行動食はやっぱりゼリー飲料でしょ!
ゼリー飲料はスムーズに吸収されやすい
通常の食事からエネルギーを摂ろうとした場合、炭水化物を体内で分解し、ブドウ糖などの単糖類というカタチまで分解しなければ体内に吸収されません。しかし、エネルギー系のゼリー飲料などにはブドウ糖が含まれていることが多いため、食事から摂取するよりもスムーズに吸収されやすいのです。
ゼリー飲料はコンビニでも購入可能
ゼリー飲料の魅力は、ほとんどのコンビニで購入できる、便利さもあります。ついうっかり忘れてしまっても、登山の前に立ち寄って、手に入れられるのはうれしいですよね。
コンビニのゼリーって種類多くない?
登山の行動食として人気のあるゼリー飲料ですが、コンビニに置いてあるだけでも数種類。「正直いろんな商品があってよくわからないから、適当に選んでいる」という人も多いようです。
でも、それで本当に必要な栄養素は摂れているのでしょうか?
登山で大切な3つの栄養素
①行動のための栄養素
登山は長時間行動するため、エネルギーを補給する必要があります。エネルギーが不足すると、登りがきつくなったり、正しい判断ができなくなったりと良いことがありません。
②回復のための栄養素
登山では筋肉が分解されていき、それが疲労につながることも。そのため、タンパク質やそのもとになるアミノ酸やペプチドなどを、摂取することが大切。
また、筋肉の約35%は、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの総称)が占めています。そのため、特にこのBCAAを積極的に補給することが体の回復に重要です。
③体のバランスを整える栄養素
例えば、汗をかいているにも関わらず、水分やミネラルなどを補給せず登山を続けるとどうなるでしょう。最悪の場合、体内のイオンバランスが崩れ脱水症状になります。そういった予期せぬ不調をさけるためにも、ミネラルやビタミンなどを摂取しておくことも大切です。
編集部が全て試して分類しました
どんな栄養素を摂ればよいかわかっても、コンビニにはたくさんの種類のゼリーがあるので、それを全部比べるのって大変ですよね?
なので、今回は3つのシーンに分けて、『編集部のおすすめゼリー』を決めました。
①行動中
エネルギーが補給できて、持ち運びやすいゼリー飲料
②登山前
エネルギー、ビタミン、ミネラルなどバランスよく栄養素が摂れるゼリー飲料
③登山後
体の回復のために必要な、タンパク質やアミノ酸が多く含まれているゼリー飲料
【1】行動中におすすめのゼリー飲料
最初は、『行動中におすすめのゼリー飲料部門』です。
栄養成分表示で「熱量」「エネルギー」の数字が大きいものを選抜しました。
エネルギーが切れてしまうと、行動できなくなり、最悪の場合は遭難してしまいます。なので、登山中はゼリー飲料などでの、エネルギー補給が大切になります。
今回は『エネルギーがたくさん摂取できる』『持ち運びしやすさ』という点を重視して、最もおすすめなゼリー飲料を選びました。
行動中に最もおすすめなのは【inゼリースーパーエネルギー】

こんな感じで比べてみました!
まずは、今回のノミネート商品のエネルギー量を比較。
商品名 | エネルギー量(1袋) |
---|---|
inゼリースーパーエネルギー | 200kcal |
カロリーメイトゼリー | 200kcal |
inゼリーエネルギー | 180kcal |
朝バナナ | 194kcal |
inゼリーローヤルゼリー | 180kcal |
結果、最もエネルギーが摂取できる【inゼリースーパーエネルギー】と【カロリーメイトゼリー】の2つでサドンデスへ。
持ち運びやすさは?
重さでは、スーパーゼリーに軍配が。同じエネルギー量を摂取できるカロリーメイトゼリーよりも、95gも軽いという驚きの結果!
さらに、大きさもスーパーエネルギーのほうがコンパクトだったので、【登山中の持ち運びやすさ】という点で、大きな差が生まれる結果となりました。
森永製菓 ウイダーinゼリー スーパーエネルギー
【2】登山前におすすめのゼリー飲料
それでは、次は『登山前に飲みたいエネルギーゼリー部門』です。
ここでは行動のためのエネルギーに加え、ミネラル類やビタミン類などの体の調子を整える成分を補給できるという点で、5つのゼリーをピックアップ。
登山前は、山に入る前の最後の行動のためのエネルギー補給のタイミングです。なので、まずはエネルギーを摂取できることがポイント。
その他にも、体内のミネラルバランスが崩れると足がつったり、脱水症状になったりとさまざまな危険につながります。そういったことをさけるためにも、ミネラルやビタミンなどさまざまな栄養素を補給しておくことが大切です。
登山直前に最もおすすめなのは【カロリーメイトゼリー】
行動中の時に気になった重さも、登山前であれば気にする必要はありません。バランスよく栄養素を補給して、ベストな状態で登山に臨みましょう!
