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【死んだふりはNG?】実際の被害と、熊に遭遇したとき&遭遇を防ぐ対策7つ

【死んだふりはNG?】実際の被害と、熊に遭遇したとき&遭遇を防ぐ対策7つ

実際にあった熊の被害や、遭遇してしまった場合&遭遇を防ぐための対策方法をご紹介します。熊との遭遇による事故がメディアでも伝えられる昨今、熊について知っておくことも大切です。熊の種類を画像や生態とともに説明し、熊鈴などのグッズも掲載。いざというときに落ち着いて行動できるよう、備えを万全にしておきましょう。

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目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

熊の出没事件や被害が多発

近年、全国で熊の目撃情報に関するニュースがよく報道されています。山に入った人が熊に食べられてしまうという凄惨な事故もありました。人を恐れるばかりか、人を食べ物と認識してしまった個体ではないかといわれています。本来は臆病な性格の熊ですが、やはり食肉目の大型動物であることは事実、十分な注意が必要なのではないでしょうか。

男性が熊に襲われ額や腕をかまれけが(2017年6月14日)

茂みからこちらを見ている熊
出典:Pixabay

山梨県都留市で、イノシシを駆除するための罠を確認するため山林に入った男性が、熊に襲われました。男性は額や腕をかまれ負傷をしましたが、命に別状は無かったそうです。男性は「自分と同じくらいの大きさの熊だった」と事件の様子を語りました。この山林の付近には住宅があり、近所の人は「この辺りで熊に襲われたことに驚きだ」などと話していました。

カメラには養蜂箱を壊す熊の姿が!(2017年6月14日)

人的被害は無かったものの、青森県八戸市ではこれまでになかった熊の行動が報告されています。かねてよりミツバチの養蜂箱が壊される被害があったため、市は付近に3台のカメラを設置しました。録画された映像には夜間熊が養蜂箱を前足で破壊して中のハチミツを食べる姿がありました。養蜂箱の持ち主は「何十年も養蜂をやっているがこんなことは初めてだ」と話していました。

測量作業中の男性が熊に襲われる(2017年6月13日)

岩手県盛岡市の山中で、測量作業をしていた男性会社員が熊に襲われ左腕と背中にケガを負う事故がおきました。同僚と二人で入山した男性は、木を伐採しているところで熊に襲われました。男性は持っていたハンマーで熊に抵抗、すると熊は去っていきました。男性は熊よけのスプレーと鈴を携帯していたそうです。

タケノコ採りの女性、死亡した状態で発見される(2017年5月29日)

秋田県仙北市の山林で、タケノコ採りに来ていた女性が遺体で見つかりました。女性は頭や肩に傷を負っており、状況から熊に襲われたものみられています。女性は年に何度も山菜を採りに山に入っており、熊よけの鈴を付けるなど熊の危険は認識していたそうです。この日も鈴を2つ付けていたことが分かっています。秋田県では昨年の5月から6月にかけて、熊に襲われて4人の人が死亡しています。

島根県で鮎釣りの男性が熊に襲われ指切断(2016年6月15日)

アユ釣り
出典:PIXTA

島根県浜田市の八戸川で鮎釣りをしていた男性(63)が、体長1.5mのツキノワグマに襲われ小指を失う重症を負いました。男性は河原で釣りの準備をしていた際、突然正面から熊に襲われたそうです。命に別状がなかったのが不幸中の幸いです。

鳥取市中心部で熊出没(2016年6月12日)

ツキノワグマ
出典:PIXTA

鳥取市の市街地に近い登山道で、70代の男性ハイカーが熊2頭に遭遇するという事件が発生しました。2頭の体長はいずれも1.5m程度、男性はそのうち1頭に10mほど追いかけられたそうです。市は看板を設置するなど注意を促しています。

秋田で4人が犠牲に。熊の体内から人体の一部(2016年5~6月)

大きく口をあける熊
出典:PHOTO AC

秋田県では山菜を採りに山へ入った人が相次いで襲われる事故が起こり、4人もの尊い命が失われてしまいました。地元の猟友会員が遺体発見現場付近で熊を発見し射殺。体長1.3mのこの熊の胃の中からは、被害者の体の一部が見つかりました。

福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件(1970年7月)

ヒグマ
出典:PIXTA

熊による事件は過去にも起きています。1970年の北海道カムイエクウチカウシ山で、福岡大学のワンダーフォーゲル部のメンバー5名がヒグマ1頭から執拗な追跡を受け、その結果3名が殺害されてしまいました。多くの日本人とりわけ登山愛好家を震撼させた事件です。

三毛別羆事件(1915年)

事件現場復元
出典:PIXTA

およそ100年前の北海道でおきた三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)では、巨大なヒグマが数度にわたり民家を襲い、7名が死亡し3名が重症を負いました。討伐隊によりヒグマは射殺され事件は終焉。日本最大級の動物による獣害事件として現代でも語り継がれています。

熊の種類やその気になる生態

日本国内には2種類の熊が生息しています。対策を知る前に、まずはそれぞれの特徴を確認しておきましょう。

ツキノワグマ(ニホンツキノワグマ)

