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稜線

爽快な見晴らしが最高!気持ちいい稜線歩きの山おすすめ20座【全国版】

「稜線歩きが好き!」という登山者は多いと思います。今回は関東周辺~アルプスエリア、西日本エリアの2つにわけて、気持ちの良い稜線歩きができるおすすめの山を20座紹介!夏と冬の様子、あわせて参考にしてみてくださいね。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

見晴の良い稜線歩きは、山の醍醐味!

登山者の背中と稜線

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登山にはさまざまな目的がありますが、やはり視界が開けて見晴らしの良い景色を目にしたときは疲れも吹き飛び、アドレナリンが出ますよね。

360度景色を見渡せるときや、遠くまで見通せる眺望の良さは、なんといっても登山の醍醐味! もっともそれを味わえるのが「稜線歩き」といっても過言ではありません。

稜線って、つまり何?

剣山の稜線

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稜線とは、山と山を繋ぐ道のことで、山の峰と峰を結んで1番高く連なる所のこと。標高が高く森林限界を越えている稜線は木々がなく見晴らしが良いのが特徴で、眺めを堪能しながら歩くことができます。

また、標高が低くても、山の環境によっては低木しか生えていなかったり、平原となっていたりするため視界が開けている山もあり、難易度が低いにもかかわらず素晴らしい眺望が楽しめることもあるんです!

今回は、素晴らしい眺めが楽しめる稜線を持つ山を20座紹介していきます。

気持ちいい稜線歩きを楽しめる山15座【関東~アルプス】

まずはじめに、関東やアルプス地域から15座をピックアップ。夏季と積雪期とで同じ山でも全然違う景色が楽しめますよ!

塔ノ岳(丹沢)

 丹沢・塔ノ岳から富士山と南アルプスの眺め

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塔ノ岳は神奈川県秦野市にある表丹沢の最高峰で、標高は1491m、ヤビツ峠から出発して塔ノ岳へと続く表尾根は絶景が楽しめる稜線歩きのコースです。秦野市街や湘南の海、丹沢の山々の絶景を見渡せ、天候が良ければ富士山までも眺めることができます。

コースは整備されているところも多くありますが、急登や鎖場もあり、歩く距離も10kmを超えるので中級者向けで歩きごたえがばっちり!健脚者なら日帰りで縦走が可能ですが、宿泊施設もコース上に多くあるので、余裕を持たせた日程も組めます。

塔ノ岳に向かう木道

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冬の塔ノ岳は積雪があり、場合によっては20~30cm以上積もることもあります。そのため、軽アイゼンは必須です。ただ、冬の初めや降雪があまり多くないときは、雪を被った程度でアイゼンなしでも登っていけることもあります。

根雪となっていなければ登山靴でもOK。しかしその場合でも、鎖場や下るときにはアイゼンを必要とする可能性もあるため、軽アイゼンの携帯を怠ってはなりません。

那須岳(栃木)

朝日岳と茶臼岳

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栃木県の北部にある日本百名山の一座で、那須岳とは火山群の総称です。最高峰は1,917mの三本槍岳ですが、主峰は1,915mの茶臼岳で、8合目までロープウェイで繋がっているので、体力に自信のない人も安心して登れます。

ロープウェイ山頂駅を降りれば、そこからもう展望の開けた稜線歩きがスタート。関東平野に続く那須野が原の絶景や那須岳の峰の姿を楽しみながら、火山らしいゴツゴツした岩稜地帯を歩きます。

また、登りにロープウェイを使わず、峠の茶屋から茶臼岳へ登り、ロープウェイで下るコースは利用者も多く、稜線を歩きながら噴煙をあげる茶臼岳の景観と迫力を満喫できます。中級者は、朝日岳・三本槍岳へと縦走するのもおすすめ。眺めの良い稜線歩きをたっぷり楽しめます。

さらに北西には、裏那須と呼ばれる三倉山から三本槍岳にかけての稜線を歩くコースもあり、茶臼岳方面とは別世界の絶景を楽しめます。

那須岳12月

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冬季は強風が吹くことで知られ、過去には滑落死亡事故も起きているので注意が必要です。特に峠の茶屋跡避難小屋の稜線に出ると風が一気に強くなります。防風対策もしっかりしておきましょう。また、ロープウェイは営業していないので、峠の茶屋から登って行くコースとなります。

