釣りと自転車から始まったアウトドア人生
小学生の頃から釣りと自転車好きだったパーゴワークスのデザイナーでありオーナーの斎藤 徹さん。愛用ギアを伺う前に、それに至るヒントがあるかもしれないバックグラウンドについて聞いてみました。
「マンガ『釣りキチ三平』世代で、ツッパリか釣りしか選択肢がなかったんだよね。
中学生の頃には片道30㎞を自転車で走って青梅や奥多摩まで釣りに出掛けてたんだ。お金がないから、ルアーや浮き、毛鉤は自作。でも結局大して釣れなくて、自転車がメインになって山に自転車で行くようになったんだ。いろいろイジって、今でいうフレームバッグも自作。バッグは簡単につくれるし、モノづくりはその当時から好きだったから、いろいろなモノをつくったね」
高校生になると、自転車で奥多摩の全山走破もしたそうです。
「当時は山をただ歩いているってなにが楽しいんだろうという感じだった。自転車を持って登って、一気に下ってくる。富士山も自転車を持って登った。自宅のあった東京西部の武蔵野市から富士山五合目まで1日で自転車に乗っていってビバーク。翌朝から自転車を押して、担いで8~9時間で山頂。そして山頂から御殿場駅まで2時間。自転車を持って行かない理由が、本当にわからなかったくらいにハマってました」
そんな高校時代に図書館で出合った1冊の本が、徹さんをデザイナーの道へと進ませたそうです。
「ドイツの工業デザイナー、ルイジ・コラーニ。彼の作品集を一目見て、ズキュンと来ちゃったんだよね。ちょっとマッドサイエンティストのような人物なんだけれども、未来志向のデザインの数々を見れば、デザイナーってこんなに自由なことをしていいんだ! って驚いた。そしてプロダクトデザイナーという職業があることを初めて知ったんだ。自然のなかで遊ぶことが好きだったから、彼の“自然界に直線はない”という言葉や、植物や生き物をモチーフにしたデザインに魅了されたんだよね」
アウトドア好きの自作好き。そんな斎藤さんの三種の神器は?
まさに、”プロダクトデザイナー”という職業になるべくしてなったよう。さて、そんな徹さんが選ぶ三種の神器とはどんなものなのでしょうか?