10食目:「お取り寄せ」の誘惑
前々回の8食目で「これじゃなかった」感なタラの芽の天ぷらを食べてしまってから、封印していた山菜欲がもくもくとわき上がってきました。
「あー、あの斜面にはコゴミがわんさか生えているだろうな」とか「あの散歩道をひと回りすると、1食分のコシアブラがつめたなぁ」と、長野時代のマイ野草スポットに思いが募ります。とはいえ、このご時世、ムリなのも承知。
そうしたら、長野時代に山菜を送っていた友人が、私より先に東北から「お取り寄せ」で山菜を食べている写真がSNSに……。ぐぬぅ、都会人やりおる。「自分で摘めなければお取り寄せすればいいじゃない?」か。
注文して翌日に長野から届いたコシアブラもコゴミも、私がいつも摘んでいたものよりも立派! さすがプロの仕事と感心。今日はこれを使って、友人を「お取り寄せ沼」にはめた、コシアブラごはんを作りたいと思います。
簡単でおいしいコシアブラごはんの作り方
炊飯に関しては、これまでも挑戦しているので割愛。ただし、今回はたっぷり食べたかったので、米の量を150gにしました。
コシアブラごはんの素は「炒めてから使う派」などひとによっていろいろありますが、私はいちばん簡単な「濃縮タイプの麺つゆに漬けるだけ派」です。
麺つゆは甘めのものもあるので、醤油を足すなど好みの味に調整します。そのままだと濃すぎるので少し水で薄めます。あとはコシアブラをそのまま入れて、冷蔵庫で半日〜1日放置。小分けにして冷凍しておけば、いつでもコシアブラごはんです(ただし味は少し落ちる)。
前回より米の量が多かったので、沸騰は1分50秒、炊きあがりは9分08秒でした。フキンで包んでトメ子をのせ、5分ほど蒸らします。
混ぜておにぎりにすれば、家で山ごはん気分に!
漬け汁の水分を軽く絞って、刻んだコシアブラを投入。またフタをして軽く蒸らします。
蒸らして葉がしんなりなったら、しゃもじで混ぜます。「ちょっと水気多いかも」と思えば、すった炒りごまを入れると、水分を吸ってくれて風味も上がり一石二鳥です。
そのまま茶碗によそってもいいのですが、少し外ごはん感を味わいたかったので、おにぎりにしました。3つ作ったのは、1)そのまま握る、2)塩をつけて握る、3)塩+ごま油をつけて握る、を比較してみたかったから。
結果は(3)の塩+ごま油の圧勝。コクが増しますが、炒めるほど油が主張しない!! 付け合わせのゆでたコゴミには、辛子マヨネーズをかけてでき上がり。
東京の自宅にいて、長野の春の味を楽しめるのは、物流が発達したからこそ。こんなご時世に不要不急の山菜は贅沢かな……とも思いましたが、3月末から自宅で外出自粛、桜も見られなかったので、遅れてきた山麓の春を感じられたことで、あーやっぱり山の暮らしはいいなぁと。
……と、ちょっとセンチメンタルになっていましたが、今回で10回目。どういうこと??
2桁台突入なんですけど、7人のコビトが毎回夜中にガス足してませんか、これ??
前回までのあらすじ&続きを読む
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