冬の那須岳では積雪があり、およそ30cmほど。麓の方が多く積もっています。標高が上がるにつれ、風で飛ばされるせいか雪が積もっておらず、地面が見えているところも多くあります。路面が凍結している箇所も多いのでアイゼンは必須で、12本歯を持っていくのがおすすめです。

大菩薩嶺(山梨)

紅葉の大菩薩峠稜線から見る富士山

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大菩薩嶺は山梨県にある標高2,057 mの山で、秩父多摩甲斐国立公園に指定されています。

大菩薩峠から頂上手前の雷岩まで約1時間ほど、展望の開けた稜線歩きが楽しめます。登山道も広くゆるやかなアップダウンなので、快適に歩いて景色を楽しめますよ。富士山をはじめ、南アルプス、乗鞍岳、八ヶ岳、奥秩父の山々、そして眼下には上日川ダム(大菩薩湖)が見渡せます。

バスで標高約1,600mまで行るので、登山初心者も楽しめる難易度となっています。日帰りで楽しめますが、宿泊施設も複数あるので1泊挟むのも良いですね。

大菩薩峠山頂(1月)

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冬の稜線上は積雪量が多い箇所と少ない箇所があります。冬季も入山者が多いので、トレースを辿って登ることができ、よく踏まれているので歩きやすくなっています。しかし、アイスバーンになっている箇所も多く見受けられるので、6本歯以上のアイゼンは必須です。

ピッケルの必要な場所はなく、雪山登山初心者でも登ることが可能です。冬型の気圧配置となると、稜線上は強風が吹き荒れるため、防寒・防風対策をしっかりしておきましょう。

金峰山(山梨/長野)

金峰山

撮影:naokohara

山梨県甲府市から長野県にまたがる標高2,599mの山で、奥秩父の主脈に位置しています。瑞牆山荘登山口から登るコースは、砂払いの頭付近から、甲斐駒をはじめ南アルプスの山々、八ヶ岳、富士山などが見える気持ちの良い稜線歩きが楽しめます。

山頂からは360度の展望が楽しめ、周囲にそびえる日本百名山の瑞牆山も合わせて登ったり、金峰山の東、国師ヶ岳まで足を伸ばして稜線歩きをもっと楽しむプランもおすすめです。

金峰山頂へ向かう稜線

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冬は積雪があります。冬でも人気のある山なのでトレースを辿れることもありますが、天候や降雪直後などタイミングによっては自分で股下ラッセルを強いられる場合もあります。

稜線は風がきついので、バラクラバ等で首・顔面の防寒対策も必要です。晴天時は空の青と稜線に積もった雪のコントラストが美しいですよ!

二子山(秩父)

二子山

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秩父に位置する標高1,165mの西岳と1,122mの東岳から成る双耳峰で、ロッククライミングで人気のある山です。標高976mの股峠から左右に西岳と東岳がそびえており、この頂上へ続く道が稜線コースとなります。

岩場が続くので、稜線を歩くというより稜線をよじ登っていく感じです。標高は1,000m台前半の二子山ですが、秩父の山々のダイナミックな景色を眺めることができ、低山とは思えない眺望の良さを満喫できます。

二子山の稜線

基本積雪がなく、冬でも登ることができます。しかし、稜線は切れ落ち、滑落事故も多発しているので、夏季同様用心してかからなければなりません。

金時山(箱根)

金時山

出典:PIXTA

箱根外輪山の北側に位置し、金太郎伝説で有名な標高1,212mの金時山。初心者でも手軽に登れる難易度にもかかわらず、山頂からは富士山の素晴らしい眺望を満喫できることで人気の高い山です。

初心者向けの、仙石から矢倉沢峠を経て金時山へ登るコースでは、矢倉沢峠から展望の良い稜線歩きが楽しめます。眼前に広がる富士山の姿は見ごたえがありますよ!また、中級者以上の人は、金時山から矢倉沢峠を経て明神ヶ岳へと向かう縦走コースもおすすめで、富士山をはじめ箱根の山々を見渡せ、眺めの良い稜線歩きを満喫できますよ!

