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東京からもアクセス抜群!日帰りで楽しめる千葉県の山

千葉県にはどんな山がありどんなルートがあるのか。標高の低い山も多く、情報も少ないですよね。しかしその山の歴史や四季折々の景色を体感できる奥深い山が実はたくさんあります。日帰りで楽しめて、地元の人からも慕われる千葉県の山の魅力に迫ります!
- 鋸山(のこぎりやま)
- 津森山・人骨山(つもりやま・ひとほねやま)
- 愛宕山(あたごやま)
- 富山(とみさん)
- 伊予ヶ岳(いよがだけ)
- 元清澄山(もときよすみやま)
- 御殿山・大日山(ごてんやま・だいにちやま)
- 烏場山(からすばやま)
今回は東京駅から山の最寄駅まで、電車での距離が近い順番で紹介します!
①【約90分】鋸山(のこぎりやま)

千葉県安房郡鋸南町と富津市の境目にある、標高329.4mの山。江戸時代から1985年まで建築資材として採石が盛んに行われ、むき出した採石跡の岩肌が鋸の歯に似ているため「鋸山」と呼ばれています。
おすすめ登山コース

海側と山側の景色が堪能できるのが、整備された登山道で歩きやすい関東ふれあいの道コース。お手洗いもあるので安心です。ラピュタの壁と呼ばれる壮大な石切り場跡のあとは、日本寺の百尺観音がお出迎え。鏡台には5つのエリアがあって見どころ満載です。
浜金谷駅→関東ふれあいの道→日本寺境内(約60分)
※ロープウェーを使って登る場合は山麓駅から5分ほどで山頂駅に到着します。
【登山口】
浜金谷駅
【アクセス】
車の場合:館山道 富津・金谷IC-国道127号-浜金谷駅または鋸山ロープウェー
鋸山ロープウェー駐車場
約200台駐車可能・無料
電車・バスの場合:JR内房線 浜金谷駅にて下車
鋸山ロープウェー
②【約110分】津森山・人骨山(つもりやま・ひとほねやま)

標高336mの津森山は、718年(奈良時代)にこの山に登った役人が区切りを見積もったことが山名の由来となっています。標高292.6mの人骨山は、鬼に食べられた生け贄の娘の家族を気遣い、節分で豆をまかなくなったと言う伝説があります。この2つの山がある鋸南大崩地区は、1月中旬から2月初旬には素晴らしいスイセンの花が見られます。
おすすめ登山コース

津森山までは舗装された道路が多く、民家もあるので安心です。津森山の山頂はきれいに整備され、山頂付近には富士山が見える展望台があり、鋸山や東京湾観音なども見ることができます。人骨山の山頂からもほぼ360度見渡せる眺望が!千葉の海と山、棚田も見られるのどかな周回コースです。
岩井駅→佐久間ダム→津森山→人骨山(約120分)
【登山口】
佐久間ダム
【アクセス】
車の場合:有料道路鋸南富山IC-県道184号-佐久間ダム
佐久間ダム駐車場・無料
電車・バスの場合:JR安房線 勝山駅にて下車
鋸南町営循環バス 赤バスにて佐久間ダム湖下車
循環バスの詳細はこちら
③【約110分】愛宕山(あたごやま)

全国の最高峰の山の中では一番低い愛宕山ですが、千葉県の中では最高峰の標高408.2m。県内には愛宕山と名の付く山が複数あるため、別名「嶺岡愛宕山」と言う山名で大別することもあります。山頂付近に自衛隊のレーダー施設があるので、予約をしてから登ります。
おすすめ登山コース

森林に映える赤い鳥居をくぐり五輪塔と通り過ぎると、ほどなくして山頂に到着します。山頂の少し先に房総の山を展望できる広場があり、天気の条件がよい時は富士山も見えます。愛宕山は1週間前までに事前予約が必要ですが、年に1度行われる基地開放日には、事前予約なしで登れます!
嶺岡分屯基地正門→愛宕山(約10分)
※見学時間は30分程度です。
【登山口】
嶺岡分屯基地正門
【アクセス】
車の場合:圏央道 君津IC-県道92号-国道410号-嶺岡分屯基地
電車・バスの場合:JR内房線 安房鴨川駅-タクシーにて現地へ
愛宕山三角点見学の詳細はこちら
④【約120分】富山(とみさん)

「南総里見八犬伝」の舞台となった富山は、阿波国と房総を開発した天富命(あめのとみのみこと)の名前が由来と言われています。富山は2つのピークがある双耳峰で、北峰が349.5m、南峰が342.0mです。
おすすめ登山コース

岩井駅を出てすぐにある福聚院には、南房総市指定文化財になっている山門と駕籠置台があります。福満寺を経て、山頂の北峰には金比羅神社と展望台である十一州一覧台、そして平成11年に登頂した皇太子ご夫妻の記念碑が建っています。富山の玄関口である山門をくぐると伏姫籠穴があり、物語の一部を垣間見ることができます。
岩井駅→福満寺→富山(約85分)
【登山口】
岩井駅
【アクセス】
車の場合:館山道 鋸南富山IC-国道127号-岩井
南房総市 無料駐車場
約35台駐車可能・無料
電車・バスの場合:JR内房線 岩井駅にて下車
南房総 岩井 ハイキングマップ
⑤【約120分】伊予ヶ岳(いよがだけ)

