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伊藤新道のルート紹介【後編】

いつかは挑戦したい憧れの場所! 北アルプスの古道「伊藤新道」のルート紹介【後編】

近年ますます人気を集める”雲ノ平”や”黒部源流部”を抱える北アルプス中央部。そこに向かうためにつけられた、知る人ぞ知る古道、「伊藤新道」。廃道のようにもみえますが、実際には「通行不能」ではなく「通行困難」な道。しかしその難易度は高く、いつかは踏破しようと大きな憧れを抱いている人も多い登山道です。今回はそんな伊藤新道のコースについて紹介していきます。コースの写真をMAPと照らし合わせながら、ぜひイメージしてみてくださいね!

目次

「谷」から「森」へ。劇的に変化する「伊藤新道」

伊藤新道

写真/伊藤正一

”通行困難”だけど、”通行不能”ではなく、実力ある登山者のみが踏破できる、北アルプスの古道「伊藤新道」。
「前編」では起点となる湯俣から第5吊り橋(があった場所)を渡った場所までの「谷」区間をピックアップしましたが、「後編」では第5吊り橋から先、谷から離れて深い森のなかを通る「森」区間を紹介していきます。

伊藤新道 マップ

提供:三俣山荘のウェブサイト(クリックすると大きな画像が表示されます)

ルートの地図は三俣山荘のウェブサイトで確認を。これら「谷」と「森」をつなげて歩くことで、伊藤新道の真の魅力がわかってくるはずです。

また前編でもお伝えしたのですが、伊藤新道を自力で踏破できるのはよほど山に慣れたエキスパートのみ。伊藤新道を詳しく知るガイドにお願いすれば、多くの人が挑戦可能になりますが、それでもある程度の経験は必要。必ず事前に自身の体力・技術レベル、経験を上げておくことが大切です。

※コースタイム・距離について
「谷」が4.5~5㎞くらい、「森」が4kmくらい、合計距離も「10㎞程度」ですが、登山道の状況も日々変化しているため、”伊藤新道のコースタイムはこのくらいです”とお伝えすることがとても難しい道。
相当な熟練者で半日(6~7時間)、普通の”できる人”で1日(8~10時間)くらいが目安となりますが、「一般的には1日かかるのが普通」と考えておいてください。
登山道の状況を確認しておくのはもちろんですが、時間にも余裕を持って臨むようにしましょう。

▼後編を読む前に、まずは伊藤新道の「谷」ルートを紹介している前編をチェック

後編は急斜面も登場する険しい登山道へ

伊藤新道 コース 番号

後編も写真とMAPを照らし合わせながら、コースを紹介していきます。
谷に沿って第五吊り橋跡までたどり着けば、ここで一区切り。もはや水に濡れながら歩くことはなく、揺れ動く石を踏み続けることもほとんどありません。その代わり、急斜面も登場する険しい山道が始まります。

第5吊り橋跡の付近

map①:第5吊り橋跡の付近は、左端にわずかに水流が見える以外、赤茶けた岩ばかり。

ここまで履いてきた沢用のシューズ、とくにラバー系のソールのタイプであれば、そのまま同じシューズでも歩けないことはないですが、終点の三俣まではまだまだ遠く、一般的な登山用ブーツに履き替えたほうがよいでしょう。
とはいえ、わざわざバックパックにに入れて持ち歩くのは重く、ここをどうするかはその人次第ともいえます。

わかりにくい登り口だけど、探せば看板もあり!

河床から森へと上がっていく場所

map②:このあたりが河床から森へと上がっていく場所。どこからでも登れるとも、登れないともいえる微妙な雰囲気です。

今は登山地図に記載されていない伊藤新道ですが、一部は三俣山荘の努力によって整備されています。
しかし、小屋の近くは毎年手を入れているものの、小屋から遠くなるほど手間をかけることはできません。それでも第5吊り橋跡、つまり湯俣川までは、ときどきスタッフが手を入れているため、「踏み跡以上・登山道未満」の道がうっすらと判別できます。
湯俣川の河床から森のなかに入っていく際も、周囲をしっかりと探せば比較的新しい標識を見つけられるので、そこから上へと登りやすくなっています。

三俣山荘と書かれた標識

map③:「三俣山荘」と書かれた標識。これが倒れていた場所には踏み跡があり、やはり登りやすかったです。

とはいえ、倒れやすい標識は風や雨で移動していたり、発見できなかったりする可能性はあります。その場合は地図とコンパス、もしくはGSPを利用した地図アプリなどで位置を確認。河床付近はそれほど複雑な地形ではないので、おそらくそれほど苦労しなくても踏み跡のように残る伊藤新道を発見できるでしょう。

晴れているときに河床から離れていくと、それまでの「谷」で濡れていたウェアがどんどん乾いていくのがわかります。それに、もう水に流される心配をする必要がなく、気持ちもだいぶラクになっています。

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