冬の金時山

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冬の金時山は降雪があり、軽アイゼンが必要になる程度には積もります。特に日陰はアイスバーンになることもあり、階段や急斜面は注意が必要です。

冬でもたくさんの人が金時山に登っており、樹氷が見られる樹林帯など、夏とは違う金時山の姿に心が奪われます。また、富士山も5合目辺りまで冠雪し白く彩られ、秀麗な姿を目にすることができます。

権現岳(八ヶ岳)①

八ヶ岳・権現岳から赤岳へ向かう稜線

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権現岳は八ヶ岳南部にある標高2,715mの山で、八ヶ岳最高峰の赤岳へと続く稜線はキレットとなっています。途中で休憩を挟む必要があるほど長い梯子を下ったり、足場の狭い岩壁をトラバースし、急激に切れ落ちた岩稜帯を登り返したりと、上級者向けのハードな稜線コースとなっています。

しかしその分眺めは最高で、赤岳へと続く天狗尾根から突き出た奇峰の大天狗や、阿弥陀岳、中岳、赤岳といった八ヶ岳の秀峰がそびえる迫力ある景色が楽しめます。遠くに目を向ければ、南アルプスの山々や富士山も見えますよ。コース途中にキレット小屋があるので、宿泊を挟む日程で臨めます。

八ヶ岳・赤岳直下から権現岳と南アルプス北部の山々

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高度感があり、ハードでダイナミックな山行となるキレット越えは、夏場でも慎重さを要するものですが、冬で積雪期となるとさらに大変です。稜線上を長時間かけて進むため、天候の見極めは特に重要で、視界不良でホワイトアウトとなることは避けなければなりません。

また、雪庇が発達しているので、ルートファインディング能力は必須。キレット小屋は冬は営業しておらず、エスケープルートもありません。さらに、長い梯子が特徴でもあるこのコース。足元が滑らないよう気を付ける必要があります。夏とは違う白く美しい八ヶ岳の景色がたっぷり堪能できるのが魅力です。

権現岳(八ヶ岳)②

八ヶ岳連峰・三ツ頭から権現岳・赤岳の眺め

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権現岳から赤岳への稜線は素晴らしいものがありますが、もう少し難易度が低く、日帰りで眺めの良い稜線歩きを楽しみたい場合は、天女山から権現岳山頂を目指して往復するコースがおすすめです。

三ツ頭までは急登が続くハードコースですが、三ツ頭以降は稜線に出て視界が開け、南八ヶ岳の秀峰の数々が横並びに見渡せる大パノラマをはじめ、中央アルプスや御嶽山、遠くは北アルプスも望めます。

雪の八ヶ岳連峰・権現岳稜線を登る登山者

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冬は積雪があり、しっかりとした雪山登山の装備が必要です。稜線には雪庇が発達している箇所もあり、転落しないようルートファインディングの判断力も必要です。雪に覆われた狭いトラバース箇所も慎重さが求められます。

しかしそれを乗り越え、眼前に雪化粧した南八ヶ岳の峰の迫力ある姿を目にしたら、疲れも吹き飛びますよ。積雪による雪の白とむき出しの岩肌の黒がコントラストを生み、シャープで鋭い峻峰を引き立てています。

硫黄岳(八ヶ岳)

硫黄岳赤岳

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硫黄岳は南八ヶ岳の最北端に位置し、最高峰赤岳の北側にあります。火山礫で覆われた広い山頂が特徴的で、中央・北アルプスにはじまり、北八ヶ岳、浅間山、奥秩父の山々、富士山など数多くの名峰を見渡せます。火山の名残である爆裂火口も見ものですよ。

硫黄岳と赤岳を結ぶ縦走コースは、眺め抜群の稜線歩きとなり、八ヶ岳の中でも人気が高いのも頷ける絶景コースとなっています。ゴツゴツした岩場が多く、鎖場や梯子の箇所もあって中上級者向けです。

また、八ヶ岳の稜線はコマクサが数多く咲いていることで知られており、特に硫黄岳から横岳へと繋ぐ稜線上の大ダルミや台座ノ頭付近西斜面に大群落が築かれています。

赤岳天望荘付近から稜線を行く登山者と八ヶ岳連峰・横岳・硫黄岳方面

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硫黄岳から赤岳への稜線は、冬の八ヶ岳の稜線歩きを満喫できるゴールデンルートですが難易度は高めです。もちろん積雪があるためアイゼンは必須で、前爪のある10本爪以上のものがおすすめ。斜面を上り下りすることからピッケル、ストックも必要です。

