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横岳と高山植物

横岳|眺めの良い稜線歩きとお花畑を満喫!南八ヶ岳の人気縦走コース

横岳は赤岳から硫黄岳の稜線上に位置する山で、八ヶ岳では2番目に高い山です。山頂周辺の岩稜帯には、夏の間高山植物が美しく咲きます。一般的には赤岳・硫黄岳と共に縦走で訪れる人が多く、富士山や雲海を眺めながらの気持ち良い稜線歩きが人気です。定番コースの赤岳・横岳・硫黄岳の縦走コースと、最短距離で横岳まで登れる杣添尾根コースをまとめました。横岳周辺には魅力的な山小屋も多数あるので、どこに泊まるか迷ってしまうかも!?

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目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

八ヶ岳で2番目に高い山!横岳

春の八ヶ岳登山 (赤岳から北八ヶ岳方面を望む)
出典:PIXTA(赤岳から望む北八ヶ岳方面)
標高山頂所在地山系最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2,830m長野県南佐久郡南牧村・茅野市八ヶ岳12.9℃5.3℃
参考:ヤマレコ

標高2,000m以上の山々が約30㎞にわたって連なる八ヶ岳。一年を通して、たくさんの登山者が訪れる山域です。そんな八ヶ岳の中でも、二番目の高さを誇る山、横岳。八ヶ岳の中でも有数の険しい岩稜帯の山ですが、そこから望む素晴らしい景色は多くの人々を魅了します。

八ヶ岳には横岳が2つ?

北横岳の坪庭
出典:PIXTA(北横岳の坪庭)

八ヶ岳の山々の中には、今回ご紹介する横岳とは異なる「もう一つの横岳」があります。八ヶ岳の中でも北寄りにあることから「北横岳」と呼ばれ、南の「横岳」とは対照的な樹林帯に覆われた比較的歩きやすい山です。ロープウェイで中腹まで上がることができ、山頂駅の周りには坪庭自然園が広がっています。
北横岳についてはこちらの記事を参照ください。

稜線歩きを堪能できる山!

横岳稜線からの眺め
出典:PIXTA(横岳稜線から見た富士山)

横岳は八ヶ岳最高峰赤岳に隣接しています。更にその隣の硫黄岳まで足をのばすと、標高2,500m以上の稜線歩き楽しむことが出来ます。天候などの条件が合えば、眼下には雲海が広がり遠くには富士山の姿が見え、まさに空中散歩さながらの稜線歩きを楽しめる人気のルートです。

高山植物の宝庫!

横岳のキバナシャクバゲ
出典:PIXTA(キバナシャクバゲと硫黄岳)

荒々しい岩稜帯の横岳も、夏山シーズンを迎えると可愛らしい高山植物が咲き始めます。群生するキバナシャクバゲや、日本では横岳を含める数ヵ所でしか見ることのできないツクモグサまで。ぜひ足元の花畑にも目を向けてみてください。

横岳の難易度は?

横岳稜線の鎖場
出典:PIXTA(横岳稜線の鎖場)

一番メジャーな縦走ルートである赤岳~横岳~硫黄岳ルートは信州 山のグレーディングで「難易度C(地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要)」に設定されています。特に横岳の周辺は岩場をトラバースする箇所が多くあります。自分の登山レベルに合っているか今一度確認してください。鎖やハシゴで整備されていますが、通過するときは注意して通りましょう。
信州 山のグレーディングを見る

横岳の天気

横岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!

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定番コース!赤岳~横岳~硫黄岳縦走コース

八ヶ岳の中でも標高の高い3つのピークを通過する贅沢な縦走コースです。1日目の登りを頑張れば、2日目は最高の景色の中、稜線歩きを楽しむことが出来る大人気のコースです。

①赤岳~横岳~硫黄岳縦走コース(美濃戸口より周回)

合計距離: 21.78 km
最高点の標高: 2856 m
最低点の標高: 1495 m
累積標高(上り): 2774 m
累積標高(下り): -2774 m
【体力レベル】★★★★☆
1泊2日
コースタイム:11時間23分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

【1日目】
美濃戸口(60分)→美濃戸山荘(150分)→行者小屋(110分)→赤岳山頂(20分)→赤岳展望荘

美濃戸口からしばらくは林道です。本格的な登山道は美濃戸山荘を過ぎたところから始まります。今回は行者小屋へ向かう南沢ルートを選びます。針葉樹林帯の中を進む南沢コースは緩やかな登りです。足元も苔に覆われた清々しい緑の世界を楽しみましょう。

南沢ルート
出典:PIXTA(南沢ルート)

行者小屋からは文三郎尾根を経て山頂へ向かいます。ここから急な登りになりますが、危険なところは木や鉄の階段・柵が整備されています。

文三郎尾根
出典:Facebook/赤岳鉱泉・行者小屋

振り返ると先ほどまでいた行者小屋が小さく見えるはずです。急な上り坂ですので、時々景色を眺めつつも、足元に気を付けながら進みましょう。

赤岳山頂
出典:PIXTA

八ヶ岳最高峰赤岳山頂では、隣接する八ヶ岳の山々はもちろん、富士山や北アルプスまで見渡せる大パノラマが広がります!雄大な景色を眺めて、さきほどまでの疲れを吹き飛ばしましょう!

