念願のテント泊デビュー!でもどれを選べばいいんだろう?
日帰り登山や山小屋泊とは一味違った山の世界が楽しめるのが、テント山行の大きな魅力。登山シーズンも間近に迫り「今年こそはテント泊デビューをしよう!」とテントの購入を考えている方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、テントは色んなメーカーに様々な種類があるので、どれにするか悩んでしまいますよね。まず選ぶときのポイントとして、はじめてのテントは以下のようなタイプがおすすめです。
はじめてのテントはダブルウォールがおすすめ!
山岳テントを大別すると、インナーテント自体に防水透湿性機能を持たせることで1枚にした「シングルウォール」とインナーテントの上にフライシートをかぶせて2枚の生地を重ねて使う「ダブルウォール」に分けられます。
最初に選ぶテントは後者のダブルウォールタイプが◎! 内部と外界の間に2枚の壁ができるため、入り口には「前室」と呼ばれるスペースが生まれ、調理や荷物置き場にも使える空間となります。
またシングルウォールに比べ結露しにくく、居住性や耐久性が高いのも安心。テントポールをセットするだけで立ち上がる自立式なので、場所を選ばず簡単に設営できる点もメリットです。
1人想定でも、大きさは2人用がベスト!
テントのサイズは基本的に1人の想定であっても2人用がおすすめです。1人用は重量が軽いというメリットがありますが、荷物を置くスペースはほとんどなく、はじめてのテントとしては使い勝手が良くありません。
また2人でテント山行をする場合でも使用できるため、2人用サイズはオールラウンドに使える利点を持っています。
山岳界の5大人気テントが集結!
今回は、はじめてのテント泊におすすめの「2人用のダブルウォールテント」の中から、登山仲間やショップで勧められることも多い人気モデル5種をピックアップ。実際に設営して、使い勝手を検証してみました!
▼今回レビューするのはこちらの5つ
①モンベル ステラリッジ2
参考価格:【本体】32,120円(税込) 【フライシート】14,850円(税込)
②ニーモ アトム2P
参考価格:43,450円(税込)
③ダンロップ コンパクトアルパインテント VS-20
参考価格:42,900円(税込)
④ヘリテイジ エスパース・ デュオ アルティメイト
参考価格:66,000円(税込)
⑤アライテント エアライズ2
参考価格:48,400円(税込)
▼以下の4つの観点を評価項目とします。
それではレビュースタート!
① <モンベル> ステラリッジ2
山岳に必要な全ての要素を備えた万能テント
ステラリッジテントはモンベルの山岳用テントのスタンダードモデル。長年にわたって、多くの登山家やアウトドア愛好家に支持されているベストセラーです。
携行性|とにかく軽い!世界トップクラスの軽量性
テントの総重量は1,430gとなっており、圧倒的な軽さがこのテントの大きな魅力の一つ。テント本体の収納袋にフライシートやポールも入れることができ、ザック内の状況に応じたパッキングが可能です。
設営・撤収|安全で素早い設営が可能
最新のステラリッジは吊り下げ式構造が採用されているので、ペグダウン(テントが飛ばないように、ペグで地面に固定すること)した状態でポールの取り付けが可能。強風時もテントが飛ばされる心配なく、安心して立てることができます。
ポールは中央の交差部分が接合されていて、連結も簡単です。
あとはパチパチとポールにフックしていくだけ。
外す時に少し力が必要で、厚手のグローブをしてる時はちょっと作業しにくい印象を受けました。
居住性|ゆったりくつろげるバランスの良い空間
出入口は短辺側から入る構造になっています。イエローは光が入りやすい色合いのため室内も明るく、広々とした空間でした。窮屈感がないけれど大きすぎない、そんな絶妙なバランスが秀逸。
特徴的なポイント|奥行のある前室が使いやすい!
短辺入口のため前室は狭めですが、奥行があるので使いやすい印象でした。不要な荷物を置けるスペースが充分に確保されています。火器を使用するにはやや高さが低いので注意が必要。
ここがちょっと気になる|使っている人が多いので被りやすい
しいて言うなら、「使っている人が多いので被りやすい」のが気になるところ。テント場で見つけるのが大変なんて声も耳にします。
でもご安心を。ステラリッジテントは本体とフライシートが別売になっており、フライシートには4種のカラーバリエーションがあるんです。これなら自分好みの色も選べますし、着せ替えて楽しむこともできますね!
