登山・山ごはん歴は20年以上! そんな山メシの大ベテランで、大人気の山ごはんブログ『山めし礼讃』の著者・げんさんがYAMA HACKに登場! 毎回テーマを設けて、絶品レシピを厳選してご紹介していきます。
2020年山ごはんシリーズの第10回は、冬山にはかかせない、お鍋の山ごはん特集。冬のテントや山小屋の自炊では、定番中の定番メニューですね。温まるキムチ鍋や豪華にすき焼き、しゃぶしゃぶ・・・なんて想像しただけでうれしくなります。
いよいよ冬到来!山もだんだん雪景色に…
寒い中食べる「お鍋」ってたまらなく美味しいですよね。体も温まるし、たくさんの具材で栄養もしっかりとれるし、一石二鳥の山ごはんです。
気温が低い冬山では、いろんな食材が持ち運びやすくなって、鍋にもさまざまな工夫が可能に。一度、冬の燕岳のテントで「中トロを使ったねぎま鍋」なんてのも楽しんだことがありますよ。
そんな冬の定番山ごはん「鍋」ですが、今回は超定番のお鍋ではない、ひと味違った山のお鍋レシピをご紹介します!
① カニカマとレタスの鶏だし鍋
レタスをメインに、塩味系の鶏だしで食べるお鍋。あっさりとしていますが、生姜がきいていてカラダがとっても温まる一品です。
<材料>
レタス
豚バラスライス
カニカマ
わけぎ
生姜ほんだし
鳥がらスープ
ごま油
<作り方>
①フライパンにお湯を沸かし、
②その間に生姜をスライスしておく
③お湯が沸いたらほんだしと鳥がらスープを入れ
④そこにスライスした生姜と豚バラスライスを投入
⑤あとはレタスを食べやすい大きさにちぎって入れ、カニカマとわけぎも適宜のっけ、
⑥仕上げにごま油を回しかければ、
カニカマとレタスの鶏だし鍋、できあがり~
ごま油の香りがよく、生姜が効いていてあっさりとしているが、豚のうまみとだしの味わいが絶妙でレタスがいくらでも食べられる!
ときおりわけぎの辛みもアクセントになって、食べ飽きしないお鍋です。
<この山ごはんで使用した道具>
・フライパン
・バーナー
・ナイフ
②牛肉とねぎの酒蒸し鍋
牛肉を使った鍋といえば、すき焼きかしゃぶしゃぶが定番ですが、あっさりかつ、こくのあるちょっと変わった酒蒸し鍋はいかがでしょうか。
もちろん、酒で蒸すのですから、日本酒に合うこと請けあいの一品です。
<材料>
牛肉こま切れ
たまねぎ
九条ねぎ日本酒
輪切り唐辛子
塩
ほんだし
コンビニのサラダ用和風ドレッシング。
<作り方>
①たまねぎをくし切りにし、
②フライパンに入れて、酒少々を加え、
③そこに塩と、
④ほんだしを入れて、
⑤酒蒸しにする。
⑥その間に、九条ねぎをざく切りにし、
⑦たまねぎがしんなりしてきたら、九条ねぎを加え、
⑧牛肉を山盛り投入。
⑨一度蓋をして酒蒸しにし、
⑩火が通ったところで、仕上げに輪切り唐辛子を散らし、たまねぎベースの和風ドレッシングをかければ、
牛肉とねぎの酒蒸し鍋、できあがり~
牛肉からでてきた甘みと、酒蒸しにされたたまねぎの甘みがなんともいえず、ねぎと輪切り唐辛子の辛味がアクセントになって、めちゃうま!
雪山で、すき焼きとはちょっと違った、ゴージャスな一品になります。
<この山ごはんで使用した道具>
・フライパン
・フライパンの蓋
・バーナー
・テルモス(お湯を沸かす際の時短のため)
・ナイフ
③ ナポリタン鍋
こちらも、トマト味ベースのちょっと変わったお鍋です。トマト由来の酸味とうまみで、多くの調味料がなくてもすこぶるコクのあるお鍋になります。
<材料>
ソーセージ
たまねぎ
ピーマン
パプリカ塩少々
オリーブオイル少々
トマトポタージュスープ
トマトペースト
コンソメ■下ごしらえ
自宅で玉ねぎをくし切り、ピーマンとパプリカをざっくりと短冊に切る。
切った野菜とソーセージをフライパンでオリーブオイル少々、塩少々を加えソテーし、冷ましてからジップロックコンテナにいれて冷凍しておく。
<作り方>
①フライパンに、凍らしてきた具材を入れてお湯をかけ、
②バーナーの火にかけて、沸騰してきたら、コンソメを加える
③そこに、トマトポタージュスープと、トマトペーストを入れ
④仕上げにサラスパを投入し、ほぐしつつゆでる
⑤3分ほどでパスタがやわらかくなれば、ナポリタン鍋のできあがり~
パスタにからんだ、ソーセージの味がしみたトマトベースのスープが、まるでナポリタン!
パプリカのシャキシャキ感と、ピーマンのほろ苦さがアクセントになって、最後の一滴まで飲み干したくなります。下ごしらえしておくことで、野菜の余分な部分も持たずにすみ、ゴミも減量。
しかも冷凍しておくと、たまねぎなどが温めたらすぐにやわらかく食べられるので、寒い冬にもオススメのやり方です。
<この山ごはんで使用した道具>
・フライパン
・バーナー
・テルモス(お湯を沸かす際の時短のため)
・ジップロックコンテナ
これから山は本格的な冬山シーズン。テントや山小屋の自炊に欠かせないお鍋メニューのヒントになったでしょうか?
ナポリタン鍋の具材は冷凍していますが、もちろんこの時期なら、前夜に仕込んで、翌日なら冷蔵でも十分持ちますね。冬山では夏だとなかなか思い切って持って行けない生ものが使えるので、鍋のバリエーションも作りやすく、グルメな山ごはんにはうってつけのシーズンです。寒い冬山でも、ほっこり温かい山ごはんをどうぞ。
げんさんプロフィール
ビールを飲むためにテントを担いで山に登り、山ごはんを作るのが趣味。
登山歴、山ごはん歴20年以上。低山からアルプス、日帰りからテント山行まで、四季を通じて休みがあれば山に行き、山めしを作って飲む。
夏は北アルプスや南アルプスを中心に、最近は東北の山にも目覚めている。冬は八ケ岳を中心に、美しい景色と美味しい山ごはんのために山へ繰り出す。
著書に「げんさんの山めしおつまみ」(エンターブレイン)、
共著に「げんさんとよーこさんの山ごはん」(山と渓谷社)、「秒速!山ごはん」(山と渓谷社)などがある。
山ごはんのブログ 「山めし礼讃」
この記事のレシピで使用したアイテム
イワタニ プリムス 153ウルトラバーナー
プリムス ライテックセラミックフライパン
ユニフレーム(UNIFLAME) 山リッドSUS 667576
マグナ カトラリー
スノーピーク シェラカップ チタン
OPINEL(オピネル) ステンレススチール #8
イーピーアイガス(EPIgas) チタンプレート 139 T-8302