登山ウェアは何が必要?基本を理解しよう!
登山するために適した洋服、登山ウェア。一言に登山ウェアといっても、素材や形状、機能も実にいろいろなタイプがあります。今回は登山ウェアの特性・初心者が知っておきたいこと、最低限揃えておきたい物を紹介していきます!
山の気候は変わりやすい!登山ウェアは体温調整が大事!
山の天気は変わりやすく、さらに高度が100m増すごとに気温が約0.5~0.6度下がると言われています。標高の高い山に登れば登るほど、寒いということですね。「寒いならたくさん着ていけば大丈夫!」と思うかもしれませんが、実際の登山では汗をかいたり、突然の雨で体が冷えたりと、さまざまな場面で体温の変化が起きます。
そのため登山ウェアを選ぶ時は、温度調整がしやすくウェアの性能が活かされるレイヤリング(重ね着)が基本なのです。
重ね着をすれば、何を着てもいいの?
レイヤリングは単純にウェアを重ねて着ていけばいい、というものではなく、それぞれのウェアがもつ性能を最大限発揮させることが大事です。
①吸水速乾性:汗を素早く吸収し拡散するため、汗冷えを防いでくれる
②透湿性:内側からの水蒸気を外へ逃がしてくれるため、ムレを防いでくれる
③保温性:洋服内の温度を保ってくれる
④防水・防風性:洋服内への水や風の侵入を防いでくれる
どれも登山中快適に過ごすための性能ですが、登山ウェアは街向けの服よりも特にこの4つの性能に優れたものが多く見られます。手持ちの洋服で代用する場合には、吸水速乾性のあるポリエステルなどを選ぶようにしましょう。
レイヤリングの詳細についてはこちらの記事をチェック!
ではカテゴリー別に登山ウェアについて紹介していきます。
登山ウェア【トップス】は重ね着がポイント
トップスは基本的に「ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウター」の3つに分けてレイヤリングします。まずはベースレイヤーから紹介!
一番下に着るベースレイヤーは吸水速乾性が大事!
ベースレイヤーはレイヤリングの一番内側に着用する服の事で、アンダーウェアとも言われています。一番肌に触れる面積が広く、汗で濡れた服は体温の低下を招くのでベースレイヤーは汗への対策が重要。
汗をたくさんかく夏は化学繊維、寒さ対策も必要となる秋冬はウールやメリノウールなど、季節によって素材を替えるのがおすすめです。
●モンベル ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ
大型ショッピングモールなどもに店舗があり、日本最大級の国内アウトドアブランド。オールマイティーな商品と、購入しやすい価格帯の製品が多く、初心者にもおすすめ。
ジオラインは速乾性が高く、汗を素早く吸収し素早く外へ蒸発させます。また、繊維間に空気を含み保温性があるためため大量の汗をかく夏から冬の寒い季節までオールシーズン活躍!
モンベル ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ(メンズ)
●フェニックス トランスファーロングスリーブ
1952年に日本で創業したブランド。スキーウェアブランドとしても有名ですが、優れた技術力で多くのアウトドア分野の製品を開発しています。
トランスファーロングスリーブは肌面に撥水糸、表面に拡散糸を使用。汗を素早く吸水し拡散、汗の戻りがなく不快感がありません。素肌をドライに保ち、いつでも快適な着心地を実現。
フェニックス トランスファーロングスリーブ
他にも探したい人はこちら!
次はベースレイヤーの上に着るウェアの紹介です。
中間のミドルレイヤーで温度調整!
ベースレイヤーとアウター(上着)の間に着用するミドルレイヤー。ミドルレイヤーは、ベースレイヤーが吸収した湿気を発散する透湿性、さらに保温が大事!登山用シャツやフリース、インナーダウンなどがあるので季節に合わせて調整するのがいいでしょう。
【登山用シャツの特徴】
着脱しやすく普段でも利用しやすい登山用シャツ。夏場や少し肌寒い時の利用がおすすめです。ワントーンやチェック柄などバリエーションが豊富なので、コーディネートしやすいのもポイント!
●ノースフェイス ロングスリーブマドラスチェックシャツ
大人気アウトドアブランド、ノースフェイス。機能的でありながらデザイン性が高いアイテムが揃っています。タウンでもおしゃれに着用できるブランドとして性別問わず大人気。
ロングスリーブマドラスチェックシャツは優しい肌触りの登山用シャツ。派手過ぎないチェック柄のカラーで合わせやすいので、登山だけでなくタウンでも利用しやすい一着です。
ノースフェイス ロングスリーブマドラスチェックシャツ
【フリースの特徴】
多用途に使えるフリース。保温性だけでなく、通気性・速乾性も備わっているフリースはバランスが良く、幅広い場面で使用できます。少しかさばるのが難点ですが、根強い人気を誇るミドルレイヤーです。
●パタゴニア メンズ・R2ジャケット
環境に配慮した製品を作り続けているパタゴニア。リサイクルポリエステルを使用したフリースはとても人気!薄さやカラー展開などのバリエーションが豊富で、保温性・透湿性に優れています。
R2ジャケットは高い機能に加えて、コンパクトに収納できるので持ち運びも簡単!荷物が多くなりがちの初心者にもおすすめです。
【インナーダウンの特徴】
保温性に優れ軽量でコンパクトなインナーダウン。ダウンは透湿性より保温性に優れているため、汗をかきにくい時期に使用するのがおすすめ!