主要ルートはトレースも付いていることが多いですが、降雪直後で新雪が積もった場合はラッセルすることになるかもしれません。

この稜線は、硫黄岳から横岳・三叉峰までは緩やかな登りや切り立った岩場のトラバース、梯子があり、そこから赤岳天望荘に向けて雪に覆われた急な斜面を下るといったヒヤヒヤする箇所もあり、経験と慎重さが求められます。

平標山~仙ノ倉山(群馬/新潟)

平標山~仙ノ倉山

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谷川連峰西端に位置する高峰・平標山(たいらつぴょうやま)とその東へ続く二百名山の仙ノ倉山との間には、標高2000m前後でアップダウンがなく眺望抜群の稜線コースが続いています。

道はよく整備されており、木道が敷かれている箇所もあります。道自体は狭いものの、やや広めの稜線で難所もなく、片道1時間程度と体力的にも易しいので、初級レベルの人も眺めの良い稜線歩きを楽しめますよ!谷川連峰の山並みを見渡しながらハイキング気分で歩けます。

平標山稜線

群馬と新潟にまたがる地域なので冬は積雪量が多めで、アイゼンやストック、スノーシュー、防寒対策など雪山登山の準備が必要ですが、稜線は山の斜面の登りに比べ風で雪が飛ばされて積雪が少なく比較的歩きやすくなっています。ただそれでも、厳冬期はトレースがないとラッセルが必要になる場合多々あり。反対に初冬で降雪が少ない場合などは、アイゼンがなくても歩くことができ、難易度も低めです。

難所がなくよく整備された稜線なので、天候が良ければ冬の稜線にしては比較的歩きやい稜線です。空気が澄んでいれば、雪化粧で白く染まった稜線や谷川連峰の山々はもちろん、越後三山、平ヶ岳・燧ヶ岳・至仏山など尾瀬の山々も見ることができますよ!

白馬岳(北アルプス)

白馬鑓ヶ岳の登りから見る杓子岳と白馬岳

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大雪渓や北アルプス随一の高山植物の宝庫で知られる白馬岳。白馬岳ピークの北東にある白馬大池から白馬岳に至る小蓮華尾根は眺めの良い稜線歩きができ、雄大な北アルプスの山々の姿を楽しめます。猿倉から大雪渓、白馬岳へと登り、小蓮華尾根を下っていくコース、または、栂池平から小蓮華尾根を登って白馬岳を目指すコースの2パターンあります。

栂池平から登る場合はリフトやロープウェイで栂池平まで上がれるので、大雪渓を登るコースより難易度が低めです。他にも、白馬岳・杓子岳・鑓ヶ岳の3山を縦走する場合も眺めの良い稜線歩きが楽しめます。

残雪期の白馬岳

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冬季の白馬岳へは白馬乗鞍や白馬岳主稜、杓子岳杓子尾根、小蓮華尾根からアプローチするのが一般的。積雪はとても多いので、雪山登山の完全装備で臨まなければなりません。スノーシューやワカンも必要です。

ベースポイントから日帰りで往復できないので、雪山でテント泊する技術が必要です。また、度々雪崩による事故が起きているので、雪崩が起きにくいルートを見つけて進むルートファインディング能力をはじめ、稜線上でホワイトアウトしないように天候の見極めや引き際の判断ができなければなりません。

白馬乗鞍岳方面は、栂池高原スキー場のゴンドラが使え、ゴンドラ終点からスキーを履いてバックカントリーを楽しむ人も。栂池~白馬乗鞍岳はバックカントリーのゴールデンルートともいわれています。大量の雪で一面が雪原となっており、天狗平など湿原地帯も夏場の面影は一切なく、天気が良ければ冬の北アルプスの山並みを満喫できます。

木曽駒ヶ岳(中央アルプス)

木曽駒ヶ岳稜線

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中央アルプスの最高峰で、標高は2,956m、四方八方に尾根が延び、眺めの良い稜線コースが複数あります。紅葉スポットとして名高い千畳敷カールがあることでも有名ですね。

