退院してからがさらに大変!不便な生活とリハビリの日々
事故から6日で退院、10日で仕事に復帰したWさんでしたが、待っていたのは不自由な生活です。
ギプスの中での足のストレスや、普段なら5分くらいで歩ける距離でもかなりの体力を使う松葉杖での移動。体験したことのない苦労に向き合う日々となりました。
【Wさんの証言】
しばらく座っていると足がむくんでパンパンに張ってしまいギプスで締め付けられたり、汗をかくとかゆいなど、不快でたまりませんでした。
体重がかかると脇の下が擦れて痛くなり、初めての松葉杖生活は思った以上に大変でした。
ギプスを外したら、足が細くなっていた!!
ケガした部位を長期間ギプスで固定していると、筋肉や関節が硬直して動かなくなる「拘縮(こうしゅく)」が起こります。
Wさんは事故から約2週間後にギプスを外し、手術部位の抜糸を行いました。比較的早いタイミングでギプスが外れましたが、それでもケガをした右足には大きな変化が。すでに拘縮は始まっており、足首はおろか足の指も曲げられない状態になっていたのです。
【Wさんの証言】
拘縮と同時に筋肉が落ちて細くなってしまいました。足のリハビリが気になりましたが、医師からは「とにかく動かして下さい」というアドバイスのみで、正確なやり方がいまいち分かりませんでした。
リハビリを支えた「早く山に戻りたい」気持ち
そんな状況を打破すべく、Wさんは事故の約1カ月後から整形外科に通います。落ちた筋肉と拘縮を回復させるため、理学療法士とともにリハビリに取り組んだのです。
結果として、事故の約1カ月半後には2分の1加重(両足で立ち上がる)、さらに事故の2ヶ月後には全加重(ケガをした足片方で立つ)許可を、医師から得ることができたのです。
【Wさんの証言】
理学療法士さんには「早く登山に復帰したいので、ハードなメニューでも大丈夫」としっかり伝え、キツめに指導してもらいました。同じ時期に同じ部位のケガでリハビリをしていた人が私以外にも2人いたのですが、おかげで回復は私がいちばん早かったですね。
リハビリ内容はケガの状態や人によって変わることが多いものですが、Wさんの場合は以下のメニューでした。
定期検診の際には医師からも「拘縮と筋肉の回復が早い」と言われたそう。Wさんがリハビリに努力したことが結果に結びついたようです。