伊予ヶ岳は、伊予の国(愛媛県)の石鎚山に似た山容から伊予ヶ岳と名付けられた由来があります。安房の槍ケ岳別名を持つ房総唯一の岩峰は、「天狗が会合を行った場所」天狗の伝説のある山。ロープや鎖で登るポイントもある標高336.6mの登りごたえのある山です。
おすすめ登山コース

市指定天然記念物の夫婦クスの木がある平群天神社。伊予ヶ岳の山頂を臨みながら樹林帯の中を歩くと、展望台があり南側の山々が一望できます。展望台からロープや鎖を伝い、伊予ヶ岳南峰へ。南峰からは高宕山や愛宕山、東京湾などが見渡せる眺望です。北峰からは際立つ南峰が見られます!壮大な眺望と達成感が楽しめる山です。
岩井駅→平群天神社→伊予ヶ岳(約60分)
【登山口】
岩井駅
【アクセス】
車の場合:館山道 鋸南IC-国道127号-岩井
南房総市 無料駐車場
約35台駐車可能・無料
電車・バスの場合:JR内房線 岩井駅にて下車
南房総 岩井 ハイキングマップはこちら
⑥【約150分】元清澄山(もときよすみやま)

日蓮と関係のあった清澄寺があったことから、元清澄山と名付けられました。現在清澄寺は、元清澄山の東方5km先にある清澄山に移されています。標高は344mながらもアップダウンのある険しい道のりですが、関東ふれあいの道の標識が整備されているので安心です。
おすすめ登山コース

吊り橋を渡りダム沿いを歩きます。ダムの横には金山城跡があり、その先の橋を2つ渡ると長い木段が続きます。モミ木や幹にコブのあるツガの木、また根っこ道など、目に留まる道中で楽しめます!山頂はモミやツガの木に覆われて眺望はありませんが、付近には鹿の足跡や鹿道などが見られます。自然に生きる動物と森林の力強さを感じる山です。
安房鴨川駅→金山ダムバス停→元清澄山
【登山口】
金山ダム
【アクセス】
車の場合:アクアライン君津IC-鴨川有料道路ー金山ダム
金山ダム駐車場
約3台駐車可能(路肩)・無料
電車・バスの場合:JR外房線・安房鴨川駅にて下車
鴨川市|公共交通の時刻表
⑦【約180分】御殿山・大日山(ごてんやま・だいにちやま)

標高363.7mの御殿山は、安房国(南房総)を穏便な地にまとめた日本武尊が、安房国をひと眺めできるよう山頂に屋敷を建てたと言う伝承が山名の由来。標高333.3mの大日山は、1777年(江戸時代)に大日山の中腹にある増間寺に大日如来像を祭ったことから、その名がついたと言われています。
おすすめ登山コース

このルートは、バス停から御殿山までの1本道で行ける山田ルートと、その先にある鷹取山(標高364.5)と宝篋塔山(標高341.5m)を経由して大日山へ登ります。御殿山の山頂は1年中緑の葉をつけるドングリの大木が目印。御殿山も大日山も、山頂からの眺望は素晴らしく、また梅や桜、椿や水仙など山の四季折々が楽しめる山です!
山田中バス停→御殿山→鷹取山→宝篋印塔山→大日山(約130分)
【登山口】
山田中バス停
【アクセス】
車の場合:館山道 鋸南富山IC-県道184号-県道89号-高照寺-御殿山駐車場
御殿山駐車場
約20台駐車可能・無料
電車・バスの場合:JR内房線 岩井駅-市営路線バストミー乗車-山田中バス停にて下車
⑧【約180分】烏場山(からすばやま)

烏場山は標高266.6m、新日本百名山の一つで勾配がゆるく安定して歩けます山です。このコースはかつて花嫁行列が通ったことから花嫁街道と名付けられた由来があり、房総では人気の山で多くの登山客が訪れます。また「黒滝・花婿コース」もある縁結びの山です。
おすすめ登山コース

花嫁街道から烏場山を終点とし、下山は花婿コースを周回します。花嫁街道にはシイの木の根が岩を抱える経文石、花婿コースには落差15mの黒滝のほか、縁結びのおふくさんの石像など名所がたくさん!4つの展望台と2つの見晴台があり、山頂は南房総の山や伊豆方面の景色を堪能できます。
和田浦駅→花嫁街道入口→烏場山(約150分)
【登山口】
和田浦駅
【アクセス】
車の場合:館山道 君津IC-鴨川有料道路-国道128号-花嫁街道入口(国道沿いに花嫁街道の案内板があります)
花嫁街道入口駐車場(路肩)
約5台駐車可能・無料
電車・バスの場合:JR内房線 和田浦駅にて下車
千葉県には登山初心者が楽しめる山がたくさん!

ツバキや梅などのきれいな花、そして樹木のモミやツガで季節を感じ、低い山でも太平洋や房総の山々、また富士山が見える絶景ポイントもあります。日帰りで楽しめる個性的な千葉の山を、気軽に探索してみませんか?
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。