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阿弥陀岳

阿弥陀岳|眼前に迫る八ヶ岳最高峰!日帰りで行ける登山コース

阿弥陀岳は八ヶ岳最高峰の赤岳のすぐそばにある山です。名前の通り山岳信仰の山で、山頂には阿弥陀如来が祀られています。日帰りで登ることもでき、山頂からは360℃の展望が楽しめます。美しい富士山が眺められるのも人気の理由の一つ。途中岩場や鎖場はありますが、難易度もそれほど高くなく、初級者のステップアップとしてもおすすめ。日帰り登山コースと、人気の赤岳との縦走コースをまとめました。

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目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

阿弥陀岳(あみだだけ)ってどんな山?

阿弥陀岳
出典:PIXTA
標高山頂所在地山系最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2805m長野県茅野市八ヶ岳13.1℃5.4℃
参考:ヤマレコ

阿弥陀岳は、八ヶ岳にある標高2,805mの山です。主稜線からは外れているため目立ちませんが、八ヶ岳では赤岳・横岳に次いで3番目に高く、一般道の他にバリエーションルートもあるため初心者から上級者まで幅広く楽しめる山として人気があります。

山岳信仰の山

阿弥陀岳山頂
出典:PIXTA

阿弥陀岳は仏の名のつく通り、山岳信仰の山です。山頂には阿弥陀如来が祀られ、いくつもの石碑が建てられています。また、阿弥陀岳の西に位置する御小屋山(おこやさん)は御柱山(おんばしらやま)とも呼ばれ、諏訪大社の御柱を切り出す御料林があります。

阿弥陀岳の難易度は?

阿弥陀岳
出典:PIXTA

信州山のグレーディングによると、阿弥陀岳は技術度C(地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要)となっています。ただし美濃戸口から登る場合は日帰り可能舟山十字路から登る場合は1泊以上が適当、となっているので、自分の体力・レベルに合わせた山行計画を立てましょう。

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阿弥陀岳日帰り登山コース

レベルに応じた楽しみ方ができる阿弥陀岳。まずは、初級者にもおすすめの日帰り登山コースを紹介します。

①美濃戸山荘~阿弥陀岳 登山コース(ピストン)

合計距離: 10.96 km
最高点の標高: 2741 m
最低点の標高: 1735 m
累積標高(上り): 1512 m
累積標高(下り): -1512 m
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム:6時間45分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

美濃戸山荘(150分)→行者小屋(60分)→中岳のコル(25分)→阿弥陀岳(20分)→中岳のコル(50分)→行者小屋(100分)→美濃戸山荘

登山口となる美濃戸山荘から南沢ルートで阿弥陀岳を目指します。行者小屋までは緩やかな樹林帯を沢沿いに進みますが、大きな岩が多い道なので足元に気を付けましょう。樹林帯を抜けると間もなく行者小屋が見えてきます。

行者小屋
出典:PIXTA

行者小屋にあるテント場の横を抜けて、中岳のコル方面へ。それなりに傾斜はありますが、ジグザグになっていて登りやすい道が続きます。直前に少しだけ急登のロープ場がありますので、慎重に登りましょう。中岳のコルは眺望が良く、天気のいい日には大迫力の富士山を望む絶景を見ることができます。

中岳のコルから見た富士山
出典:PIXTA

ここからいよいよ阿弥陀岳山頂を目指します。傾斜がきつくなり、鎖場や梯子がありますが、それほど高さを感じないので、初心者でも問題なく進めるレベルです。ただし、ガレ場なので落石には十分注意しましょう。苦労して登った先にある山頂からの眺めは素晴らしく、晴れた日は北アルプスの山々まで望めます。

阿弥陀岳山頂
出典:PIXTA

帰りは、阿弥陀岳山頂から来た道を戻ります。全体的に下りになるので楽ですが、上りよりも事故が起きやすいので気を緩めずに進んでください。特に、山頂から中岳のコルまでのガレ場では落石にくれぐれも注意しましょう。行者小屋を通って美濃戸口まで戻ればゴールです。

②御小屋尾根ルート(ピストン)

合計距離: 11.28 km
最高点の標高: 2747 m
最低点の標高: 1621 m
累積標高(上り): 1439 m
累積標高(下り): -1439 m
【体力レベル】★★★★☆
日帰り※
コースタイム:9時間10分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

舟山十字路(110分)→御小屋山(御柱山)(100分)→不動清水(110分)→阿弥陀岳(80分)→不動清水(70分)→御小屋山(御柱山)(80分)→舟山十字路
※日帰りでの計画は、早朝からアタック開始できる、またはコースタイムが標準より早い方にのみ推奨します。