ステラリッジ2の購入はmont-bellオンラインショップから
② <ニーモ> アトム2P
テント場で映えること間違いなし!デザイン性に優れたオシャレテント
アメリカ生まれの『ニーモ』は、独自の理論に基づいたテクノロジーを開発し、より優れた技術を追い続けるブランド。このアトム2Pはシンプルで素早い設営とゆとりある居住スペースを可能にした、はじめてのテントユーザーにもおすすめのモデルです。
携行性|大きい印象の割にコンパクト!
総重量は他と比べると決して軽いわけではありませんが、大きい見た目の割に収納がとてもコンパクトな印象を受けました。付属のグラウンドシートも本体の収納袋に入れることが可能です。
設営・撤収|あまり力を使わず簡単設営
アトム2Pは、まず2本のポールを天井部のスリーブ内にクロスさせるように入れた後、その四隅側をフックで留める設計になっています。スリーブは大きな作りになっているので、ストレスなくサッと入れることができました。
フックは力をほとんど必要とせずパチっと留まるので楽ちん。こういったちょっとした部分が大変だとストレスになるのですが、登山後などの疲れている状態ではとてもありがたいポイントです。
居住性|オシャレで機能性に優れた室内空間
室内上部のベンチレーションはジッパー式が採用されており、効果的な空気循環を可能にすると共にシックな雰囲気が漂うオシャレな構造になっています。
前室側のベンチレーションは出入口用のジッパーとは違う部分についているので、夜などの視界が悪い時であってもわかりやすくなっています。
特徴的なポイント|とにかく広い!2人が並んで座れる前室
このテントはとにかく前室の広さが魅力でした。2人並んで座れるほどの大きなスペースは、降雨時などであっても快適な調理空間や荷物置き場になることが期待できます。
ここがちょっと気になる|雪山での使用は不向き
アトム2Pは雪山用のフライシートがないため、雪が吹き込むような冬山での使用は不向きです。しかし雪上での使用は機能的に問題ないので、雪が固まった残雪期などは使えるでしょう。
③ <ダンロップ> コンパクトアルパインテント VS-20
特殊製法による、雨風に強い剛性モデル
ほとんどの製品を国内生産しているダンロップ製のテントは耐久性が高いことで有名。このVSシリーズはダンロップに特筆するテントの剛性を維持しながらも、軽量・コンパクト性を追求したオールシーズンテント(※)です。
携行性|ザック内に任意に押し込める収納形状
他のテントと比べるとやや重さが気になるところですが、これも耐久性を重視している証拠でもあります。収納袋は、本体とフライが別収納できるので、雨天でフライシートが濡れてしまったときに重宝。ザックに収納する際に、かさ張りを気にする心配もありませんでした。
設営・撤収|とにかく簡単!考えられた設計が魅力
このテントはとにかく設営・撤収のしやすさが見事! 設営手順は、まず四隅にあるスリーブに中央部が連結されたポールを通して自立させます。
次に天井周辺にあるフックをポールにクリップしていきます。カギを回すようにカチッと留めるスクリューフック形状になっているので、グローブを着用した状態でも脱着がしやすいのがポイント。
また吊り下げ式構造になっているので、ペグダウンした後に設営できるのも魅力です。
居住性|しっかりとした造りの室内
テント内は重厚な印象の造りになっていて、ちょっとやそっとの雨風ではビクともしないような安心感がありました。入口は長辺側の外からみて右側だけが開く構造になっています。
前室側のベンチレーションは入口の開閉部分とほぼ同じ位置に設けられています。L字型の直線上の開閉は、ジッパーが破損しにくいというメリットがあります。
本体がオレンジ色、フライシートが青色という濃い色の組み合わせのせいか、室内が薄暗く印象を受けました。その反面、眩しい日光やヘッドライトの明かりを遮断できたり、ランタンをつけた際に透けにくいというメリットも。
特徴的なポイント|前室は調理時の空気循環が考えられた設計
フライシートの前室部分には空気穴が設けられています。しっかりと空気を循環させてくれるので、前室での調理も安心です。
横入口タイプなので、前室の広さは魅力的。フライシートの形状の違いにより、奥行きが同じ60cmのニーモアトム2Pと比べるとやや狭い印象を受けました。
ここがちょっと気になる|高さがちょっと低め
VS-20の高さは100㎝となっており、他のテントに比べて若干低いです。基本的にテントは横になったり座って使用するものなので、気にする必要もあまりありませんが、身長が高い人にとってはやや不自由かもしれません。
ダンロップ コンパクトアルパインテント VS-20
④ <ヘリテイジ> エスパース・ デュオ アルティメイト
ササッと設営!内部空間の快適性が魅力
冬山用テントを長年開発してきた実績から、シンプルな設計でありながらも高い剛性が魅力の国産メーカー「ヘリテイジ」。3シーズンをベースにオプションのスノーフライを使用することで、オールシーズンの山で対応可能(※)です。
携行性|収納袋についたベルトでコンパクトに圧縮可能
本体の収納袋背面付いているベルトは、ポールと合わせて無駄なく圧縮することが可能。軽量かつコンパクトで、持ち運びもストレスがなさそうです!
