「ポリ袋」を使った山ごはんは良いことづくめ!
登山の楽しみの一つでもある山ごはんですが、食材や調理道具を余計に持ち運ばなくてはならなかったり、後片付けの手間を考えたり…。ついつい作ることが億劫になってしまうことはありませんか?!
そんな時役に立つのが、「ポリ袋」を使った山ごはん。少し前から話題になっている画期的な調理法です。
ポリ袋レシピ 3つのメリット
①栄養素の流出を防ぐ
袋内で調理することで、調理時間を短縮することが出来、煮汁へ栄養素が流出することを最小限に減らせます。
また、真空に近い状態で調理をすることで少ない調味料でも味がしっかりと染み込み、ヘルシーに調理することができます。
②山ではお湯につけるだけの簡単調理
材料を切ったり、調味料を合わせたりする作業を全て事前にやってしまえば、山では鍋に湯を沸かしポリ袋をそのままドボン!とつけるだけ。調理時間は約20~30分と多少かかりますが、調理道具も汚れないため、準備や片付けの手間はほとんどかかりません。そのためトータルでは時短につながります。
そして慣れてしまえば「焦げ付く」「煮詰まる」などの失敗も少なく、いつも同じクオリティで仕上げられるので、あまり料理が得意でない方にもおすすめ!
③同じ鍋で同時調理が可能
3つ目のメリットは同時に複数の料理を作ることが出来ることです。
ご飯を炊きながらおかずを作る、など普通に準備すると手間も時間もかかってしまいますが、同時調理、しかも湯煎するだけで作れるなら、料理のハードルも下がります。
これから山ごはんにチャレンジしてみたい!という方にはおすすめ。
※ポリ袋は素材に注意!
今回のレシピは全て「ポリ袋」と表記していますが、加熱調理をするので、耐熱温度90~110℃で高密度ポリエチレン素材のものを使用してください。
おすすめなのは「アイラップ」です。取り出しやすく、電子レンジ加熱や冷凍も出来るので、私自身自宅では「アイラップ」を使用していますが、同じく耐熱用のポリ袋でワタナベ工業さんから発売されている「食品用ポリ袋」という商品もおすすめ。
アイラップの倍近い袋の厚みがあり、一回り大きめのサイズ。加熱によって破れるリスクを回避するために山ではこちらを使用しています。
私は、山ごはんだけでなく、普段の食事作りにも時短のため良く活用しているポリ袋なので、まだまだ熱く語りたいところですが、その他のメリット、調理に使うポリ袋の選び方、入手方法などについてはこちらの記事をご覧ください。
ポリ袋のメリットを活かした3つのアレンジレシピ
今回はこのポリ袋を使って包丁やまな板を使わなくても手軽に調理出来て、なおかつ主食・主菜・副菜までバランスよく食べられる、簡単で美味しい山ごはんレシピをご紹介します。
※注意点※
・湯煎をしたり熱湯を注ぐと、ポリ袋はかなり熱くなります。取り扱う時は箸や手ぬぐいを使うなどして、素手では決して触らないようにしてください。・高温になる鍋底にポリ袋が触れると、袋が破損する恐れがあります。湯煎をする際は、鍋底にお皿を敷きましょう。
今回は100円均一で購入したステンレスのものを使用しています。
下準備が成功の秘訣!
豚こまで作るポークチャップ
一つ目のレシピはポークチャップです。
今回短い時間で具材に火を通すため、かたまり肉は使わず手に入りやすい豚こまを使い、野菜も少し薄めに切ったものをポリ袋に入れて持ち運び、調味料と一緒に合わせます。
ケチャップの甘辛い味付けが、年齢問わず喜ばれ、ご飯にもパンにもパスタにも合うのでぜひお試しください。
材料(2人分)
豚こま切れ肉 200g
しめじ 1/2パック
玉ねぎ 1/2個【A】
ケチャップ 大さじ4
ウスターソース 大さじ1
しょう油 小さじ2
砂糖 小さじ1
バター 10g(小さめに切っておく)小麦粉 大さじ1
塩 2つまみ
こしょう 少々
パンやご飯など お好みで
下準備
・豚こま切れ肉は一口大に切り、塩・こしょう・小麦粉をまぶしておく
・玉ねぎは5ミリ幅に切り、しめじは小房に分ける
余計な調理道具がいらず、時短にもなるため、下準備は事前にやっておきましょう!
作り方
①ポリ袋に下準備しておいた具材とAを入れ、良く揉みこむ
②平らにならしたら出来るだけ空気を抜いて、口をねじり袋の上部で結ぶ
また、万一袋の中身が熱で膨張してしまっても破裂を防ぐ事が出来ます。
③鍋に皿を入れ、その上に2を置き、ポリ袋がひたひたになるくらいまで水を注いだら中火にかける
④沸騰してきたら弱火にして、蓋をして20分加熱する
*ぽこぽこと軽く沸騰するくらいの火加減が理想です。
⑤ポリ袋の口を開けて中身を良くかき混ぜたらお皿に盛り付ける。パンやご飯などを添えたら完成!
また、水溶性のビタミン等加熱に弱い栄養素も短時間の湯煎調理なら損失を防ぐ事ができます。
焦げずにふっくらご飯!
