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パーゴワークスのものづくり

「道具」「製品」「商品」の違いとは?『パーゴワークス』の”チャレンジする”モノづくり

RUN、HIKE、CAMP、ACCESSORIES。パーゴワークスのプロダクトはその4つに分けられている。そのすべてをデザインしているのが同社社長でありデザイナーの斎藤 徹さんです。ラン、ハイク、キャンプ、小物・・・この異なるジャンルの逸品を次々と生み出す彼のものづくりのこだわりを聞いてみました。

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目次

アイキャッチ画像撮影:PONCHO

Q.ものづくりでワクワクする瞬間は?

笑顔の斉藤さん

撮影:PONCHO

「自分が楽しくつくること。そしてつくりながら自分が使いたいと思うこと」
実践的な道具でありながら、よくよく使い込んでみれば実験的な道具を次々に生み出し、日本だけでなくアジアでも多くのファンを獲得している『パーゴワークス』。そのデザイナーであり、オーナーの斎藤 徹さんは、道具づくりにおいて大切なことを、まずそう答えてくれました。

「ユニークなものでありながら、ユニバーサルデザインも大事にしていることではありますね」
それは色々な人が使いたいという興味を引くチカラを道具が放っていながら、多くの人が無理なく使えるものだといいます。目新しいデザインで話題になっても、使い勝手が悪くては道具としての根本が間違っているのです。ユニークかつユニバーサル、その2つのベクトルが合わさったとき、徹さんは「ワクワクする」そう。

「リテーラーショーで、まったく相手にされなかったけど(笑)」

オスプレーと斉藤さん作ザック

撮影:PONCHO(左:オスプレーのザック、右:徹さんが作ったザック)

取材当日にこんなことがありました。
筆者が背負ってきたバックパックを見て、「そのパックがきっかけだったんだよね」とひとこと。それはオスプレー『HELIOS20』(写真左)でした。20年程前に発売されたモデルで、当時のアウトドアやバックカントリースキーシーンで話題となった『ストレートジャケット』というパッド入りのパネルコンプレッションを採用。本体内に収納したものだけでなく、フロントポケットに入れたショベルやヘルメット、三脚等を確実にホールドしてくれる斬新なアイデアでした。これぞ、まさにユニークかつユニバーサルの好例です。

「これを雑誌『アウトドアイクイップメント』で見て、すぐに真似してつくったんですよ。翌年のアウトドアリテーラーショーに縁あって行くことができて、オスプレーのブースでその手づくりパック見せたんですよ。でもアジア人がパクった商品を持ってきて興奮していると思われたのか、まったく相手にされなかったけれど(笑)」
そのパックが写真右のモノ。ロゴはOSPREYではなくCOSPREYと付けられている。しかしそれは見た目のパクりではなく、間違いなくリスペクトなのです。

COSPREYのタグ

撮影:PONCHO(KODAIRA, TOKYO, JAPANの文字が)

オスプレーのザックに刺激を受け続ける

優しい表情で語る斉藤さん

撮影:PONCHO

「オスプレーのデザイナーであるマイク・プフォテンハウアー氏の生み出すパックには、ヘリオスに限らず、ずっと刺激を受けています。質実剛健なものにデザインでアプローチしていて、一見キワモノに思えるけれど、しっかり理屈と機能が備わっているんだよね。つくり手にしかわからない部分も多くあって、ユーザーにはほとんど伝わっていないだろうなと感じて、少し残念にも思う。
価格が安いものはシンプルで、高価なものはよくつくられていると思う人が多いかもしれない。でも、彼のパックはマスプロダクツ(量産品)としての仕上げがピカイチ。安価でも機能とデザインの両方にチャレンジしている。彼のようにチャレンジしているブランド、道具が好きですね」

このオスプレー評は、パーゴワークスが目指している方向と思われます。パーゴワークスの道具を見てみれば、安価でありながら機能とデザインに挑戦しているモノばかりです。

「道具」「製品」「商品」の違いとは?

商品たち

撮影:PONCHO

挑戦、その原動力は2011年に『パーゴワークス』を設立以前にありました。15年間フリーランスのプロダクトデザイナーとして、徹さんは様々なアウトドアブランドの仕事を手掛けました。しかしそのなかで、解決できなかった想いがあったといいます。

「翌年の商品を何十型もデザインしなくてはならないので、ひとつひとつの開発期間がどうしても短くなってしまうし、流れ作業的になってしまうんです。だから自分でメーカーを立ち上げてからは、それだけはやらないぞ! と、しっかりと時間を掛けるようにしました。例えばトレイルラン用のパックのラッシュは約2年掛かりました。昨年発売したラッシュUTは27回の試作を重ねました。とことんやれるというのは、自分が楽しくつくれている証でもあります。楽しくなかったら、長続きしませんから」

雄大な山を見渡す

提供:パーゴワークス

そうやって徹さんたちデザイナーさんが生み出すプロダクトって、一体どんなものなのでしょうか?

「目に付くモノすべてがプロダクトです。自分は3つに分けて考えています。まず『道具』。これは手づくりする、趣味的で自分だけが使うパーソナルなモノ。次に『製品』。自分以外の人に使ってもらい、自分以外の人につくってもらうモノ。つくってくれる場所、人を探さなくてはならなくて、妥協とその解決策が必要になってくるんだよね。最後が『商品』。コストをクリアし、マーケットに必要とされるモノ。自分が欲しいものからアイデアが生まれ、お客さんがほしいと思え、使いやすいと感じてもらえ、つくりやすいモノ。それを世に生み出す方法までを含めてプロダクトなんです」
当たり前ですが、アウトドアの道具だからといって好きなモノを好きなようにつくっている訳ではないのです。

「妄想をかき立てる」=よい道具

ザックを持ち語る斉藤さん

撮影:PONCHO

では、よい道具とは何でしょう?
「品質や使い勝手のよさがあることを当たり前とすれば、ユーザーのクリエイティビティを刺激するものですね。これを使ってフィールドでどんなことをしようかと妄想をかき立ててしまうモノ知恵や経験や創意工夫を総動員して楽しめるモノ

テントと仲間たち

提供:パーゴワークス

「20歳の頃からアウトドアの道具のデザインをしてきて、そうした考えはずっと変わらないです。でもパーゴワークスを設立して変わったこともあります。それはユーザーと触れ合う機会が増えたことです」
デザイナーは裏方故に、あまり表舞台に現れることはないものです。でもパーゴワークスの最初のヒット商品・チェストパックのパスファインダーは、一時期どこの山に行っても1日に数人はユーザーに会う程でした。

「使ってくれているのがうれしく、何人もの人に話し掛けたんですよ。向こうは誰なんだ? と驚いていましたけれど、たくさんのフィードバックをいただけて、多くのことが製品づくりに生かされています。もちろんポジティブな意見だけでなく、ネガティブな意見も含めて」

機能、デザイン、価格、ワクワク。パーゴワークスの挑戦は続く

テントの模型

撮影:PONCHO

無駄に思える作業を繰り返すこと。そしてカタチにするまでの手法も毎回変えているという徹さん。
「新しさって個性だと思うんです。目新しいだけでなく、昔やったことをもう一度やるのではなく、チャレンジしたい。そして多くのユーザーと出会って、この人のためにつくっているぞと感じたエネルギーを、モノづくりに昇華させたいです」

パーゴワークス、そして徹さんがつくっているのはモノだけれども、その根本にはたくさんの人に外に行って遊んでもらいたいという、ブランド名にもなっているPack & Go!という気持ちの共有があるのだと感じさせてくれた取材でした。

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