設営・撤収|サッと入るポールスリーブで簡単設営
本体はスリーブにポールを通して自立させます。袋が大きく作られているので、手間取らずスッと入ってくれました。
レインフライは本体のバックルと連結させる構造に。パチっとバックルに押し込めば、あとはアジャスターを引いて調整するだけ! 設営がとにかく簡単でスピーディーでした。
居住性|後面のベンチベンチレーションが色々使えそう!
後面には開閉タイプのベンチレーションと後室が設けられた構造になっていました。奥側の人は、靴などのちょっとしたギア類を置く際にこちらを使うと便利そうです。
前室は横型テントとしてはやや狭いように感じましたが、充分なスペースが確保できています。
前室側のフライシートにも吹き出し式のベンチレーターが備わっており、降雨時なども効果的な空気の循環が可能です。
特徴的なポイント|天井高115㎝!快適性バツグンの室内空間
このテントの一番の魅力は何と言っても室内の快適性だと感じました。天井高115cmと他のモデルと比べて10㎝以上も高い設計になっています。天井が高い家が広く感じるように、テントもそれだけでとても広い印象を受けます。
ここがちょっと気になる|室内の小物ポケットがない
このデュオアルティメイトには室内のポケットが付いていません。筆者はポケットに腕時計やテントの袋などを入れておくことが多いので、ちょっと不便に感じました。小物などは別で入れ物を用意しておく必要がありそうですね。
ヘリテイジ エスパース・ デュオ アルティメイト
⑤ <アライテント> エアライズ2
玄人感満載!機能美を追求したシンプルなデザイン
「ヒマラヤからウラヤマまで」がコンセプトのアライテントのフラッグシップモデルがこのエアライズ。初心者から玄人まで幅広いユーザーに利用されているオールシーズン対応(※)の山岳テントです。
携行性|軽量でコンパクトな収納性を実現
設営・撤収|どんな条件下でも設営しやすい設計
本体の自立はポールを袋とじ状になったスリーブに先端まで押し込んだ後、前面のみ金属部分の穴に差し込む構造になっています。一人でもストレスなく簡単に立てることができました。
居住性|必要最低限でありながらも快適な空間
短辺側に設けられた入口は、険しい山での厳しい環境下で機能を発揮する考え抜かれた設計に。シンプルでありながらも2人分のしっかりとしたスペースが確保できます。
特徴的なポイント|フライシートのバリエーションが豊富!用途に応じた使い方が可能
ここがちょっと気になる|シームコート(防水液)を自分でつけなければいけない
アライテントの製品は付属のシームコートを使って防水加工を自分でしなければなりません。これは機械的な防水加工よりも手作業によって防水性能を高め、完璧な状態で使用してほしいというメーカー側の想いによるもの。
ちょっと面倒な作業にはなりますが、自分でやることでテントへの愛着も湧きますね!
今回ご紹介したテントのスペックを一気にチェック!
さあどれにする? こだわりたいポイントから見つけてみよう!
5種類のテントを紹介しましたが、どれがいいかを判断するのはなかなか難しいことですよね。自分に合ったテントを見つけるためには、まずは自分が「ここは譲れない!」というポイントを見つけることが大切です!
例えば「とにかく軽いのがいい」や「広い室内がいい」など、テント泊をしている自分をイメージして、どんな機能が付いていたら嬉しいかを想像してみましょう。
そうすれば、自分にピッタリなテントが見えてくるはずです。良いテントと出会い、素敵なテント泊を楽しんでくださいね!