「山を歩いてみたい!」そんな方にぴったりの山あります
「登山」と聞くと、イメージするのはテレビなどで観るような「アイゼンやピッケルを使った危険たっぷりの雪山」だったり、「ヘルメットにハーネス、ロープで登る岩壁」だったりが思い出されますよね。 または「どっしりとした登山靴にとてつもなく大きいザックを背負って」ガシガシ歩く……。
そんな登山もモチロンあります。 でも、初めはもっとお手軽に「ハイキングしてみたい!」で良いのです。そんな人のために、しっかりとしたハイキングシューズ・登山靴を持っていなくても、お手持ちのスニーカーで行ける登山入門コースをご紹介します。
「スニーカーでOK」と言っても……
とはいえ「スニーカーなら何でもいい」という訳ではありません。上記左フォトのようなタウン用スニーカーはNGです。一番の理由は『滑りやすいから』。コンクリートの道を歩くわけではないので、凹凸の少ないソールは不整地を歩くには向いていないと言わざるを得ません。
お手持ちのシューズなら少なくともスポーツ用のスニーカー、できればソールが少し厚めでクッション性に優れ、ぶかぶかすぎないものが好ましいです。
それでは早速、お手軽ハイキングが楽しめる山々を紹介していきます!
【静岡】<達磨山> ここはゴルフ場?フェアウェイ続くご機嫌トレイル
達磨山は、西伊豆に位置する牧歌的風景が広がるたおやかな山。 だるま山高原レストハウス付近からの景色は、かの横山大観に「日本一の富士の展望地」と言わしめたとか。 メインの登山ルートは、だるま山高原レストハウスから南下するコースと、土肥(とい)駐車場や戸田(へだ)駐車場から北上するコースがあります。
前者は、まるでゴルフ場のフェアウェイのようなグリーンのトレイルが続き、ついつい気分が高揚してしまうコース。全行程を通して穏やかですが、一部、登り応えのある木の階段が続くため、しっかりと登った気分になれます。
今回紹介は後者のルートで、往復わずか1.2km程度と、お散歩コースでお手軽に楽しめ、子供から老人までどなたでも歩けます。 旧西伊豆スカイラインのドライブのついでに、といった楽しみ方も◎。 山頂からは秀麗:富士山、駿河湾と太平洋、西伊豆高原のダイナミックな風景が広がり、春の陽気に訪れれば、旅とハイクを一緒に楽しめすばらしい思い出になるでしょう。
なお、有名な天城山は「万二郎岳」「万三郎岳」から成りますが、ここ達磨山は「万太郎岳」の別名を持っています。
- 体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コース全長:約1.2km
- 所要時間:約40分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
標高 | 登山適期 | 出発&到着 |
---|---|---|
982m | 3月~11月 | 戸田駐車場 |
【長野】<鷲ヶ峰&八島ヶ原湿原> たくさんの花と蝶舞う平和な湿原
八島ヶ原湿原駐車場の鹿避けネットをくぐってすぐ、そこには平和な別天地が広がります。 八島ヶ原湿原は、長野県の八ヶ岳中信高原国定公園中部に位置し、いわゆる「霧ヶ峰」の一部です。
ここには、八島ヶ原湿原のほか、車山湿原、踊場湿原の3つの湿原があり、天然記念物に指定されています。 単に「八島湿原」と呼ばれることもあり、ハイカーのみならず、花好きな写真家、野鳥の会などのバードウォッチング愛好家のほか、ファミリーも多く訪れるスポットです。
さて、まずはルートを左に取りすぐそこの山頂、鷲ヶ峰を目指しましょう。 登るにつれ視界が開け、振り返ると大迫力の八ヶ岳の峰々が! 山頂からは360°のパノラマビューが楽しめるので小休止しつつ景色を楽しみましょう。
景色を存分に楽しんだら一旦取り付きまで下り、そこから八島ヶ原湿原をぐるりと一周お散歩してみましょう。 平和な湿原風景を眺めながら整備された木道をポクポク歩きますが、そこここにたくさんの花々が咲き乱れ、百花繚乱の様相です。 蜜を求め蝶たちも沢山舞っており、まさに別天地!
また、全般を通しフラットなため苦なく歩け、幸せなお散歩を楽しめることでしょう。
- 体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コース全長:約6.6km
- 所要時間:約3時間10分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
標高 | 登山適期 | 出発&到着 |
---|---|---|
1,798m | 4月~11月 | 八島ヶ原湿原駐車場 |
【山梨】<大菩薩嶺> 登山気分をしっかり味わえる富士山展望地
大菩薩嶺は老若男女に愛される名峰で、深田久弥選定の日本百名山のひとつ。 山梨県甲州市と丹波山村に跨る標高2,057mの山です。
山頂は樹林に覆われ展望はありませんが、すぐそばにある「雷岩」は絶景スポットになっており、眼下に大菩薩湖、そしてその奥に美しい富士山が聳え、大パノラマで楽しめる絶景は筆舌に尽くしがたいものがあります。 南アルプスもずらりとそろい踏み、その景色は飽きることがありません。
また、コースは牧歌的な風景を有し、穏やかでたおやかな山容は、歩いているだけで幸せな気分になれます。 ルートは、福ちゃん荘を基点に右回り・左回りが選べ、どちら回りでも楽しく歩けること間違いなし!
さらに、登山口となる上日川峠を基点とし、わずか7kmのコース上に山小屋が3軒も点在し、いつでもドリンクや食事が摂れるという利便性と安心感もありがたいですね。 熱々のきのこ汁や山菜そば、うどんなど身体に染み入る美味しさです。
なお、右回りで雷岩~福ちゃん荘へと唐松尾根を下る場合は、わずかな区間ですが少し急な下りがあるので、トレッキングポールでバランス補助するなど充分に注意しましょう。
- 体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コース全長:約7.1km
- 所要時間:約3時間30分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
標高 | 登山適期 | 出発&到着 |
---|---|---|
2,057m | 4月~12月 | 上日川峠駐車場 |