赤岳山頂
出典:PIXTA

山頂での景色を存分に堪能したら、横岳と硫黄岳を眺めながら1日目に宿泊する赤岳天望荘に向かって下ります。ガレた岩場の急登ですが、鎖も整備されていますので慌てずにゆっくりと安全に進みましょう。
【2日目】
赤岳展望荘(50分)→奥ノ院(横岳最高地点)(60分)→硫黄岳山頂(95分)→赤岳鉱泉(240分)美濃戸口

2日目は、待ちに待った稜線歩きからスタートです!目の前には横岳、硫黄岳へと続く稜線が、眼下には雲海が広がる最高の景色の中を歩きます。大きな高低差はありませんが、ガレた岩場の道です。ハシゴや鎖場が整備されているので、足下もしっかり見て安全に進みましょう。

硫黄岳側からの稜線から見た三叉峰と富士山
出典:PIXTA(硫黄岳側からの稜線から見た三叉峰と富士山)

横岳の山頂付近は小さなピークが連続しています。赤岳から進むと、順に二十三夜峰、日ノ岳、鉾岳、石尊峰、三叉峰、無名峰、奥ノ院と通過。最後の奥ノ院が横岳の最高地点です。

横岳山頂
撮影:YAMA HACK編集部

横岳最高地点奥ノ院の次は、硫黄岳山頂を目指します。夏の間は、岩の間に可愛い高山植物が咲いているのを見つけることが出来ますよ。引き続きハシゴや鎖場もありますので、足元に気を付けつつ可憐な高山植物や稜線歩きを楽しみましょう。

横岳稜線から見る硫黄岳山荘と硫黄岳
出典:PIXTA(横岳稜線から見る硫黄岳山荘と硫黄岳)

引き続き岩稜帯が続きますが、硫黄岳山荘に近づくにつれて、なだらかで幅の広い比較的歩きやすい道になっていきます。山荘を過ぎたら、今回の縦走コース最後の登りです。もうひと踏ん張り!気を付けて進みましょう。

硫黄岳山頂
出典:PIXTA(硫黄岳山頂)

硫黄岳の山頂では、間近にその最大の特徴である炸裂火口を見ることができます。また、振り返ると歩いてきた赤岳からの稜線も一望でき、ここまで歩いてきた感慨もひとしおかも。とても広い山頂ですので、休憩やお昼にも最適。普段は見ることのできない雄大な景色を眺めてゆっくり休憩しましょう。

硫黄岳炸裂火口
出典:PIXTA(硫黄岳の爆裂火口)

硫黄岳での景色を楽しんだら、下山開始です。途中通過する赤岩の頭までは、赤岳から横岳へ続く稜線など、引き続き高度感を感じる風景を見ることが出来ます。徐々に樹林帯の景色に戻りますので、しっかりと目に焼き付けながら進みましょう。

赤岩の頭から見た赤岳方面の景色
出典:PIXTA(赤岩の頭から見た赤岳方面の景色)

赤岳鉱泉からは北沢ルートを通って美濃戸山荘に向かいます。沢に沿った比較的整備された林道メインのルートですが、滑りやすいところもありますので、最後まで気を抜かずに進みましょう。美濃戸山荘からは、一日目に来た道を戻ります。

今回は、赤岳展望荘に宿泊するコースをご紹介しましたが、その他にも宿泊可能な小屋がいくつもあります。後半で山小屋について紹介している項がありますので参考にしてください。

日帰りでも横岳登頂可能!杣添尾根コース

横岳山頂だけであれば、日帰りで登ることも可能です。日帰りでも、十分に大パノラマの稜線歩きを楽しめます。6月ごろまでは雪が残る年もあるので、現地情報を十分に調べてから登りましょう。

②海ノ口自然郷~杣添尾根~横岳登山コース

合計距離: 8.83 km
最高点の標高: 2782 m
最低点の標高: 1767 m
累積標高(上り): 1062 m
累積標高(下り): -1062 m
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム:6時間
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

横岳登山口(195分)→三叉峰(10分)→奥ノ院(10分)→三叉峰(145分)→横岳登山口

登山口を出発してしばらくは林道を進み、その後、徐々に石の多い本格的な登山道へと変わっていきます。樹林帯を抜けた標高2,500mを超えたあたりから、横岳と隣接する赤岳などを間近に見ることができるようになってきます。

杣添尾根を登る登山者と野辺山原の眺め
出典:PIXTA(杣添尾根を登る登山者と野辺山原の眺め)

三叉峰からは先に紹介している①の縦走コースと同じ道をたどって横岳山頂(奥ノ院)に向かいます。三叉峰の標高は2,825m、八ヶ岳の山々はもちろん富士山も眺めながらの稜線歩きです。横岳での稜線歩きを存分に楽しんだら、元来た道を通って登山口へと戻ります。

横岳と高山植物
出典:PIXTA(横岳と高山植物)

横岳周辺には魅力的な山小屋がいっぱい!