食欲をそそるカレーピラフ
山用のクッカーを使った場合、火加減の調節が難しく、芯飯や焦げ付きのリスクが伴う炊飯ですが、ポリ袋調理ならそんな心配もないうえ、こびりつくこともないので、後片付けも楽ちんです。
今回は少しアレンジして、一皿で満足できるカレーピラフにしてみました。
控え目な辛さですが、スパイスはしっかりと効いていて食欲をそそるピラフ。好みの辛さによってカレー粉の量を調節してください。
材料
材料(2人分)
無洗米 1合
水 180ml
ミックスベジタブル 1/3カップ
ウインナー 3本【A】
カレー粉 小さじ1
麺つゆ 大さじ1/2
コンソメ 大さじ2/3
オリーブ油 大さじ1
乾燥パセリ 適量
下準備
・ポリ袋に無洗米と水を入れて、30分以上浸水させておく
*登山前に浸水しておいても良いですが、あまり振動が大きいと米が割れてしまうので、クッカー等に入れておくと良いです!
作り方
①浸水しておいた米にAを入れて全体をかき混ぜておく。
米を平らにならし、ミックスベジタブル・ウインナーを小口に切りながら加え、ポリ袋内の空気を抜いたらねじって上の方を結んでおく。
*小さめのキッチンバサミを持参すると、まな板や包丁を使わなくてもよいので、おすすめです!
②鍋の底に皿を敷き、1を入れたらポリ袋がひたひたになるくらいまで水を注ぐ
③中火にかけ、沸騰してきたら弱火にして蓋をして20分加熱し、火を消して10分そのまま蒸らす
※ピラフは白米を炊くよりも具材が入っている分、少し難易度が高いです。良くかき混ぜてみて、もしも芯が残るようでしたら再度口を縛って5~10分程度加熱して様子を見てください!
④袋を開けたら良くかき混ぜて、お皿に盛り付け、乾燥パセリを振る
トータルで約30分とα化米に比べると時間はかかりますが、パサつき感ゼロのふっくらご飯は何にも代えがたい美味しさです。
おまけ(イタリア風卵スープ)
ピラフだけだとすこし寂しいので、スープも一緒にどうですか?
ピラフとの相性がいいのはもちろんですが、すぐ作れるため、ピラフを湯煎中に体を冷やさないよう先に飲んで待つのもいいですね。
材料
材料(2人分)
【A】
卵 1個
パン粉 大さじ4
粉チーズ 大さじ2
顆粒コンソメ 小さじ1オリーブ油 少々
塩・こしょう 少々
お湯 2カップ
作り方
①Aをポリ袋に入れ、外側から揉んでよく混ぜておく
②器に乗せたら口を広げて沸騰した湯を注いで、軽くかき混ぜ、口を縛り、そのまま5~10分程蒸らしておく
③ 口を開けて、カップに注ぎ、塩・こしょうを振り、オリーブ油をたらしたら完成!
ご飯も同時調理できちゃう!ルーロー飯
最後はご飯も同時に炊き上げる「ルーロー飯」を作ります!
豚バラ肉をスパイスと共に甘辛く煮込んでご飯と共に食べる台湾のローカルフードですが、今回はポリ袋で作る山ごはんレシピ向けに簡単にアレンジしました。
味の決め手となる「五香粉(ウーシャンフェン)」は八角を中心としたミックススパイスで、スーパーでも手に入りますので、ぜひ入れて下さいね!
材料(2人分)
材料(2人分)
無洗米 1合
水 180ml
豚こま切れ肉 200g
ゆで卵 1個【A】
しょう油 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
オイスターソース 大さじ1
にんにくチューブ 3cm
しょうがチューブ 3cm
五香粉 小さじ1
下準備
・豚こま切れ肉は粗めのみじん切りにしておき、ゆで卵と共に耐熱用のポリ袋に入れ、Aを加えて全体をなじませておく
・ポリ袋に無洗米・水を入れ、30分以上浸水させておく
*豚肉は事前に切っておき保冷もしくは冷凍しておいて持ち運ぶと良いです!
作り方
①鍋に皿を置き、その上に浸水させておいた米と味付けした肉を置いてひたひたになるくらいまで水を注ぎ、中火にかける
*共にポリ袋の口を縛るときは手で空気を抜いてからねじり、袋の上部を縛るようにする
②沸騰してきたら弱火にして蓋をして20分加熱する。ふつふつと軽く沸騰するくらいの火加減を維持する
③火を消して、10分蒸らす
④袋を開けて、ご飯と肉をそれぞれほぐしたら皿に盛り付ければ完成!
お好みの青菜(小松菜や青梗菜など)を鍋でさっと茹でて肉に添えると、彩りも良くなり、不足しがちなビタミン・ミネラルもとれるのでお勧めです。
次回は肉にくぼみを作ってからふわっと包んで優しく扱ってあげようと思います!
簡単なのに奥深いポリ袋レシピ
知れば知るほど奥が深いポリ袋調理ですが、加熱するときは必ず耐熱性のポリ袋を使う、湯煎するときは鍋底に皿を置く等…いくつかのコツと注意点さえ押さえてしまえば失敗は少なく、料理初心者でもトライしやすい調理法です。
慣れるまではまずは一度、使い慣れた調理器具を使って自宅で練習してから、本番当日に臨んでみてください。
また、近年日本では地震に加え、台風などの自然災害に見舞われることも増えてきたため、復旧までを乗り切る手段に「備える」必要性が大切になっています。
山ごはんとしてのポリ袋調理だけでなく、万が一災害などでライフラインが満足に整っていない状況に陥ったとしても、道具をあまり使わずに美味しくお腹も心も満たされるご飯を作ることが出来ます。
「防災食」としても役立つポリ袋レシピ、試してみませんか?
今回紹介した商品はコチラ
アイラップUF ポリ袋