アイキャッチ画像出典:ウィキメディア・コモンズ/Volfgang
「奥多摩三山」ってどの山を指すの?

東京都内とは思えないほどの緑豊かな自然が広がり、遠くに行かなくても十分非日常感が味わえる奥多摩エリア。一方で日帰りで登山を楽しむことができる山々が多くあります。
この記事では「奥多摩三山」といわれる三頭山、大岳山、御前山の3つの日帰り登山コースを紹介します。奥多摩エリア内でも多摩川の南岸に位置する三山は、アクセスしやすいので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
奥多摩三山の登山適期は?
登山に適しているのは、3月〜5月と9月〜12月。涼しい時期がおすすめです。秋は紅葉も見事ですが、人気エリアのため登山者も多く混雑します。
登山道の最新情報を確認しよう!
自然災害などにより登山道や道路が通行止めなどになっている可能性もあります。出かける前に最新情報を確認し、ルートの通行の可否を調べて登山計画を立てましょう。
奥多摩ビジターセンター|登山道・道路状況一覧
三頭山|リラックス効果抜群。美しいブナの森

都民の森からスタートする「三頭山」は、三山のなかでいちばん西に位置しています。山を周回する短いコースであれば3時間弱ですが、今回は南にある槇寄山まで歩き、仲の平へと下山します。
最高点の標高: 1507 m
最低点の標高: 668 m
累積標高(上り): 1169 m
累積標高(下り): -1488 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
コース紹介
●都民の森 大滝の路入り口
ウッドチップが敷き詰められた歩きやすい路、セラピーロードから出発です。
●三頭大滝
マイナスイオンたっぷりの三頭大滝。10月中旬頃には紅葉の絶景が広がります。
●三頭山山頂
三頭山には西峰、中央峰、東峰と3つのピークがありますが、西峰がいちばん広く休憩ポイントにはもってこいです。
山頂では南西方面が開け、天気が良ければ富士山の絶景を見ることができます。
●槇寄山(まきよせやま)
槇寄山山頂にはベンチがあるので休憩することができます。
●下山口にある蛇の湯温泉たから荘
下山した後はカヤブキ屋根の趣ある温泉宿「たから荘」で温泉に入るのもいいですね。
三頭山登山口へのアクセス情報
【クルマの場合】
中央道「上野原」IC→甲武トンネル→東京都檜原都民の森
圏央道「日の出」「あきる野」IC→五日市街道→東京都檜原都民の森
【公共交通の場合】
JR五日市線「武蔵五日市」駅より西東京バス乗車→「数馬」バス停下車、連絡バスに乗換→都民の森下車
※西東京バス・連絡バスともに12月~2月は「武蔵五日市」~「都民の森」区間の運行はないので注意を。
大岳山|富士山の大展望が広がる、山岳信仰の山

「大岳山(おおだけさん)」は標高1,266.5mとそれほど高い山ではありませんが、「日本二百名山」と「花の百名山」にも選ばれる名峰。古くは山岳信仰の対象となった山です。今回のルートは同じく信仰の山「御岳山」を経由します。
最高点の標高: 1230 m
最低点の標高: 368 m
累積標高(上り): 1412 m
累積標高(下り): -1873 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間10分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
【コース紹介】
●御岳ケーブルカー
入山は御岳ケーブルカーを利用します。
●武蔵御嶽神社
荘厳な武蔵御嶽神社をぜひ参拝しよう!
●綾広の滝
別名「みそぎの滝」として知られる綾広の滝。
●天狗の腰掛け杉
大岳山方面の分岐点である「天狗の腰掛け杉」。枝ぶりが天狗の椅子のよう!大岳山荘(廃屋)に近づくにつれて登山路に急な岩場が出てきます。鎖場も出てくるので通過には注意が必要です。
●大岳山山頂
大岳山山頂は開けており、雄大な富士山の姿が拝む事ができます。

●下山口は大岳鍾乳洞
大岳鍾乳洞からバス停の大岳鍾乳洞入口まで沢沿いの林道を歩いていくとゴールです。
鍾乳洞詳細はこちら
大岳山登山口へのアクセス
【クルマの場合】
中央道「八王子」ICおよび圏央道「日の出」「青梅」IC→国道411号→御嶽駅
※有料駐車場はJR御嶽駅やケーブルカー滝本駅界隈に複数あります。下記リンクを参照。
青梅市観光協会|駐車場案内
【公共交通の場合】
JR青梅線「御嶽」駅→御岳登山鉄道「滝本」駅よりケーブルカー乗車→「御岳山」駅下車
御前山|奥多摩湖を眼下に望み、カタクリを愛でる

登山道から奥多摩湖を眼下に望むことができる「御前山(ごせんやま)」は、水源の森・奥多摩らしさにあふれる山です。早春にはピンクのカタクリの花が咲き、登山者の目を楽しませてくれます。
最高点の標高: 1377 m
最低点の標高: 327 m
累積標高(上り): 1490 m
累積標高(下り): -1669 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間40分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
【コース紹介】
●入山は奥多摩湖から
小河内ダムを渡ると登山道が現れます。
●サス沢山
サス沢山からは奥多摩湖が一望できます。
●惣岳山
惣岳山の山頂からは残念ながら富士山の姿は見ることができません。惣岳山からは約20分ほどで御前山に着きます。
●御前山山頂
御前山山頂は樹林に囲まれていますが、山頂手前にはビューポイントがあります!山頂は広くベンチもあるため、休憩するのにピッタリです。
●鋸山
御前山避難小屋をすぎ鞘口山を通り過ぎると大ダワです。一旦車道に出ますが、また鋸尾根の山道に入ります。鋸山から奥多摩駅までは下りが続きます。集中力を切らさないように気をつけましょう。
●下山は奥多摩駅
長い鋸尾根を下ると愛宕神社が見えてきます。最後の急で長い階段を降りると、ゴールの奥多摩駅に到着です。
御前山登山口へのアクセス
【クルマの場合】
中央道「八王子」ICおよび圏央道「日の出」「青梅」IC→国道411号→奥多摩湖
【公共交通の場合】
JR青梅線「奥多摩」駅より西東京バス乗車→「奥多摩湖」バス停下車
「奥多摩三山」は縦走できるの?

どうせならば「奥多摩三山」を縦走してみたい! そう思う人もいるかもしれません。日帰りで縦走できなくはないですが、標準コースタイムは11時間弱と超ロングなので、あくまでも健脚者向けです。挑戦するも厳しいと感じたら、途中下山や御前山避難小屋を利用することを選択肢として考えておきましょう。
最高点の標高: 1507 m
最低点の標高: 800 m
累積標高(上り): 3218 m
累積標高(下り): -3060 m
- 【体力レベル】★★★★☆
- 日帰り
- コースタイム:10時間45分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
三者三様の個性あふれる奥多摩三山へ行こう!

奥多摩三山と言われる、三頭山、大岳山、御前山ですが、個性はそれぞれ。好みの山から登ってみるのもおすすめです。
また、奥多摩エリアの山は今回紹介したルート以外にもバリエーションが多いので、登山地図を見ながら自分のペースで歩けるコースを選択するとよいでしょう。下山後は温泉もあるのでゆっくり日頃の疲れを癒すのもいいですよ。
【登山時の注意点】
・行動時間が長いので、ヘッドランプは必携。秋から冬は日没が早く夕方5時には暗くなるので早めの行動を!
・装備もしっかりとした登山装備で。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
昭文社 山と高原地図 奥多摩 御岳山・大岳山
山ごはんレシピBOOK