南八ヶ岳エリアには魅力的な山荘が沢山あります。今回は赤岳展望荘に宿泊するコースをご紹介しましたが、ご自身の体力・スケジュールに合わせてお好みの山小屋を選ぶことができます。

行者小屋

行者小屋
出典:PIXTA

①の縦走コースにて紹介した、美濃戸山荘から南沢ルートを150分ほど進んだところにある山小屋です。赤岳から横岳への稜線を真下、阿弥陀岳も見上げることの出来るところに位置する人気の小屋です。

所在地:長野県茅野市豊平
電話番号:090-4740-3808
営業期間:4月~10月(不定期で冬期営業あり)
収容人数:150人
テント場:50張

 料金
1泊2食9,000円
1泊夕食8,500円
1泊朝食8,000円
素泊まり6,000円
テント1,000円/人

行者小屋のHPを見る

赤岳頂上山荘

赤岳頂上山荘
出典:PIXTA

①の縦走コースにて通る山荘です。赤岳山頂のすぐ脇にあるので、時間を忘れて山頂からの景色を眺めることが出来ます。御来光や、真っ赤にそまる夕焼けの稜線は、ここに泊まった人だけが見ることの出来る景色です。

所在地:山梨県北杜市 赤岳山頂
電話番号:090-2214-7255
営業期間:4月下旬~11月上旬
収容人数:200人
テント場:なし

 料金
1泊2食8,800円
素泊まり5,300円

赤岳頂上山荘のHPを見る

赤岳天望荘

赤岳天望荘と赤岳
出典:PIXTA

①の縦走コースにて宿泊した山荘です。赤岳山頂まで40分ほどで登れるところに位置します。稜線上にあるので眺めもとても良く、食事はバイキング形式で、男女入替え制で五右衛門風呂にも入れます。

所在地:長野県茅野市 赤岳山頂手前
電話番号:0266-74-2728
営業期間:4月~11月上旬(年末年始、冬期営業あり)
収容人数:200名
テント場:なし

 料金
1泊2食9,000円
1泊夕食8,000円
1泊朝食7,500円
素泊まり6,500円

赤岳天望荘のHPを見る

硫黄岳山荘

撮影:YAMA HACK編集部

①の縦走コースにて通る山荘です。硫黄岳山頂まで20分ほどで登れるところに位置します。稜線上に位置するので雄大な景色はもちろん、夏は周囲に多くの高山植物が咲きます。自家製野菜を使った素材にもこだわった食事や、シャワーも使える山荘です。

所在地:長野県南佐久郡南牧村海尻
電話番号:0266-73-6673
営業期間:4月下旬~11月中旬
収容人数:200名
テント場:なし

 料金
1泊2食9,500円
1泊夕食8,500円
1泊朝食7,500円
素泊まり6,500円

硫黄岳山荘のHPを見る

赤岳鉱泉

赤岳鉱泉
出典:Facebook/赤岳鉱泉・行者小屋

①の縦走コースにて通る山荘です。美濃戸山荘より、北沢ルートを経て2時間ほどの場所に位置します。ステーキや魚料理など山小屋とは思えない食事や、南八ヶ岳の様々な山へアクセスする中継地点としても人気の山荘。

所在地:長野県茅野市 赤岳鉱泉
電話番号:090-4824-9986
営業期間:通年
収容人数:300人
テント場:あり

 料金
1泊2食9,000円
1泊夕食8,500円
1泊朝食8,000円
素泊まり6,000円
テント1,000円/人

赤岳鉱泉のHPを見る

横岳登山口へのアクセス・駐車場情報

横岳に向かうための登山口は主に二つ。それぞれの登山口までのアクセスをまとめました。特に美濃戸登山口まではバスでもアクセスできるので車のない方でも安心です。

美濃戸口へのアクセス

【車の場合】
中央自動車道 諏訪南IC-県道425号-県道484号-美濃戸口

<駐車場>
駐車可能台数:約120台
料金:500円/日
トイレ:あり

【電車・バスの場合】
JR 茅野駅-アルピコバス「美濃戸口線」乗車-美濃戸口バス停にて下車

美濃戸口線 バス時刻表を見る

海ノ口自然郷横岳登山口へのアクセス

【車の場合】
中央道 長坂IC-県道28号-国道141号-八ヶ岳ロッジ方面-海ノ口自然郷横岳登山口

<駐車場>
駐車可能台数:12台(路肩)
料金:無料
トイレ:なし

【電車・バスの場合】
JR小海線 野辺山駅からタクシーに乗車

今年の夏は八ヶ岳で稜線歩きデビュー!

横岳
出典:PIXTA

日常生活では決して見ることのできない風景の広がる標高2000メートル以上の世界。まだ見たことがないなんてもったいない!ご自身の体力・スキルに合せて様々なルートが選べる八ヶ岳の中でも人気の横岳。無理のない安全な登山計画を立てて、雲海とお花畑の両方が楽しめる贅沢な稜線歩きをしに出かけてみませんか?

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

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