何が違うの?クライミング用ハーネスの種類について
大人から子供までが楽しめるクライミングは、課題を達成したときに大きな達成感や満足感を味わえる活動です。自分の身体とロープ(ザイル)をつなぐハーネスは、クライミングに欠かせない重要なアイテムといえます。
ひとくちにクライミングと言っても、スポーツや登山などさまざまなスタイルがあるので、ハーネスの選び方もそれに応じて変わってくるものです。安全にクライミングを楽しむためにも、ハーネスのタイプと特徴についてぜひ知っておきましょう!
ここが違う!ハーネスを比較するときに見るポイント
ハーネスは、自分の目的やクライミングスタイルに合わせて選ぶことが大切です。大前提として、どのモデルにもハーネスの基本機能は備わっているので、問題なくロープクライミングで使用することができます。ただし、ハーネスはタイプによって細かい特徴に違いがあることから、選ぶときは以下の3つを比較していくのがポイントです。
・重量
軽量なタイプほど動きやすい。搭載されているパッドの量によってクッション性は異なります。
・レッグループ
足を固定するレッグループには、伸縮タイプとベルトタイプの2種類があります。アウトドアでは調整可能なベルトタイプが便利です。
・ギアラック
ウエストにあるリング状のひっかけ部分。屋外での使用を考えている場合はラックの数が4つ以上あるものがおすすめです。
圧倒的軽さ!スポーツタイプハーネスの特徴
室内のクライミングに最適なスポーツタイプハーネスは、レッグループが伸縮式で、軽量なのが特徴です。値段はやや高めで、モデルによってはギアラックが少なく、クッション性に劣ることもありますが、そのぶん圧倒的な動きやすさを生んでいます。インドアクライミングだけでなく、屋外でショートルートクライミングをされる人にもおすすめです。
オールラウンドに活躍!ベーシックタイプハーネスの特徴
ベーシックタイプハーネスは、レッグループがベルト式なので、重ね着した服の上からでも装着することができます。クッション性が高く、ギアラックが4つ以上付いているのが特徴です。スポーツタイプよりも重量があり、毎回レッグループを調整しなければなりませんが、室内・アウトドアに関係なく、あらゆるシーンで使えるというメリットがあります。インドアはもちろん、登山やマルチピッチクライミングをする方におすすめです。
自分にあったタイプのハーネスを選ぼう!
ハーネスをどんなシーンで使うのか具体的にイメージしておくことは、最適なモデル選びに役立ちます。ハーネスは購入前に、一度お店で試着して、サイズやフィット感、動きやすさを確かめておくことも大切です。
また、ハーネスの着用ミスが死亡事故につながらないとは決して言い切れません。着用したときの目安は、ウェストベルトが8cm余る程度、レッグループがほどよく密着しているぐらいが最適とされます。
インドアクライマーにおすすめ!軽量スポーツタイプハーネス9選
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)
「ブラックダイヤモンド」はクライミングをはじめ、過酷なアウトドアシーンに対応できる信頼性の高い登山用品を製造するアメリカ屈指のメーカー。
【ソリューション】
軽くて動きやすく、快適性に優れているモデル。値段もお手頃なので、これからクライミングを始める初心者にもおすすめです。
ブラックダイヤモンド ソリューション メンズ
ブラックダイヤモンド ソリューション ウィメンズ
【ゾーン】
ソリューションよりもさらに軽量なモデルは、ハイレベルな課題を目指す人におすすめ。クライミング時の複雑な動きをサポートしてくれます。
ブラックダイヤモンド ゾーン メンズ
ブラックダイヤモンド ゾーン ウィメンズ
PETZL(ペツル)
「ペツル」はクライミングギアやレスキュー・高所作業資器材、ヘッドランプを製造するフランスのメーカー。世界的な信頼も熱く、プロクライマーからも絶大な支持を集めているメーカーです。
【サマ/セレナ】
クライミングを室内・アウトドアのどちらでもやる人におすすめのモデル。厚みを持たせたウエストベルトとレッグループはクッション性に優れているので、軽さよりフィット感を重視する人に最適です。
ぺツル サマ メンズ
ぺツル セレナ ウィメンズ
【ヒューロンドス】
上記モデルよりも軽量性に特化したタイプは、表面素材に耐久性・耐摩耗性に優れた素材を使っています。ロープの擦れに強い抵抗力を発揮するハーネスは、更なる高みを目指すクライマーにおすすめです。
ぺツル ヒューロンドス
MAMMUT(マムート)
世界のトップアスリートが厚い信頼を寄せる「マムート」。最高の技術を駆使してハイスペックな登山用品を製造する、スイスのクライミングメーカーです。
【Ophir(オフィール)】
軽さよりも快適性・通気性を重視しているモデル。ジムから屋外までさまざまなシーンで使用できます。憧れのマムートが欲しい方におすすめですが、日本人にはSサイズでも大きい場合があるので注意が必要です。
マムート Ophir
マムート Ophir Women
【Togir(トギール)】
特徴的なデザインのハーネスは軽量性に富んだモデル。マムートの最新技術が詰まっているので機能面も十分といえます。値段はやや高めですが、個性を出したいユーザーにはおすすめです。
マムート Togir
マムート Togir Women
ARC’TERYX(アークテリクス)
カナダの厳しい自然環境から誕生した「アークテリクス」。彼らの原点であるハーネス製造で培った革新的技術を武器に、高次元の製品を生み出しているアウトドアメーカーです。
【SL-340】
スポートクライミング用に開発された、動きやすいモデル。雨や雪などの水分をほとんど吸収せず、速乾性に優れているのでバックカントリーに使えます。非常に高価なアイテムであることに加えて、ギアラック数が少ないためオールラウンドには不向きといえますが、より「動きやすさ」を追求したい人にはおすすめです。