千畳敷まではロープウェイが繋がっており、千畳敷を起点に八丁坂・中岳を経由して木曽駒頂上へ向かうコースは、往復4時間程度で初心者にもおすすめの稜線歩きコースです。ハイマツなど低木が所々に生える岩場や砂利道を歩きながら、遠くまで続く中央アルプスの稜線や北アルプス、御獄山など壮大な景色が望めます。

他にも、木曽駒山頂に登ってから濃ヶ池へ周り、宝剣山荘を経て千畳敷駅まで降りるコースや、宝剣岳から三ノ沢岳へアタックするコース、木曽駒から空木岳へ縦走するコースなど、中級・上級者向けの眺めの良い稜線コースがあります。山上に宿泊施設も多いので、様々な稜線を歩いてみるのも楽しいですよ。

宝剣岳の冬

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冬は、高峰の冬山にもかかわらず登りやすいことで有名。冬でも運行している駒ヶ岳ロープウェイのおかげで、一気に標高2,700mにある銀世界まで駆け上がることができます。さらに駅から出てすぐに展望が開けた千畳敷カールに降り立てるので、比較的お手軽に眺めの良い雪山を体験することが可能です。

しかし、毎年雪崩や滑落事故も起き、雪山の厳しさがそこにはあるため、なめてかかってはなりません。登る人も多いので、トレースがついていることも多いですが、カールを抜けるまで一面が雪の斜面。最難関といわれる八丁坂は雪崩に注意。しっかりした防寒対策とアイゼン、ピッケルはもちろん必要で、積雪量も多いのでスノーシューも必要です。稜線は比較的幅が広いですが、冷たい風が日本海側から強く吹き付けます。

仙丈ケ岳(南アルプス)

仙丈ケ岳

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北岳の北に位置する標高3,033mの山で、日本百名山の一座に数えられています。高山植物の宝庫としてしられ、なだらかで女性的な山容から「南アルプスの女王」とも呼ばれています。

標高2,855mの小仙丈ヶ岳付近から頂上にかけて眺めの良い稜線歩きが楽しめ、北岳をはじめとする南アルプスの山々や富士山の迫力ある姿が望めます。また、北沢峠を挟んで向かいにある甲斐駒や、西に目を向ければ中央アルプスの雄大な姿も見られます。仙丈ヶ岳は難所と呼べるところはなく、登山初心者でも挑戦できる山です。

冬の仙丈ヶ岳稜線を行く登山者

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冬でも登る人が多いため、トレースを辿れることもしばしば。森林限界を越えて稜線に出ると、一面雪で覆われた斜面となります。トレースがついていなければ、広い雪原の斜面をラッセルしながら登っていかなければなりません。

また、強風が吹いており、風を遮るものも何もないため、稜線に出る前に装備を整えておく必要があります。アイゼンやピッケルは必須。天候によってはホワイトアウトする危険性もあるので、見極めも大切です。

仙丈ヶ岳の頂上付近はカールとなっており、馬ノ背ヒュッテを通るコースではヒュッテを越えた辺りから、小仙丈ヶ岳を通るコースは小仙丈ヶ岳辺りから稜線の道が細くなってナイフリッジとなっている箇所があり、通過には慎重を要します。冬の仙丈ヶ岳の核心部です。悪天候や風が強い場合は引き返すことも検討する必要があります。

鳳凰山(南アルプス)

鳳凰山

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鳳凰山は北岳の東にある南アルプスの山で、地蔵岳、観音岳、薬師岳という標高2800m前後の3つの山の総称です。難易度は比較的易しく、南アルプスの縦走入門コースとしても親しまれています。

稜線を歩きながら3山を縦走でき、南アルプスの山々の絶景が楽しめます。条件が整えば、雲海に浮かぶ富士山の姿も眺められますよ!甲府盆地に近いので、アクセスも良好です。日程は、道中の山小屋で宿泊を挟む1泊2日となります。

鳳凰三山・観音岳とシュカブラ

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冬はアイゼン必須です。厳冬期で大量降雪がないかぎり稜線上の積雪はだいたい30cm程度とそれほど多くはなく、ラッセルが必要となる可能性も低いでしょう。

逆に風はとても強く吹き荒れ、地面が露出している箇所も多く見受けられます。小砂利が顔に当たって痛くなることもあるので、バラクラバやゴーグル、サングラスなどが必要です。

会津駒ヶ岳(尾瀬)