今回は結構悩みました。
商品名 | エネルギー量(1袋) | ミネラル類 | ビタミン類 |
---|---|---|---|
カロリーメイトゼリー | 200kcal | 〇 | 〇 |
inゼリーエネルギー | 180kcal | 〇 | 〇 |
inゼリーマルチミネラル | 90kca | 〇 | ‐ |
キレートレモン | 100kcal | 〇 | 〇 |
inゼリースーパーエネルギー | 200kcal | 〇 | 〇 |
それでは、詳しくみていきましょう。

それでは、他の4商品の詳細を見ていきましょう。
まず、エネルギーをみると、やはりカロリーメイトゼリーとスーパーエネルギーの2つがトップでした。
次に、ビタミン類ではビタミンB群ではスーパーエネルギー、C群ではキレートレモン、その他ではカロリーメイトと3つ巴状態。
最後のミネラル類では、ナトリウムではキレートレモンが一番ですが、それ以外のカルシウムなどは、カロリーメイトでしか補給できないため、カロリーメイトが僅差で優勢となりました。
最終的に、エネルギー・ビタミン・ミネラルが総合的に補給できるという点で今回はカロリーメイトゼリーを選びました。
大塚製薬 カロリーメイト ゼリー
【3】登山後におすすめのゼリー飲料
最後は【登山後に飲みたいゼリー飲料】です。
ここでは、回復のために大切なタンパク質、アミノ酸が多い商品をピックアップしました。
下山後のおすすめは【inゼリースーパープロテイン】
今回はすぐに即決!
商品名 | タンパク質(1袋) | ホエイペプチド |
---|---|---|
inゼリープロテイン | 5.0g | 5000mg |
inゼリースーパープロテイン | 10.0g | 6000mg |
カロリーメイトゼリー | 8.2g | ‐ |
タンパク質とホエイペプチドのどちらの量も、スーパープロテインが一番多いです。登山後は、迷わずスーパープロテインを選びましょう。
森永製菓 inゼリー スーパープロテイン
しかし、ゼリー飲料も万能ではない!
ここまで様々なゼリー飲料について、紹介してきました。ゼリー飲料は手軽に飲めますが、万能の食べ物という訳ではないので、ゼリー飲料に頼りすぎるのはよくありません。
では、ゼリー飲料を山に持っていくにあたって、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。
無駄に持ちすぎない
いくら手軽に栄養補給できるからと言って、持ちすぎるのも荷物が重くなるので注意が必要です。
登山に必要なカロリーを計算し、必要な分だけ持っていきましょう。登山で消費するエネルギーの目安として、以下の式が使われます。
行動時間 × 体重 × 5kcal = 消費カロリー
例えば体重60kgの男性が5時間登山をすると考えると、消費カロリーは5 × 60 × 5 = 1500kcalとなります。このうち3割は体内の脂肪を消費すると考えると、最低でも7割の1050kcalを補う必要があります。このような計算を行い、どれだけ食事や行動食で補うかを決めておきましょう。
▼登山に必要な水分と食べ物の量はこの記事をチェック
ゼリーだけに頼りすぎない
ゼリー飲料の本来の目的は、歩くのに必要なエネルギーを補うこと。ビタミンやミネラルが含まれているものもありますが、ゼリー飲料からだけで補うことは困難です。
ビタミンやミネラルには、それぞれ独自の役割があります。これらの内一つでも欠けてしまうと、体がうまく働かなくなってしまうので、登山中はゼリー飲料だけでなく、他の食品も使いバランスよく栄養補給を行いましょう。
■コンビニはいろんな行動食が買えるんです!
登山にピッタリのゼリー飲料を選ぼう!
コンパクトで持ち運びやすく、登山の行動食にはもってこいのゼリー飲料。今回はコンビニで買えるゼリー飲料の特徴をみていきました。ゼリー飲料の良いところは、普通の食事よりも栄養素の補給がしやすいことです。
これからは『なんとなく』ではなく、エネルギー補給や軽いものが良いなど、目的に合わせてコンビニでゼリー飲料を選んでみてください。