「エバニュー/チタンティーポット」500は直径105mmですが・・・
まずは、『森乃雫』を装着せず、「エバニュー/チタンティーポット500」から、湯を静かに注いでみました。注ぎ口が備わっているので、ある程度、細い湯を注げます。
でも1分以上の間注いでいると、なかなか一定の細さを維持することが難しいです。これは他のマグカップやクッカーでも試してみましたが、すべて同様の結果でした。
でも『森乃雫』を装着すると、細い湯を維持できます。直径が105mmあるので、装着した両脇から溢れるかなぁと慎重に注いだこと、また口を備えていることもあり、溢れたり、伝い漏れすることもありませんでした。
「エバニュー/チタンマグポット500」も直径は97mmですが・・・
次は、エバニューのチタンアルコールストーブセットにも使われている「チタンマグポット500」。直径97mmありますが、注ぎ口を備えているので、「チタンティーポット500」同様に、上手くいきそうです。
湯を細く注げ、なにも問題ありません。
ただ、この「チタンマグポット500」は、ハンドルにシリコンチューブが巻かれておらず、またハンドルが小型なので、タテ方向の注ぎ口から1分以上湯を注ぎ続けていると、指が痛くなりました。クロス等を使ってハンドルを持って注ぐ必要がありそうです。
「エバニュー/チタンマグカップ400FH」は、推奨されているカップ形状
すでに廃番となってしまいましたが、チタン製軽量マグカップの定番「チタンマグカップ400FH」。直径79mmで、縁の出っ張りもなく、『森乃雫』との相性は間違いありません!
カップ自体の重量67gという軽さ、ハンドルにシリコンチューブも巻かれ、指も痛くならずに湯量を自在に操れました。
でも、これまで試した上2つのポットと、少し違う点があるのですが、わかりますか?
違いは、ハンドルに対して90度の位置に『森乃雫』を装着した点です。ハンドルからタテ方向に注ぐよりも、このようにヨコ方向に装着して注ぐ方が、湯を注ぎやすいのです。
また右利きの場合、装着する角度を、カップの縁の上を12時とした場合、10~11時方向に、少し傾けて装着する方が、注ぎやすいです。
湯が溢れやすいというシェラカップは、どうだろう?
逆台形で装着角度が悪いため、装着部両サイドから溢れ易いというシェラカップ。慎重に扱えばドリップは可能ということですが、「エバニュー/チタンシェラカップFD」で試してみました。
これもヨコ方向に装着。逆台形なので『森乃雫』がやや下方向に傾きますが、しっかりと固定され、ゆっくりと注げばなにも問題ありません。
むしろシェラカップのハンドルが長いので、小さなハンドルのカップよりも持ちやすく、安定して湯を注げます。
シェラカップは難しいのかなぁと想像していた分、この安定感はかなり気に入りました。シェラカップはスタッキングもしやすいので、シェラカップ2枚でポットとカップにして使ったり、クッカーと組み合わせで山コーヒーセットをつくるのに重宝しそうです。
角形クッカーは、果たして大丈夫だろうか?
ここまで丸形のカップやクッカーを試してきましたが、角形のクッカーも気になるところです。
そこで「ユニフレーム/山クッカー 角型 3」の、大きい方のクッカーで試してみました。一辺の長さが108mm、対角線の長さは170mm近くあり、縁部分には段差もあります。
注ぎ口代わりになる角部分に『森乃雫』を装着。角から湯を注ぐ方法は、湯量の調節がしやすく、またクッカーのハンドルが長く持ちやすいことから、相性のよさを感じました。
縁の段差が11mm以上あると、磁石での固定が難しいようですが、「山クッカー」は段差が10mmで、ジャストフィット! ちなみに山クッカーの小クッカーでも試してみましたが、こちらも相性抜群。
調理もして、食後に山コーヒーを楽しむなら、「山クッカー角型3」と『森乃雫』の組み合わせはかなり有効です!
人気のメスティンタイプも、試してみました!
近年、流行のメスティン。本家「トランギア」で試したかったのですが、手持ちが今は販売されていないエバニューのものしかなく、それでも同様の形状ではあるので、試してみました。
エバニューのメスティンは、縁の段差がトランギアと違って外側に張り出していますが、問題なく装着、固定できます。角に装着すれば、湯が溢れることもありません。
ただし、メスティンは長方形ゆえに傾ける角度が大きくなり、またハンドルから『森乃雫』までの長さが遠くなる分、細かな湯量の調節には慣れが必要でした。これはメスティン全般にいえることなので、使用の際にはより慎重さが求められそうです。
最後はケトルの口に装着してみました!
使用したのは「トラックログ/ケトル0.6ℓ」です。山コーヒー好きは、このケトルの口に別売の注ぎ口を装着したり、ペンチで絞って注ぎ口を細くしたりしています。
また楽歩京都でも、ケトルの口に装着する注ぎ口を開発中とホームページに出ていましたが、果たして『森乃雫』を装着するとどうなるのか、気になるので試してみました。
結果、ケトルの口への装着、固定の際、磁石がケトルの口と本体の段差にあたり、しっかりと固定されにくいことがわかりました。しかしケトルの口から出る湯が『森乃雫』の内部に入るように装着すれば、固定は不安定なものの、細い湯を注げます。ハンドルも上部にあるので、本体ヨコにハンドルのあるカップやクッカーよりも注ぎやすいです。
ちなみに「トランギア/ケトル0.9ℓ」でも試してみましたが、磁石での固定がより不安定で、装着箇所によっては湯が『森乃雫』本体の下側を伝って注がれてしまいました。しかし、これもケトルからの湯が『森乃雫』内部に注がれる位置で不安定ながらも固定すれば、細い湯で注げました。
どちらも『森乃雫』の原理をわかって使用してみれば、ケトルの口に装着しても使えないことはないというのが、私の感想です。
美味しいコーヒーを頂くために
今回、さまざまなカップやクッカーで『森乃雫』の使い勝手を試してみましたが、実際に12月の景信山に登り、『森乃雫』で山コーヒーを淹れてみました。
そこでわかったのは、低山とはいえ気温5度ほどしかない冬の山でドリップしてコーヒーを淹れると、コーヒーは抽出中に冷めてしまう…ということです。その対策としてサーモスの保温ボトルにコーヒーを落としたのですが、それでも細い湯で2分ほどかけて淹れたコーヒーはぬるくなってしまいました。
でも、ぬるくなってしまったコーヒーは、再びクッカーやポットに戻して、ストーブで少し温めれば問題ありません。
そもそも山で飲むコーヒーは格別に美味しいのですから、火にかけて風味が少し損なわれたところで、格別さは変わりません。それに山コーヒーは、飲む美味しさを味わうことに加えて、コーヒーを淹れる楽しさを味わうことで、その時間が格別になるとも思うのです。
『森乃雫』は、そんな時間にぴったりの道具です!
それでは皆さん、よい山旅、美味しい山コーヒーを!