「ツェルト」を正しく使うコツとは?
登山を始め徐々に慣れてくると、歩く距離がだんだん延びたり、より大きい山へと出掛けたり、ハイクの幅は徐々に広がっていくもの。 また、最初は経験者や友人らと連れ立って出掛けていたハイクも、時にはソロにもチャレンジしたりと自身の山の楽しみ方が広く深くなっていくのは楽しさだけでなく、充実感・達成感も伴うでしょう。
リスクに対する意識も芽生え、緊急用に【ツェルト】を準備したという方も多いのではないでしょうか?
”ツェルト本体”だけでは使うのが難しい?
ですが、ツェルト本体は単なる“幕”であり、中・上級者でない限り、現地・現場にあるものを活用した幕体の有効活用は困難です。
また、買ったは良いけどザックの中でお守りになっているという人や、購入初期に一度練習して覚えた気になっても、緊急使用目的の場合(もちろん使用する必要がないことが最善ですが)、 数ヶ月も経てばきれいさっぱり忘れてしまうでしょう。
ツェルト設営に必要なものは?
幕営には、 基本的に「トレッキングポール」「ペグ」「細引き」などが必要。
熟練度やハイクスタイルによっては、本体のみで現地現物を活用できる人、ザイルとシュリンゲを利用する人、単に身体に巻き付けるだけでOKな人などさまざまです。
活用シーンの想定が大切!
そもそもツェルトを活用するのはどんな状況があるでしょう?ULハイクやスピードハイクなど、ツェルトを簡易テント代わりに積極活用するケースも昨今では珍しくありません。
しかし、本来のシーンはやはり「緊急時」。 道迷いや日没、負傷、体調不良などなど、予期せぬリスクは数多くあります。 そのような有事の際、非常に大切なのが「ビバークすることを早く決断できること」ビバーク適地を探すのは明るいうちが好ましく、ツェルトを張るのに不安があるとその決断がなかなか付きません。 そのため、身体が覚えるまでは定期的に練習することが好ましいのです。
ビバーク適地とはどんな場所?
ツェルトを張る上で場所選びは非常に重要。吹きさらしの稜線や落雷・落石の恐れがある場所などは可能な限り避けましょう。
やはり風の影響を受けにくい樹林帯 (上からの落枝に注意) や灌木帯が好ましいですが、これらも明るい内に適地探しをすることでより安全性が高まります。
それでは早速、実際のツェルト設営の手順を見ていきましょう!