【実食検証】簡単&汎用性高っ!「クスクス」は山ごはんの新たな主役になりえるのか!?
クスクスという、なんとも愛嬌あるネーミングの食材をご存知でしょうか? 登山の愉しみのひとつは「頂上で作って食べる山ごはん!」と、アルファ米やパスタなどをアレンジして「これって本当に山ごはん?」級を作っている方も多くいます。その仲間に入りつつある食材が今回の主役「クスクス」。最短で、エネルギーもお腹も心も満タンに満たすクスクスを徹底調査しました。
2023/07/18 更新
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アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
クスクスってどんな食べ物?
お米より小さい極粒なその姿から雑穀米や粟の仲間に思える「クスクス」をご存知ですか?
実は小麦から作られているパスタの仲間で、“世界最小のパスタ”ともいわれています。

出典:PIXTA
もともとは北アフリカ~中東が発祥といわれていますが、現在ではヨーロッパやブラジルなど世界でもポピュラーな食材になっています。
パスタの仲間でありながら便秘解消を促す食物繊維、美肌効果に欠かせないビタミンB群、骨を強くするカルシウムなども豊富なため、一般には日本ではクスクス=スーパーフード、ダイエットフードという認識が高いようです。
しかし、登山者視点で見てみると、調理が簡単で持ち運びもラクチン、ご飯の代わりにぴったりなのではないか?と、新たな山ごはんへの新たな可能性を感じずにはいられません。
お米やパスタより優秀!? クスクスとほかの食品を比較

出典:PIXTA
ではここで、クスクスと生米、アルファ米、パスタの特徴について比較してみましょう。
クスクス VS 生米

出典:PIXTA(編集:YAMA HACK編集部)
クスクスの正しい調理法は蒸らしが必要になりますが、山の中では同量の熱湯に浸し、かき混ぜて5分ほど待てば完成します。火加減を気にすることなく、失敗の可能性もほとんどないのが特徴です。
クスクス VS アルファ米

出典:PIXTA、
Amazon(編集:YAMA HACK編集部)
そして、アルファ米は非常食ではあるものの、麓ではほぼ食べないですよね。クスクスは主食、スープ煮込み、サラダ、デザートとアレンジ豊富で普段の食卓でも大活躍します。
クスクス VS パスタ(スパゲッティ)

出典:PIXTA(編集:YAMA HACK編集部)
また、スパゲッティの場合は形状がかさばり折れる心配があるのに対し、クスクスは必要な分を形状を気にせず収納できるのでパッキングも楽になります。
まとめると…
価格感としてはやや割高な印象ですが、カロリーにおいてはほかの食品と引けを取らず、何より簡単にできてしまうのが特徴です。美容面で注目されがちなスーパーフードですが、調理の短さや手軽さ、軽量さ、かさばらない荷物の利便もプラスして、登山のスーパーフードと言えるのかもしれません。
あの「げんさん」も活用していた!
げんさんとよーこさんの山ごはん
出版:山と渓谷社
発行:2017年
128ページ
クスクスにすでに注目していたのがYAMA HACKでもお馴染み、山ごはんブログ「げんさんの山めし礼讃」の主宰・げんさん。2013年からすでに山ごはんにクスクスを使っていました。
しかも紹介しているメニューが“山のジンギスカン風クスクス”というから驚き!

出典:PIXTA
「ジンギスカン? そんな高レベルなものムリムリ」と思いながら紹介されたレシピを見ると、クスクスをお湯で7分蒸して、ラム肉の缶詰とフリーズドライオニオンスープを煮込んだそれに蒸したクスクスを入れただけ。推定10分強。手に入りやすい3アイテムだけで最短ジンギスカン風ができてしまうんです。
メイン山ごはん、クスクスカレーを作ってみた
どれほど簡単なのか、次の山ごはんの予習としてクスクス料理に挑戦してみました。
テーマは、レトルトのキーマカレーに野菜をプラスした山で食べたくなる”クスクスキーマカレー”。使用したのはこちらのクスクスです。
フェレロ クスクス
内容量 500g
原産国名 フランス
原材料名 デュラム小麦のセモリナ
10分で完成!山で食べたくなる”クスクスキーマカレー”のレシピ