会津駒ヶ岳・中門岳付近から燧ケ岳遠望

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尾瀬の北方に位置する日本百名山の一座で、山頂付近一帯に広大な湿原が広がっている山です。駒ヶ岳登山口から山頂を目指し、樹林帯を抜けると湿原が広がるエリアに出ます。見晴らしがよく、燧ヶ岳が望めます。

会津駒ケ岳から中門岳にかけての稜線は山頂とは思えない平坦な尾根で、池塘やお花畑が点在する中、木道をのんびりと歩いて景色を堪能できますよ。至仏山や尾瀬ヶ原、燧ケ岳が一望できるポイントもあり。

また、富士見林道を通って大津岐峠へ向かうコースも見晴らしの良い稜線歩きとなり、南会津の山々を望めます。コース前半に南東側が切り立った険しい尾根道の箇所があるので、注意は必要です。

会津駒ヶ岳の冬の稜線

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他の山に比べ稜線や山頂付近がなだらかで広い会津駒ヶ岳は、冬になると一面雪原となり、トレースが無い場合は自分で道を見つけて登っていかなければならず、ルートファインディング能力が必要です。

標高が上がるにつれ雪の量も増し、山頂付近は積雪が1mを超していることもあるので、スノーシューがあると◎。広い雪原をスキーで滑って降りるバックカントリーを目当てに訪れる人も多い山です。

気持ちいい稜線歩きを楽しめる山5選【西日本】

続いて西日本の気持ちの良い稜線歩きができる山を5座紹介します。日本アルプスや東日本の山と比べると標高は低いですが、眺めの良さはばっちりです!

雨乞岳(滋賀県)

夏の雨乞岳稜線

滋賀県の東に位置する雨乞岳は、標高1,238m、鈴鹿山脈第2の高峰です。各方面から雨乞岳山頂へルートが開設されており、武平峠からのピストンは、東雨乞岳から雨乞岳に至る眺めの良い稜線歩きが楽しめます。

また、綿向山から雨乞岳へ至る稜線は眺めが素晴らしいことで知られています。ただ、この稜線を歩く縦走コースはルートが不明瞭なところもあり、大峠からイハイガ岳にかけては急斜面で、南側が崩落してキレットのように落ちています。コース上には笹漕ぎが必要な箇所もあったりと、難易度はやや高め。しかし、鈴鹿山脈の山並みを見渡せる大展望は素晴らしく、気持ちの良い稜線歩きが楽しめます。

冬の雨乞岳稜線

冬は武平峠のある鈴鹿スカイラインが閉鎖されるため、武平峠を登山口として使うには御在所岳の麓から歩かなければなりません。または、北西の甲津畑からや南西の大河原からルートを見つけて登っていくことになります。

コースタイム的には日帰りで登れますが、登山者が決して多いとは言えないので自分でルートを見つけ、道迷いに気を付けながら登ります。積雪も多いので、アイゼンの他にスノーシューもあると便利。稜線は風が強く、雪は逆に固く締まって樹林帯の登りに比べると楽になります。

霊仙山(滋賀)

霊仙山

出典:PIXTA

琵琶湖の東、鈴鹿山脈の最北端に位置する標高1,094 mの山で、なだらかな山の上部にはドリーネなどのカルスト地形が見られることで知られています。花の百名山としても有名で、多くの種類の花が見られます。

各方面から登山道が山頂へ延びており、北西側の登山口から山頂へアクセスする榑ヶ畑コースが最短コースで景色も良く人気です。それほど高い山ではないものの、6合目辺りから上は高い木が生えておらず、360度の展望が楽しめ、北方に目を向ければ伊吹山を望むことができます。

冬の霊仙山

冬は雪が降らない内は夏と同じく気持ちの良い稜線歩きが楽しめます。雪が降り出し積もってくると、アイゼンやストックが必要になります。

山頂付近はだだっ広い平原が広がる台地で、難所はないものの目印がないため道迷いしやすく、特にホワイトアウトにならないよう天候に注意が必要です。天候さえ良ければ、難易度もそれほど高くなく、気持ちの良い雪山の稜線歩きが楽しめます。

西南尾根側は、下りでコース取りすると急な下りの箇所も歩くことになるので、アイゼンを効かせて降りていきましょう。雪庇を踏み抜かないように気を付ける必要もあります。

高御位山(兵庫)

