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いつかは挑戦したい憧れの場所! 北アルプスの古道「伊藤新道」のルート紹介【後編】(2ページ目)

吹き抜ける風が気持ちいい! 解放感あふれる山の道

森の登山道 マップ

左右を巨大な岩で挟まれていた「谷」の区間に比べると、「森」の区間はじつに解放的。
振り返れば、これまでに進んできた湯俣川が作る溪谷が見え、立ち止まれば涼しい風が汗ばんだ体を心地よく冷やしてくれます。

河床から少し上がった場所

map④:河床から少し上がると、このような小さな尾根の上に。川側は崩れているので注意を。
崩れ始めた斜面を通らざるを得ない場所もありますが、集中して気を付けていれば大きな事故は起こらないはず。

遠ざかる湯俣川

map⑤:あっという間に遠ざかっていく湯俣川。こうなると気持ちは完全に「森」モードです。

ただ、昔は明確な登山道だった伊藤新道は、いまや全体的に不鮮明。道迷いを起こしかねません。ルートを見定めにくい場所では、じっくりと読図することが大事です。

奥に見える燕岳

map⑥:湯俣川はもはや遠くに。写真のいちばん奥には燕岳がそびえています。

大木が並ぶ場所

map⑦:かろうじて倒れていない、というだけの大木が並ぶ場所も。数年後にはなくなっているかもしれません。

”茶屋”と呼ばれる広場は休憩適地

茶屋 マップ

「谷」区間に比べれば転倒や滑落の危険は少ないのが「森」区間ですが、道迷いしやすいこと以外の問題が休憩する場所が少ないこと。
樹木で覆われている場所ばかりで、のんびりと休める場所は少数です。そんななかでお勧めは”茶屋”といわれるポイント。

茶屋

map⑧:ここが”茶屋”。周囲にはブルーベリーの仲間の低木が多く、甘い実がたっぷりと生っています。

ここは鷲羽岳の山腹にある白い砂を敷き詰めたかのような場所で、「まるで茶屋が立っていてもおかしくはない」という想像から、三俣山荘の方々がいつしか”茶屋”と呼び始めたとか。面白いですね。

この後、”茶屋”の先では、もう一回だけ「谷」区間的な場所を通過します。

下り口と登り口に注意。重要ポイントの「赤沢」

茶屋から少し進むと、湯俣川に流れ込む枝沢が現れます。これが「赤沢」で、たしかに赤茶けた岩石で形成されています。
この沢には大雨のときの増水などで流れ出した岩が堆積し、手や足をかけると転がり落ちるような浮石も多数。うかつに体重をかけて事故を起こさないように!

赤沢

map⑨:「森」区間では唯一、沢らしい沢が「赤沢」。この地形では、増水時は間違いなく通れなくなるでしょう。

また、この付近には”頑張れば、歩けなくもない”ように見える昔の道の跡も残っているため、もしも崩れやすい斜面に出て先に進むのが危険になった場合は、一度引き返して、別のルートを探しましょう。
※注意:さらに赤沢から離れて反対側から再び登り始めるときにも複雑な地形でルートを見失う人も見受けられます。この点も併せて気を付けるべきです。

もしも時間があれば……。寄り道可能な「温泉」を上からチェック!

温泉付近 マップ

ところで、赤沢付近の高台から湯俣川を見下ろし、ぐっと目を凝らすとどこかにグリーンの水たまりを発見できるかもしれません。その水たまり、じつは温泉なんです!

秘湯

map⑩:伊藤新道の「森」区間から見下ろした秘湯。いかにも気持ちよさそうではありませんか。

場所は、湯俣川を上ってきて、第5吊り橋跡からすぐに「森」区間に入らず、もう少しだけ遡行していった地点。
別の沢との合流点の上になかなかの適温(季節などの条件で、ぬるい場合も)の温泉が池のように溜まっているのです! 水量によっては渡れない場合もありますが、時間に余裕があるときは立ち寄ってみるのもお勧めです。
秘湯中の秘湯というべき存在とは、こういう温泉とのことなのだと思います。
数年前に立ち寄ったときの温泉の写真

map⑪:数年前に立ち寄ったときの温泉の写真。誰が手を入れたのか、土嚢のようなもので温泉の流れ出しを防ぎ、2m四方ほどの湯溜まりが作られていました。

よじ登るように進む急斜面。これがなかなかキツい!

話をもとに戻しましょう。
赤沢からは隣の尾根に向かって伊藤新道が延びていきます。実は体力的にいちばん厳しいのが、この区間。200~300mも標高を上げなければならない急斜面が続き、しかも崩れやすい地質のようで、もともとの伊藤新道はもはや数カ所で分断されつつあります。
滑落の恐れもあるので、慎重に行動したい場所です。

赤沢からの急な登り

map⑫:赤沢からの急な登り。正式な整備はなされていないとはいえ、ときおりロープも張られているのが非常にありがたいです。

一方では、このあたりから周囲に大木が立ち並び始め、いかにも「森」の区間らしくなってきます。

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