御小屋尾根を通って阿弥陀岳に向かうルートです。南沢ルートに比べて登山者が少なく、静かな登山を楽しむことができます。登山口となる舟山十字路から御小屋山(おこやさん)までは、樹林帯で整備された緩やかなコースを進みましょう。

御小屋山周辺の登山道
出典:ヤマレコ/mt-chica(御小屋山周辺の登山道)

御小屋山は御柱山とも呼ばれ、ここから諏訪大社の御柱祭に使う御柱を切り出します。御柱祭とは、長野県の諏訪大社で7年に一度行われる伝統行事で、山中から16本のモミの大木を選び、4つある境内の四隅にそれぞれ建てるお祭りです。

御小屋山で伐採された御柱
出典:PIXTA(御柱)

御小屋山から御小屋尾根を通って進み、不動清水との分岐を越えて稜線に上がると傾斜が急になってきます。足元は岩場になっており、浮石が多いので慎重に進みましょう。

西の肩
出典:ヤマレコ/mt-chica(鎖場)
鎖場やロープ、梯子が架かっている摩利支天(西の肩)を越えれば阿弥陀岳山頂です。
阿弥陀岳からの景色
出典:PIXTA(阿弥陀岳山頂から見る赤岳・横岳)

山頂からの眺望を堪能したら、登って来た道を戻ります。山頂付近は浮石が多いので、落石に注意しながら慎重に下りましょう。稜線からは、富士山や北アルプス、御嶽山などの山々を見ることができます。景色を楽しみつつ、御小屋尾根を通って舟山十字路でゴールです。

赤岳・阿弥陀岳縦走コース

八ヶ岳最高峰の赤岳から中岳を経て阿弥陀岳に上り、中岳のコルから行者小屋の方に下山する縦走コースを紹介します。逆回りで阿弥陀岳から赤岳へと登ってもいいでしょう。

③赤岳~阿弥陀岳 縦走コース

合計距離: 18.59 km
最高点の標高: 2856 m
最低点の標高: 1495 m
累積標高(上り): 2253 m
累積標高(下り): -2253 m
【体力レベル】★★★★☆
1泊2日
コースタイム:10時間50分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

美濃戸口(60分)→美濃戸山荘(150分)→行者小屋(85分)→地蔵の頭(5分)→赤岳展望荘(40分)→赤岳(1泊)

美濃戸口から美濃戸山荘までは緩やかな林道を進みます。行者小屋までは、①の日帰りピストンコースと同様ですので、そちらをご覧ください。

行者小屋のテント場と赤岳
出典:PIXTA(行者小屋のテント場と赤岳)

行者小屋から地蔵尾根に出ると、傾斜がきつくなり足元は岩場になります。後半は鎖場や梯子もあるので慎重に進んでください。尾根を抜けて地蔵の頭に出れば展望が開けて360°の大パノラマ。目指す赤岳や阿弥陀岳も見えてきます。

地蔵の頭
出典:PIXTA(地蔵の頭)

地蔵の頭からすぐにある赤岳天望荘を通り過ぎ、いよいよ赤岳山頂を目指します。最後の登りは急斜面の岩場なので、グローブをして登るのがおすすめ。雄大な景色に見とれて足元がおろそかにならないように注意です。

赤岳天望荘と赤岳
出典:PIXTA(赤岳天望荘と赤岳)

赤岳山頂から広がる景色は、疲れも吹き飛ぶ美しさです。果てしなく続く雲海に浮かぶ富士山や日本アルプスは神々しく、早めに着けば夕焼けに映える姿を見ることもできます。1日目はこちらの山頂に立つ赤岳頂上荘で1泊します。

赤岳
出典:PIXTA(赤岳山頂)

【2日目】
赤岳(60分)→中岳のコル(25分)→阿弥陀岳(20分)→中岳のコル(50分)→行者小屋(100分)→美濃戸山荘(50分)→美濃戸口

天気がよければ、出発前にご来光を楽しみましょう。大眺望から見る日の出と、朝焼けに照らされる山々は絶景です。ここからは中岳の方に下っていきますが、岩場の急斜面ですので足元に十分注意しましょう。また、権現岳に向かう道など分岐が多いので、道標や地図をよく確認しながら進んでください。

赤岳から見る阿弥陀岳
出典:PIXTA(赤岳から見る阿弥陀岳)

中岳のコルからは、①の日帰りピストンルートと同様に阿弥陀岳に登頂した後、落石に注意しつつ行者小屋まで下ります。ここからは、1日目のコースを戻るかたちで美濃戸山荘を経て美濃戸口まで戻りましょう。