ツキノワグマ
出典:PIXTA

<生息地>
本州および四国に生息し、九州では絶滅したとされています。

<サイズ>
体長:120cm~150cm程 体重:50~150kg(オスよりもメスの方がやや小型の傾向がある)

<食べ物>
雑食性ですが、主に植物を主食としています。昆虫のほか、動物の死骸を食べるなど、他の動物を捕食することもあります。

越冬終了後…ブナやヤマザクラなどの樹木の新芽や若葉、草などを食べる
初夏…山菜、タケノコ、キイチゴ類など
盛夏…アリやミツバチなどの昆虫、動物食の割合が増える
秋・・・ブナやミズナラなどの実、果実など

<生態>
基本的には臆病な性格で、人間の気配を感じれば、逃げていくのが普通です。ただし視界の悪いところでバッタリと出会ってしまったり、子どもを連れた母熊が子どもを守ろうとして、人間に対して危害を加える場合があります。食べ物の匂いに非常に敏感で、食べ残しの匂いにつられて近づいてくることもあります。

ヒグマ(エゾヒグマ)

ヒグマ
出典:PIXTA

<生息地>
北海道の森林など。知床の生息密度は、世界でも有数の高い密度で生息している。

<サイズ>
体長:150〜200cm程 体重:120〜250kg、大きなオスでは400kgに達する。

<食べ物>
ヒグマも雑食性で植物や虫、ドングリなどを食べています。近年では、数が増えたエゾシカを食べることもあるようですが、積極的に襲って食べているのではなく、狩猟された死肉などを食べているようです。

春から初夏・・・フキなどの植物の若葉など
夏から秋・・・ヤマブドウなどの果実やドングリなど

<性格>
陸上に住む動物としては日本最大です。時速50kmほどで走るほか、泳ぐことも、木登りをすることもできます。人よりも身体能力が高いですが、普通は人との接触は避けて暮らしています。ただし、残飯などの食べものの匂いにつられて、人の生活圏に侵入することはあります。人を見たら必ず襲ってくるような攻撃的な動物ではありませんが、遭遇したときは慎重な対応が必要とされます。

熊に遭遇した際&被害を避ける対策

熊に遭遇したときの対策4つと、そもそも遭遇しないための対策3つを紹介します。

熊に遭遇したときの対策

ヒグマ
出典:PIXTA

◆驚いて大声を出さない◆

突然大きな音をたてると熊も驚き、逆に身を守ろうと襲いかかってくることがあります。悲鳴は“ぐっ”と我慢して冷静に。

◆走って逃げない◆

熊は逃げるものを追いかける習性があります。熊が本気を出せば人間よりも足が速いので、走ってもかないません。熊の方を向きながらゆっくりと後ずさりしてその場を離れてください。

◆死んだふりをしない◆

雑食性の熊は死んだ魚や動物を食べることがあります。倒れて死んだふりをしていると、かえって熊が興味を持って近づいてきてしまう可能性があります。

* 熊に攻撃された場合の対応としては、様々なものがあります。その中で「死んだふり」ではありませんが、背中にリュックを背負った状態でうつぶせになり、手で首や頭を守り、攻撃に耐える対応も有効とされています。

◆熊撃退スプレーを使う◆

熊と遭遇してしまった場合の撃退用として、「熊撃退スプレー」というのが市販されています。万が一遭遇した場合、風向きに注意して、熊の顔に向けて吹きかけます。

トウガラシが主成分の熊撃退スプレーです。安全な非可燃ガスを使用して射程距離は約9m。野犬やイノシシにも対応します。

熊に遭遇しないための対策

熊鈴
出典:PIXTA

◆熊鈴を鳴らす・ラジオをかける◆

前に述べた通り、熊は基本的に人間を避ける習性があります。音を鳴らして人間がいることを知らせ、熊が近寄らないようにする“熊鈴”は、対策として一定の効果があるとされています。ただし秋田の事件にように、熊鈴をつけていた人が襲われてしまったケースもありますので過信は禁物です。

消音機能がついた熊鈴です。本体を回転させることで、音を消すことができます。牛革ベルトと真鍮製ベルの高級感を感じさせる組み合わせです。

◆なるべく一人の行動を避ける◆

熊に襲われた被害者の多くが、一人でいるところを狙われています。山へはなるべく複数で入り、大きな声で会話をするのが、有効とする専門家もいます。また複数いる場合は万が一襲われたときも応急手当や救助の要請がしやすいというメリットもあります。

◆残飯や生ゴミは絶対に捨てない◆

匂いに敏感な熊は残飯に引き寄せられてしまいます。その結果、本来人を避けるはずの熊と人とが遭遇してしまうのです。野山に食べ物を捨てるのはもってのほかですし、携行する食料もなるべく匂いがしないよう密閉することをお勧めします。

山は熊の住みかであることを忘れなく。

ヒグマの親子
出典:PIXTA

毎年のように熊による被害のニュースが放送されているので、山に行くときは最も注意すべき動物と思われている熊。しかし、熊だけでなく、山には様々な生物が暮らしています。だからこそ、事前にこうした生物のことを知ることが、事故予防上でとても大切です。厄介にも思えますが山に熊がいることは日本の自然が豊かな証でもあるのです。