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生駒山(いこまやま・いこまさん)ってどんな山?

標高 | 山頂所在地 | 最高気温(8月) | 最低気温(1月) |
---|---|---|---|
642m | 奈良県生駒市、大阪府東大阪市 | 28.1℃ | -2.5℃ |
生駒山(いこまやま・いこまさん)は奈良県生駒市と大阪府東大阪市との県境にあり、街中からもよく見えるため、地元の人たちから親しまれている山です。
その歴史は古く、東西の往来で賑わった峠道や中世の遺跡や寺社仏閣も山頂に向かうまでに通過します。また、整備された公園や大阪平野を一望できる夜景スポットなどもあり、ハイカーだけでなく家族連れやカップルに人気の場所でもあります。
こんな山頂見たことない!?

山頂にある生駒山上遊園地は2019年3月に開園90周年を迎え、関西っ子には世代を超えて愛される場所となっています。この園内に山頂と三角点があるのですが、あまりに見つけにくい場所にあることで、SNSなどでちょっとした話題になることも。ぜひ探してみてみてくださいね。ヒントは「山頂駅」ですよ!
ケーブルカーや車で、ラクラク山頂へ!

山頂のある生駒山上遊園地へはケーブルカーで行くこともできます。生駒ケーブル鳥居前駅から、途中宝山寺駅で乗り換えて約16分で生駒山上駅に到着です。
クルマの場合は信貴生駒スカイライン(有料)経由で生駒山上遊園地駐車場へ。駐車場から山頂へはかわいいシマリスをモチーフにしたモノレール「DONDONどんぐリス」で楽しく移動できますよ。
生駒山の登山適期は?

冬でも雪はあまり積もりませんので、年間を通して歩くことができます。
大阪側の「ぬかた園地」や「なるかわ園地」、奈良側の宝山寺など、花や紅葉のスポットが豊富。桜、あじさい、ツツジ、椿など、季節のよって様々な花を楽しむことができます。また、秋の紅葉も人気です。
生駒山の天気
生駒山に行く前に現地の天気をこちらで確認しましょう
てんきとくらす|生駒山の週間天気
登山地図でコースを必ずチェック!
山と高原地図 金剛・葛城 生駒山・紀泉高原
初心者OK|下山はケーブルカーでらくらく!展望抜群コース
途中に立ち寄れる花の名所や紅葉スポットが多くあり、1年を通じて楽しめるコースです。近鉄額田駅からスタート。お花や紅葉を見ながらゆっくりでも2~3時間で歩けます。生駒山頂からは、生駒ケーブルで近鉄生駒駅へ下山する初心者向けコースです。

- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:1時間30分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
ルート詳細

近鉄額田駅からスタートです。最初は舗装された街中の道を進みます。大坂三十三ヶ所観音めぐりの第17番札所である重願寺を通過して牧岡公園へ。こちらのお寺は近松門左衛門作「曾根崎心中附り観音めぐり」の中にも登場しています。
駅から約15分で額田山展望台に到着。ここからは大阪平野を一望できますよ。
山頂はこのゲートの向こう側、生駒山上遊園地の中にあります。入園無料ですので安心して入ってくださいね。
ミニSLの頂上駅。なんとこの付近に山頂やすぐ近くに三角点があるのです!
園内を歩いて約10分、生駒山上駅より生駒ケーブルで近鉄生駒駅へ下山しましょう。
初級者向け|生駒山で四国霊場八十八ヶ所巡り!?史跡めぐりコース
歴史好きな方にはぜひおススメしたい、辻子谷を上がるコースです。近鉄石切駅からスタート。史跡をたどりながら山頂へ。大師堂から興法寺までの道沿いには「四国八十八箇所霊場」を模してまつられている石仏が並んでいます。
前述のコースを下って近鉄額田駅へ下山する初級コースです。山頂からは生駒ケーブルで下山することもできますよ。

- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:2時間30分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
ルート詳細