バリエーションルートとして人気の高い南稜ルート

阿弥陀岳南稜ルート
出典:PIXTA(南稜ルートの青ナギ)

舟山十字路から立場岳を経て阿弥陀岳を目指す南稜ルートは、手頃な難易度で眺望もよく、バリエーションルート入門として人気があります。冬期も含め1年を通して登られているルートですが、2018年3月には滑落事故も起こりました。初めて登る場合は経験者と行くことをおすすめします。

コースの詳細はヤマレコのルート紹介をご覧ください。

ヤマレコ 阿弥陀岳南稜ルート

阿弥陀岳登山で利用できる山小屋・テント場

阿弥陀岳登山で利用できる山小屋とテント場をご紹介します。八ヶ岳には、山小屋は多くありますがテント場は少ないので注意しましょう。

行者小屋

行者小屋
出典:PIXTA

行者小屋は阿弥陀岳、赤岳、横岳などの八ヶ岳登山のベース基地として利用される山小屋です。周辺では、テント場はここにしかありません。谷の中にありますが、景色は抜群で、八ヶ岳の雄大な山々を見上げることができます。

所在地:長野県茅野市豊平
電話番号:090-4740-3808
営業期間:4月~10月
※年末年始は12/29(金)~1/7(日)泊営業、1月~3月は、週末のみ泊営業
収容人数:150名
テント設営数:50張

 料金
1泊2食9,000円
1泊夕食8,500円
1泊朝食8,000円
素泊まり6,000円
テント1,000円/人

行者小屋のHPを見る

赤岳天望荘

赤岳天望荘と赤岳
出典:PIXTA

③の縦走ルートでは利用せずに通りすぎましたが、こちらにも宿泊できます。食事はバイキングで、トイレットペーパー付の水洗トイレを完備しているなど、山小屋とは思えない快適さです。

所在地:長野県茅野市豊平玉川11400
電話番号:0266-74-2728
営業期間:4月~11月 ※年末年始は12/25~1/10 2月~3月まで厳冬期営業あり
収容人数:200名
テント場:なし

 料金
1泊2食9,000円
1泊夕食8,000円
1泊朝食7,500円
素泊まり6,500円

赤岳展望荘のHPを見る

赤岳頂上山荘

赤岳頂上山荘
出典:PIXTA

八ヶ岳の最高峰、標高2899mの赤岳の頂上に立つ山小屋です。眺望が素晴らしく、美しい山々を、朝にはご来光、夕方には美しい夕焼けとともに堪能できます。水場がないので注意してください。

所在地:山梨県南佐久郡北杜市海ノ口 赤岳山頂
電話番号:090-2214-7255
営業期間:4月~11月
収容人数:300名
テント場:なし

 料金
1泊2食8,800円
素泊まり5,300円

赤岳頂上山荘のHPを見る

阿弥陀岳登山口へのアクセス・駐車場情報

登山口までアクセスをご紹介します。登山口付近に大きめの駐車場があるため車でのアクセスが便利ですが、JR茅野駅からバスも出ているので、マイカーがない方も安心です。

美濃戸口・美濃戸山荘へのアクセス(①・③コースの登山口)

【車の場合】
中央自動車道 諏訪南IC-県道425号-県道484号-美濃戸口-美濃戸山荘

<駐車場>
・八ヶ岳山荘駐車場
駐車可能台数:150台
料金:500円/日
トイレ:あり

・赤岳山荘駐車場
駐車可能台数:70台
料金:1000円/日
トイレ:あり

・やまのこ村駐車場
駐車可能台数:70台
料金:1000円/日
トイレ:あり

【電車・バスの場合】
JR 茅野駅-アルピコバス「美濃戸口線」乗車-美濃戸口バス停にて下車

美濃戸口線 バス時刻表を見る

舟山十字路へのアクセス

【車の場合】
中央自動車道 諏訪南IC-県道425号-県道484号-舟山十字路

<駐車場>
駐車可能台数:15台
料金:無料
トイレ:なし

【電車・バスの場合】
JR茅野駅にて下車-タクシーにて舟山十字路へ

八ヶ岳の隠れた名峰、阿弥陀岳に行こう!

阿弥陀岳
出典:PIXTA

赤岳・横岳に比べて知名度の低い阿弥陀岳ですが、初心者から上級者まで幅広く楽しめる名山です。山頂はもちろん、道中の稜線からも眺望がとにかく素晴らしいので、ぜひ天気のいい日を狙って、八ヶ岳の山々や富士山まで見渡せる絶景をその目で確かめてみてください。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。