●モンベル スペリオダウン ラウンドネックジャケット
ダウンが寄りにくい構造で保温効果が高い1着。シンプルなつくりで、丸首やスナップボタンでアウターにひびかずごわつきません。軽量で着やすいので初心者にも◎

モンベル スペリオダウン ラウンドネックジャケット(メンズ)
アウターで雨風を防ごう!
レイヤリングの一番上に着用するアウター。風や雨など、外気を内側に侵入させず体を守ってくれるアイテムです。アウターにはソフトシェル、ハードシェル、レインウェアなどがあり、季節や天候に合わせたアウター選びが重要。防水性、透湿性の高いゴアテックス®を採用したアウターが人気です。
登山ウェアでよく見かける「ゴアテックス®」って?
雨に強く、風を通さないアウターとして非常に優れているゴアテックス®。さらに透湿性にも優れており、汗をかいても不快感がありません。汗による内側からの湿気は外へと逃がしますが、外からの雨は内側へと通さないという、アウトドアには最適な素材なのです。ゴアテックス®についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もチェック!
【ソフトシェルの特徴】
比較的薄手・軽量で動きやすいソフトシェル。薄くても防風性が高いので肌寒い日には一枚あると便利なアウター。さらに撥水性があるので少しの雨なら弾いてくれます。
●モンベル ノマドパーカー
ストレッチで動きやすいので初心者にもおすすめのアウターです。風に強く、撥水加工済みなので安心。内側は起毛になっているので、肌触りがやさしくて暖かいのが特徴です。
【ハードシェルの特徴】
豪雨・強風でも安心なアウターがハードシェル。ソフトシェルに比べると生地が厚く、少しゴワツキを感じるかもしれませんが、どんな天候にでも対応できるのが特徴。ただ、ハードシェルは他のアイテムに比べて高いので、初心者にはタウン用としても着られるウェアをおすすめします。
●ノースフェイス マウンテンジャケット
オシャレなノースフェイスのハードシェルは、ゴアテックス®を採用しているので雨でも安心。シンプルなデザインは登山だけではなく、タウンでも利用しやすいですね。
ノースフェイス マウンテンジャケット
【レインウェアの特徴】
山の中では身体が濡れることで体温が奪われてしまうため、濡らさないことが大事!初心者は後回しにしがちなウェアの一つですが、天候が変わりやすい登山ではレインウェアはとても大事なウェアなのです。少し値が張ってもしっかりとした高性能のレインウェアをおすすめします!
●モンベル ストームクルーザージャケット
価格も抑えめで、初心者にも購入しやすいレインウェア。軽量でやわらかく着心地がいいだけでなく、防寒着としても利用できます。
・サイズ:S、M、L、XL
・重量:257g
・素材:ゴアテックス®ファブリクス3レイヤー[表:20デニール・バリスティック® ナイロン・リップストップ]
●マムート レインスーツ
軽量でコンパクトになるので、リュックに入れて持ち運びがしやすいレインスーツです。2Way止水ファスナーで雨の侵入をシャットアウト。フードはヘルメットの上からでも使用でき、コードで調整ができます。
マムート レインスーツ
登山ウェア【パンツ】は動きやすさがポイント
続いてご紹介するのは登山用パンツ。専用のパンツって必要?と思うかもしれませんが、登山パンツにはアウトドアに適した性能がたくさん!
怪我も防いでくれる快適な登山パンツ
登山は一日中歩くスポーツ。想像以上に汗をかくため、下半身も蒸れを防ぐことが大切です。登山パンツで大切なのが、撥水性や速乾性、通気性やストレッチ性などです。
また、登山パンツは登山ウェアの中でも消耗しやすいアイテム。摩擦が起きやすい箇所が補強されているものを選ぶと長く愛用できます。
●フェニックス アラートパンツ
4WAYストレッチと立体構造で動きやすく、やわらかなパンツです。パンツ内の通気を良くするためのベンチレーションが2箇所。腰の部分のメッシュ地で汗をかいてもサラリとした着心地です。
フェニックス アラートパンツ
●モンベル ストレッチライトパンツ
とても軽量でストレッチが効いており、足上げがしやすく快適なストレッチライトパンツ。性能だけでなく購入しやすい価格も魅力的です。生地が薄めなので、春夏の登山に最適なパンツ。
・サイズ:S、M、L、XL、XXL
・重量:302g
・素材:ナイロン95%+ポリウレタン5%[超耐久撥水加工]
登山ウェア【帽子・タイツ・靴下】で快適性UP!