高御位山

出典:PIXTA

兵庫県加古川市と高砂市の境にある標高304mの山で、播磨富士とも呼ばれています。東京タワーの特別展望台より少し高いくらいの高さしかありませんが、播磨平野の海沿いでは最高峰となり、播磨平野や瀬戸内海を一望できる眺めの良さで人気があります。頂上には高御位神社があります。

稜線は歩いた道がはっきり視認できるほど展望が開け、花崗岩の岩場や低木が生い茂って低山とは思えないほど見事な稜線を見せてくれます。途中急斜面の岩場があるものの、頂上まで1時間半~2時間程度と初心者でも体力的に歩きやすいコースとなっているので、ハイキング気分で歩けます。頂上にある岩場の絶壁となっているところから眺める景色がGOOD!

高御位山稜線

兵庫県南東部や南西部は冬でも積雪が無く、降っても数年に1度、数センチ積もる程度。標高304mの高御位山もそれは同じで、雪山装備は基本必要ありません。冬は木々が枯れて山の色合いが茶色に変化しています。防寒対策は必要ですが、通年を通して気持ちの良い稜線歩きが楽しめますよ。

剣山(徳島)

剣山

出典:PIXTA

四国山地の東部、徳島県三好市や那賀町の辺りにまたがって位置する剣山は、標高1,955m、日本百名山に数えられ、太郎笈(たろうぎゅう)という別名のある山です。西日本で2番目に高い山で、周囲には1,800m級の山々が連なり、剣山登山口から登山道の中央までリフトで上がれ、登りやすいのも特徴です。

剣山の西方に位置する三嶺まで10数kmに渡って続く稜線は、山歩きの醍醐味といえる眺望抜群の稜線歩きが楽しめることで人気の高いコースとなっています。コースのほぼ全域に渡って視界が開けており、1日中眺めの良い稜線を歩けます。四国山地の美しい山並みが360度広がっています。

剣山 積雪期の稜線

冬は一変、雪化粧をした遠くまで続く剣山~三嶺の稜線が美しく、夏とは全く違う表情を楽しめます。冬の剣山は積雪が多く、降雪後すぐの場合はラッセルが必要になるシーンもあります。そのため、アイゼンやストックはもちろん、スノーシューも用意するのがおすすめ。稜線は風で雪が飛ばされ、積雪がやや少なく地面がむき出しになっている場合もあり。

また、目印がないので自分で道を見極め進んでいく必要もあり、ルートファインディングの経験は必要です。10数kmに渡る稜線なので、天候の見極めも重要です。

瓶ヶ森~伊予富士(愛媛)

自念子ノ頭(瓶ヶ森~伊予富士)

出典:PIXTA

日本三百名山で標高1,897m、笹に覆われたなだらかな平原の山頂が特徴的な「瓶ヶ森」と、同じく三百名山で標高1,756m、富士の名を冠する雄大な「伊予富士」とを結ぶ縦走路です。百名山の石鎚山の東に位置しています。

全長約7km、コース全体が標高1,700m前後でアップダウンが少なく見晴らしの良い稜線として知られ、気持ち良い山行が楽しめます。コースはよく整備されて難所はなく、脇には笹が生い茂っている斜面や平原が広がっています。遠くまで連なる四国山地の山並みが見渡せて壮観ですよ。

伊予富士稜線

冬でも12月頃はまだ積雪はなく、穏やかな稜線歩きが楽しめます。降雪があると場合によっては数十cm~1m近く積もることもありますが、稜線の風が強く当たる部分は積もりが浅かったりとムラがあります。積雪がある場合はアイゼンとストックは必須で、長く続く稜線上でホワイトアウトしないよう天候の見極めも重要です。夏季では難所がなく歩きやすい稜線ですが、積雪期は尾根が細い箇所などで滑落しないよう注意してください。

気持ちの良い稜線を歩いて山登りの楽しさを満喫しよう!

稜線を歩く人

出典:PIXTA

眺めの良い稜線歩きが楽しめる山を20座紹介しました。

夏と冬では同じ稜線でも全然違う世界になりますが、それもまた山の面白さ。夏の難易度が低くても、冬になると途端にハードになる山もあり、同じ山でも初級者から上級者まで幅広く楽しめますよ。

紹介した山の稜線を参考に、是非山登りの醍醐味を味わってください!

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