アークテリクス SL-340
登山や岩場で使う人におすすめ!万能ベーシックタイプハーネス8選
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)
【モーメンタム】
用途を選ばないオールラウンドモデルは、値段もリーズナブルなので最初の一本におすすめ。クライミングを始めたばかりの人はもちろん、アウトドア用として使い分ける一本としてもおすすめです。
ブラックダイヤモンド モーメンタム メンズ
ブラックダイヤモンド モーメンタム ウィメンズ
【テクニシャン】
スポーツタイプを基礎にレッグループの調整機能を追加したモデル。とくにアイスクライミングに適した設計なので、活動の幅が広い人におすすめです。
ブラックダイヤモンド テクニシャン メンズ
ブラックダイヤモンド テクニシャン ウィメンズ
PETZL(ペツル)
【アジャマ/ルナ】
クライミングしながら登山をするマルチピッチ対応型のハーネスは、ギアラックが5つあるのが特徴。ジムも山も両方行くという人におすすめのモデルです。
ぺツル アジャマ メンズ
ぺツル ルナ ウィメンズ
【アキラ】
サイズ調整ができるレッグループを装備してもなお、軽量な「アキラ」は、中・上級者向けのモデル。長い時間行動しても保たれる快適性は、高い値段に見合ったスペックです。
ぺツル アキラ
MAMMUT(マムート)
【Ophir 3 Slide(オフィール)】
オールシーズン使えて、調整可能なレッグループを備えたモデル。登山ウェアがマムートの人は、ハーネスも同ブランドでそろえるとおしゃれに見えます。
マムート Ophir 3 Slide
マムート Ophir 3 Slide Women
【Togir 3 Slide(トギール)】
岩壁や雪とのミックスルートまでを想定してつくられたモデル。ハードな環境のクライミングに適しているため、軽量ではなく耐久性に優れています。オールラウンドに活動を展開する中・上級者におすすめです。
マムート Togir 3 Slide
マムート Togir 3 Slide Women
ARC’TERYX(アークテリクス)
【FL-365】
さまざまなアクティビティに使える万能モデル。レッグループの調整機能はないですが、スリムなデザインなのでフィット感がいいです。かなり高価ですが、ハイエンドなモデルだけに一度試してみる価値のある製品です。
アークテリクス FL-365
【AR-395A/AR-385A】
柔軟性・耐摩耗性に優れたタイプは、より広範囲なアクティビティに対応します。調整可能なレッグループも快適さをサポートしてくれるはずです。高難度のクライミングに挑む、中・上級者におすすめのモデルとなっています。
アークテリクス AR-395A メンズ
アークテリクス AR-385A ウィメンズ
習い事としてクライミングを始める人、増えてます!キッズハーネス7選
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)
【モーメンタム キッズ】
大人用をベースにしているので、機能やサポート力は同等です。少し背が伸びてきた小学校中学年から高学年あたりにおすすめのモデル。
ブラックダイヤモンド モーメンタム キッズ
【モーメンタムキッズ フルボディー】
子供の成長に合わせて幅広くサイズ調整ができるフルボディタイプ。ロープとハーネスをつなぐ部分が高めにつくられているため、頭から落下しにくい設計。小学校低学年あたりにピッタリです。
ブラックダイヤモンド モーメンタムキッズ フルボディー
PETZL(ペツル)
【マチュ】
大人用とほぼ同じ設計のモデルは、アウトドアでも使用可能。ウェストベルトは圧迫感や擦れを防ぐデザインとなっているので、快適にクライミングを楽しむことができます。小学校中学年から高学年向け。
ぺツル マチュ
【シンバ】
肩かけ付きのフルボディタイプは、体重 40 kg未満、年齢 5~10 歳の子供向けハーネス。ベルトの表と裏でカラーを変えているため、取り付けも簡単です。調整の幅が広いので、子供の発育に合わせてサイズ感を選べます。
ぺツル シンバ
【ウィスチチ】
クライミング以外のアドベンチャー活動にも使用できるモデル。調節器具が子供から遠い位置にあるため、安全性が高くなっています。体重 30 kg 未満の子供限定ハーネスです。
ぺツル ウィスチチ
BEAL(べアール)
「べアール」は、クライミングロープや登山関連用品を製造するフランスのメーカー。その高い技術力と革新性からハーネスやボルダリングマットといった製品も業界で高く評価されています。
【エアロチームⅣ】
室内のクライミングから、ちょっとした山歩きやアウトドアにまで使えるモデル。ウェストの調整範囲が広く、軽いのが特徴で、小学校中学年から高学年向けのデザインとなっています。
べアール エアロチームⅣ
【バンビⅡ】
体重40kg以下の5-10歳の子供に装着できるフルボディタイプ。背中がメッシュ素材のためムレにくく、気持ちのいい装着感です。長さ調整は4箇所のベルトできるので、しっかりと身体を固定して、安全性を確保することができます。
べアール バンビⅡ
お気に入りのハーネスでクライミングを快適に!
合わないハーネスを使用していると身体はストレスを感じます。クライミング用ハーネスは、自分の目的やスタイルに合ったものを選ぶことが大切。レッグループのタイプや重量など、自分にとって最適なモデルを見つけてクライミングを楽しみましょう!
【クライミングハーネス使用上の注意】
ハーネスを誤った方法で使用すると致命的な事故に繋がるおそれがあります。製品に付属している取扱説明書を必ず確認し、内容を十分に理解した上でご使用ください。