映画『星の旅人たち』
『星の旅人たち』は、2010年にアメリカ=スペインで合作された映画。監督はアメリカの俳優エミリオ・エステベス。彼が実の父マーティン・シーンを主演に起用したロードムービーです。
アメリカの作家、ジャック・ヒットの書籍がヒントに
ストーリーは、監督であるエミリオ・エステベスのオリジナルストーリーと、アメリカの作家ジャック・ヒットの書籍「Off the Road: A Modern-Day Walk Down the Pilgrim’s Route into Spain」のストーリーがヒントとなっています。この原作は翻訳版が出ておらず洋書でしか読むことができませんが、書籍と映画を合わせて楽しむと、より深い世界観を味わうことができますよ。
Off the Road: A Modern-Day Walk Down the Pilgrim’s Route into Spain
サンティアゴ巡礼の旅とは?
映画の大きなキーワード、そして舞台ともなっているサンティアゴ巡礼路とは、正式には「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」と呼ばれています。ローマ、エルサレムと並ぶキリスト教の三大巡礼地です。サンティアゴ・デ・コンポステーラという州都には聖ヤコブの遺骸が眠っており、フランスの各地からピレネー山脈を通りスペイン北部へ向かう道のことで、毎日世界中から巡礼者が訪れています。
映画『星の旅人たち』のあらすじと感想
マーティン・シーン扮するカリフォルニアの眼科医トム・エイヴリーが受けた、突然の息子の訃報。放浪の旅に出ていた息子ダニエルが、聖地サンティアゴへ巡礼の旅へ出かけた際ピレネー山脈で嵐に巻き込まれて亡くなったとの知らせを受けます。遺体を引き取りにフランスまでやってきたトムは、そのままダニエルのバックパックを背負い、息子が成し遂げられなかった巡礼の旅に出ることを決意します。彼が何を思い、何のために旅をしていたのかを知るために―――。
なんとその旅路はフランスから800km!ダニエルの遺灰を撒きながら、行く先々で性別も年齢も生い立ちもバラバラな旅人たちに出会います。皆それぞれ、ダイエット、禁煙、ネタ探しなど巡礼をする理由も様々。彼らとのふれあいを通じて、最初はあまり馴染めなかったトムも、次第に息子を失った喪失感を癒していきます。
スペインの美しい風景も必見のこの映画。果たして、トムの旅路の行方は――?
映画『星の旅人たち』の感想評価は?
キリスト教徒ではありませんが、ロングトレイルとして歩きたい道。
劇中でもあるように、ダイエット、禁煙、ネタ探しなど歩く動機は人それぞれ。
自転車を使う人に出会ったり、盗難に遭ったり、ありそうなシチュエーションや、すぐに英語で話す事ができる言葉の壁の低さなんかも羨ましく思いながら観ました。
ストーリーは王道です。
仲良くなって、喧嘩して、お互い気にはなってるけど最後は…。
コメディタッチな部分もあり、最後まで楽しめる映画だと思います。
結果的に主人公を後押ししてくれた形になった冒頭に出てくる警察官がカッコいいです。出典:Amazon
(中略)映像としての魅力も素晴らしいです。旅番組とは全く違う空気感とさりげないショットが実にいいです。旅人、特にマーチン・シーンの早歩きが発する「言葉」、いたわりの仕草…映像が語ってくれる旅です。そこに流れる環境音、音楽が静かに心に沁みこみます。サンチアゴについた後に訪れる場所の音が最高に美しいです。この音を直に聞きたくなります。
明日から友人夫婦がこの巡礼旅に出ます。今回で三回目。少しづつ進めて行くようです。あと二回かな?と笑っていました。わたくしはそういう分割でさえ行けない状況ですが、この作品を鑑賞し、「世界街」を見て計画をしてその日を夢見ます。
BDを出してほしい作品です。出典:Amazon
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合言葉は「ブエン・カミーノ!」
「ブエン・カミーノ」とは、「良い巡礼を!」という意味です。巡礼者たちは旅の道中、挨拶がわりにこの言葉を口にします。偏屈な部分のあったトムと、幾人もの旅人との人生が交差することでこの巡礼路は新しい自分と出会う旅になります。出会いと別れ、旅と人生はいつの時代もテーマとして挙げられていますよね。決して派手な映画ではありませんが、牧歌的な美しい風景と音楽が心を温めてくれるそんな作品です!