長年使い続けている登山靴ほど愛着が湧き、できるだけ長く使い続けたいと思うものですよね。でも、岩場など険しい山道を歩けば歩くほど丈夫なソールも擦り減り、様々な所にほころびが出てきてしまうもの。「新品を購入することもできるけど、ソールを交換すればまだまだ使えるのでは・・・」そう思ったことはありませんか?
10年以上履き続けた登山靴でもソール交換はできるのか?
実は編集部Yも同じことを思っている一人。大学時代から12年履き続けているオールレザーの登山靴は、最新の靴と違い、重くてゴツいけれど、履くほどに足になじみ、靴擦れを全く起こさないお気に入りの靴です。旧IBS石井スポーツのオリジナルでもあるマッテンベルの「guide」という名前で、クラシカルな見た目が気に入っています。
北海道の雪山から日本アルプスの大縦走まで、年に数回行うハードな登山で苦楽を共にしてきた相棒のようなもので、できるならばこの先も使っていきたい・・・そんな思いからソールの貼り替えを依頼してみました。
登山靴を知り尽くしたエキスパートに修理を依頼
今回、ソールの貼り換えをお願いしたのは登山靴の修理全般を店舗で受け付けている石井スポーツ。
石井スポーツというと登山道具全般を取り扱う小売店のイメージですが、実は戦後すぐに登山靴、スキー靴の製造販売をするところから始まっており、今も市ヶ谷にある本社一階は「登山靴技術研究所」として登山靴全般の修理を行う工場になっています。石井スポーツの原点は「登山靴」から始まっているんですね。
工場内は様々なサイズのソールや革、靴型などが所狭しと並ぶ空間。年季の入ったミシンや、今はもうない町工場の機械まで現役で動いています。
靴の修理を担当していただいたのは登山靴を知り尽くしたこの道40年以上の大ベテラン、工場長の中 真人さん(当時)。
編集部Y:結構ボロボロなんですが・・・大丈夫でしょうか?
中さん:大丈夫だよ!せっかくだから修理してるところ見ていく?
気さくな中さんの言葉に甘えて、ソール貼り替え工程を見せていただきました。
1日3~6足まで!すべて手作業の職人技
今回はソールの貼り替えなので、まずは古いソールをはがすところから。登山靴を機械にセットして、ソールの接着剤をはがすために熱を加えます。