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登山計画書

【保存版】登山計画書って意外に簡単!書き方から下山後までを解説します

皆さん登山計画書(登山届け)を出していますか?必要だと思っていても「低山だから書く必要はない」「書き方がわからない」など提出しない理由はいろいろありますよね。でも、ちょっと考えてみてください。あんなに広い山で大切な人が迷った時、一体どこから探せば良いのでしょうか?その手がかりになるのが、登山計画書です。今は手書きでなくてもWEBやアプリで簡単に作成できるんです。まずは一度、登山計画書を書いてみましょう。

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目次

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登山計画書の提出はメリットしかない!


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「登山計画書を提出したほうが良いことも分かるんだけど、作成が面倒だな…」「低山だから登山計画書は必要ない」そんな風に考えて、登山計画書の提出をしていない人が多くいます。しかし、登山計画書を提出することは、計画書作成の手間と時間を補って余りあるメリットがあるのです。

【1】万が一の時の初動が早い


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登山計画書提出の最大のメリットは、万が一遭難したときの初動捜索が早いこと、そして捜索する範囲が正確になる点です。遭難したことを家族や第三者がいち早く気づき、どの山へ行ったのかが分かるということは、生死の分かれ目にもなりえます。

【2】いざという時に落ち着いて対処できる


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天候の急変や突然の体調不良で、早めに下山するなど登山の計画を変更しなければならない事態があります。こうした場合に備え、登山計画書作成時にあらかじめ緊急下山ルートやエスケープルートを記載しておくことで、いざという時にも落ち着いて対応することができるのです。

【3】道迷いや忘れもののリスクが軽減できる


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登山計画書を作成したら事前に見直すことをお忘れなく。当日のコースに対する理解を深めたり、行程に無理がないか検証できますし、携行品や食料のリストを記載しておけば、当日の忘れものを防ぐことができます。また、登山計画書を使って同行者と情報共有することもできます。

個人情報が不安な方は出し方に工夫をしよう!


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登山計画書には、本人やメンバーの名前、住所、連絡先などの重要な個人情報が記載されます。その一方で、登山口に設置された登山届のポストはあまりに簡素なので、管理の部分が気になる方もいますよね。でも、安心してください。山を管轄する警察署や自治体などでは、FAX、郵送、インターネットで登山計画書を提出することができますので、個人情報の漏洩が心配な人はそちらがお勧めです。

えっ!?登山計画書ってこんなに簡単に作れるの?


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まずは登山計画書の作り方から学んでいきましょう。作成は大きく分けて二通りの方法があります。紙面に手書きする方法と、パソコンやアプリで作成する方法です。最近は、その手軽さからパソコンやアプリによる作成が人気です。
▼多くの自治体と協定を結んでいる信頼のアプリはこれ!
山と自然ネットワーク Compass

登山計画書に記載する内容はこれ

実は登山計画書には決まった書式はありません。内容はある程度自分で決めることもできますが、最低限以下の情報は記入するようにしてください。

●本人の情報:
名前、年齢、生年月日、性別、住所、携帯電話番号、緊急連絡先(家族など)、保険加入の有無、着ているウェアの色、所属の登山団体があれば記載
●グループの場合メンバーの情報:
名前、年齢、生年月日、性別、住所、携帯電話番号、緊急連絡先(家族など)、保険加入の有無、着ているウェアの色、所属の登山団体があれば記載
●登山日程:
入山予定日時、代表的な経由地の到達日時、下山予定日時
●登山コース:
入山予定地、代表的な経由地、下山予定地、エスケープルート(計画を変更したときの下山ルート、予定地)
携行品や食料
テントやツェルト、コンロ、燃料、ヘッドランプ、通信機器(無線、スマートフォン、充電器)、ロープなどの有無や食料(非常食込)が何日分あるか

■実際に登山プラン作成ツールの「ヤマプラ」を使って登山計画を作成してみました。
登山計画書は5ステップで、簡単に作成することができます。

①まずは、登りたい山の情報を集めましょう

登山計画書 ルート情報収集
撮影:YAMA HACK編集部

登山計画書では登山コースや経過時間などを、行動予定表の形で記入します。まずは目的の山の登山コースをプランニングします。目的の山域の地図を使い、入山予定地と下山予定地、そして頂上などの経由する地点を選びます。コース上の水場、鎖場、分岐点などを事前に確認しておきましょう。経験のない山の場合は無理をせず、その山のポピュラーなコースを選ぶとよいでしょう。

②予想コースタイムから、登山と下山時刻を算出

登山計画書 ルート作成
撮影:YAMA HACK編集部

コースを決めたら所要時間を確認し、入山予定時間と下山予定時間を決めてください。登山地図「山と高原地図」地点間の所要時間が分かる他、同地図をオンラインで利用できる「ヤマプラ」では、コース全体の所要時間を簡単な操作で算出してくれます。
※最終行動時刻は暗くなる前です。季節にもよるので、日の入り時刻を調べましょう。また、登山では早出早着が基本ですので、可能であれば出発時刻も少し早めに設定しておくと安心です。

③さぁ登山日を決めましょう!