近鉄石切駅の南口よりスタートします。
爪切地蔵前を通って東へ。爪切地蔵は花崗岩に彫られた地蔵菩薩です。弘法大師が自分の爪を使って一夜で刻んだとの言い伝えがあります。この道は「辻子越え」と呼ばれ、昔は河内から生駒山宝山寺へ詣でるための大切な参詣道でした。
爪切地蔵前には大師堂が。ここから興法寺までの道沿いには「四国八十八箇所霊場めぐり」を模してまつられている「辻子谷の石仏」が並んでいます。八十八箇所お参りしながら上がると、ご利益があるかも?
「いしきりさん」と呼ばれる石切神社を通過すると、薬草の匂いとともに「辻子谷水車郷」の案内が。明治末期から大正にかけて、この辺りは漢方薬や香辛料の粉末製造が盛んなところでした。現在は使われてはいませんが、復元された水車を見学できますよ。
出発から約1時間、興法寺に到着です。「西の聖天さん」と呼ばれ、辻子越えのゴール地点である「東の聖天さん(宝山寺)」と並び、古くから信仰されてきました。ここから約20分で生駒山山頂です。下山は前述のコースを下って近鉄額田駅へ下山します。疲れてしまったら、生駒ケーブルで近鉄生駒駅へ下りることもできますよ。
興法寺の南側の尾根には三昧尾山遺跡があり、石造の十三重塔が建っています。時間に余裕があるときは寄り道してみましょう。
中級者向け|大阪と奈良の街を眺め歩く「縦走」コース
生駒山から南へ約12km、高安山までの縦走です。生駒山山頂からは気持ちのいい尾根歩き。いくつかある展望スポットからは、大阪や奈良の街を見下ろすことができます。ゴールの高安山からは近鉄西信貴山ケーブルで近鉄信貴山口へ下山する、中級コースです。

- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間45分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
ルート詳細

宝山寺駅より参道の長い階段を上がって宝山寺へ。日本三大聖天のひとつで、金運アップや縁結びのパワースポットです。
スタートから約45分、生駒山上遊園地で生駒山の山頂を探しましょう!
南ゲートから生駒山上遊園地を出ると、鬼取山を経由して南へ。信貴生駒スカイラインと交差するところにあるパノラマ駐車場は展望抜群で、夜景スポットとしても人気です。
石畳の道に出ると、そこは暗峠。国内でただひとつ(!)という石畳の国道を横切って先へ進みましょう。高安山までのルートは県境に沿っているので、奈良県と大阪府を行ったり来たりです。
鳴川峠を十三峠方面へ直進すると、鐘の鳴る展望台に。高さ12mの展望台へ上がると大阪と奈良、どちらの街も見下ろせますよ。こちらにある希望の鐘は、恋人同士で鳴らすと幸せになれるとか?
重要文化財の十三塚を超えて、十三峠へ。江戸時代、ここは大坂からお伊勢参りに行く人で賑わっていました。旅人の安全を見守るお地蔵さまに、安全祈願して先へ進みましょう。
高安山の山頂から右へ。大阪管区気象台の気象レーダーが見えると10分ほどで高安山駅に到着です。ここからは近鉄西信貴ケーブルで下山しましょう。
時間切れ、道迷いに注意しましょう!
生駒山は地元の方が散歩がてらに出かけて行くような、気軽に楽しめる山です。しかし、街に近く安心しやすい山だからこと気をつけないいといけないことがあります。
寄り道スポットが盛りだくさん

どのコースにも、桜やあじさい、ツツジなどのお花がキレイな場所や、寺社仏閣、史跡など、楽しい寄り道がいっぱいあります。ついつい案内板について行って楽しんでいると、気付けばすっかり時間が過ぎていることも。必ず時間に余裕をもって、もしも日が暮れた場合でも困らないように、ライトも携帯して行きましょう。
地図にない道もいっぱい

人が多く入る里山には、踏みあとをがいっぱい。明らかに人が歩いている道でも、地図に掲載されていない道が多くあります。道標のない分岐では地図を見るなど、こまめに現在位置を確認するようにしましょう。迷った場合は強引に進まず、わかる場所まで引き返しましょう。
生駒山登山口へのアクセス

生駒山周辺での移動は近畿日本鉄道(近鉄)が便利です。大阪と奈良、いずれからもアクセス可能。生駒ケーブル、西信貴ケーブルも近畿日本鉄道が運営しています。発着時刻や乗車料金はホームページで確認しましょう。
大阪難波駅から
■額田駅
難波線・奈良線乗車。区間準急で約23分。
■石切駅
難波線・奈良線乗車。急行で約18分。
■生駒駅(生駒ケーブル乗り換え駅)
難波線・奈良線乗車。快速急行で約21分。
奈良駅から
■額田駅
難波線・奈良線乗車。区間準急で約26分。
■石切駅
難波線・奈良線乗車。急行で約19分。
■生駒駅(生駒ケーブル乗り換え駅)
難波線・奈良線乗車。快速急行で約16分。
街から見える生駒山。初心者でも歩けるコースがいっぱい

古くから人々に愛され、親しまれてきた生駒山。今回紹介した以外にもたくさんのコースがあります。ハイキングになれていない人も生駒ケーブルで上がって周辺を散策するだけでも楽しめますよ。
生駒山上遊園地では、ぜひ山頂を探してみてください。ミニSLに乗って探してみるのも、童心にかえれておすすめです。