撮影:YAMA HACK編集部
今回の調理で用意した1食分はこちら。レトルトのキーマカレー、クスクス50g、以前紹介した“手作り乾燥野菜”で作った野菜たち、水。
▼乾燥野菜の作り方はこちら

撮影:YAMA HACK編集部
これでたった220g。お湯を注ぐだけで食べられるアルファ米1食は100gなので、倍の重さでも満足度も倍違うはずです。
さぁ、時間を計ってレッツクッキング!

1:【0分経過】鍋に約500mlの水を入れてお湯を沸かしている間に、カレーの器に直接クスクスを移します

撮影:YAMA HACK編集部
2:【3分経過】沸騰したお湯のうち50cc(クスクスと同じ量)を1のクスクスに入れ、よくかき混ぜてから6分ほど蒸らします。このときお好みで少量の塩や油を入れてもOK

撮影:YAMA HACK編集部
50gの乾燥クスクスを同量のお湯50ccで混ぜて蒸すので、当たり前ですが重さは倍の100g。嵩は5倍ほどに増えます。

撮影:YAMA HACK編集部
3:【4分経過】1の沸騰した鍋にレトルトカレーと乾燥野菜を同時に入れ、約5分待ちます

撮影:YAMA HACK編集部
4:【9分経過】熱々のカレーを、蒸したクスクスの横に流し込む

撮影:YAMA HACK編集部
5:【10分経過】戻した野菜を並べて完成!
「あれ、クスクスってこれだけでいいんだ!」、思わず独り言。クスクスを蒸す・カレーを温める、それぞれの待ち時間を利用し、道具や水も最大限にフル活用。
5工程、わずか10分ほどでクスクスキーマカレーの完成です!
山ごはんの3K「 カルイ・カンタン・コリャウマイ!」は本当!?
勝手に命名した山ごはんの3K。
一つ目のKARUIのKと、二つ目のKANTANのKはクリアしましたが、残るは三つ目の味、KORYA UMAIの「K」です。
口の中で極粒クスクスが一気に広がり、プチプチというよりムニムニ。触感はお米に近く、味はパスタそのものの新感覚!弾力があるので噛み応えがあり、見た目は「足りるかな?」と思いましたが、しっかり満足感が得られました。
乾燥野菜から出た旨味が注入された残湯はフリーズドライスープに再利用できるので、“スープ付きランチ”までもが堪能できます!もちろん、今回はレトルトのルーでしたが缶詰などインスタントでない具材を使用すれば残湯が出ることもありません。
番外編! サブ行動食、クスクスブラウニー風を作ってみた
クスクスはデザートにも使えるということで調べていると、「これは行動食になるのでは?」レシピを発見。さっそく作ってみました。
<作り方>
1:全ての材料を粗熱容器に入れてよく混ぜる
2:1を電子レンジで3~4分温めたあと、混ぜながら粗熱を取る
※このとき水分でシャバシャバになっていたらあと30秒ほどレンジで温める
3:冷蔵庫で半日ほど冷やす
甘さ控えめの分量なのでお好みに合わせてはちみつなどで調整しましょう。豆乳をコーヒー牛乳に代えてもOK。
戻したクスクスは弾力があり型崩れしにくいという特徴もあるため、おやつにも最適のようで、このレシピにはちみつ、フルーツ、ナッツ類も入っているので、行動食にぴったり。
材料を混ぜてチンして冷やすだけなので、登山の前夜にサクッと作れるのもいいですね。
撮影:YAMA HACK編集部
軽くて簡単でおいしくて、しっかりエネルギーも補える。主食にも行動食にもなれるバリエーションの豊かさ。次の山ごはんはクスクスにしない理由がない!
みなさんもクスクスフルコースをぜひ山で試してみてください。
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