そんな楽園のような五色ヶ原ですが、そこへ至る道は意外と大変。一般的な室堂ルートは、2つのピーク、岩場や雪渓、ハシゴや鎖場の連続など、「楽しくハイキング」というわけにはいきません。でも、その先には、天空のお花畑が待っていますよ!
五色ヶ原はいつ頃が一番いいの?
五色ヶ原泊りを考慮すると、五色ヶ原唯一の山小屋「五色ヶ原山荘」の営業期間(7月上旬~10月上旬)が登山可能。その中でも一番のシーズンは高山植物が咲き乱れる7月下旬から8月、草紅葉の9月中旬から10月も人気です。7月は雪渓が多く滑りやすいので軽アイゼンがあれば安心。
五色ヶ原定番ルート|室堂ピストンコース
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 1泊2日
- コース距離:約14km
- コースタイム:約5時間12分(往路)約4時間52分(復路)
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
室堂ターミナル(92分)→浄土山南峰(170分)→ザラ峠(50分)→五色ヶ原山荘(泊)(40分)→ザラ峠(180分)→浄土山南峰(72分)→室堂ターミナル
五色ヶ原への登山ルートの中では、最も一般的。出発点の室堂(標高2,450 m)と到達点の五色ヶ原(標高2,500m)の標高がほとんど同じで、ピークを目指さない縦走登山のイメージになります。前半の浄土山が最高点になり、その後アップダウンを繰り返しながら下っていくことになり、一見、距離や標高差を見ると難易度はそれほどでもなさそうですが、雪渓のトラバースやハシゴ、鎖場などが多く、意外と大変だったという感想を持つ登山者が多いようです。
ルート詳細
浄土山到着。今から歩く登山ルートの向こうに、目指す五色ヶ原が!!
龍王岳の西側を巻きながら、歩きにくいガレ場をどんどん下っていきます。転倒しないように慎重に。
浄土山から300m程度下るとやっと平らな場所。周辺にはコバイケイソウのお花畑が!!
岩場を登り返すと、鬼岳東面という標識があります。
鬼岳からの下りは雪渓のトラバースやハシゴ。雪渓は踏み跡のステップやキックステップで慎重に歩けば問題はありませんが、自信がなければ軽アイゼンを着用しましょう。
鬼岳からの雪渓を下りきるとそこもお花畑。
再び100m程度登り返すと獅子岳(標高2,720m)へ。獅子岳山頂は360度ビューの絶景!
眼下には黒部湖、その向こうに針ノ木岳・スバリ岳、天候が良ければ富士山・槍ケ岳が見え、このルートの中では一番の眺望ポイントです。
やっとザラ峠(標高2,342m)到着。
ここは、戦国武将「佐々成正」が厳冬の立山を越えたといわれる「さらさら越え」の峠、当時の装備ではちょっと信じられない……。
ここからは、最後の100m程度の登り、その先は……。