登山計画書 登山日決め
撮影:YAMA HACK編集部

日程を決める際には、週間天気予報などを確認して、荒天が予想される場合は避けるようにしましょう。また体調に不安があるようなときも登山すべきではありません。また、季節によっては中上級者向けになる山域などもありますので、本やインターネットで情報収集してください。

④必要事項を入力していこう

登山計画書 作成
撮影:YAMA HACK編集部

行動予定が決まったら、登山計画書に入力していきます。メンバーや代表者の情報、登山ルートや時間、装備品、保険の有無などを記載していきましょう。

⑤完成したら必ず再確認

登山計画書
撮影:YAMA HACK編集部

行動予定が決まったら、計画に無理がないか改めてチェックしてください。ご自身やメンバーの体力などを考慮して余裕のある計画を心がけることが大切です。また、装備や携行品に漏れがないか、食料に過不足がないかも確認してください。

登山計画書を作った後はどうするの?


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登山計画書が作成できたら、これをコピーなどして3通用意してください。警察、家族(知人)にそれぞれ1通ずつ渡してください。1通はご自身用です。それでは詳しく説明します。

登山計画書の提出方法


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登山計画書はそれぞれの山域を所轄する警察本部の地域課、警察署に提出するのが基本となります。メール、郵送、FAXで事前に提出してください。その他には、登山口そばの交番や、登山口や麓の駅に設置されたポストに提出する方法もあります。
※提出方法は管轄により変わるので、必ず提出方法の確認をしてください
▼登山計画書・登山届けの提出先はこちらを参考に
公益社団法人 日本山岳協会

登山計画書を家族に渡すのも忘れずに

登山計画書 家族に依頼
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警察に提出したものと同じ登山計画書を、連絡の取れやすい家族や知人に渡してください。提出先の警察は個々人が無事に下山したかは確認をすることはありません。万が一遭難した場合は、家族や知人の通報を元に捜索が開始されます。予定時刻を過ぎても下山の報告がない場合は、提出先の警察に連絡するよう伝えてください。

無事に下山したらどうしたらよいの?


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無事に登山を終えて下山したら下山届を提出しないといけないのでしょうか。原則的には、登山計画書を提出した警察に報告する必要はありません。前述した通り警察は家族または知人の連絡があった場合のみ動きます。下山後大切なのは、事前に登山を知らせてあった家族または知人に無事に下山したことを報告することです。これを忘れてしまうと心配した家族が警察に連絡をしてしまうことも考えられますので、必ず無事に下山した事を連絡しましょう。

ルートを変更したら、その都度連絡しておこう

登山計画書 メール
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登山中に計画を変更することがあればその都度家族に状況を連絡しておきましょう。「登山計画にエスケープルートを書いているので不要では?」と思うかもしれませんが、エスケープルートから再度変更した場合など、できるだけ情報は最新の状態のほうが捜索には役立ちます。最近の山は電波状況が改善されてきているため、一部ではだめでも別の場所では連絡ができる場合もあります。

低い山は遭難しないって本当?


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登山計画書を提出しない理由に「低山だから必要がない」という意見の方も多いのではないでしょうか。つまり危険個所の少ない低山なら滑落や雪崩の心配がなく、遭難のリスクが少ないのではという考えです。はたして、そうなんでしょうか?

事実、低山でも遭難は起きている


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遭難の原因で最も多いのは、滑落でも雪崩でもなく「道迷い」です。警察庁の統計*によると遭難原因の約1/3が道迷いとなっています。特に低山では、生活道や林道などが錯綜し、登山道が不明瞭な場合が多いこと、また低山であることの油断など心理的なことも原因に考えられます。事実、気軽に登れるはずの高尾山や六甲山でも遭難は発生しているのです。登山計画書の提出はその山の標高の高い低いに関係ないことが分かります。

▼山岳遭難の傾向に関して詳しく見てみましょう

登山計画書の義務化って知ってる?


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現在多くの自治体で、登山計画書の提出を義務付ける登山条例が施行されています。その目的は登山者の遭難防止と、遭難した際の対策です。違反した場合には罰金を徴収する自治体もあります。

登山計画が提出が義務付けられている県があります


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長野、群馬、富山、岐阜など県によっては、登山計画書の提出が義務付けられています。ただしこれは県全体ではなく、特定の山や山域が対象となっているので、登山前には必ず詳細を確認しましょう。義務化されていないからといって、提出が不要というわけではありません。

▼各都道府県の登山届けに関する条例(条例名をクリックで詳細ページを確認できます) 

都道府県条例名
長野県長野県登山安全条例について
群馬県群馬県谷川岳遭難防止条例
岐阜県岐阜県北アルプス地区及び活火山地区における山岳遭難の防止に関する条例
富山県富山県登山届条例
福井県白山登山に関する登山届けの提出に関して
新潟県新潟焼山における火山災害による遭難の防止に関する条例
石川県白山における火災災害による遭難の防止に関する条例

※2018年6月22日時点

登山計画書は大切な安全装備


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その日の登山では使用する予定はないけれど、もしもの場合に備えて必ず携行するものがあります。雨具、ヘッドランプ、ツェルト、非常食などがそれにあたります。登山計画書もそうしたものの一つとして考えてみてはいかがでしょうか。まさか自分が遭難するとは多くの人は思わないかもしれません。しかし、その「まさか」の時に生死を分けるのが登山計画書なのです。

監修/公益社団法人 東京都山岳連盟元救助隊 隊長  金子 秀一氏

登山計画書 金子隊長

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