絶対に必要!というわけではありませんが、登山を快適に、安全に行うために是非揃えたい登山用の小物を紹介します。
日差しや雨風を防ぐ!登山帽子
山は日差しが強いので、登山用の帽子は準備しておいた方がよいアイテムの一つ。日差しを防ぐUV加工、突然の雨で安心の防水加工、さらに蒸れを防いでくれる透湿性のある帽子までさまざま。季節や天気に合わせて選びましょう!
●ノースフェイス ブリマーハット
大人気アウトドアブランド、ノースフェイスの人気ハットは通気性が良く夏でも快適!紐が付いているので、強風でもとばされにくいので安心ですね。
ノースフェイス ブリマーハット
●コロンビア グリーンホーンメドウブーニー
個性的でおしゃれな柄が多いコロンビア。機能性にも優れた製品がそろっているので愛用者も多いブランドです。
グリーンホーンメドウブーニーは紫外線カット率が高く夏などに最適。日常利用しやすい柄と形状も魅力です。
コロンビア グリーンホーンメドウブーニー
履くだけで疲れを軽減!登山タイツ
登山タイツには大きく分けて、足の疲れやむくみをやわらげてくれる「コンプレッションタイツ」、運動時のパフォーマンスが上がる「サポートタイツ」の2つがあります。
●CW-X スタイルフリーボトム
CW-Xは筋肉をサポートし疲労を軽減、コンディションを整え運動する時にかかるストレスをやわらげてくれる人気のタイツ。
スタイルフリーボトムは、筋肉や皮膚の伸縮を考え設計されたタイツです。足さばきがしやすく、優れたサポートでストレスなく動けます。
CW-X スタイルフリーボトム
●モンベル サポーテックライトタイツ
段階的な着圧で血流をサポートし、ストレッチが効いた超軽量のタイツ。UVカット効果もあり通気性が高い素材なので、夏でも快適に過ごせます。
出来れば履いて欲しい登山靴下。足への負担が全然違います!
登山では登山用靴下の着用をおすすめします。街用の靴下に比べ厚くクッション性があるので、靴擦れを予防するだけでなく疲れを軽減させてくれる特徴が。さらに汗を外へと発散する素材で作られていることが多く、快適さも断然違います。
●モンベル WIC.トレッキングソックス
厚さがあり、クッション性に優れていて、丈夫で長持ち。さらに速乾性が高いのでむれにくく、甲の部分はメッシュ構造になっているので快適です。足先や裏面には補強糸を採用し高い耐久性を実現!
●ダーンタフバーモント
耐久性に優れたソックスを製造販売しているブランドで、すべての制作工程はアメリカのバーモント州で行われています。デザイン性が高いソックスも多く、さらに驚きの一生涯保証付き!長期の使用でも大丈夫なタフさが自慢のソックスです。
ダーンタフ ハイカー ブーツソック フルクッション
登山ウェアのおしゃれ着こなし術
それでは、実際にどのような合わせ方があるのでしょうか。おしゃれな着こなしを男女別でご紹介します。
シンプルなオシャレコーデ!
落ち着いたカラーで大人っぽい印象のスタイル。チェックのシャツをポイントに、ベストで体温調整!寒くなってきたらさらに上にアウターを着て寒さ対策しましょう。
柄ものを合わせるのもオシャレ!
着こなしのポイントに柄物を取り入れるのもオシャレ!一見派手そうに見えますが、意外とコーディネートしやすいんですよ。シンプルな着こなしに飽きてきたらぜひチャレンジしてみたいコーデです。見た目だけではなく機能性もバッチリ!
アクティブ女子でいこう!
全身ダークな色味でコーデ!ポイントにハットの黄色が効いていますね。ロングのベースレイヤーに半袖Tシャツを重ね着し、日差しを防ぎながら体温調整!少し暑くなってきた時期にピッタリのコーデですね。
落ち着いた雰囲気の大人女子スタイル!
チェック柄のシャツと登山靴の色味を合わせているのがポイント。全体のトーンを抑えているので、登山初心者にもコーデしやすい!
登山ウェアで登山を快適に!
初心者にとってはタウン着との違いがわかりにくい登山ウェア。しかし、実際に着てみるとその性能の違いにビックリするはず!最初から全部購入するのはハードルが高いですが、カラーや素材など、タウン着としても利用できるものを選ぶと日常使いもでき便利ですよ。
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今回紹介した登山ウェアをもっと細かく見たい方は、こちらの記事をチェック!
▼登山ウェアの着方
▼一番下に着るベースレイヤー
▼中間に着るミドルレイヤー
▼アウター・レインウェア
▼登山パンツ
▼小物