営性は?
設営手順は、おおまかに以下の通り。
- ①.テントを広げステイク固定。ポールも組み立てておく。
- ②.ポールを四方のグロメットに差し込み立てる。
- ③.リッジポールを取り付けテント天井部を掛ける。
- ④.テントのクリップをポールにかける。
- ⑤.レインフライを掛ける。
- ⑥.レインフライの四方をポール先端に取り付け。
- ⑦.前室とガイコードをステイクで固定し全体にテンションをかける。
特殊なガイコードポイントの位置
筆者が設営していて、一番驚いたのがガイコードポイントの位置。
一般的なテントは、上から見て四角形の位置にありますが、ハバハバNXの場合、ひし形の位置に計4つ。ちょっと特殊です。
特に、前室の中央上部から出たガイコードが特徴的。前室前方にステイクで固定され、一見すると出入り時に邪魔になりそうですが、前室の片側は下ろしていることがほとんど、かつガイコードが前室に沿っている状態なので、意外と邪魔になりません。
ガイコードポイントは、ポールに最もテンションが掛かる場所になります。ハバハバNXは、ポールの配置が上から見て十字の形になるので、このような位置になったようです。
レインフライの開閉もユニーク
出入口は長辺に2か所。ここも一般的なテントと違い、レインフライ(前室)の開閉位置が個性的です。
一般的なテントは前室のセンターにファスナーがあり、両開きになるのに対し、ハバハバNXのファスナーはテント側の一辺にあり、まるで片開きカーテンを開けるように開閉します。
メリットは、テント内からサッと開閉できること。センターファスナーの場合は、地面近くになるとテントから遠くなるので、テント内からの開閉は困難です。
雨でも大丈夫!レインガーター(雨どい)付き
かなり広い!快適な室内を支えるサイクロンポール

テント内に入ってまず感じたのは「広い!」ということ。フロアサイズ自体は、他の2人用テントと大差ありませんが、前後左右の壁が立っていることにより、非常に快適です。
これくらい壁を立てると耐風性が心配ですが、ここで活躍するのがサイクロンポール。弾力性が高いポールなので安心です。
メッシュインナーと横方向のベンチレーションで換気

頭と足元の2か所にベンチレーション。また、インナーテントの上部はメッシュなので、通気性は問題なし。
その反面、寒い季節での使用は、シュラフを厚くするなどの工夫が必要かもしれません。
広めの前室が前後2か所

携行時はコンプレッションするのがおすすめ

付属のスタッフバッグに、フライシート・インナーテント・ポール・ペグ、すべて格納したのが上の画像。バッグ自体には余裕があり、フットプリントも入れることができます。
ただ、この長さでは、横積みが基本のバックパックには収まりが悪そう。そこで、ポールを抜き、コンプレッションベルトで締めたのが下の画像。
これならバックパックにもきれいに収まりそうです。ポールはサイドポケットに挿すか、バックパックの隙間に差し込みましょう。
風が強い稜線上でも快適に過ごしたい!そんな人に最適
使ってみて感じたのは、とにかく広い、いや、広く感じると言った方がいいかもしれません。サイズの数字で見ると普通なのですが、余裕が必要な所をうまく広げているデザインで、ウェアでいえば立体裁断のようなテント。しかも、強風に強い。高山の稜線上や、海辺など強風が予想される場所で、快適に過ごしたい人におすすめのテントです。
【スペック比較】 他のバックパッキングモデルとの違いは?
ハバハバNXと同じ、バックパッキングモデルのスペックを比較しました。基本的に定員2人をピックアップしていますが、参考のために1人用のハバNXも掲載しています。
「ハバハバNX」は見た目も中身も男前だった!
居住性や耐風性、よく考えられた細部など、今回実際に設営してみて、デザイン性が高いだけではないことがよくわかりました。でも一番感じたのは、「やっぱりカッコいい!」ということ。性能が良く、スタイリッシュなハバハバNXは、テン場で目立つこと間違いなし。テント泊登山のモチベーションをあげてくれるのではないでしょうか。