クッカーの種類って多くない・・・?
突然ですが、クッカーの種類の多さに悩んだ経験はありませんか?
「形状」や「素材」など、一口にクッカーと言っても様々な種類があります。自分の持っているバーナーとの相性など、考え始めるとなかなか決められないのがクッカー選びの難しいところです。
それぞれのクッカーにそれそれに良さがある
様々な種類があるということは、裏を返せばそれそれに特徴があるということ。道具選びの基本は自分の目的に合わせて選ぶことですが、今回は少し違うアプローチからクッカーの比較をしてみたいと思います!
▼クッカーの選び方については下記の記事を参考にしてみてください。
【汎用性重視】オーソドックス党
まずはシンプルなオーソドックスなタイプから。登山用語では「コッヘル」と呼ばれることもあり、お湯を沸かすことをはじめ、炒め物や煮物にも使えるいわゆる“山用の鍋”。数多くのメーカーから様々な大きさや素材のクッカーが出ていますが、基本的な使い方は共通しています。
昔から多くの登山者に愛用されているので、山で見かけることが多いクッカー界の最大勢力といっても過言ではないでしょう。
【丸型】
種類やサイズが豊富なのが丸型。フタはフライパンや皿を兼ねる場合がほとんどです。
携帯性を重視する場合は細長い深胴、調理や食器としての使いやすさを重視する場合は浅胴のものが選ばれます。
【角型】
角型は四角いコッヘルで、パッキングしやすく、角を使うと液体を注ぎやすく、袋ラーメンが調理しやすいといったメリットがあります。
ここが魅力◎
■圧倒的な使いやすさ
各メーカーからセットで売られていることが多いこのタイプは、ガスカートリッジや小型のバーナーを収納することが考えられていて非常に使いやすいのが大きな特徴。
鍋にもなる深い本体・食器にもなる浅めの鍋・フライパンとしても使える蓋、1セットあれば料理もできますし、必要なものだけ選んで持っていくことも可能。また、多くのバーナーとも相性がいいです。
ここがイマイチ△
最大勢力とあって、種類は豊富。その一方で、どのメーカーにするか?どの素材にするか?など選ぶのに悩んでしまいます。
「値段」「重量」「使いやすさ」など、必要な要素の優先順位をつけ、欲しい商品を見つけてください。
こんな人におすすめ!
アイテムを選ぶことができるので、様々な登山シーンに対応してくれる汎用性こそがオーソドックスタイプが長年支持されている理由の一つ。
日帰りでもテント泊登山でも、レトルト食品で簡易的に済ませたい時もこだわりの山ごはんを作りたい時も、どんな時にも使いたい人におすすめです!
【効率性重視】ジェットボイル党
高い熱効率により、わずかな燃料で素早く湯沸かしが可能なクッキングシステム『ジェットボイル』。近年、山で使っている人を見かけることも多いのではないでしょうか。
容量・形状の異なるモデルが数多く展開されており、自分のスタイルに合わせた使い方ができる優れものなんです。
ここが魅力◎
ジェットボイル最大の特徴は圧倒的な熱効率の高さ。独自の技術で沸騰まで最速で100秒という驚異的なスピードを実現しています。
また、ジェットボイルは、すべてのパーツをクッカー本体内に収納して手軽に持ち運びができる「オール・イン・ワン設計」になっていて、収納にも困りません。
ここがイマイチ△
■扱いの難しさ
熱効率をたかめる「フラックスリング」付きのポットは、他ブランドの一般的なシングルバーナーで使用することができません。
付属の五徳を使えばジェットボイル以外のクッカーを使用することは可能ですが、それでは別のクッカーを用意する必要があるので荷物が増えてしまいます。
構成するパーツも多いので、組み立てに慣れることや、手入れにも注意が必要です。
こんな人におすすめ!
繰り返しになりますが、お湯を沸かすスピードでジェットボイルの右に出るものは今のところありません。インスタント食品やカップラーメンのような簡易的な食事がメインの人におすすめです。
料理も楽しみたいという方には、広口モデルやフラックスリング付きのフライパンがあるのでご安心を。専用のレシピ本も登場したので是非チェックしてみてください!
【ポテンシャル重視】メスティン党
ここが魅力◎
メスティン最大の魅力といったらやはり作れる料理の幅が増えることでしょう。縦に長い形状は麺類を茹でるのにも適していますし、網を利用すると蒸すことも可能。
コンパクトで軽量でありながら「山で料理を楽しみたい!」というニーズにバッチリ応えてくれるクッカーなんです!
ここがイマイチ△
■耐久性にやや欠ける
多くのアルミ鍋には「アルマイト加工」などの傷や錆び対策がされていますが、メスティンにはありません。そのため、アルミが酸化して黒色変化したり、焦げ付きやすいという難点があります。アルミ製品に共通していることですが、ステンレスやチタンに比べると柔らかい素材なので、凹んだりゆがんだり変形しやすいので取り扱いにも注意が必要。
さらに、無垢のアルミを使用しているため、最初にふちのバリをとる作業やシーズニング(被膜を作る作業)を行う必要があります。それでも、テフロン加工やフッ素加工のクッカーに比べると耐久性の面においては劣る部分があるのは事実です。
こんな人におすすめ
山ごはんにこだわりたい人に持って来いのメスティンですが、さらに言えば作るだけじゃなくて“みせたい人”におすすめです。他のクッカーにはない大きさが料理を美しくみせてくれ、写真映えも抜群。“蓋”の使い方にもこだわる上級者もいますよ!
最高の相棒を見つけよう!
登山の楽しみはいろいろありますが、食事は外せない重要なイベント。レトルト食品やインスタント食品は定番ですが、最近は山の中で料理「山ごはん」を目的とした登山者もいるほど。
そんな食事に重要な存在となるのが『クッカー』です。それぞれのクッカーにはそれぞれの良さがあります。自分の目的に合わせて最適な相棒を見つけてください!